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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
31/521

ニャ~・・・31

「ニャンパラリン、パン」


「どうですか、パンの試食です」


「美味しいですよ」


「食べて~」


僕達は市場を練り歩いている、先頭は僕で市場に来ている人達の気を引く事、朝一で発声練習をして≪ラ≫を言えるようにした、とても難しかったが、≪ニャンパラリン≫を言いたかったので頑張ったった。


ジャンプした後にニャンパラリンに合わせて前方宙返りをして着地。小さい動物の前宙と話している事で目立つ、それに動物が服を着ている、不思議な事ばかりで更に注目を集める事には成功している。


僕の後ろからはミヤちゃん、アカリちゃん、メグちゃんの順番で声を出してパンの宣伝と試食を勧めている。


「ありがとう、美味しいのね」


「食べやすいサイズの試食ですよ」


ミヤちゃん達3人は自分のお気に入りの洋服の上に真っ白なエプロンを着ている、手には一口サイズに切ったパンを入れたバスケットを持っている。


「パン、ニャンパラリン、パン、パン」


僕が寝ている間に作戦は出来上がっていた、朝起きた時に作戦の話を聞かされて理解できたのなら頷いてとミヤちゃんに言われたので頷いた、更に、その作戦のバージョンアップを考えた。


ナタリーさんの洋服も生地が薄いけど冬用なのでとても暑い、でも寒いよりはいいのでなんとかなりそうだ。


「甘みがあるのか、飽きないで食べれそうだな」


「なんだ、柔らかいパンだぞ、シチューに付けなくても食べれそうだ」


「パンの試食です~」


「美味しいよ~」


「俺にもくれ」


「どうぞ」


「ところで何処のパン屋なんだ?」


「3番の道路の中間です」


「3番の中間か近いな、今度買いに行くよ。美味しい試食をありがとう」


試食をあげてお礼を言われ、美味しいパンだと褒められる、アカリちゃんは笑顔でお辞儀をして声を出している。


ふむふむ、ミヤちゃん達も頑張っている、僕の家族とアカリちゃん、皆いい人で頑張り屋さんだな。


「よろしくい願いします」


「ニャンパラリン、パン、パン」


買い物で混んでいる市場から移動してからも頑張る僕達、人通りが少ない方が説明も試食の感想を聞くのもやりやすい。


「恥ずかしかった、ミヤ達はどうなの?」


「アカリ、レイが一番目立っているのよ、私達は声を出してパンを配ればいいのよ」


「そうだよ、これもお菓子の為、そう思えば楽しいよ」


「そんなもんかな、疲れた」


「ニャンパラリン、パン」


「レイ、少し休憩よ」


「ニャ~≪了解だ≫」


そうか、アカリちゃんの為に休憩するんだな。


凄く目立っていたな、おじいちゃんの小さい時に・・・・・チンドン屋さんと言うのがいたらしい、それが仕事で、お店のオープンの前か当日に商店街など、人が集まっているところで、チンドン屋さんが変な格好で太鼓など音を鳴らして宣伝をしていたらしい。まさか僕がそのチンドン屋さんみたいな事をする事になるとは思わなかった、僕が頑張れたのは猫の姿だから出来た事で、人間の姿だとアカリちゃんのように恥ずかしくて出来なかっただろう。


