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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
36/521

ニャ~・・・36

「ニャ~≪寒いよ~、ミヤちゃん、メグちゃん、もっと近くで寝てよ≫」


シンシアさんの誕生日からだいぶ経ったある日、秋なのに少し肌寒い日が続いた。


昨日の夜から何か寒気がして、とても寒い。寝る時は二人に挟まれて幸せだと感じて寝たけど、朝方になったら全身がブルブルと震え出し、気だるい感じがする。二人が寄って来てくれそうもないので、小さい子は体温が高いと聞いたことがあるのでメグちゃんの横に移動して、メグちゃんの腕にしがみ付くようにすると少し暖かい、でも背中が寒い。


「ニャ~≪何でこんなに寒いんだ、それに意識がふわぁとしていよ≫」


暖炉の暖かさが欲しいな、まだだいぶ先だよね暖炉を使うのは。


「クシュン、クシュン」


ああ、くしゃみが出た、もしかして風邪なのかな、猫も風邪を引くのかな。風邪だと思ったら、頭が痛くなってきたぞ、目まいもしているような感じだ、風邪だ猫の風邪だ、ミヤちゃん頭を冷やして・・・・・・・。





「猫も風邪を引くんだな」


「辛そうだけど、このままでいいのかしら」


朝食を食べに降りて来たけど食欲がなかった、丸まって寝ていたらシンシアさん達が来た。


くしゃみをしたら直ぐに気が付いてくれて、暖炉の前に敷布団と掛け布団のように引いてくれたので、間に挟まれて寝ている。


「ママ、ママ」


「はいはい、食事でちゅね」


「風なら寝ていれば治るな」


僕用のお布団が出来たのがとても嬉しい、寝ていれば風邪は治るから、のんびり寝ていよう。


「あれ、レイちゃん何しているの?」


「レイちゃんは風邪でちゅよ」


起こしに行っていないのにメグちゃんが朝食の時間に現れたぞ。


「メグ、お姉ちゃんは寝ているのか?」


「うん、寝ているよ」


「メグ、先に食べてね」


「は~い」


「クシュン、クシュン」





暖炉の前に僕と同じ大きさの猫がいる、4匹の猫はみんな笑顔だ。


「ニャ~≪寒がりな私の可愛い娘、ちゃんと布団はかけているかしら、猫は風邪を引くと大変よ。いい人に貰われたから大丈夫よね。あの子の兄弟は元気に過ごしているわ、私よりも大きいのよね≫」


「ニャ~≪母さん、僕達の妹は弱っちいから、今頃は風邪を引いているよ≫」


「ニャ~≪そうだな、妹は凄い寒がりだったな≫」


「ニャ~≪俺の娘か、会ってみたかったな、君達とは違う珍しい猫だとキャロットに聞いたよ≫」


みんな元気なんだな、同じ村に住んでいるから、いつでも会えるんだね。父さんの顔が見えないよ、こっちを向いて~。


「ニャ~《言葉お話すのよ、それも人間の言葉を》」


「ニャ~《ジャンプが下手だったな》」


「ニャ~《毛づくろいも変だったぞ》」


だんだん悪口になって来たぞ、僕が聞いているのを知らないんだな。


「ニャ~《自分の事を僕と言っていたよな》」


「ニャ~《僕たちの真似だろ》」


「ニャ~《いいのよ、可愛いんだから、もっと一緒にいたかったわ》」






風邪の熱のせいだな、変な夢を見たよ。褒めてくれているのか、悪口を言われているのか分からない夢だった。父さんが出てきたのにはビックリした、でも顔を見た事が無いので後ろ姿だったな。


