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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
27/521

ニャ~・・・27

《探してくれてた》


「ニャ~《何を探すの?》」


目の前に浮いている女性の洋服は白いワンピース、足は素足でちゃんと見える。女性の後ろの壁が見えるので、女性は透き通っている、女性の幽霊だ。


《家宝よ、探して》


「ニャ~《家宝?お宝なの、それは何処に?》」


《忘れたの、北の木の根元よ、イレーヌにあげるつもりが忘れていたの》


「ニャ~《探してみるね、でも、見付けられるかな》」


《そう、探してね》


「ニャ~《いつの間にか会話が成立しているね、お名前は?》」


《聖女・・・・イブリン、聖女イブリン》


「ニャ~《聖女て自分で言うものなのか、それとも、他の人の名前なの?》」


ああ、消えた、遂に消える瞬間を見る事が出来た、段々薄くなっていって見えなくなったよ。


何て言っていたんだっけ・・・・家宝を探す、それは北の木の根元、イレーヌにあげるつもり。


簡単だな、起きたら探しに行くか、やっぱり、夜に幽霊は出るんだな。






幽霊のイブリンさんのお願いを聞いて、家宝を探してあげる気になったのはいいんだけど。


「ニャ~《北はどっちなの、それに誰にも相談できないよ、ミヤちゃん達にお願いした方が早いよ》」


家の前の道を左に向かって行けば、街と街を繋ぐ街道、またはイノシシに追われた道で、右は何処に続いている行ってみた事がない。


畑が在るからそんなに遠くは見えない。木が見えるのは家の敷地内に生えている1本の木だけ、この木は北の木じゃないな、家の前の木て言ってくれる筈だ。


「ニャン、ニャン、ニャン」


その場でジャンプして、遠くを見ようとしたけど見えなかった。


微かに視界に入るのは横にあるおじいさんの家の木、そうか、登って遠くを見ればいいんだ。


「ニャ~《木登りは得意なのだ》」


助走をつけて走れば、枝の近くまで簡単に登れる、そこから爪を立てて枝の上まで登れば木登り成功だ。家よりも高い枝に乗れたので360度全ての方向が見える、さあ、北の木を見つけるぞ。


「ニャ~≪街が見える、あっちには森だ。右回りで僕の街の方に所々に木が生えている、次がさっき見た森で、森から右に大きい木が生えていて街が在る、街の右にも木が生えていて・・・・・・こんな大自然だもん木が生えているよ、木が生えてない方向はどこにも無いよ。森が在るのは馬車の道の反対側の遠くだ、それ以外は所々に生えている≫」


東京で木を探すと公園、学校、お寺、庭が大きい家、だいたいこの場所だけだ。でも、この世界は何処にでも木が生えている、北の木の根元て近くても遠くても北だよ、何処を探せばいいんだ。


北と話せるようになった方が早く木を探せそうだ。


「レイちゃん、またイノシシを探しているの? ニルスは倒せないわよ。今度は私の所に逃げてくるのよ」


アイシャさんだ、やっぱりアイシャさんがイノシシを倒したんだな。


取り敢えず作戦は失敗した、作戦はなかったけど。


「ニャ~≪ニャンパラリン、ニャンパラリン、ニャンパラリン≫」


「何よその技、凄いじゃない。レイちゃんは何でも出来るのね」


完璧ではないけれど、落ちる速度が少しだけ落ちる。人間の時より確実に運動神経がいい、猫て凄いな。


おお、いい事かを思い付いたぞ、試してみよう。


「アイシャ、ニシ?」


適当な方向を指さして言えば西が分かるかも。


「嬉しいな、ちゃんと言えているよ・・・・・・ニシ?」


首を傾けて考え込んだアイシャさんにもう一度聞いてみよう。


「アイシャ、ニシ?」


今度は違う方向を指してニシと言ってみた。


「ニシ? 方向を指しているかしら・・・・・・方向も、もしかして西を知りたいのかな?」


「アイシャ、ニシ?」


「その方向は北で、西は街の方だよ。今度は方角を勉強しているの、姉さんが賢いと言っていたけど自分から勉強しているのは賢いんじゃなくて勉強熱心? いや違うよね・・・・・・何で方角の事を知っているのかしら、非常に謎、謎猫のレイちゃん・・・・・・なにスリスリしているのよ。この可愛い奴め」


北を教えてくれたお礼だニャン、僕が猫にして欲しい足にスリスリだ、自分がする方になるとは思わなかったけど、まあこんな仕草をするのもいいものだな。後でジャンにもしてあげよう。


