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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
48/521

ニャ~・・・48

「おじさん、ダメですか?」


「ああ・・・・・・俺のとこもお祭りでお菓子を売るんだよ。儲け時だ、貸してくれる人がいるとは思えないな」


「・・・・・・そうですか、お祭りの時も買いに来ますね」


「悪いな、甘くて美味しいのを作るよ、待ってるよ」


「おじさん、またね」


サキさんとミヤちゃん達は、お祭りの露店を貸してくれる人を探している。何人目か分からないけど、ミヤちゃん達がお菓子を日々買っている露店の店主さんに聞き回っている。


「最初に気が付かなければ、いけなかったのよね」


お菓子作りに一生懸命になっていた。それは美味しいお菓子が作りたい、食べたいからだ。でも、販売する為の露店が必要な事を思い付かなかった。


「お母さん、うちのお店はダメなの?」


「うちのお店だと、お客さんを沢山いれる事が出来ないし、お客さんは広場の方にしか集まらないのよね。それと、うちのお店は坂の上の方だから、ほとんど来てくれないと思うわ」


坂の上でも普段なら来てくれる常連さん達も、お祭りでは東の広場と西の広場で、お祭りを楽しむだろう。


元々、立地のいい場所じゃないんだよね、我が家とアカリちゃんの家は。


「ダメか」


「西側の広場はどうかな?」


「そうね、探しに行きましょう」


「ニャ~≪大変だな≫」


ミヤちゃんの提案で西側の広場と市場に行く事になった。


ハリーさんが、お祭りをしたいと言った時に何をしようかと考えたけど、まとめ役のリーダーがいれば、売る物、売る場所、売る人達、作る人達、どの位の量を作るか、どの位売れそうか、色々と決めたんだろうな。販売する場所だけでも確保できていれば、後は行き当たりばったりでも何とかなったんだな。


「レイ、遅い。みんな先に行ったわよ」


考え事をしていた僕は遅れていたようだ、ミヤちゃんは僕に注意すると抱き上げて走り出した。西側に貸してくれる人がいると良いな。






「やっぱり駄目だったね」


「そうね、広くないけどうちのお店しかなさそうね」


「レイが教えてくれたのに」


「今日の分がまだ、食べてない」


「ニャ~≪お祭りの準備なのかな、広場と市場の人達は忙しそうだ≫」


露店の台を綺麗にしたり、地面の掃除をしている人達が沢山いる。広場と広場からの道は大掃除をしている様だ。


「3日後のお祭りの為に掃除しているんだね」


「何か食べる、少し休もうか?」


「お菓子を食べたい」


「お菓子だよね」


「串焼きニャン」


「えっと、お菓子かな」


「先ずは、お菓子ね。レイちゃんの串焼きは後、行くわよ」


「「「は~い」」」


「ニャ~≪は~い、串焼き≫」






「美味しい」


「甘~い」


「直ぐに焼けるよ」


「サキさん、ありがとう」


「ありがとう」


「どういたしまして。ミヤちゃん達のお勧めのお菓子は美味しいわね」


僕の串焼きを焼いている屋台の近くで、先に買ったお菓子を皆は食べている。


僕以外の皆は、甘いお菓子だ。串焼きは焼けている時もあるけど、今のように待つ事の方が多い。


「焼けたよ、毎度」


「レイ、串から外したわよ」


「ニャ~≪ありがとう≫」


おじさんから受け取ったお皿の串焼きを串から外して僕の前にミヤちゃんが置いてくれた。串焼きだ。冷めるのを待って美味しい肉を食べる、幸せだ。ここの串焼きは東側より美味しいけど何が違うのかな、参考までに教えてほしいけど、聞けないのが残念だ。


「おじさん、お皿ありがとう」


「ああ、そこに置いといてくれ・・・・・・そうか、お嬢ちゃん達だ」


「ん?」


お嬢ちゃん達?


