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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
44/521

ニャ~・・・44

「昨日は皆の信頼関係を確認しました」


「うん、しました」


「レイにはよく考える様にと、1日あげました」


「考えてくれたかな」


「はいニャン」


昨日は寝るまでに、スキの文字を何回叩いたか全く分からない。叩きすぎて手が疲れた。


「昨日の反省を踏まえて、新たな取り組みをします、記録係メグ、進行私、回答者レイです」


「お姉ちゃん、私は何をするの?」


「記録よ、メグに渡した板にレイのアイデアを書くのよ。レイはアイデアをこの板で叩く、メグはレイの叩いた順に文字を書くの、繋げて読めば」


「レイちゃんと会話が出来るよ、いいアイデアだね」


「そうよ、昨日の夜に気が付いたのよ」


「どの辺で?」


「目が閉まる瞬間よ」


いつ気が付いたかは、まあいいよ。凄いアイデアだぞ、それなら洋服を頼む時に呪いの手紙を出さなくてもお願い出来るぞ。でも、呪いの手紙の方が、お願いを聞いてくれそうな気がする。やっぱり、呪いの手紙の方がいいな。


「ニャ~≪僕も何をしたらいいのか考えたよ、二人が喜びそうな事だよ≫」


「レイがいい事を思い付いたようね、顔がニヤけているよ」


「そうなの」


猫にそんな顔が出来るのかな、自分の顔を見たのは1回だけで、そんな表情を作れる顔には見えなかったけどな。


「メグは、ちゃんと記録を取るのよ、凄い事が起きるから」


「は~い」






「いい事を思い付いたんだな」


「二人とも凄いじゃない」


一夜明けた朝食の時にミヤちゃんからハリーさんにお祭りの時にしたい事があると話した。


「アカリちゃん達の協力が必要なの」


「違うわ、アカリ達がいないと駄目なのよ、私達はおまけなのよ」


「サキさん達と一緒なのか、シンシア、どうする?」


「先ずは、何をするか聞きましょうよ、その後にどうしたらいいか考えましょう」


「そうだな、よし、何をするのか教えてくれ」


「それはね・・・・・・・」






「ジャン、誕生日おめでとう」


「はい、ママ」


「ジャン、誕生日おめでとう」


「はい、パパ」


「ジャン、誕生日おめでとう」


「はい、ミヤ」


「ジャン、誕生日おめでとう」


「はい、メグ」


「ジャン、おめ」


「はい、レイ」


サキさん達と一緒にお祭りをする事になった。今のところ予定みたいな感じだけど、シンシアさんがサキさんに頼んでくれた。


ミヤちゃん達の会議から数日たった夜、ジャンの誕生日会をする事になった。テーブルには少し豪華な、肉の量が多い料理が並んでいる。勿論、野菜の存在は無しだ。


それぞれが、お祝いの言葉とプレゼントを渡した。


「二人は沢山の丸めた布なのね、持ったり、落としたり、投げたり出来るのね」


「そうだよ、安全に遊べるよ」


「沢山あるから、凄く楽しいんだよ」


既に二人はそれで遊んだ、直ぐに飽きたけど、ジャンになら丁度いい遊び道具だ。


「それで、ハリーは何を選んだの?」


「僕は馬の置物だ、凄いぞ、小さいけど本物に見えるんだ」


ジャンの前に置かれた置物の馬は、僕と同じ位の大きさだ、確かに本物の馬に見える見事な置物だ、ただ、4本の足に長方形の板が付いているので、少し残念だ。安定させるのにはいいけど、板が無い方がいいと僕は思う。