「ニャ~≪おい小娘、そんな格好で何しているんだ?≫」


「ニャ~≪ジョンさん、久しぶり。知り合いのパン屋さんが困っていて、宣伝のお手伝いをしているんだよ≫」


「ニャ~≪小娘、そのパンは美味しいのか、ジョン、勝負するか?≫」


「ニャ~≪マックス、勝負がしたいのか? それともパンの味が気になるのか、どちらなんだ?≫」


「ニャ~≪そうだな、パンの味が気になる≫」


「ニャ~≪マックスさんも久しぶり、パンは美味しいよ≫」


市場から離れた所で休憩をしていたらジョンさんとマックスさんに声を掛けられた。


「よう、お前も散歩か?」


「ああ、マックスの運動の為にな」


「ジョンも運動不足だ、最近は外に出るのが面倒で散歩は久しぶりだ」


「あははは、俺もだ」


こうやって言葉が分かると本当に便利だな。


「ニャ~≪パンの味はどうなんだ?≫」


「ニャ~≪好みがあるからね、食べてみる?≫」


「ニャ~≪いいのか?≫


「ニャ~≪それなら俺にも≫」


「ミヤ、パン、めし」


「ほら、よく噛みのよ」


そうか、ここにいる皆にあげよう、どうしたらいいんだ・・・・そうか。


「ミヤ、パン、めし」


僕はジョンさんを指してパンめしと言う事でパンをジョンさんにあげてと伝えた。マックスさんにも同じ様にあげるように伝えた。


「友達にあげたいのね、大きい猫だから少し多めに」


「君、悪いね。その小さい猫は君の猫なの?」


「はい、私達の猫です」


「珍しいよね、小さい猫、ジョンの友達のようなんだ、猫同士で話している様なんだよ」


「そうだな、マックスとジョンがいるところによく現れるよ、小さいと凄く可愛いな、僕の好みはカッコいい猫だけどね」


「お、ジョンが美味しそうにパンを食べたな、ありがとう、それじゃ行くよ」


「俺も行くか、港で走らせてやるんだ、ごちそうさま」


「はい、レイをよろしく」


「ニャ~≪小娘、このパンは何処で売っているんだ≫」


「ニャ~≪そうだ、大事なのは売っているお店の情報だ≫」


「ニャ~≪僕の家から坂を下りた所にあるよ≫」


「ニャ~≪そうか、小娘の家の近所か≫」


「ニャ~≪美味しかったぞ、ごちそうさま≫」


「ニャ~≪喧嘩は駄目だよ≫」


「「ニャ~≪≪勝負だ≫≫」」


ジョンさん達はそれぞ違う方向に向かって行った、ミヤちゃんは小さく手を振って、微笑んでいる。


「レイちゃんとあの大きい猫は友達なんだ、何を話しているんだろうね」


「それは、アカリちゃんのパンが美味しいと話していたんだよ」


「メグちゃんは面白いよね」


「さあ、休憩は終わりだよ、次はどっちに行こうか?」


「ミヤ、西の街の市場に行こうよ、あそこだと私の家を知らない人ばかりの筈だから」


「そうだね、知らない人に知って貰おう」


「知って貰おう、美味しいパンを」


「ニャ~≪凄い行動力だな、まだ小さいのに、女の子は早く大人になるんだな≫」






初日から頑張っている僕達、西の街の方が長い時間宣伝をした、夕方になると帰るのに時間が掛かるので今日はこの位にしようとなって帰る事になった。


「頑張ったね」


「二人ともありがとう、沢山の人に試食して貰えたよ」


「食べてくれたね、美味しいとも言っていたよ、アカリちゃんのお店にお客さんが増えるといいね」


「帰ったら反省会よ、アカリ泊りに来てね」


「泊まりに行くよ、今日はお風呂入れるの?」


「今日は入れないよ、お風呂沸かすの大変なんだって、薪がね」


「薪か、家もパンを焼くのに沢山使っているな」


「外に出れるようになれば拾ってこれるね」


「後、何年か先だね」


そうか、小さい子は街から出れないんだろうな、野生の動物に魔物? がいるからね。


「アカリちゃんが来れば、お母さんのお菓子が食べれる」


「メグ、昨日全部食たでしょう」


「今日はお菓子がないのか~」


「パンが沢山売れれば、お母さんがお菓子を買ってくれから元気を出してメグちゃん」


「大丈夫だよ、パンは沢山売れるよ、でも今食べたい」


そうだな、努力しても報われない時もあるけど、きっと今日の努力は無駄にはならない、直ぐに売れるようになる筈だ。


しかし、何を反省すればいいんだ、みんな頑張ったのに。





反省会は疲れた人達がマッサージを受ける時間に変更された。


ミヤちゃん達なのでトントンマッサージでいいので僕の疲れは貯まらなかった。


最初にアカリちゃんにして、その次がミヤちゃんだった、最後のメグちゃんは寝てくれると思ったけど最後までしっかりと起きていた。


『疲れも取れた、明日はお菓子が食べれるかな、おやすみ』と言って眠りについた。


今日も同じ事をする事になっているけど、まだみんなは起きていない。


「メグ、アリ、ミヤ、メグ、アリ、ミヤ」


「おはよう、レイちゃん」


「メグ、ニャ~≪おはよう≫」


寝起きの良いメグちゃんが起きた、メグちゃんの協力で起こそう。


「アリ、ミヤ、アリ、ミヤ」


「アカリちゃん、起きて、お姉ちゃん、起きて、起きて~」


「おはよう、今、誰か叫んでいなかった」


「ミヤ、めし、ミヤ、めし」


「レイ、起こしに来なくていいて言ったでしょう、猫なんだからお母さんのお願いを聞かないでよ」


「ニャ~≪既に何回も頼まれているので、今更、分からないふりが出来ません≫」


「凄いね、レイちゃんが起こしてくれるんだ。いい子だね」


僕を捕まえて、アカリちゃんは頬でスリスリをする、僕も少しは気持ちいいんだけど、人間は凄く気持ちいいんだろうな。


僕も死ぬ前に沢山スリスリしてみたかったな、犬好きもスリスリするのかな・・・・犬好きはキスをしてそうだ、猫好きもキスをするのかな。僕が聞いた話だとばい菌がどちらにも良くないからキスはしない方がいいらしい。


