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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
42/521

ニャ~・・・42

「何処まで行って来たのかしら?」


「はい、サシンベラです」


「行く前に言いましたか?」


「言いませんでした、途中で予定を変更したので」


「どうして予定を変更したんですか?」


「いい洋服が有りそうだからです」


ハリーさんとシンシアさんは何をしているんだろう、ソファーに対面に座っているけど寛いでいる風ではなくて、先生が生徒を怒っているような感じだ。


「早く帰ってこようとは思いませんでしたか?」


「その~途中で雪は降るし、魔物から逃げるのに洞窟で過ごしたり、珍しい動物が馬車に体当たりしてきて遅くなりました」


「冬の洋服を買いに行って、冬が終わりそうだけど、また仕入に行くんですか?」


「そうか、直ぐに仕入れに行かないとまずいぞ、シンシア、どうすればいいんだ」


「ハァ~、どうして仕入れをそんなに遠くに行ったのよ」


「いい洋服を仕入れて沢山売れたらなあと思って、そうだ、お土産は沢山買って来たぞ、皆、テーブルに集まれ」


みんなは誰を指すんだ、ミヤちゃんとメグちゃんはテーブルにいるし、ジャンはハリーさんが抱いている、僕は暖炉の前で左右にいる二人を見ていた。


「ニャ~≪僕の事ではないだろうけど、テーブルに行こうかな≫」


「シンシア、悪かったよ、次こそは直ぐに帰って来る」


「お父さん、早くお土産を」


「そうだよ、お菓子が先だよ」


「シンシア、僕は反省した、直ぐに帰ってくる努力を心掛ける、その、お土産をあげてもいいかな?」


「分かったわよ、家をあんまりあけないでよ」


「母さんからお許しが出たぞ、どうだこの木箱の中全部がお菓子だぞ」


テーブルの上にあらかじめ置いてあった木箱が二人のお土産だったのか、シンシアさんが二人にあげた時の木箱と同じ大きさだ。


「やった」


「これが全部か」


「ミヤ、メグ、1個はお母さんが預かります、食べ過ぎないように、食べ終わったら渡します」


「はぁ~い」


「食べないでよ」


「食べないわよ」


「ハリー、バブー」


「ジャン、父さんの名前が呼べるんだな、凄いぞ、いや、嬉しいな・・・・・・みんなどうしたんだ、ジャンが呼んでくれたんだぞ」


「ジャンは父さんの名前を毎日言っていたの、だから、誰も驚かないんだよ」


「そうだよ、他に沢山喋れるようになったよ、ジャン、パパは?」


「バブー、パパ、ハリー、ママ、パパ、シンシア、ハリー」


「ニャ~≪名前は完璧だな、後半年ぐらいすると会話が出来るようになりそうだ≫」


「おお、もしかして、パパはお父さんの事なのか、どうなんだレイちゃん?」


「はいニャン」





「ブラックタイガー、釣れたね」


「釣れたよ、変な形だったね」


「そうね、あの生き物は何の為に捕まえたのかしら」


「食べる為じゃないのかな」


「メグは食べたい」


「どうかな・・・・・・このお菓子のように甘ければ食べてみたいかな」


「甘かったらか~、それならお菓子の方がいいね、甘いのが分かっている」


「そうだよ、お菓子は甘いから美味しいんだよ」


二人は僕を間に挟んでお菓子を食べながら会話をしている。ブラックタイガーはエビで、食べるのか分からないけど、依頼は成功した。あの時の釣りは誰が釣った事になるんだろう。


