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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
24/521

ニャ~・・・24

「レイ、食事よ」


揺すられて起こされた僕は、ここは何処だと周りを見ると荷馬車のジャンのベッドの上だった。


「ニャ~《食事? まだ着かないの?》」


ミヤちゃんに抱かれて荷台から出ると、ハリーさん達が火を起こして食事を食べていた。


「レイちゃんのお皿はここだよ」


石の上に座ったメグちゃんが、僕のお皿を指して教えてくれた。


お皿の上には串焼きが置かれている、街で買った物なら冷めている筈だ。


「ニャ~《冷めてて食べ頃だな》」


「お父さん、おじいちゃんの所にはいつ着くの?」


「荷物が少なければ、夕方前に着いただろうけど、お土産が多いから夜までには着くと思う」


「今日着くんだね、甘いトマトなってるかな」


「どうかな、お母さんに聞いてみたらどうだ、お父さんはあまり知らないんだよ」


メグちゃんはトマト好き、ミヤちゃんはお肉好き、でも、2人が一番好きなのは甘いお菓子だ。


「そうね、今の時期でもトマトを栽培していると思うわよ」


「楽しみだな」


「ハリーさん、お昼をのんびり食べていて大丈夫ですか?」


リードさんの息子さんが心配しているな。


「今のペースなら大丈夫だと思うよ」


「ああ、大丈夫だ、後半は緩やかな下り坂だ、ハリーさんの言う通り夜までには着く」


そうか、おじいさんの所には1日あれば着く距離なんだ。馬車は1日にどれくらい進めるのかな、よく走り続けられるよな、僕なら1時間も走れないかもしれないのに、馬の身体能力は凄いんだな。


「ミヤ、めし」


「はい、おかわり」


「レイちゃん、串から外すね」


「ニャ~《2人ともありがとう、美味しいよね串焼き》」


3本目の串焼きを貰った、家では余分に置いてあるので、おかわりを頼む事はないけど、ここではお願いしないと出てこない。


「ハリーさん、レイちゃんは随分と利口になったんですね、珍しい猫は賢いんですかね」


「どうなのかな、ミヤ達と勉強を一緒にしたのが良かったのかな」


「親父に聞きましたけど、一緒に勉強をしたんですか?」


色々な事を聞いたんだろ、直接会って疑問に思った事が聞きたいんだな。


「したよ、間違えるとレイちゃんが鳴いて教えてくれたんだよ」


「そうなのよね、メグの先生はレイちゃん、問題を出すのは私の役目だったわ」


「ニャ~《話せれば、もっと簡単に指摘できたよ、鳴いて間違えを教えたり、正解に導くのは大変だったよ》」


「でも、皆さんがレイちゃんと仲がいいから、その・・・意思の疎通が出来いたんじゃないですか、それがなければ猫の言っている事が分かりませんよ」


「そうなのよ、レイちゃんの言ってる事がよく分かるのよ」


そうなのか、試してみよう。


「シンシア、ニャ~≪シンシアさん、マッサージの回数が多すぎます≫」


「旅ので疲れたらマッサージしてあげると言ってくれているのね、レイちゃんは本当に優しいのね」


「そうなんですか、僕にはニャ~、ニャ~とただ鳴いている様にしか聞こえませんよ」


まあしょうがないよね、間違えても。


「ニャ~≪ごちそうさま、着いたら起こしてね≫」


大好きな串焼きを3本も食べたのでお腹が一杯だ、夜には着くようなのでそれまで寝ていよう。


「みんな、食べ終わったら、出発するぞ、夜までには着こう」


「は~い」


ジャンはどうしているかな、ベッドに近づくとあの匂いがしてきた。


「シンシア、おしめ」


「あらあら、布を取り替えないと、今行きます」


「あの、おしめとは何ですか?」


「ジャンが汚す布の事をレイちゃんはおしめと呼んでいるの、おしめとレイちゃんが言うとジャンがオシッコとかした事なの、教えてくれるのよ」


「凄いですね」


会話が終わったシンシアさんはジャンのおしめを取り替えた。


「キャキャ・ハハァ~」


起きてしまったのか、のんびり寝る事が出来ないな、シンシアさんが僕をベッドの中に入れた。


「ジャン、ニャ~≪お手柔らかにお願いします≫」


もう捕まってしまった、今まで寝ていたんだから着くまで起きていそうだな。






「大きいイノシシですね」


「あの大きさなら、冒険者が喜びそうだ」


ハリーさん達がイノシシの話をしているようだぞ、日本の山とかなら居るんだろうけど東京育ちの僕には山で遊んだ経験がない。イノシシも豚も見た事がない、豚は写真とかで見た事があるけど、どの位の大きさになるのか全く知らない。