「いつの事か忘れたけど、前にも来てくれただろ、その時に男の子に俺の串焼きをあげたのを覚えていないか?」


「うん、男の子にあげた、それがどうしたの?」


「探していたんだよ、その子のお母さんが、串焼きのお礼が言いたいと。来たら伝えてくれと頼まれていたんだ」


「そうなんだ」


「お姉ちゃん、また、食べ物あげたんだ」


そうだ、僕の串焼きは度々、お腹を空かした子にミヤちゃんがあげる、無条件で。何も聞かないで僕の串焼きが減ってしまうのだ。優しいミヤちゃんは、僕の串焼きをあげる。今日は食べ終わったから、もうあげれない。


「ニャ~≪食べ終わって良かった≫」


「ミヤは優しいよね」


「串焼きお待たせ・・・お釣りです。悪い・・・・・・そうだ、それで、あそこの通りを少し入った所に野菜を売っている露店があって、そこで男の子のお母さんは働いているそうだ、行ってみてくれないか」


「はい、行ってみます。おじさん、ありがとう」


「おう、お祭り楽しめよ」


「おじさん、また来ます」


おじさんに教えられたのは、野菜ばかりを販売している露店の連なる道路だ。


両脇に露店、その道路の殆どが野菜を販売している、野菜の商店街だ。


「ミヤちゃんは優しいのね。うちのアカリも見習ってほしいわね」


「アカリも優しいよ、ただ、お腹を空かした子に遭遇しないだけだよ」


「そうだね、お姉ちゃんの前にはお腹を空かした子が何故か現れる、現れる・・・・・・どうしてか現れる」


現れる、そして串焼きが減る。ああ、串焼きを食べている時しか現れていないよ、狙われているんだな、串焼きが。


「ミヤちゃん、野菜売っている露店に、男の子がいるわよ」


「あの子だったかな」


サキさんの指した露店には、男の子と女性がいる。僕も覚えていない、串焼きをあの子にあげたのかな。






「ありがとうございました」


「いえ、お腹を空かしていると聞いてあげただけなので」


「仕事中で、食事が遅れる事があるんです、それでフラフラと何処かに行ってしまうんです。勿論、帰って来たら食事をあげてます」


「お姉ちゃん、ありがとう」


「美味しかった?」


「うん、美味しかった」


いい事をしたな、僕には無理だな、串焼きをあげるのは。お菓子なら全部あげてもいい・・・・・・メグちゃんに怒られるか。


「いいお嬢さんですね」


「ああ、友達の娘さんです、私の娘はこの子です」


金髪のお母さん、金髪の男の子。髪の毛の色は金髪が多いんだな。


「みなさんは西側に住んで居るんですか?」


「東側です。私の家はパン屋さんで、お子さんに串焼きをあげた子達は洋服屋さんです。奥さんの所は野菜を販売しているんですね、野菜の種類が沢山ありますね」


「ええ、野菜の販売をしていますが、沢山あるように見えて、だいぶ減ってしまっているんです。お祭りがあるので丁度いいのですけど、主人が隣街まで仕入れに行っているんですけど、収穫のお手伝いもするので、お祭りまでに完売してしまうと思います」


「それは大変ですね、いつお戻りになるんですか?」


「そうですね、収穫のお手伝いに数日掛かるから・・・・・・後10日位は掛かるかもしれませんね」


この沢山ある野菜が全部無くなるのか、ミヤちゃん達はここにある野菜には興味ないんだろうな。甘いトマトが有ればメグちゃんだけは興味を持つだろうけど。


「そろそろお祭りですね、楽しみですよね、では、失礼します」


「そうですね、二人で美味しい物でも食べて回るつもりです。ありがとうございました。お気を付けて」


「はい、ありがとう、では」


「おばさん、もしかして、お祭りの時にはこのお店は使わないの?」


「ええ、野菜の販売はお祭りの時には売れないのよ、だから、ほとんどの人が、お店を休みにして、お祭りを楽しむか、のんびりとお祭りが終わるのを待つのよ」


「おお、お姉ちゃん、もしかして」


「そうよ、もしかしてよ」


「ああ~、私達は露店を探していたんだ」


「露店?」


「そうか、大人の私が気が付かないといけなかったのか、お話があります・・・・・」






「ニャンニャンニャン、はいニャン、ニャンニャンニャン」


「レイちゃん、ありがとう~」


「お・・・と・・・う・・・さ・・・ん、頑張って」


「た・・・い・・・へ・・・ん・・・だけど、混ぜるだけだからね」


「そ・・う・・だ・・ね・技術は、無くても出来ます、頑張って下さい」


「ドンドン混ぜるぞ」


「僕には応援が無いの?」


「ランン、ガンバ、ニャンニャンニャン」


明日はお祭りだ。ランディさんをお手本にハリーさん兄弟が頑張って混ぜている、三人が上手く混ぜ終わった材料を型に流し込んむ工程は、サキさんとシンシアさんが担当している。焼く工程はランディさんだ。