「レイ、これ食べてみて、甘くないよ」


「レイちゃん、これ甘くないよ、要らないから食べて」


「はいニャン、ニャ~≪甘くないお菓子があるのか、おせんべかな≫」


これか、2個置いて有るけど、どちらも違う形に違う色だ。先ずはミアちゃんのから食べよう。


「ニャ~≪甘いよ、だましたんだな、メグちゃんはどうだ、甘くない、塩っぱいよ≫」


「騙されたわね、匂いで分からないの?」


「はいニャン」


「レイちゃん、塩の味のお菓子だよ、誰が考えたの、ああ~、そうか、砂糖と塩を間違えたんだよ」


「そうね、塩味のこの変なお菓子は間違えたのね、お父さんに言って取り替えて来て貰おう」


「そうだ、取り替えて来て貰おう」


「ニャ~≪塩味のお菓子だよ、それに、ハリーさんが帰って来なくなちゃうぞ≫」


「お父さんが出かける前に言わないと」


「うん、甘いお菓子に代えて貰おう」


しかし、沢山食べるな、本当に好きなんだな。







「お母さん、顔にブツブツできた」


「私も、なんでかな」


「またなの・・・食べ過ぎなのかしら、それとも病気」


「アババー、ミヤ、メグー」


シンシアさんは可愛らしく首を傾けて考えているけど『食べ終わったら渡します』て言ってた。食べ終わって直ぐに渡せば食べる早さは変わらない。


「お父さん、今どの辺かな」


「まだ、街に着いてないと思うわ、馬車の旅は何日も掛かるから」


「そうだね、早くお土産買って帰って来ないかな」


あの木箱2個を食べるのに10日位しか掛からなかったな、毎日食べてたよな。女の子は甘いお菓子は別腹だからな。


「ニャ~≪ジャン、お菓子よりも串焼きだよ≫、ジャン、串焼き」


「アウ~、串焼き」


ジャンに串焼き美味しいを覚えて貰おう、串焼きの回数が増えるかもしれないぞ。





「おじさん、串焼き3本下さい」


「毎度~」


冒険依頼のブラックタイガー釣る事が出来たミヤちゃん達は西側のお菓子を食べに来た。


「アカリちゃん、西側の方が甘いお菓子が多いんだよ」


「そうなんだ、どうしてなのかな」


「メグを喜ばせる為よ」


「うん、甘いお菓子は最高だよ」


「そうだね、最高だよ」


「ニャ~≪営業妨害だ、串焼きのお店の前だよ、最高の串焼きだと言わないと≫」


「レイ、待ちきれないのは分かるから、少し静かにして」


「ニャ~≪早く焼けないかな、冷める時間も掛かるんだよ≫」


「お腹すいた」


「レイ、お腹すいたと言ったの?」


ミヤちゃんの質問には答えないで、隣を見ると男の子が立っていた。ミヤちゃん以外は男の子が『お腹すいた』と言ったのが分かっている、視線が男の子に向いているから。


「ミヤ、そこの子だよ」


アカリちゃんに言われてやっと気が付いたミヤちゃんは、その子の頭を撫でて「食べる、ここの串焼きは美味しいのよ」と言った。


「はい、出来たよ」


「ありがとう・・・・・・ほら1本あげるよ、気を付けて食べるのよ」


「うん」


僕の串焼きに遠慮がちに手を出して受け取った男の子は4歳位の金髪で嬉しそうに串焼き口に入れた。


冷まさないで食べれるんだね。


串焼きを一口食べた男の子は、通りの向こうに走って行った。


「ミヤは優しいよね」


「うん、お姉ちゃんは優しいのだ」


「そうでもないよ、レイ、串からお肉を外すね」


「ニャ~≪直ぐに食べれる位に冷めたかな≫」


僕の前に置かれた皿の串は2本、いつもは3本。まあこんな日もある、それにここのお肉は大きいから、2本でもお腹が一杯になる。


「ニャ~≪串焼き美味しいな≫」


串焼きの代金は、二人が初めて冒険依頼をして稼いだお金だ、有難く頂こう。






≪誰か、助けて~≫


≪おじいさんが危ないのよ≫


≪ねえ、聞こえている人いないの≫


≪早く、燃えてるのよ≫





「メグ、ニャ~≪何か言った?≫」


「ミヤ、ニャ~≪何か言った?≫」


顔に手を掛けて呼んだけど、起きてくれない。


あまり見ない窓の外は夜、寝てからどれくらい経つのかな。


今は何も聞こえないので、二人の寝言かも知れないな。最近はお菓子を食べてないからブツブツが無くなって来たな。二人の頬を撫でてみても、薄ら笑いをうかべているようで幸せそうだ。お菓子を食べる夢でも見ているんだろう。


「アブブ~」


あれ、ジャンは起きているんだ。


僕は2人の間から出てベッドから降りると、シンシアさんの部屋を覗く。小さい僕が隠れる必要もないけど、顔だけを出して部屋の中を見ると、ジャンがベッドの柵を掴んで何かを見ているのか、視線が一点に集中している。