「アイシャ、ニシ」


「そっちは、南ね、それでこっちが東よ、これでいいでしょう?」


「アイシャ、ニャ~≪ありがとう、方角の順番も分かったよ≫」


方角は同じだった。教えて貰ったのでアイシャさんの手の上だけどお辞儀をした。


「凄い、お辞儀も出来るのね、出来ない事も勉強して何でも出来るようになるのかしら・・・・・・ああ、だまマッサージをして貰ってない・・・・・・あれ、寝たふりをしているの?」


「ニャ~≪その凄い筋肉は、僕の力ではどうにもなりません、力が付くまでお待ち下さい≫」


北は分かったけど木を探しに行くのは明日にしよう、方向が分かったんだからのんびりでいいよね。


「本当に寝ているのかしら、仕方ないわね、ソファに置いて出かけよう」


ごめんなさい、寝たふりです。





≪探してくれましたか?≫


「ニャ~≪まだです、やっと北が分かりました、明日探します≫」


≪北の木の根元です、お願いしますよ≫


「ニャ~≪頑張ります≫」


「レイ、ニャ~ニャ~うるさいよ、寝ているんだから静かにして」


「ニャ~≪は~い、静かにします≫」


あれ、消えてる、ミヤちゃんが起きていたら見えるのかな。






「ニャ~≪北に来たけど、木が沢山生えているな≫」


これじゃ、何処の木の根元を掘ればいいのか分からないな。


家の前の道を右、北に進んで来た、街に向かえる街道と反対の方向だ。ピョンピョンと跳ねて見えた範囲は少ないけど、木が所々に生えているのは見えた。


先ずは、一番近い木に向かってみよう。





「ニャ~≪だいぶ来たな、おじいさんの家が見えないよ≫」


近いと思った木はだいぶ遠かったな、木の根元か、何か目印があるのかな。


いつ埋めたのか分からないけど凄い昔だから、土を見ても埋めた後が残っていないよな。匂いを嗅いでみたけど土の匂いしかしない。


≪そこではありませんよ≫


「ニャ~≪ビックリさせないでよ、なんで木の中から出て来たんだよ≫」


≪付いて来て下さい≫


僕の非難を気にしないで移動して行った、透けているので見えにくくなると思い急いで追いかける。


横に並ぶと気になる事を聞いてみた。


「ニャ~≪ここから近いのかな? 僕でも掘れる?≫」


≪頑張って掘って下さい、急ぎますよ≫


僕でも掘れるんだ。なんで急ぐんだよ、僕はこれ以上速く走れないんだよ。


「ニャ~≪待ってよ、速いよ≫」


≪仕方のない子ですね、カイト≫


イブリンさんの手からビームのように飛んで来た光が僕に当たった、あれ、速く走れるようになった。凄いぞ、こんなに速く走れるのはチーター位だ。


「ニャ~≪ありがとう、速く走れます≫」


≪さあ、あの木の根元です、頑張って下さいね≫」


「ニャ~≪速くなってからまだ少しだよ、あ痛たたた、転んだよ、どうしてだ・・・・・イブリンさんが消えたから、魔法も消えたのか?≫」


ゴロゴロと転がって止まった、止まってから消えてくっれば痛い思いしなくてすんだのに。


木は、道から少し入った所にあった、枯れた木だった。


「ニャ~≪目的の木がこの枯れた木なのか、僕だけで探していたら背の低い枯れた木は対象にならなかっただろうな≫」


見つかったんだから、木の根元を掘ろう。


硬いニャン、無理ニャン、頑張っても掘れないニャン、もうニャンなんだよ。


僕の爪では少ししか掘れない、後はミヤちゃん達に任せよう。





「お姉ちゃん、これは散歩なのかな?」


「さあね、レイに付いて来たけど何処に行くのかしら」


遊びに行こうとした二人にお願いして付いて来たもらった。





『さて、今日はどこに遊びに行く?』


『面白い事が起きるところ』


『難しいわね、面白い事が起きるかぁ』


『ミヤ、メグ、ミヤ、メグ』


『レイちゃんが何かお願いをしているよ』


『何をして欲しいのよ』


『ニャ~≪付いて来てよ≫』


『付いて来いと言っているのね』


『ニャ~≪これを持って付いて来てよ≫」


『お姉ちゃん持ってね』


『持って付いて行くのね』


『面白い事かな』


『付いてからのお楽しみなのね』


『ニャ~≪僕も楽しみだよ≫』




「だいぶ来たわね」


「レイちゃん、まだなの?」


「ニャ~≪あそこの枯た木が目的地だよ≫」


僕を先頭に二人は付いて来る、道から外れて目的の枯れた木の前に来て地面を足でトントンした。


「お姉ちゃん、レイちゃんはここにしたいんだね」


トイレの催促じゃないんだよ。