「みんな、朝食を食べたら西の市場に行こう」


「そうだね、あっちの方がお客が増えそう」


「お金持って行こうかな、お菓子が食べたい」


階段をどたどたと大きい音を出して下りて行く、リビングでは朝食の終わったシンシアさんがジャンにオッパイをあげていた。


「皆早く食べてよ、片すから」


「「「は~い」」」


「ジャン、美味しかったでちゅか、お腹は一杯になりまでちゅか、なりましでちゅね」


「アババ、バブー、キャハハ」


ジャンの食事が終わった様だ、お腹が一杯になったジャンは静かにしている。少ししたら寝るだろうな。


「シンシア~、シンシア~」


のんびりと毛づくろいをしていた僕は大きい声に驚いた、声の主はサキさんだ。


「あら、サキの声ね、何かあったのかしら」


「はあ、シンシア大変なのよ」


「お茶いれるから落ち着いて」


「ああ、そうね」


「おはよう、サキさん」


「ハリーさんおはよう。ああ、ごめんない、食事中だったのね」


「お待たせ、これを飲んで落ち着いて」


「ふ~、落ち付いてきたわ」


「それで何があったの?」


「お客さんさんが凄く来ているのよ、それに、常連さんも来てくれてたのよ」


「良かったですね」


「ハリーさん、常連さんはここの皆みたいに長期休暇で旅をしていたそうなのよ、何日か前に船で帰って来て、今日からパンをまた買うと言ってくれたのよ、それも買わなくなった人全員が、は~大変」


「それの何処が大変なのよ」


「ミヤちゃん達が宣伝してくれたので他の人も定期的に買いたいと言ってくれたのよ・・・どうしようそんなに焼けないわよ」


「良かったね、お母さん」


「そうか、アカリが手伝えば・・・・・・まだ無理か」


「誰か雇えばいいじゃない、2人でやるのにも限界があるわよ」


「そうか、誰か雇えばいいのね、商人ギルドに依頼を出さないとごめん帰るわね」


「頑張ってね」


「ありがとう」


嵐の様な慌ただしさが終わった、常連さんは船で旅に出かけていたのか、もしかして、皆が旅に出るのを知らせてくれれば慌てなくても良かったんじゃないのか、皆が何も告げないで旅に出てしまったから人気が無くなったと勘違いをしたんだな。


「成功したのよ、私達の作戦が」


「そうだね、ミヤ達のお陰だよ」


「いつお菓子が食べれるかな」


「朝食を食べたら、皆で見に行こうよ」


「そうだね、急いで食べよう」


もうチンドン屋をしなくていいのか、アカリちゃんも恥ずかしいから良かったな。


「ごちそうさま、レイ、行くわよ」


「ニャ~≪そうか、今日の予定は無くなったんだから、日課をしに行こう≫」


「シンシアさん、ごちそうさま」


「ごちそうさま」


三人は食事が終わったので、アカリちゃんの家に向かう、僕も毛づくろいを止めて後を追いかけた。


「レイちゃん、お昼からはジャンの面倒を見てね」


「ニャ~≪分かりました≫」


後ろから掛けられた声に返事をして走り出す、ジャンの面倒は見れないけど一緒に寝よう、ジャンも喜ぶ筈だ。






「ニャ~≪君がジョンの知り合いの小娘かい?≫」


「ニャ~≪そうです、ジョンさんの友達の方々ですか?≫」


「ニャ~≪そんな感じ≫」


「ニャ~≪そうとも言う≫」


「ニャ~≪前に負けた≫」


「ニャ~≪僕はマックスに聞いて来た、パンが美味しいて≫」


「ニャ~≪俺達は猫の大好物のパン、それも美味しいと聞いたからご主人様を連れて来た≫」


「ニャ~≪俺も連れて来た≫」


「ニャ~≪みんな連れて来てきれたんだ、ありがとう≫」


「ニャ~≪君は生まれたばかりなのかい?≫」


「ニャ~≪しかし、生まれた時から違うんだな≫」


僕の周りにジョンさんとマックスさんの知り合いの猫が8匹いる、こんなに会話をしたらニャ~ニャ~うるさい筈なのに飼い主同士で会話をしている。『うちの猫がここに連れて来た』『うちもだ』『お宅もなの』『パンが好きなのは当たり前だが、お店を選ぶとはな』『試食したら美味しかったよ、今度からここで買うよ』『俺も届けるようにお願いした』


微かに聞こえてくる飼い主の皆さんの会話は、猫が連れて来たので試しに食べてみたら美味しかった、今度からこのパン屋で買うと言ってくれている。


ジョンさんとマックスさんに次に会った時にお礼を言おう。


「お母さんが、お菓子を買うお金をくれたよ」


「おお、お菓子を食べれる」


「なら、市場に行こう、今なら空いているよ」


「ニャ~≪串焼きは買ってくれるのかな、僕も付いて行く≫」


大きい猫の軍団にちゃんとお礼を言おう。


「ニャ~≪みんなありがとう、パンは沢山売れるみたいです。それと僕は生まれてから1年半位は経ちます≫」


「ニャ~≪なに、小さい猫は成長しないのか、不思議だ≫」


「ニャ~≪なに、生まれてから1年半・・・どれ位の事なんだ≫」


もう、成長してるよ、ただ分かりづらいだけだよ。お礼は言ったので、僕は三人を追いかける、串焼き食べれるといいな。


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