あんなに寒かったのに今は暖かい、でも風邪はまだ治っていないようで怠い。


「レイ、あんまり動かないでよ、くすぐったい」


「お姉ちゃん、私もレイちゃんと寝る」


「それならもっとこちに来てよ、レイを温めてあげようね」


「レイちゃんの毛はサラサラだね、気持ちいい」


「ニャ~≪暖かいのはミヤちゃん達が一緒に寝てくれていたからなんだ≫」


「お姉ちゃん、風邪は辛いの?」


「どうかしら、メグも私も風邪になった事が無いからね、分からないわね」


2人が一緒に寝てくれているんだから、ベッドに連れて来てくれたんだな、確かリビングの前で僕用の布団に挟まれていた筈だから。


「ミヤ、メグ、アリ」


「ありがとうと思っているのなら早く良くなるのよ」


「そうだよ、風邪で何日も寝ていたらつまらないよ」


そうだな、二人と遊んだり買い食いがしたいよな、次に串焼きが食べれるのはいつかな。


二人と体温を感じて寝よう、早く治して遊びに行くぞ。






「ゴホン、ゴホン」


「ハクション、コホン」


「ニャ~≪風邪ですか?寝相が悪いと夜は寒いですよ≫」


暖炉の前に真新しい布団がある、風邪を引いた僕にシンシアさんが買ってくれたのだ、フワフワで弾力があるのでとても気持ちがいい、暖炉が無くても冬を何とか越せそうなぐらいに暖かい布団だ。


顔だけ出している状態が楽しい、布団の中でゴロゴロしても横からはみ出たりしないのでとても快適だ、ネットで見た自分用のベッドに挟まれたいる猫を僕もしているのは不思議だ、顔だけ出していると撫でたくなる。


「クシュン、レイ、寒いからここに来て、とても寒いのよ」


「レイちゃん、私も寒いよ、風邪を引いたみたいなの」


「ニャ~≪風邪がうつるといけないので、ここにいます、お大事に≫」


僕の風邪がうったわけではない、僕が風邪から治って5日位は経っているから、2人の風邪は寒くなってきたからだ。


「幸せな声で鳴いてないで、こちに来てよ」


「そうだよ、レイちゃんが風邪を引いたとき3日間も一緒に寝たよね」


そうだな、二人は遊びに行かないで僕と一緒に寝ていた、僕も感謝と凄いなあと思ったよ、3日間もベッドで過ごすのは元気な人には辛い筈なのに、よく二人は遊びに行かなかったと。


「ハクション」


「ニャ~≪危険だが、一緒に寝ないと連れに来そうなので僕から行こう≫」


仕方ないのでミヤちゃん達のベッドに飛び乗ると直ぐにミヤちゃんに捕まった。


「気持ちいい、毛皮が人気なのがよく分かる」


「毛皮が人気なの?」


「そうよ、動物の毛をはいで洋服にするとお金持ちが買ってくれるのよ」


なんか嫌な話をしているぞ、毛を刈ったり、皮を剥がれたら生きていけないよ。


「動物の毛が高く売れるんだ」


メグちゃんは動物の毛を刈ってお菓子を食べる事を考えている筈だ。


「ゴホン、ゴホン」


「ハクション、ハクション、早く治らないかな」


「ニャ~≪早く治してね、それで買い食いをみんなでしょう、きっと楽しいよ≫」


ミヤちゃん達二人は、会話が出来るからまだいいだろう。一人だと寂しいんだよね。






「クチュン、クチュン」


「ゲホゲホ」


「ゴホン、ハクション」


「もう、仲良く風邪を引かないでよ、ジャンに移ったらどうするのよ」


シンシアさんはドアの所で風邪の治らない僕達に早く治ってと言っている。


「はいニャン」


「は~い」


「お菓子が食べたい」


僕はまた風邪を引いた、ミヤちゃん達に挟まれて2日後の事だ。



『レイ、また風邪を引いたのね』


『仲間が増えた』


『ニャ~≪ミヤちゃん達の風邪が移るたのかな≫』



後で聞いた話だけど猫の風邪は人間にはうつらない、人間の風邪も猫にはうつらないそうだ、仲良く風邪をひいたのは偶然だった。





「ハリ~」


ミヤちゃん達の誕生日がもう直ぐだ。


いつものように予約訪問マッサージを期間限定で受け付けている。今日の午前中には予約が入っていなかったので、港の岸壁から海に向かってハリーさんの名前を呼ぶ練習をしている。


