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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
46/521

ニャ~・・・46

「ハリー、このお金はどうしたんだ?」


「洋服が売れたお金と・・・・・・まあ、利益が出ているんだよ」


「頑張っているのね」


「兄さんが、お金を返せるとは思わなかったよ」


「俺だって頑張っているんだよ、三人の子供にシンシアと、従業員も二人いるからね」


「はい、お茶です」


ハリーさんはお金を借りていたのか、暖炉の前の布団で寝ていたら借金返済の話が聞こえてきた。


「シンシアさんは、頑張ったのね。大変だったでしょう」


「えっと、何の話なんですか?」


「ハリーに貸していたお金よ、返済してくれたのよ」


「ああ、結婚の後にお借りしたお金の事ですね。ありがとうございました」


「シンシアさんが借りたわけじゃないでしょう、二人で頑張ったかもしれないけどハリーの我がままだったんだから」


「街を移りたくないといった時にはビックリしたな、兄さんは付いてくると思っていたよ」


「そうだな、まさか結婚したい人がいる、この家とお金を貸してくれと言われるとは思わなかった」


「そうね、でも、この家に遊びに来れるから結果的に良かったのよ、それに可愛い孫も大きくなったし、ジャンも生まれて益々楽しみよ」


「ありがとうございます、その、お金が必要になって・・・・・・こちらに?」


「いや、お店は順調だよ、王都に近くてよく人が訪れてくれる、移り住んで良かったと思っている。お祭も楽しみだが、シンシアさん達が苦労していないか心配だったんだ、まあ、母さんが言い出した事だが、ハリーは人が良いが、商売は心配でね」


「俺は頑張っています、仕入れも直ぐに行くし、販売するための工夫もしてます」


「兄さんが工夫、信じられないな」


「何だ、商売は大変なんだぞ」


「そんなの俺も分かっているよ、父さん達の手伝いをしているんだから」


「二人とも、やめてくれ、どうして昔からそうなんだ」


兄弟にも色々だな、ミヤちゃん達なんか姉妹で大親友みたいな関係だ、男同士は見栄があるからいがみ合いが多いのかな。男と女の兄弟だとどうなるんだ、恋人のような仲の良い兄妹か、それとも汚い物扱いかな。


僕と弥生はどうだったかな。


優秀で甘いお菓子が好きで、母さんと自作の様なお菓子作りを一緒にしている・・・・・・・僕をこき使う一家だった様な気がしてきたな、うん、こき使われていたんだろう。


「「こいつが悪いから」」


「・・・・・・そうだ、リードの所でも行ってくるか、久しぶりだな」


そうか、だから年上のリードさんと知り合いなのか、ハリーさんの相棒が、今ではハリーさんの相棒なんだな。


「それなら、私はセシルの所に行って来ます」


「俺も友達に会って来る、元気にしているかな」


ハリーさんの家族は昔の知り合いに会いに行った、こんな日々が祭りまで続くんだな。


「レイ、ゴロゴロ」


「ジャン、ゴロゴロ」


棒倒しの時間のようだ、転がして倒すのがお気に入りだな。頑張って棒を立てよう、そのうちに立場が逆転して僕が転がす日々が来るだろう。





「何だこの動物は」


「ニャ~≪どうも、毎日家にはいたけど、挨拶がまだだったね、レイです、おやすみ≫」


「兄さん、暖炉の前に変な動物が・・・・・・・凄く小さくて、寝た?」


ハリーさんの家族が来てから、7日位は経ったかな、僕はハリーさん家族に挨拶? 対面? をしていない。暖炉の前の僕は布団で寝ていて、皆の会話が聞こえてきたりしても、テーブルの方に行かないし、僕の寝ている布団に近いソファーを使っていても僕に気が付かなかった。


自分から挨拶に行くのが普通の猫だろうけど、面倒だし、その辺の行動をどうすればいいのかが分からない。


もし、防犯カメラやペットカメラが有れば、僕が隠れる行動をしていないで、僕に気が付かないハリーさんの家族が映っていただろ。僕は布団に挟まれていたけど、頭は見える筈だし、ソファーの近くを何回も歩いていたんだから、目に付く筈だ。