調理台では、混ぜる工程が永遠と続いている。混ぜている三人の前で焼けたカステラをほお張って応援しているのがミヤちゃん達だ。台の真ん中で両手を上下に振って応援しているのが僕だ。


「沢山焼けたわね、明日が楽しみ」


「露店が借りられて良かった、一時はどうなるかと心配だったわぁ」


「ミヤちゃんのお陰ね」


「凄い偶然よね、いい事はするもんね」


「ニャ~≪ミヤちゃんはお菓子もあげてそうだな・・・・・・メグちゃんは、お菓子以外ならあげるかな≫」


「サキ、型に流してくれ」


「はい」


お店のパンを朝早くから起きて作っているのに、試食のカステラも沢山作っていたランディさんは混ぜるのが早い、ハリーさん達の2倍の早さだ。さすがプロだ。


時間を掛け過ぎるのも良くないので、ヘラの改良は凄く役に立つている。


「僕のも出来たよ。どうですか?」


「出来ているよ、シンシアさん、ハリーさんのを型に」


ハリーさんの混ぜた材料の出来具合が良かったようで、シンシアさんに指示が出た。


「はい」


「僕のも出来てますか?」


「どれ、いい感じだ。サキ、型」


「は~い」


ハリーさんとランドンさんは張り合っているようなので、そのお陰で文句も少なく、作業が進んでいるようだ。


「ニャンニャンニャン、ニャンニャンニャン」


応援している僕は、ジャンがどうしているのか気になった、おじいちゃん達と棒倒しをしているのかな。





「向こうは、凄い人出ね」


「はい、普段も広場の方は大勢のお客さんが、出来ている料理をその場で食べたり、お持ち帰りしているようです。この辺は野菜を売っているお店ばかりなので、人通りが少ないんですよ。今日は、お祭りなので、いつもより人通りはあるようです」


「ありがとうざいます」


初日のお昼頃、広場の方で音楽が演奏されている。


野菜の露店の台には沢山のカステラが置かれている、台の下にも木箱に詰められたカステラが置かれている。ランディさん達が頑張って作ったカステラは『よし、運ぶぞ』の一言で露店まで運ばれた。


そう、露店まで運ぶ事を考えてくれていたのはランディさんだけ、ハリーさんは『あ、そうか』と今更、気が付いた。僕も気が付いていなかったけど、言い出したハリーさんがもっと、しっかりしないといけない筈だ。


「すいません、1個貰えますか?」


「はい、バッグに入れますね」


買ってくれるお客さんは、お祭りなのにバッグを持ち歩いている。便利な機械の無いこの世界には、袋もビニール袋もない。何でもあった元の世界は、便利すぎるような気がしてきた。


でも、ビニールの袋は有ったらバッグを持たないで買い物に行けるにね、袋があれば便利だろうな。


「このお菓子下さい」


「初めて見る、私も買います」


人通りがまばらで、販売するのには丁度いいようだ、忙しすぎず、暇すぎない。


「レイ、ただいま。一緒に行こう」


「ニャ~≪そうだね、お祭りを楽しまないと≫」


「ミヤちゃん、マルコをお願いね」


「はい、メグ達とお菓子を食べてます」


クロエさんの息子さんはマルコ、お祭りの間はミヤアちゃん達が面倒を見る事になっている。クロエさんは『お手伝いさせて下さい』と申し出てくれた。


お祭りで露店を出すのが初めてのサキさんは喜んでお願いした。それにクロエさんもお祭りで露店で販売をするのが初めてなので『お客さん、一杯来るのかしら?』と言っていた。


この通りは野菜の露店ばかりなので、閉まっているお店ばかりだ。お祭りの期間も販売しているのは野菜が傷んで売れないのが困るから、お祭りが終わるまで待てないからだな。


売りつくしたくて、いつもよりも野菜はどうですかと声か掛ける声が大きいかも。


「レイちゃん、潰されないようにするのよ」


「そうね、ミヤ、レイちゃんを守るのよ」


「は~い、頑張ってね」


「ニャ~≪ここなら、安全です≫」

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