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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
40/521

ニャ~・・・40

「ねえ、お父さん、遅くないかしら」


「バブー」


「沢山仕入れているのかな」


「そうだね、いつもより遅いかも」


「お土産のお菓子が沢山」


「ニャ~≪どの位いないのかな、長く感じるけど≫」


朝食を食べているとシンシアさんがハリーさんの事を心配して、いつもより帰って来るのが遅いよねと二人に聞いた。


そもそも、ハリーさんが何処にいっいるのか、いつも違う街に行っているような気がするんだけど、覚えているのが西と北の街、違う季節だから違う場所なのか、仕入れたい洋服が在る街に向かっているのかも、僕は知らない。


「お父さんは何処の街に行っているの?」


「・・・・・・・北だったかしら、そうよ、西に行くと言っていたわ、うん、西よ」


「ダルトベルに行っているんだ、近いから直ぐに帰って来るね」


「遅いから、ダルトベルの先のラシードかも知れないわね」


「初めて聞く名前、ラシードか、遅いのは遠くに行ったからなんだね」


「あれ、遠くなら初めてのお菓子がお土産だよね」


「そうよ、メグと私の為に美味しいお菓子がお土産だよ」


「そうよね、少し遠いいのよ、雪も積もったし帰って来るのが大変なんね」


「ママ~、マンマ、マンマ」


「ごめんなさいね、お肉を食べまちゅか、お野菜でちゅか・・・お肉でちゅね」


「ニャ~≪ジャンも野菜は好きじゃないんだな≫」


「レイ、久しぶりに一緒に遊ぼうよ」


「そうだよ、暖炉の前で寝てばかりだよ」


「はいニャン」


ミヤちゃん達に誘われた、僕のルールに一緒に遊ぶとあるけど、寒くない時限定としたいな。


「二人とも暖かい洋服を着て出かけてよ、風邪は絶対にダメだからね」


「「は~い」」


いい返事をした二人は、洋服部屋に走って向かったようだ。


「レイ、アブブ、バブー、マンマ」


「ジャン、ニャ~≪美味しいか、一杯食べて大きくなるんだぞ≫」


シンシアさんに食べさせてもらっているジャンは、少し大きくなってきた。成長が早いのか、普通なのか分からない。ハイハイから立って歩くようになるのは何歳ごろなのかな。


「レイ、行くよ」


「はいニャン」


呼ばれた僕は階段に向かって走る。


後ろから『レイちゃんも風邪はダメよ』と聞こえた。






そう言えば、雪が降ってから外に出ていない。各部屋に窓があるけど、外を見ようと思わなかったので、外の様子を知る事がなかった。


「ニャ~≪凄く雪が積もるんだ≫」


ミヤちゃんに抱かれた僕が見たの景色は、雪の街だった。でも、道に雪がほぼないのはどうしてなんだろう。


港の方に歩いている道には雪が積もっていない、交差する馬車の道にも雪がなかった。建物の前に少しの雪、道に面していない場所にミヤちゃん達より低い高さの雪。道だけ雪かきをした様になっている。


「お姉ちゃん、ギルドに行くんだよね」


「そうだよ、ギルドに行くのは日課なんだから」


「変わった依頼が有ると面白いよね」


「面白いよね」


「ニャ~≪いつから、ギルドに行くのが日課なの?≫」


「レイも楽しみなのね、依頼書を見と楽しいのよ」


依頼書か、前に見た時は討伐と猫探しだ、マッサージの出来る猫の依頼書は面白いかも、ギルドにいた人達もバカにしてはいたけど楽しそうに話していた。


でも、そんなに変わった依頼なんてあるのかな。





「おお~、面白いのがある」


「本当だ、昨日までは無かったのに」


「ニャ~≪どれの事、ミヤちゃんが僕を撫でるから見ずらいよ≫」


ああ~あ、撫でられると気持ちいいので、依頼書を見るのが面倒だぞ。でも、気になるな。


「しかし、寒いな」


「寒いと、何処にも行きたくないな」


「ギルドには来ているだろうが」


「暇なんだよ」


「街の外は雪が凄いからな、何処にもいけなよ」


「雪が無くても、この時期は何処も行かないがな」


「アハハは、そうだな」


「ギルドでのんびりしているのがいいな」


ギルド内のテーブルで雑談している人の会話が聞こえてくる、冒険者の冬はどんな過ごし方なのかな。日本のように温泉が在れば、のんびりと寛いで、冬が過ぎるのを待てばいいけど、この世界だと街の外で冬を過ごしたら・・・・・・分からない事は考えても仕方ない、僕は寒いのが苦手だから、暖炉の前でのんびりだな。