野生のイノシシを見るぞ、馬車は移動中なんだから後ろから見た方が見易いかも。


「ニャ~≪何処にいるんだイノシシは、右側には動く動物は見えない、それなら左側・・・・・大きい動物が走っているのが見える、イノシシてあんなに大きいの?≫」


ミヤちゃん達は見たくないのかな、振り返って見ると皆は寝ていた。ジャンが寝たお陰で解放されたけど皆も寝ちゃったんだな。


「ガタン」


「ニャ~≪馬車が大きく揺れたよ、ああ~、馬車から落ちた≫」


イノシシを見るのに荷台の後ろから大きく・・・小さい体を出していたからだな。


「ニャ~≪待ってよ、落ちたよ≫ミヤ、メグ、シンシア、ジャン」


走っているし、寝ている皆には聞こえないようだ。それなら走って追いかけよう。


「ヒヒ~ン」


「ニャ~≪そうか、後ろからも馬車ぐ来るんだ・・・・・避けないと危ないよ≫」


避けた後に馬車は通り過ぎて行った、ひかれなくて良かった。


「ニャ~≪ああ、追いかけないと、全力ダッシュだ≫」


馬車との差が縮まったのは最初の2.3分位だった、それからは全力で走った為に疲れてしまい、差が広がるばかりで、いつしか馬車は見えなくなってしまった。






馬車が見えなくなって、走る気力がなくなった。


「ニャ~≪今は夕方位だ、夜までに馬車は着く予定なんだからそんなに遠くはない、一本道だよね≫」


後ろから馬車が来たらひかれそうだから、道路の脇の草の生えている横を進もう。


大草原だな、こんな時じゃなければ大草原を走りまわりたいな。






「ニャ~≪追って来るな、あっちに行け≫」


落ちた場所はから少し走った後に、のんびりと歩いていたらイノシシに遭遇した。動物同士なので友好的な関係なのかと思って安心していたら、なんと襲って来たのだ。


足の速さは僕の方が速いけど、体力と持久力はイノシシの方が上だと直ぐに気が付いた。馬車を追いかけた時と同じで瞬発力しかない僕は、毎日の日課では他の動物のように持久力を付けるのは無理な事に気が付いた。猫はチョロチョロト走る位しか出来ない、速いウーキングの中で一瞬だけ速く走れるだけだ。


突進してくるイノシシを避けるのは簡単だけど撒く事が出来ない。


「ニャ~≪登れそうな木を発見≫」


あの大きい木に登ってやり過ごそう。





「ニャ~≪ニャンパラリン・ニャンパラリン・・ニャンパラリン、イノシシが諦めてくれたようだ≫」


だいぶ時間が掛かってしまったな、早歩きで馬車の向かった方向に行こう。


僕の事を追いかけて来たイノシシは僕を食べるつもりだったのかな。


嫌な事を思い出したぞ、外国の映画で、養豚所を運営する悪者が悪事を見破った主人公以外の人を豚の・・・・・・・・・・・・。


怖い事を思い出してしまった。捕まったら食べられちゃうよね、そんな感じがしてきた。


「ブヒー」


「ニャ~≪岩の後ろに隠れているなんて、なんて賢いんだ・・・・・あれ、さっきより大きくなっている、違うイノシシなの?≫」


また追いかけっこか、逃げるなら馬車の行った方にしよう、少しでも近づくぞ。


「ブヒー、ブヒー」






「ニャ~≪疲れたよ、避けるのは簡単だけど、体力があり過ぎるよ≫」


太陽が沈んでからそんなに経っていないけど、真っ暗になった。少しの明かりでもよく見えるので困らないけど、イノシシもよく見えているのか、僕に必死に突進攻撃を仕掛けてくる。


突進攻撃をくらったら死にそうなので、避けるのは簡単だけど、真剣に避けている。もう何十回も避けているのでコツは掴んだけど、逃げ切れないので僕は疲れて来た、それでも食べられるのは嫌なので必死で逃げるしかない。


「ニャ~≪畑が見えて来たけど、僕の身長だと遠くが見えないよ≫」


畑ばかりだけど、時折、農家の家に繋がっているんじゃないかと思われる道がある。でも、シンシアさんのおじいちゃんが何処に住んで居るのか分からない、街から来たと言っていたけど、ここは街なのか、それとも街から離れた所にある農家がある場所なのか、僕には分からない。