「ハリ~・・・ハリ~・・・ハリー、ニャ~《ちゃんと言えた≫」


ハリーと言えていたけど、少し息が抜けるような発音だったので、直してちゃんと言えるように練習をしてた。


僕の話す練習の前まで、ミヤちゃん達もここにいて剣の練習をしていた。僕も参加して避ける役をしていたけど、ミヤちゃんに『もう少し大きくないと狙いにくいわよ』と言われ僕の役目は終わった。


剣の練習が終わると僕の体力作りのようにミヤちゃん達は岸壁を何往復かしていたが、疲れたミヤちゃん達は誕生日プレゼントを探しに行った。


自分のプレゼントを自分で買うなんて、OLさんの自分にご褒美みたいだ。前回の誕生日は2種類のバックを買っていたけど、今回はどんなものを選ぶんだろう、少し楽しみだ。


「ハリー・・・ハリー、ニャ~《もう完璧だな。遠くに船が見える、この街に向かって来ているように見えるな》」


もっと発声練習をしよう、次は誰の名前にするかな、簡単そうなのがアカリちゃんのお母さんのサキさんの2文字の発音だ。そうだな、会話が出来るほどになるのは大変だけど、まずは身近な人の名前を言えるようになろう、最初の予定ののんびりライフを楽しむのは凄く幸せだと思ったけど、少し位なら忙しい方が楽しい。


僕が思っているほど猫はのんびりしていないのかも、人間の見ていないところでは物凄い事をしているのかもしれない。


頑張って会話が出来る猫でも目指してみようかな、ミヤちゃん達とだけ話せば変な猫だと思われないですむ。





「ニャ~≪カニさんを見つけたぞ≫」


話せる猫を目指して頑張っていたら、カニさんが足元にいたので、上から手で押さえた。


最初に見た時もこんな風に上から押さえて、美味しいのかと期待をしたな。押さえていると、ミヤちゃんに話し掛けられて逃げられたんだよな。あの時のカニの甲羅には月の模様が有ったけど、このカニには模様がないので違う蟹だ。


小さいカニは美味しそうには見えない、でも食べてみたい。


「レイちゃん~、レイちゃん~」


誰かに呼ばれたのでカニから視線を外して聞こえた方向に視線を向けると、湾内に航行して来た船の舳先に誰かが立っていて、棒のようなものを持った手を振っている、望遠鏡かな。


「ニャ~≪船から僕の事を呼ぶのは誰かな、僕の知り合いに船で旅に出るような人はいないよ?≫」


アカリちゃん家族はパン屋さんをしているから旅行に出かける事がないだろう、ナタリーさんにジェシカさんはお店で働いていた。まさか、シンシアさんの妹のアイシャさんかな・・・・・・髪の色が違う、アイシャさんは銀髪で、船の上の人は金髪だ。


「レイちゃん、お土産がありますよ、それとマッサージをお願いします」


「ニャ~《上お得意様のお財布さんの娘さんで・・・・・・そうだ、まだ名前を知らない、僕の前で名前で呼ばれたことがないんだよな。なんて名前ですか?》」


名前を聞く事が出来ないので、家の人が呼んでくれるのを期待しているんだけどなかなか呼ばれないんだよな。


緩やかに旋回した大きな船は岸壁に停泊するために少しずつ近づいてくる。凄いな、よく岸壁にぶつからいよな。


舳先に立っていたお姉さんが甲板の上を後ろの方に走って行くのが見えたが、船が近づいてくると僕の視界は船の船体しか見えなくなった。


「ロープを止めてくれ」


「ニャ~≪僕にそんなこと出来ないよ≫」


「はいよ」


ああ、僕に言ったんじゃないんだ。声の方に視線を向けると岸壁を舳先の方に走っている男性がいた。


船から投げらロープが岸壁にあるキノコ型の杭に結ばれた。あの杭にも名前があるんだろうか。


「ニャ~≪あれ、何か大事な事をしていたような・・・・・・ああ、カニさんがいない≫」


何処にもいない、今日も逃げられたか、次は絶対に食べてやる。


「レイちゃん、お待たせ。さあ、行こうね」


お姉さんの豪華で暖かそうな服装が少し羨ましい、もう直ぐ冬で外が寒くなると僕は寒くて外に出るのが辛くなる。


「ニャ~≪こんにちは≫」






「ニャ~≪あそ~れ、の・の・字・・・の・の・字・・・の・の・字≫」


お姉さんのリクエストの便秘に効くマッサージを始めた。大腸に沿うようにのの字にマッサージをすると便秘解消に効果がある。お母さんが買って『これ読むとマッサージが上手くなるわよ』と渡された神谷先生の本には女性の為のマッサージの効果とやり方が書かれていた。