「聞いたか、東のキルト村の方は大雪だって」


「仕方ないな、今年は雪が多いのかもな」


「そうだな、この辺もよく降ったな」


キャロット母さんがいる村の事だ、大雪か、大丈夫かな。


「お姉ちゃん、どうするの?」


「そおね、レイもいるから依頼を受けてみようか」


「おお、2回目の依頼だ」


「依頼書を持って、受付に行こう」


「は~い」


面白い依頼とはどれの事だったんだ、僕には依頼書が見えなかったな。






「どうしてここに」


「それはね、特別な人と話す時はここなのよ」


「狭くても暖炉があるね」


「ニャ~≪狭い方が暖かくて僕は嬉しいな≫」


ミヤちゃん達がどうしてこの狭い部屋にと言うのも分かる。暖炉が有るのに、6畳より狭いだろう部屋に応接セット、テーブルを挟む様に置かれたソファーが有るだけで他には何もない。置いてある家具が取調室のテーブルに椅子の方が似合う雰囲気の部屋だな。


「えっと、話していいかしら」


「いいよ」


「お願いします」


「その、レイちゃんの登録はします、特別よ。これは領主様からあの子達が来たら便宜を図ってあげてくれとお願いされていたからよ。領主様も便宜がレイちゃんのギルドの登録だとは思わないでしょうけど」


「お姉さん、ありがとう」


「あの、メグちゃん、お姉さんはと呼ぶのは止めて欲しいのよ、ぐさぐさと心をえぐられるのよ」


「おばさん、ありがとう」


「メグちゃん、おばさんはもっと嫌なのよ・・・・・・冒険者からはギルマスとかロージーて呼ばれていのよ、どちらかにして下さい」


「ニャ~≪微妙なお年頃なんだな≫」


お姉さんだと若くて未熟、おばさんだ年寄り、そんなイメージがロージーさんにはあるんだろう、だから、メグちゃんにお願いするのに深々とお辞儀をしたんだな。


「メグ、ギルマスと呼んであげよう、話が進まないから」


「うん、ギルマスさん、ありがとう」


「まあ、さん付きでもいいか、ええと、何処まで話したかしら」


「レイの登録」


メグちゃんの足の上で撫でて貰っている僕は、登録よりも撫でて貰った方が嬉しい。


「レイちゃんは猫だから、ミヤちゃん達と同じ依頼を受ける事になるわよね、その時に冒険者のランクが低いと受けれない依頼があるの、でも、レイちゃんのランクを他のギルドであげる事が出来ないの、それはレイちゃんが猫でランクをあげる選考を受けれないからよ、ここまで分かる?」


「レイが猫なので冒険者のランクは上がらない、だから、同じ依頼が受けれない」


「そう、ミヤちゃん達は一緒に受けたいと形だけでもしたいでしょう、その気持ちは分かる、ミヤちゃん達のランクが上がってもレイちゃんは上がらない、ならば、奥の手よ、最初からSランクにしちゃえばいいのよ、過去に特Sの人がいたの、その人は特別にSランクだったのよ、レイちゃんも特Sにすれば未来永劫ミヤちゃん達と同じ依頼が受けれる、いい案でしょう」