僕は何も見えない空間に何かあるのかと、部屋に移動してもう一度見たけど、何もない。


ハリーさんが居ないので、広いベッドに1人でシンシアさんは寝ている。シンシアさんも起きていた形跡はないようだ。


「ニャ~≪何か聞こえる、外だ、家の中は異常なしだ≫」


「レイ、アブブー」


「ジャン、ニャ~≪ごめんよ、帰って来たら一緒に寝よう≫」


微かに聞こえた音が気になる、僕は急いで僕用の入口に向かって石を押した。







外に出ると南西の方向に灯りが見えた。それに少し臭かった。


「ニャ~≪放射状に赤色が伸びている、火事だ~、火事だ~≫」


急げ、アカリちゃんの家の前を右に曲がって上を見ても、まだ先で、遠いいようだ。


「ニャ~≪すいません、通ります≫」


建物と建物の間の路地は私有地だけど、猫なので誰も文句を言えません。


家から走りっぱなしなので、疲れてきたよ。燃えている家が見える、窓から炎と煙が出てるよ。それで空があんなに明るいんだ。


≪おじいさんを助けて~、誰か聞こえないの、誰でもいいのよ。おじいさん~≫


ああ、キレイな幽霊だネグリジェのような透き通った洋服に体も透き通っている幽霊だ。


≪誰もいないの、あんなに燃えているのに気が付いて~≫


どうすればいいんだ、ドアが開いていないよ。それに寝ている人を起こす自信が無いよ。


≪そこの子犬ちゃん、おじいさんを助けて≫


「ニャ~≪中に入れないよ、それに起こせるか自信がありません≫」


≪耳元で吠えればいいのよ、おじいさんは耳がいいのよ≫


「ニャ~~≪でも、ドアが開いてないよ≫」


≪体当たりよ、もしかしたら、うるさくて起きるか、ドアが開くかも、お願いよ早く≫


「ニャ~≪全力で、大当たりだ・・・・・・い・た・い。それに音もそんなに出ないよ≫」


≪頑張りなさい、貴女しかいないのよ≫


「ニャ~≪頑張っているよ、でも、体重が軽いから音もそんなに出ないよ≫ニャ~、ニャ~、ニャ~」


「ニャ~≪小娘、危ないぞ、家から離れた方がいい≫」


「うわ~、燃えているよ、中の人逃げてくれたのかな」


ジョンさんと飼い主さんだ、近所なのかな。


「ニャ~≪中にまだ人がいるんだよ、どうしたらいいのかな≫」


「ニャ~≪俺達に出来る事はない、危ないから離れるんだ≫」


僕は家の前からジョンさん達のいるところまで下がる、ああ、どうすればいいだ。


「仔猫ちゃんのレイちゃんだったかな危ないから離れているんだよ、君だと直ぐに死んじゃうよ、煙をすわないようにするんだ」


「ニャ~≪確かにそんな事を聞いた事があるよ、でも、中に人が≫」


≪諦めないで、何とかしてよ、お願いよ~≫


「ニャ~≪何も出来ないよ、体当たりも大声もダメだったよ≫」


≪早く起こして≫


「ニャ~≪でも≫」


「ニャ~≪小娘、誰かと話しているのか、もしや、死んだ者と話せるのか?≫」


「ニャ~≪そうだよ、助けてと頼まれたんだ≫」


「ニャ~≪そうか、小娘は希少種だな、だから小さいのか、何と言っているんだその者は?≫」


希少種、まあそうだよな・・・・・・じゃなくて。


「ニャ~≪寝ている人は耳が良くて大きい音を出せば起きるかもしれないんだって、だから、鳴いたり、ドアに体当たりしていたんだ≫」


「何を話しているのかな、気になるな、僕は少し離れているよ、煙が凄い」


「ニャ~≪そうか、役に立つか分からないが、俺が吠えてみよう≫、ニャウ~ン、ニャウ~~ン、ニャウ~~~ン」


凄いニャウ~ンだった、狼の遠吠えのようで、僕には真似の出来ない凄く綺麗な遠吠えだ。


≪もっとよ、おじいさんが、少し動いたわ≫


「ニャ~≪もっと吠えて、中のおじいさんが起きるかもしれない≫」


「ニャ~≪分かった≫ニャウ~ン、ニャウ~~ン、ニャウ~~~ン」


≪おじいさんが起きたわ、後は外に出るだけ≫


「何じゃ、この煙は、近所で何か焼いているのか」


え、何言っているんだ、自分家が燃えているのに。


「ニャ~≪ジョンさん、ありがとう。綺麗な遠吠えだったよ≫」


「ニャ~≪そうか、久しぶりだったが役に立ったようだな≫」


「ニャ~≪久しぶり?≫」


「ニャ~≪おい、ご主人様と狩に行かないのか、俺達猫と犬は街の外でご主人様の狩りの手伝いをするんだぞ≫」


「ニャ~≪えっと、そのうち経験します≫」


狩猟犬とかの事かな、狩猟猫なのジョンさんは?


≪ありがとう、またね≫


ええ、それだけ。あんなに騒いでいたのに。


「我が家から煙が、上の階が燃えているのか、どうしてだ。何か大声が聞こえなければ起きれなかった」


燃えているのが、上の階だから助かったのか、ああ、良かった。


家の中から出て来たおじいさんは始めは元気だったけど、膝を付いて燃えている家を見ている。幽霊の女性とジョンさんがいなければおじいさんは死んでいたかもしれない。


「ジョン、お手柄だな、明日は・・・・今日か、お前の好きな柔らかいパンを沢山買うからな」


「ニャ~≪おお、凄いぞ小娘、柔らかいパンだ、沢山食べるぞ≫」


「お、来てくれたようだぞ、ジョン行くぞ、レイちゃんも家に帰るんだぞ、家の人が心配しているぞ、じゃね」


「ニャ~≪小娘、ありがとう、またな≫」


親切なジョンさんの飼い主、何故かお礼を言っていたジョンさんは家に帰った。


「急げ、魔法で消すんだ」


「オー」


「オー」


「オードンべ」


「オードンべ」


指示に従った男性達から、意味不明の言葉が発せられると建物に水が掛かった。横から掛かる水と上から降って来る水、どちらも魔法?


「中に入ります」


「ああ、煙の少ない所から魔法を撃て、煙は吸うな」


「はい、オー、オー」


謎の人達は建物の外からの水魔法?を止めて、中に入って行った。


初めて見た魔法はとても不思議だった。消防の人なのか、それとも魔法が使えるから火を消してくれたのか、どちらにしても、燃えていた家の火が消えていく。


「ニャ~≪僕も帰ろう、魔法が見たいけど、もう眠い≫」


家の周りには、いつの間にか人が集まっていた。

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