「そうなの、変なお願いね、土を柔らくすればいいのね」


間違いだが、掘る事には変わりないので、掘るのをお願いする。


「ミヤ、ミヤ、ミヤ」


「応援はいいわよ、掘ればいいんでしょう」


「ニャ~≪頑張れ、家宝が埋まっているよ≫」


ミヤちゃんは掘り始めた、家宝を見つけるために。






「レイ、掘れたわよ、これでいいの?」


ミヤちゃんの掘った穴を覗き込んだけど何もない、深さは20㎝ほどなので見つからない。


「ニャ~≪浅いです、もっと深く≫」


穴の中に降りて手で地面を叩いて、もっと掘ってほしいと伝えた。


「お姉ちゃん、もっと掘るみたいだよ」


「もう、どんどん掘るわよそれでいいのね」


「ミヤ、ミヤ、ニャンニャンニャン」


穴から出てミヤちゃんの応援をする、頑張れ、家宝は寝すぎているよ、今こそ起こすんだ。


「とりゃ~、とりゃ~」


ミヤちゃんが本気になったぞ、とりゃ~はミヤちゃんが本気になった時の掛け声だ。スコップだと簡単に掘れているな・・・・・簡単に掘れているのか、ここに埋まっているぞ。周り全部を掘らないと出てこないかと思ったけど、この場所が当たりだ。


「お姉ちゃん、す・ご~い、どんどん深くなっていくね」


「私が本気になれば・・・・・・何かに当たった、硬い、土じゃないよ、音が木かしら・・・・・・木箱?」


「す・ご~い、お宝だ・・・・・・誰が埋めたの」


「ニャ~≪ひいおばあちゃん? その上はひひばあちゃん? ひいひいばあちゃん?ひいひいひいばあちゃん?その人が埋めたんだよ、名前はイブリンさんだよ≫」


どの位前のおばあちゃんか忘れたけど、ご先祖様だ、木箱を見つけて驚いているミヤちゃんは笑顔に変わり更に木箱を出し易いように掘っていく。


「ニャンニャンニャン、ミヤ、ニャンニャンニャン、ミヤ」


「レイ邪魔よ、穴から離れて」


「ニャ~≪すいません≫」


怒られてしまった、メグちゃんの横に並んで掘り起こされるのを待とう。


無言で待つ事にしていたので、毛づくろいでもしよう。最近は外に出ることが多いいからよく汚れる、昨日も汚したし、風呂で汚れを落とそう、汚れているとジャンに悪いしね。


「ふう、木箱の周りの土が掘れたわよ・・・レイ、寝てないで起きなさい」


「ニャ~≪寝てないよ、目をつむっていただけだよ≫」


「何が入っているのかな、レイちゃんは中身を知っているの?」


「ニャ~≪家宝だと聞いたけど、それ以上の事は聞いてないよ≫」


「なるほど、レイちゃんにも分からないんだ」


横のメグちゃんに視線を向けると頷いていた、凄いにらみを効かせて木箱を見ている。


「ほら、メグも手伝って、開けるわよ」


邪魔な土が無くなったので、二人で蓋を開けるようだ。


「うん」


「行くわよ」


「いいよ」


縦長の木箱の両サイドに立った二人は、掛け声を掛けて力を入れて上に持ち上げた。蓋を横に置くと中には宝飾が施してある棒? が置かれていた。


「何これ」


「す。ご~い・・・お宝だ」


「ニャ~≪お宝だ~≫」


「お宝なのかしら」


家宝を掘り起こす事に成功した僕達は、道に出ておじいさんの家に向かって歩いている。


それにしても、本当に家宝があるとは思わなかった、イブリンさんは何で木の根元に隠したのかな。それに何で今更それを探して掘るようにと言ったのか。何か忘れているような、イレーヌさんにあげるのを忘れていただけかな、するとミヤちゃん達が掘り起こした棒はイレーヌさんに渡さないといけないのか? それはとても難しいだろう、二人は自分達の物だと思っている筈だ。


「お姉ちゃん、その棒は杖なのかな?」


「どうかな、杖だとしたら高級な杖だよ」


クリスタルを包んだ上の部分、6角形の棒になっている下の部分。どう見ても、高価な物に見えるけど、土の中に埋めてあったんだよね。


杖の長さはミヤちゃんの身長よりも長いので、重たそうだ。


「わ~、軽いんだ。凄く軽い」


メグちゃんに渡された杖は軽い? 見た目が鉄で出来ているようなので重たいと思ったけど、メグちゃんが振り回しているので軽いんだな。


「ニャ~《乱暴に扱わないでね、イレーヌさんに見せる前に折れたら困るんだよ≫」


「レイ、明日はどこを掘るの、楽しみだね」


どうやら勘違いをさせてしまったようだ、伝説のここ掘れワンワンは実在しません。

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