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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
43/521

ニャ~・・・43

「シンシアさん、聞きました?」


「何をかしら」


「レイ、レイ、アブブー」


「ジャン、アブブー」


「昨日の火事ですよ」


「あら、火事があったの?」


「私、聞きました。サキさんのお店の近くです」


「そうです、去年、奥さんが亡くなったおじいさんの家が火事に」


「そうなの、気が付かなかったわ」


シンシアさんはお疲れなんだろう、お腹を空かしたジャンが夜中に起きたらね。


「どうして火事になったか分かったんです、煙突です、煙突の掃除を何年もしていなかったそうです」


「煙突の掃除?」


「シンシアさん、煙突の掃除をしてないんですか?」


「してないわ、しないと火事になる」


「絶対になるとは言えませんけど、家事の原因だと言われています。私の家は夏頃に煙突掃除をしました」


「私の家も毎年してます、冬の前にしました」


聞いた事があるアニメで、煙突掃除をしないと燃焼が悪くなって火事になる事も、後は、室内が煙くなるだったかな。


「ニャ~≪皆の為にも掃除をした方がいいね≫」


「レイちゃんが何か言っていますよ」


ジェシカさんに掃除をした方がいいと言っているのを聞かれたようだ、まあ、ニャ~にしか聞こえないだろうけど。


「レイちゃん、煙突の掃除をした方がいいのかな?」


「はいニャン」


した方がいいよ、おじいさんの所のように火事になったら困るからね。


「レイちゃんが言うなら直ぐに頼まないと、あら、誰に頼めばいいのかしら」


「それなら、知り合いがいます、お願いしてみますか?」


「ありがとう、直ぐにして欲しいと伝えてね」


「はい、では、行って来ます」


「ジェシカさん、行っちゃいましたね」


「いいのよ、安全の為にね」


「ニャ~≪ハリーさんが気を付けないといけないのに何処にいるんだ≫」


「レイ、ママ、マンマ」


「お腹すいたんでちゅね、2階に行きまちゅうね、ナタリー、お店をお願いね」


「はい、食べてくるんでちゅよ」


「バブー、ナタリー」


「呼びましたよ、私の事、やった」


ナタリーさんの喜んでいるのを見て微笑んだシンシアさんは、ジャンを連れてリビングに向かった。


僕も行こうか迷ったけど、お店にいる事にした。どうせ食べたら、ここに戻って来るんだから、寝て待っていよう。





ハリーさんが帰って来た。


「ハリー、早かったのね」


いつも思うんだけど、仕入れが早くすんだのか、予定よりも遅くなってしまったのか、何か基準になる様な目安はないのかな。


基準になるように考えたりしないから無理か、仕入れ行程の日記でも付ければいいんだろうけど、そんな習慣はないだろう。


売り上げの帳簿とかは書いているのかな、面倒でしないのか、この世界ではまだそんな習慣が起きていないのかだな。


「ああ、急いだんだよ、替え馬をしたんだ」


「替え馬?」


「疲れた馬はそのまま使えないだろ、休ませたり、速度を落としてのんびりと進んだりするんだよ。でも、替え馬をする事で早く目的地に着けるんだ、そのお陰で早く着いたんだよ」