「レイちゃんの事か、何で今まで気が付かなかったんだ」


「こんなに小さくて、隠れるようにしていれば気が付かないだろ」


ソファーと暖炉の間にある布団に歩いて行って、布団の中に入る。猫が挟まれるんが好きなのは何でか分からないけど、柔らかい布団で寝るのは好きだ。


「ハリー、動物を飼っているなら教えてくれないと駄目よ、気を付けたりしないといけないでしょう」


「この通り、レイちゃんは何もしませんよ、むしろ助かっているくらいですから」


「この小さいのに何が出来るんだよ、それに何の動物なんだ」


「しかし、見た事のない動物の赤ちゃんだな」


ハリーさんの家族がいるとうるさいな、特に弟のランドンさんだ。僕ののんびりライフが邪魔されている、ならば部屋に行こう、ここではもう寝れないだろう。


「兄さん、どんな動物・・・・・・・」





「ニャ~≪のんびりライフだ≫」


マッサージをして帰って来た僕は、夕食を直ぐに済ませて布団に潜り込んだ。マッサージのお客さんは、多い時で1日5人だ。今日は3人だったのであまり疲れていない。


この頃は、ミヤちゃん達と寝ていない。ハリーさんのお父さんはダグラスさん、お母さんはエレナさん。ミヤちゃん達は二人と色々な話をしているようで、夕食後はリビングで会話を楽しんでいる様だ。


「ニャ~≪お祭りまで、あと何日かな≫」


僕の今の楽しみは、好きなマッサージをして、美味しい串焼きを食べる事だ。待ち遠しいお祭りまで何日あるのか分からない。前にも思ったけどカレンダーが有れば、皆の会話から今は何日か分かるのに、ここの人達はどうやって分かっているのかな。


「レイちゃん、もう寝てる」


「この子猫ちゃんがレイちゃん、可愛い顔をしているのね」


目を開けるとメグちゃんとエレナさんが僕に視線を向けていた、声から二人だと分かっていたけど、寝たままを続けた方がいいのか迷っていた。


「レイちゃん、エレナお婆ちゃんだよ」


「ニャ~≪挨拶が遅れました、レイです。寝たままで失礼します≫」


「エレナよ、レイちゃんがお店の影の貢献者と聞いたわよ、ありがとう」


「色々してくれるんだよ」


「ニャ~≪お世話になっているので、少しでも沢山ある在庫を減らせないかと≫」


「本当に会話をしているようだわ」


会話のキャチボールは出来ないけど、ミヤちゃん達とは言い合っている。


「レイちゃん、私の名前は?」


「メグ」


「お姉ちゃんの名前は?」


「ミヤ」


「まあ、驚きだわ、名前を呼べるの・・・・・・私達の話している事を理解しているのね、そうでなかったら、名前を呼べないわ、どうして人間の言葉が分かるのかしら? 不思議」