「本物に見える」


「この板は?」


「倒れないようにする為だって」


板がな無ければ、馬が立つように置いたり、倒したりして遊べるのにな。


「パパ、ハリー、これ」


「馬だよ、今度は本物を見せてあげるよ」


「はい」


「お母さんは何をあげるの」


ミヤちゃんがシンシアさんにプレゼントは何か聞いた。メグちゃんも気になるようでジャンの前に置かれた小さい木箱二つに視線が釘づけだ。


「木箱には何が入っているの」


「これはね、叩くのよ、ジャン、これを持ってね」


「はい、ママ」


「こうするのよ、ジャン」


シンシアさんは木箱を叩いた、太鼓のように・・・・・・木箱の太鼓か、そんなのが有るんだ。


「ポコポコポコ」


「ポコポコポコ」


「ポコポコポコ、ポコポコポコ」


シンシアさんの持っていた棒が渡されると、ジャンは両手の棒で木箱を叩いた。自分が叩くと音がなるので凄く嬉しいようだ。


「ママ、おもい」


「そう、面白いわよね」


ジャンがポコポコと音を出して喜んでいる対面に座る二人の顔は残念そうだ、木箱に何か入っていると思っていたんだろう、お菓子だと思っていたのかな。


「贈り物はこれで終わりだな・・・・・・レイちゃん、あるのか、それでどこに?」


「はいニャン」


僕のプレゼントは、物ではない。


テーブルから急いで暖炉の横に移動する、そこには、使われていない薪が3本転がっている。


暖炉の横からゴロゴロと転がして暖炉の前の空スペースに運ぶ、移動させた3本をその場で立たせないといけないのだけど、僕より長いので少し大変だ。


「薪を立たせているけど、あれが贈り物なのか」


「そうね、何がしたいのから」


「レイ、手伝おうか?」


「はいニャン」


自分で立たせたいけど、待たせたら悪い。ミヤちゃんに立たせて貰おう。


1本目を立たせ終わった僕は、立てて欲しい場所を叩いてミヤちゃんにお願いする。


「ここと、ここでいいのよね」


「はいニャン」


「レイちゃんは何をするのかな」


ミヤちゃんの協力で薪を並べる事が出来た、暖炉を挟んだ薪の反対側の石球を転がして、立った薪から離れた場所に転がして、準備が終わった。


「レイちゃんに頼まれて運んだ、幸せの石だね」


1階の倉庫に置いてある幸運の石をメグちゃんに頼んで暖炉の横に運んで貰った。


「ゴロゴロ」


ジャンは、遊びなれている石球がゴロゴロと転がされてきて反応している。


「ジャン、ゴロゴロ」


シンシアさんに抱かれていたジャンは僕の所に来て、石球を押し出した。まあ、方向が全然違うけどね。


「レイちゃん、分かったわ、手伝うわね」


意図が分かったようで、シンシアさんが転がった石球を拾って来てくれた。


「ニャ~≪後はお願いします≫」


「ジャン、あの棒に当てるのよ、さあ、押し出してみて」


「ゴロゴロ」


ジャンが押し出した石球は薪の方に向かう、シンシアさんが上手くジャンの向きを変えてくれたお陰だ。


「ゴ~ン、ボトン」


3本の薪全てを倒す事は出来なかったけど、見事に1本を倒す事が出来た。


「ああ~、面白い」


「私もする」


薪に当たって倒れるのを見た、ミヤちゃん達は喜んで石球を拾って、倒れた薪を立たせる。


「ゴロゴロ、ボン」


ジャンも楽しかったのだろう、音だけで今起きた事を表現した。


「二人とも先ずはジャンが飽きるまで遊んでからよ」


「凄いな、こんな遊び方があるのか」


「ええ、いつ飽きるのよ」


「そうだよ、飽きないよ」


「そうね、先にご飯にしましょう、その後でみんなで遊びましょう」


「僕もするよ、ゴロゴロ」


「「は~い」」


良かった、喜んでもらえたようだ。


「レイちゃん、ありがとうね。ジャン、マンマを食べてから遊びましょうね」


「マンマ」






「レイ、明日はアカリの家で試作品作りだけど、本当に美味しいよね」


「はいニャン」


「本当に甘くて美味しいんだよね」


「はいニャン」


「楽しみだね、レイちゃんは偉い、尊敬するよ」


「メグ、この会議はこれからの私達の幸せに関係があるのよ、ちゃんと聞いてね」


「幸せに関係あるのか、お姉ちゃんは何を考えているの?」


「メグ、お祭には沢山のお菓子が販売される、ここまでは分かるわよね」


「うん、4年に1度のお祭だから、沢山の露店がお菓子を販売するんだよね」


四年に一度しかお祭りがないのか・・・・・・オリンピックのようだぞ。