「ブヒブヒ」


「ニャ~≪僕は美味しくないよ、諦めて住んで居る所に帰ってよ≫」


「ブヒブヒ」


「ニャ~≪他の動物の言葉は分からないんだな、人間から見たら動物同士で話しているのかと思っていたのに違うんだな≫」


畑の方に逃げたいけど、作物を荒らすのにイノシシを連れて来たみたいで嫌だな。






「ニャ~≪もう駄目だ、早歩き位しか出来ない・・・・イノシシも流石に疲れた様で突進攻撃を仕掛けてくる元気が無くなったな≫」


少し離れた距離を付いて来るけど、差が広がらないけど、縮まりもしないので、今が一番安心できる。


「ブヒィ・ブヒィ」


鳴き声に力が無くなってきたな、疲れたなら諦めればいいのに。


「ヒヒ~ン、ブルブル」


「ニャ~≪近くに馬がいるんだな、鳴き声が聞こえた≫」


「レイ~、何処にいるの~?」


「レイちゃん~~、何処~?」


やった、ミヤちゃん達の声が聞こえる・・・・・ああ、イノシシがいるよ、二人が危ないよ。


「ミヤ、メグ、ノシシ・・・シシ、シシ・ノシシ・シシ・ノシシ」


声は出る、2人に迷惑を掛けるといけないので、必死に叫んだ。


「レイの声が聞こえた、ノシシて言っていたわ」


「レイちゃんの声は何処から聞こえたの?」


「遠くからよ、私達の声が聞こえたのよ」


「お姉ちゃんノシシてイノシシ?」


「ノシシ、イノシシ、そうかもしれない。まだ≪イ≫が言えないのよ、メグ、家まで走るわよ、皆に知らせよう」


「そうだね、イノシシは・・・・強いの?」


「見た事ないから分からない、メグ頑張って」


「うん、レイちゃん、こちだよ」


「レイ、こっちがおじいちゃんの家だよ」


メグちゃん達の会話が微かに聞こえる、叫び声は良く聞こえる、おじいさんの家がこっちだと、声は遠くなっているから家に向かっているんだな、それなら家の方に向かっても大丈夫だな。






「とりゃ~」


「止めだ」


「大きいイノシシだ、馬車で見かけたのよりも大いいな」


「お土産も沢山貰ったのにイノシシまで貰えるとは、嬉しいな」


「ニャ~≪助かりました、ありがとう≫」


僕が走って来た街道から右側にある道に入って少しすると家が見えた、灯りの洩れている家から数人のシルエットが見えた。その人達は急いで、こちらに走って来た。


先頭を走っているのがシンシアさんと瓜二つの顔の持ち主だった、日焼けしているけど。シンシアさん似の人に続いてこちらに来たのが・・・・シンシアさん似の男性だ、おじいさんではない、シンシアさんよりも若い男性だ、その後からリードさんの息子さんのエネルさんとハリーさんが続いて向かって来た。


日焼けしたシンシアさんはいきなり飛びついて、自分の体重と暴れる事でイノシシを横に倒した、後から来たにシンシアさん似の男性が倒れたイノシシに何回も剣で突き刺した。


「まあ、大きいイノシシなのね。皆、怪我はないの?」


「大丈夫だよ、母さん。姉さんがイノシシを倒してくれたから直ぐに攻撃が出来たから」


「大した事なかったわよ、動きが鈍かったからね」


「レイちゃんが疲れさせたからだね」


「レイ、イノシシを連れて来るのはいいけど、先に行ってよ」


「このモグラも食べる?」


ミヤちゃんの足元で一休みしているとシンシアさん似の女性が僕を見て言った。


「おばちゃん、レイは友達なの」


「そうだよ、おばちゃん・・・おばちゃんだあれ?」


「あのね、私は19歳なのおばちゃんじゃありません、お姉ちゃんか、アイシャちゃんと呼んでよね」


「エルス、大きくなったのね」


「それはそうだよ、4年もあってないんだから」


やはり、皆はシンシアさんの兄弟か、おっとりしたあの女性はシンシアさんのお母さん? とても若く見えるんだな。


「みんさんお疲れでしょう、男性はイノシシの解体をお願い、私達はお茶にしましょう」


お母さんらしき女性を先頭にシンシアさん達が付いて行く、疲れたけど、外にいるとまたイノシシに遭遇しそうなのでのんびりと付いて行く。


「畑の近くまでイノシシが来たのは何年ぶりかな」


「父さんが追われた時が3年前だよ」


「そんな前か~」


「お義父さん、運びましょう」


「そうだな、倉庫の方に運ぼう、イノシシの解体も出来る」


イノシシの解体か・・・・吊るされた状態なのは映画で見たな、解体は見なくてもいいな。やっぱり飲まなくてもお茶だよね。



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