替え馬か、そんな発想があるのか。


仲良くなっても替え馬したら、知り合った馬はもうそこに居ないだな。


何処かで誰かを乗せて、頑張って次の目的地に人を送り届けているんだな、偉いな馬は。


「ハリーさん、荷物を入れるの手伝って下さいよ」


「すまない、今行くよ」


「私も手伝わないと、ジャン、レイちゃんと遊んでいてね」


「レイー、遊ぶ」


「ジャン、ニャ~≪お帰り、頑張って≫」


「ジャンは話せるのか、凄いぞ」


お店のカウンター横のベビーベッドのジャンは立った状態で体を揺らして、バランスを取っている。つかまり立ちも出来るようになってきたので、歩くのは直ぐだ。


「レイちゃん、直ぐに展示替えなの?」


「はいニャン、ニャ~≪春になる前にハリーさんが帰って来て良かったよ≫」


「ほら、私の言った通りでしょう、レイちゃんは季節の前から展示を替えて欲しのよ」


「ジェシカさんの言う通りでしたね」


「女性陣はお店から入れてくれ、展示の分が運べたら、洋服を替える作業をしてくれ。僕達は家の方から倉庫に運ぶから」


「分かりました」


「は~い」


お店と倉庫を繋ぐ出入り口から顔を出して説明したハリーさんは直ぐにいなくなった。


その時に見えたのが冬物の在庫の山だ、ハリーさんが仕入れてくるのが遅く売る機会のなかった商品だ。


「ジャン、ニャ~≪僕よりも話せる事が多くなったね、僕も頑張るよ≫」


「レイ、なでなで」


「ニャ~≪ありがとう、なでなで≫」


ミヤちゃん達は日課とギルドに行っている、練習はいつも通りで、避ける練習をしているだろう。ギルドに行っているのは、面白い依頼があれば受けたいからだ。


今のところ受けたのが、マッサージをする猫、ブラックタイガーを釣る依頼の2個だけだ、次はどんな依頼を受けるのかな、楽しみだ。


「ジャン、お昼食べますか?」


「ママ、マンマ」


「レイちゃんは好きな時に食べてね」


「はいニャン」


二人は店から出て行った。もう直ぐ春だ・・・・・・ジャンは1歳になるのか、もう1年が経つんだな。


「ニャ~≪僕もお昼を食べよう。その後は港に行って体力作りだ≫」


気が向いたら発声練習もしよう。






奇跡的に早く帰って来たハリーさんは、冬の間はどこかにお出かけしていたけど、ジャンの誕生日の春には家に居る。あれ、ハリーさんの誕生日は、何もなかった。あんなに居なければプレゼントを用意する事も予定を組む事も出来ない。ハリーさんも忘れているからいいのか。


「皆、聞いてくれ、春祭りだ」


結論から話すハリーさんは、いつも通り説明をしない。


「もうそんな時期なのね」


「春の祭り?」


「春の祭りか、美味しいお菓子が食べれる」


「お姉ちゃん、お祭りはお菓子が食べれるの?」


「そうよ、市場にはお菓子の露店が並ぶのよ、野菜は無し、沢山並んでいるから迷うのよ」


この家の食卓には野菜が並ばない、野菜が家に有れば、僕が食べる事になる。


「メグも3歳の時に・・・・・・メグどうしたの?」


「やった~、行ってくるね」


「待ちなさい」


「行かないと無くなちゃうよ」


椅子から降りて階段の方に向かおうとしたメグちゃんの首元を後ろからつかんだシンシアさんは苦笑いをしている。暖炉の前の僕から見えたのは、逃げ出す子供を捕まえた母親だ。


「メグ、お祭りはもう少し先だよ、お父さんは、春に行われるお祭りの事を話しただけ、お祭りはもっと先なのよ」


「ええ、お姉ちゃんが嘘を言っているよ」


「メグ、ミヤは本当の事を言っているのよ、お父さんの説明が足りないのよ」


「そのだな、誤解を与えたようだ。お祭りは30日位先だ、それでうちも何か売りたいけど、洋服屋さんだから売る物が無い、そこで何か考えて欲しいと言いたかったんだ」


残念過ぎたのかトボトボと自分の席に歩いて行くメグちゃん、面白そうに笑っているシンシアさんとミヤちゃん、説明不足のハリーさんは困り顔、ジャンはご飯を食べるのに夢中だ。


「お祭りの前にジャンの誕生日よ、何かしましょうよ」


「そうか、ジャンの誕生日か」


忘れていたんだな、夏の洋服の仕入れには早いから、この街でプレゼントを用意しないといけないんだな、ハリーさんは大変だ。


そうか、僕もプレゼントをあげるのは大変なんだよな、アイデアなら沢山あるのに、作る事もアイデアを作ってもらう事も出来ない。簡単なおもちゃなら子供でも作れるけど、僕の小さい手は、トントンマッサージと体全体を使ったマッサージしかできない。何かしてあげたいな。


「みんな、考えてくれよ、思い付かないんだよ」


「レイ、作戦会議よ、ベッドに集合」


「作戦会議か、お菓子はあるのかな」


「はいニャン」


洋服屋さんがお祭りで売るもの・・・・・・浴衣。







「ニャ~≪どうだ、この回避力≫、ニャンパラリン、ニャンパラリン」


「やるなお主、どこでその避け方を覚えた」


「ふふふ、それはお前の剣を避けているうちにだ」


「何、そんなバカな、俺の攻撃がお主を強くしたか、当たらん」


「ニャンパラリン、ニャ~≪ふ、その遅い剣筋では、当たらんよ、この赤い洋服が見えないか、3倍速だぞ≫」


「レイ、たまには当たってよ」


「痛いニャン、痛いニャン」


「そうだよね、痛いよね」


作戦会議は開かれなかった、朝ご飯を食べた後だったので、夜ご飯の後に延期された。


「メグ、練習よ」


「は~い、痛くしないでよ」


「避ける練習よ」


「そうか、避ける練習ね」


離れて見ていたメグちゃんはスキップするようにミヤちゃんのと対峙して、木刀を構えた。


「とりゃ~」


「おう」


進化している二人は、相手の剣を剣で弾くか受ける練習をしている。どこで覚えて来たんだ。


「ニャ~≪僕は街の散歩に行ってくるよ≫」


二人の練習を見ていても、僕の役に立たない。それに意外と頑張るんだよね、のんびり屋の僕が長いと思うぐらいの時間を練習している。







「ジャン、ニャ~≪ゴロゴロ≫」


「レイ、バブー」


「ジャン、ニャ~≪ゴロゴロ≫」


「レイ、バブー」


「ジャン、ニャ~≪ゴロゴロ≫」


「レイ、バブー」


街の散歩を早く切り上げて帰って来た。


「ジャン、ゴロゴロよ」


「ニャ~≪ゴロゴロ≫」


「レイ、ゴロゴロ」


もうゴロゴロが言えるのか、もしかして、ジャンと遊ぶのに僕が話せないとダメなんのかな、そうだな、もう少し話せるように頑張ろう、のんびりとしていたいけど、僕が遊んでもらうようになっちゃうよ。