「ニャ~≪一緒にいるだけじゃダメなのか、別に一緒に依頼を受けても受けなくても同じような≫」


それに、言っている事は分かるけど、考えすぎだよ、ミヤちゃん達だって今回は『レイも一緒に受けます』と言っただけなのに。


「お姉ちゃん、これでいつでも一緒に受けれるよ」


「そうね、やっぱり一緒がいいよね」


「一緒はいいよね」


なんと微笑ましい光景なんだ、それが冒険の依頼の事じゃなければもっといいのに。


「よし、決まりね、レイちゃんは固定の特Sランク、ミヤちゃん達は初心者のFランク、頑張って依頼を遂行して下さい」


「遂行て何?」


「依頼を受けて怪我もなく仕事をちゃんと終わらせる事よ」


「遂行します」


おお、メグちゃんからやる気が出ている、撫でる手に力が入っている。


「登録の話はここまで、ついでだから、ミヤちゃん達が受ける依頼の説明をします」


「「は~い」」


「ニャ~≪やっと依頼の説明か、長かったな話≫」


嬉しそうだ、ミヤちゃん達は初めて自分で依頼を遂行するんだな。無事に終わりますように。





「串焼き美味しい、お菓子美味しい」


「お菓子、美味しいよね」


「お菓子は美味しいわよ。レイ、話せる言葉を連呼するのやめてよ」


「お姉ちゃん、少し位はいいんじゃないのかな」


「そうかもしれないけど、静かな方がいいってロージーさんが言ってたよ」


「はいニャン、ニャ~≪暇だな≫」


静かな方が。そうかもしれない、静かじゃないと釣れないとも聞いた事がある。


「ブラックタイガーは何処かな」


「海の中でしょう」


岸壁に座る二人の手には、鉄製の竿が握られている。長さは短い、凍った湖に穴を開けて釣る時の竿の長さよりも短い、包丁よりも少し長い位だろう。


「お姉ちゃん、釣りって面白くないね」


「そうね、でも、依頼だからね」


「依頼か、なら頑張る」


包丁よりも長い棒の先端に穴が開いていて、紐が結んである、紐の先には鉄製の針が有って餌が付いている。


「ニャ~≪引きは無いのかな≫」


餌はミミズ、ミヤちゃん達の指よりも太いけどミミズ? が付けてある。触るのが嫌だとロージーさんに付けて貰った。


「お姉ちゃん、いつまでするの?」


「帰ろう、お母さんに怒られる」


「ニャ~≪夜ご飯だね≫」


「今日の夕食は何かな」


メグちゃんが歌うように夕食は何かなと言ったけど、いつも同じが正解だ。ほぼ変わらないのだメニューは。





「バブー」


「どうしたら、釣れるのかな?」


「ハリー、パパ」


「そうね、分からない」


「アウー、パパ」


「ハリー、パパ」


「レイ、ニャンと付けなさいよ、ジャンが話しているのか、分からないでしょう」


「そうだよレイちゃん、全然声は違うけどニャンと聞きたいよ」


「はいニャン」


夜の作戦会議は、川の字に小さい点が間に入った状態で行われている。ジャンと僕がミヤちゃんとメグちゃんの間に入ってる。


ブラッグダイガーの依頼を受けた今日、岸壁で釣りをしただけで、何も釣れなかった。


「お姉ちゃん、明日も頑張るよね」


「勿論よ、メグと私とレイの依頼よ、なんて言ったかしら・・・・・・遂行、遂行しないと次に進めないのよ、受けた依頼は最後まで諦めない、どんなにつまらなくても」


「そうだね、つまらなくても最後まで頑張るよ」


やっぱり、つまらないんだね。釣りが嫌いな女の子は多い、一番の理由が餌を付けるのが嫌だから。二番目がトイレだ、行きたい時にそこには無い。三番目が洋服だ、お洒落が出来ないとせっかくのデートで女の子をアピール出来ない。そして男女共通が、釣った魚どうするのだ。


「ミヤ、メグ、アブー」


「ミヤニャン、メグニャン」


「そこの二人、もう少し静かに、お母さんが起きるでしょう」


「ニャ~≪そうだね、もう寝てるね≫」


シンシアさんは先に寝ている、ジャンがダダをこねてミヤちゃんの部屋のベッドから出るのを嫌がったからだ、シンシアさんは『ジャンをお願いね、静かに寝れるのね』と久しぶりの一人を満喫している。


ミヤちゃん達はジャンと寝るのは初めてだ、だけど、何にも気にしないで間に入れて明日の為の作戦を考えている。


「考えても仕方ないわね、釣り竿を持って座っているしかないのよね」


「座っているしかない、暇だけどね」


「メグ、寝よう、明日の為に」


「うん、おやすみ」


「おやすみ」


「ニャ~≪おやすみ≫」


「メグ、ミヤ、バブー」


「ジャンも寝ていいのよ、今日は疲れたでしょう、明日の為によく眠るのよ」


「ミヤ、ミヤ、メグ、レイ、アウー、バブー」


そうだよね、寝ようで寝てくれないのが赤ちゃんだ、早く寝てくれるように撫でてあげよう。


「レイ、バブー」


いい子だなジャン、よく眠るんだよ。



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