何か競っているのか、お祭りなら毎年行われるのが普通なのにね。


「そう、でもね、沢山あるお菓子から食べたいお菓子を選ぶのは大変よね」


「うん大変、どれにしようか迷うよ」


「ニャ~≪僕は串焼きが食べたいな≫」


「レイ、今は黙っていて、それに串焼きの話じゃないのよ、よだれを拭きなさい、ベッドが汚れる」


「ニャ~≪すいません≫」


うつ伏せに寝ていた僕は手で拭いて舐める、もう立派な猫になったな。


「話がそれたけど、メグ、迷う前にお菓子を買うお金がない、そこで、お菓子代を稼ぐためにいつもの作戦をしようと思うの、どうかな」


「あ、お金がないとお菓子が買えないのか、気が付かなかったよ。やろういつもの作戦」


お金がないと買えない事に気が付いたメグちゃんの手が、ピタリと止まった。撫でるの終わりだな。


「ニャ~≪マッサージだね≫」


「メグは看板を私は常連さんに予約中なのを知らせるわ」


「分かった、看板が終わったら手伝うよ」


いつもの作戦か、お祭りの軍資金の為に頑張るか、串焼きが食べれるかも。


「さあ、忙しくなるわね」







「うお~」


「とりゃ~」


「えい~」


「ニャンニャンニャン」


久しぶりに会ったランディさんは『レイちゃん、もっと遊びに来てくれよ、モフモフしたいんだ』と言っていた。食べ物のお店で生き物は駄目だと言っていたらしいけど、同一人物の行動には思えない。


ソフトクリームの様な状態になるように割った卵をボールで混ぜる、この世界には泡だて器がないので、根性で頑張って貰っている。


「凄いわね、三人とも頑張って」


「僕はしなくていいのか、交代しようか、アカリちゃん」


「おじさんは見ていて下さい」


「お父さんは静かに」


ランディさんとミヤちゃん、それにアカリちゃんが頑張ってかき混ぜている。ハンドミキサー、泡だて器が無いのでヘラでかき混ぜている。


これは大変な事をお願いしているようだ。


「どうなればいいんだ」


「レイ、いつまでやるのよ」


「レイちゃん、まだなの」


上から覗き込んでいる僕は、状態が良くなったら『はいニャン』と合図を出す事になっている。温めらて混ぜた卵はいい感じになって来た、時折すくい上げて見せてくれるのはランディさんだ。パン作りのプロは、ミヤちゃんの説明で大まかな作業の流れと作り方が理解できている。


「どうだこれで?」


いい感じだ、ソフトクリームの硬い状態でドローン感が凄く出ている。


「はいニャン」


「おじさんのは出来たのか、頑張るぞ」


「あんなに硬くなるのか、まだ先だ」







「ここまでくると、俺に頼んだ意味が分かるな」


「そうね、焼けて出てくるのが楽しみ」


「何もお手伝い出来なかったけど、美味しいお菓子が出来そうね」


「最初に食べるのは私、レイちゃんに頼まれたんだから」


食いしん坊のメグちゃんから食べて貰わないと、うるさいかも知れないので、一番に食べて貰う事にした。


「どうだ、出してみるか?」


「レイは、串を刺して、焼けてるか確認をするようにと言っています」


「そうか、焼けていそうだ、出して串を刺すぞ」


僕が覚えている作り方の説明書きをミヤちゃんは進行に合わせて読んでいる。今の指摘も板に書いてある。


「お父さん、どうなの?」


「刺してみたけど何もついてこない」


「レイ、出来たよ、落とすんだよね」


「はいニャン」


ランディさんはパンの型を持ち上げて台の上に落とした。


「これをすると、縮まないのか、よく分からんな」


その辺は僕も分からない、落とさないと縮むと聞いた。


ドスンと音がした後は、逆さまにして出すだけ。


「いい匂いよ、美味しそう」


「出来たんだ」






「美味しい、美味しいよ」


「ふわふわで、美味しいわ」


「おい、何だこれ」


「ミヤ、美味しいよ」


「頑張ってよかった」


「ママ、美味しい」


どうやらみんな気にいってくれたようだ、僕の前にも小さく切られたカステラが置いてあるけど、僕は食べなくてもいいので、お皿をメグちゃんの前に押す。


「小さいけど、目の前にお菓子が来た」


ランディさんの作ったカステラは成功だ、完成度はランディさんに任せる。今日は材料の用意と最初からの手順が分かればいい、混ぜるのが大変なのがよく分かった。


「どれ、子供達のも食べてみるか」



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