神谷先生の本には初心者でも分かりやすいように難しい言葉が使われていないのでとても理解しやすかった。


お姉さんは『南の大陸でマッサージの本を見つけたのよ、素晴らしい効果がずらりと書かれていたのよ、だけどマッサージのやり方が書かれていない、効果だけが書かれた本だったのよ。それで、ともても残念な思いをしたのよ。その時にレイちゃんを思い出したのよ、もしやレイちゃんなら私の悩みを解決できるマッサージが出来るんじゃないかと、どうなのレイちゃん?』と残念そうな表情から期待した視線を向けられた。


「ニャ~≪の・の・字・・・の・の・字・・・の・の・字、安定感が悪いな≫」


仰向けのお姉さんの太ももに乗ってりるけど、痩せているので安定感がない。


自分の体を大きく回転させて、大きいのの字にマッサージするのは大変だ。


便秘解消のツボマッサージが七か所ある、次の予約の時間まで頑張って全ての施術した。


「レイちゃんが知っていてくれて嬉しいわ、レイちゃんを見ていると可愛いのは勿論だけど親しみを感じるのよね」


嬉しい事を言ってくれるよね。次も頑張ってマッサージしますね。







「ローラお嬢様、お持ちしました」


「ありがとう」


ノックもなく勢いよく開けられたドアからメイドさんが入って来た。30歳位の女性で気の強そうな感じだ。


「こちらに置いときます」


テーブルの上に持って来た物を置いて直ぐに出て行った、勢いよく閉められるかに見えたドアは静かに閉められた。


おお、遂に名前を知る事が出来たぞ、ローラさんか・・・・・・お嬢様ぽい名前だ。そうだ、お財布さんの名前も知らないぞ。


「ニャ~《いい名前ですね》」


「良かった、お土産が荷物から出てきて、帰って来て直ぐにレイちゃんに会えるとは思ってなかったから適当に仕舞ってしまったのよね。2.3日後にマッサージをお願いに行った時に渡そうと思ったのよ、だからそれまでに出てくればいいと思ったのよ」


「ニャ~《お土産か、楽しみです》」


どんなお土産かな、猫にくれる物だと遊び用のボール、猫が上るタワー、こたつ、布団セット、首輪、食べ物、ネコのねいぐるみ、この中で欲しいのはこたつだけど電気がない。


「凄いでしょう、特注レイちゃん用リュックよ」


お姉さん・・・ローラさんはとてもう嬉しそうに両手で広げてリュックを僕に見えるようにしてくれたけど、特注リュックて誰が中に物を入れたり出したりするんだ。


「ニャ~≪どんな役に立つのか分からないけど、ありがとう≫」


「レイちゃん、後ろを向いてね。わぁ~、凄く似合っているわ、とても可愛いいわ・・・・・・リュックにミヤちゃん達のお土産を入れてと・・・・・・完璧ね」


ローラさんに手伝って貰ってリュックを背負ってみたら、何気に嬉しい。


手を通してリュックの下の部分にあるベルトを留めると安定感が合って横ずれがしない。


「ニャ~≪あそ~れ、クネクネ、クネクネ・・・・おお、見事にヒットしている、リュックを背負っていても走れそうだ≫」


「気に入ってくれたのね。もう帰るの、いつもありがとう」


「ニャ~≪お昼を食べたら、マッサージをしに行かないといけないので、ローラさん、お土産ありがとう≫」


ローラさんにお別れを言って家に向かう、お財布さんが家に居なかったのは、港でまだ仕事をしているからだろう。





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