「ハリーの買った、この石が役に立ったわね。小さいからそんなに危なくないわね」


「シンシアさん、お客さんが多いです」


「ごめんなさい、今行くわ、レイちゃん、気を付けて遊ぶのよ」


猫の僕に気を付けて遊ぶのよと言う人間はシンシアさんだけだろうな、ジャンを猫に任せて行くのに抵抗なしだな。


「はいニャン」


お客が来てくれる事はいい事だ、倉庫で遊んでいれば、シンシアさんも安心だろう。


「レイ、ゴロゴロ」


「ジャン、ゴ、ゴ、ゴ」


おお、濁点が付いているのに直ぐに言えたぞ、頑張るぞ。







「お菓子はない会議です」


「ありません、誕生日までにためたお金は食べました・・・・・・食べたのはお菓子です」


「ニャ~≪僕は串焼きを食べさせてもらっていません≫」


「レイ、串焼きの話はいいのよ」


なに~、何で僕が串焼きの事を考えたと分かったんだ。


「レイちゃん、よだれ垂れてるよ」


「ニャ~≪これはどうも≫」


拭く物がないから、なめちゃえ。ついでに毛づくろいをしよう。


「お父さんがお祭りで洋服以外を売りたいと、とんでもない事を言いました」


「どうして、とんでもないの?」


「メグ、お父さんは洋服屋さんよ、他の物を売る知識と経験が無いの。それにうちのお店は少し売れるようになってきたけど、売れているようには見えません」


「うん、在庫が沢山あるね」


僕があんなに頑張ったのに、売れている店に見えないのか。在庫が沢山あるのは、調子に乗っているハリーさんが仕入れすぎるのと、なかなか帰って来ないので、売る期間が短くなるからだ。


「たまにはお父さんの役にも立ちたいでしょう」


「うん、少しね」


そう、二人は優し女の子、ただ、なかなか帰って来ないお父さんを心配しないだけ。


「それで何か、お祭の時に出来る事をみんなで考えるのよ」


「何が出来るのかな、どんな事をすればいいの?」


「そうね、何かを売るとかお金を稼ぐ事がしたいんだと思うのよね、だから、何かを作る事を考えるのよ」


ハリーさんはお金お稼ぎたいが・・・・・・何をすればいいのか分からないんだな、それで家族皆に考えて欲しいと思った? お願いをしただな。


「お金が貰える?」


「ニャ~≪ハリーさんは、洋服の仕入れと販売以外に何が出来るんだ≫」


だいぶキレイになったな、毛づくろいはもういいか、二人の話を聞きながら目をつむると、こちょこちょとくすぐられます。


「ニャ~≪目をつむっていだけだよ、止めて≫」


「レイちゃんも考えましょう」


「そうよレイ、これはみんなの問題、それでこんな物を用意しました」


「ニャ~≪看板位の大きさだ、文字が書いてあるよ・・・・・・あいうえお順みたいに全部並んでいるな文字が≫」


「これは、発明家のミヤお姉ちゃんが密かに考えた、あれですね」


「あれです」


「あれす、ニャ~≪では言えません≫」


二人に続いて話したけど、ではまだ言えないよ。


「私の質問にレイはこの文字を叩いて答えて下さい」


「おお、遂にレイちゃんと会話が出来る」


おお、期待されていたんだな。


「レイ、好きな食べ物は?」


「串焼き美味しい」


「レイちゃん、文字を叩かないと」


「そうよ、叩いてみて」


「ニャンニャンニャン、ニャンニャンニャン」


「調子に乗ってはいけません、私が分かりません」


「はいニャン」


ベッドの真ん中に置かれた板に書かれた文字を叩いて串焼きを二人に伝える。リズムに乗った方が楽しいのに。


「良く出来ね、串焼きが食べたいんだ」


「はいニャン」


「メグ、串焼きまでしかレイは叩いていないわよ。レイ、返事禁止」


そんな、ニャ~も話しちゃいけないのかな・・・・・・ニャ~の方が沢山喋るか、禁止にしないとニャ~が沢山だ。


仕方ないので、返事禁止が分かったと伝えるのに頷く。おお、僕はコミュニケーション能力が高いぞ、元日本人じゃないみたいな。猫になって周りを気にしなくなったからだな。


「禁止が分かったんだ、レイちゃんは頭が良いよね」


「ドンドン行くわよ、レイは私の事が好きですか?」


返事の代りに文字を叩く・・・・・スキ。


「いいな、レイちゃんは私の事が好きですか?」


うん・・・・・スキ、2回叩くだけだから楽だな。


「レイは私の事が好き?」


スキを直ぐに叩く。


「レイちゃんは私の事が好き?」


スキを直ぐに叩く。イヤな予感がするよ。


「レイは私の事が好き?」


まあいいか、2人が飽きるまで2ヵ所を何度もトントンしよう。

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