「レイちゃんは、一緒に勉強したんだよ。間違えたところはレイちゃんが教えてくれたの」


「まあ、凄い利口なのね」


驚いたように話していないけど、驚いているんだ。寝ている僕を持ち上げて目の前で観察しているな、普通の猫なんだよな。


「レイちゃん、おばあちゃんの名前の言えるところだけ言ってみて」


名前はエレナだから、『エ』は発音できない。


「言えるところだけ?」


「レナ、ニャ~≪これでいいかな≫」


エレナさんはさらに驚いたようだ、僕を見ている目が大きく広がった。


「凄いわね、1回で理解して、話すのね」


「レイちゃんは文字も分かるんだよ」


嬉しそうな笑顔のメグちゃんは、机に向かって行った。文字の書いてある板を取ってくるつもりだ。


「ニャ~≪のんびりできる時間が終わった≫」


「まあ、文字も」


「レイちゃん、おばあちゃんの名前を叩いて」


「ニャ~≪あそ~れ、トントントン≫」


短いけどリズムよく、これは大事。


「面白いわね、沢山質問していいかしら?」


「いいよ」


沢山か、それは長くなりそうだね。


メグちゃんとエレナさんは次から次えと質問してきた、僕もトントンが楽しくて答えていた。そこにミヤちゃんとダグラスさんも加わった。


楽しいのでリズムよく叩いた、何故か、エレナさんが歌を披露してそれに合わせてみんなでリズムを取って遊んだ。


色々な事が出来る僕にダグラスさんは『元は人間で悪い魔法使いに猫にされたのでは』と言った。僕を猫にしたのは良い? 神様だと思った。






「お菓子美味しいね」


「沢山食べれて嬉しい」


「幸せ」


「ふわふわよ」


「ニャ~≪幸せな寝言だな≫」


どれ、口をなでなで。


「美味しいな」


どれ、口をなでなで。


「甘い~」


「ニャ~≪お菓子を食べている、夢なんだな≫」


少し早いけど、朝ご飯を食べよう。






「レイ、ゴロゴロ」


「ジャン、ゴロゴロ」


朝食を食べた僕は布団で寝ていた。早く起きて来たジャンは食事が終わると棒倒しをする為に僕を起こした。


「レイちゃん、お願いね、朝食の準備するから」


「はいニャン」


朝食を済ませた僕達を抜いても五人分もあるので、用意が大変だ。普段食べない野菜炒め、野菜の多いスープ、パンとお肉はいつも通りだけど、食器の数が多いので普段よりもする事が多い。


「レイ、棒」


「はいニャン」


ジャンが石球を元の場所まで移動させる、僕は倒れた棒を立たせる。ジャンは沢山倒す面白さが分かったのか、先頭の棒に当てて倒す事を考えられるようになったようだ。


「ジャン、ゴロゴロ」


「レイ、ゴロゴロ」


「ジャン、おはよう。レイちゃんだよね、おはよう」


おお、名前を呼んだ、それに朝の挨拶をされた。なら、僕も挨拶をしないと失礼だな。


「ランン、おは、≪ドの練習はしてないニャン≫」


「ランン、おは? 変な鳴き声だな」


「あら、ランドン早いのね、おはよう」


「おはよう。シンシアさん、レイちゃんが『ランン、おは』て、鳴いたんだけど、変わったなき鳴き声ですね」


ハリーさんがいないと、普通の人だ。


「・・・・・・それは、ランドン、おはようなのよ。レイちゃんは、言えない言葉を抜いて話したりするのよ」


「え・・・・・・話す、鳴き声じゃなくて、話す?」


この後の展開が分かる、でも、今は棒を並べないと。


ジャンは倒すのが上手くなったな、僕じゃ、5本の棒を上手く倒せないよ。


「そうよ、レイちゃんは話せる猫なのよ」


なんか、人に紹介する時の『彼は話せる奴なんだよ』みないに話したなシンシアさんは。


「もう一回、言ってもらえますか?」


「レイちゃんは話せる猫なのよ」


「レイ、ゴロゴロ」


「ジャン、ゴロゴロ」


「ああ~、他にも話している、不思議だ、とても不思議だ」


不思議かもしれないけど、シンシアさんは気にしてませんよ。


「ランドン、先に食べて、片せるから」


「ああ、すいません、直ぐに食べます」


驚いていたランドンさんだけど、シンシアさんに謝ると朝食を食べるのにテーブルに向かった。


「ジャン、ゴロゴロか、いい子だな」


「はい、パパ」


ジャンはハリーさんをパパと呼ぶようになった。ハリーさんも嬉しいだろう。


「ランドン、起きてたのか」


「起きてるよ、兄さんこそ遅いんじゃないのか」


「お前が早いだけだ」


「もう、朝からやめてよ、ジャンにも影響するでしょう」


「すいません」


「ごめんなさい」


聞いていて良く分かるが、じゃれているだけ、他の人の話はよく聞く、似た者同士だ。


「レイ、ゴロゴロ」


「ジャン、ゴロゴロ」


「兄さん、レイちゃんは、棒が立てられるのか?」


「まあな、レイちゃんに出来ない事はない」


「レイ、取って」


「はいニャン」


「レイちゃん、ミヤとメグを起こして来て。ジャン、ゴロゴロ」


「ママ、ゴロゴロ」


「はいニャン」


お菓子の夢を見ていたけど、起こしてもいいよね。夢の中でいくら食べても、お腹は一杯にならない。


まだ起きてないよな、お菓子が食べれるお祭りは、だいぶ先だ。


「これでいいのか、普通に猫と会話しているよ」


「レイちゃんは利口で話せて頼りになるんだよ、ランドンと違って・・・・・・」


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