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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
22/521

ニャ~・・・22

「お姉ちゃん、この字で合っている?」


「どれどれ、うん、合っているよ」


そろそろハリーさんが帰って来そうだと思って、ミヤちゃん達は机の所で何かしているようだ。


お風呂に入った時には、洋服が臭くなるのが嫌で洗濯した、ミヤちゃん達は驚いていたけど、バシャバシャしただけなのでよく洗えているのか分からない。


「ニャ~《まだ終わらないのかな、そろそろ寝たいんだけど、寒いんだよね》」


「レイ、先に寝ていていいよ」


「レイちゃん、おやすみ」


「ニャ~《おやすみ》」


どうやら二人の作業は直ぐには終わらないようだ、布団から首を出していたけど、布団の中に潜って寝よう、おやすみなさい。





「皆、荷物を倉庫に運んで下さい」


季節は寒い冬になって、ミヤちゃん達も厚着をして遊びに行った。僕は日課の体力作りと発声練習を海岸で済ませて、招き猫をしていた。


一生懸命にニャンニャンニャンとリズムを取っていたら店の前に馬車が止まった。馬車の御者台にはハリーさんとリードさんが座っていた。


リードさんは馬車から降りると僕の頭を撫でた後にお店のドアを開けて叫んだ。


「ようレイちゃん、大きく・・・・なってないな」


皆に声を掛けた後に僕に挨拶をして成長したか確認したリードさんは、仕入れに行く前と変わらあないと言っている。


そうなのだ、どうやら成長が遅いのか、これ以上成長しないのかどちらかの様な・・・・・・現状維持が続いているんだよね。


「ニャ~≪もう大きくならないよ、一杯食べれば横には広がるけどね≫」


素直に以下の気持ちをリードさんに伝えた。


「ハリー、おかえりなさい」


「「ハリーさん、ご苦労様です」」


「洋服を沢山仕入れて来たぞ、凄く安かったんだ」


そんなに買って来たのかと見に行こうと思ったけど、僕の背の高さだと見えないし、荷台に乗ってもいつもより沢山あるのか僕が分かる筈がないので止めた。


馬車のホロの上に雪が積もっている、3㎝もないけど冷たそうだ。


「ハリー、倉庫より店に入れた方がいいわ、冬物の洋服がもう直ぐ無くなるのよ。店に出してから倉庫に入れましょう」


「何言って言うんだ、去年あんなに余ったじゃないか、どうして・・・・・・こんなにスカスカなのか、どうしてこんなに・・・・・・ああ、そうだな、直ぐに店に運ぼう。悪い店の方に運んくれ」


「ジェシカ、ナタリー、お願いね」


「「は~い」」


しかし、去年の洋服が余ったてた認識があるなら、仕入れより売る方を頑張ってほしいな。


「ニャ~≪リードさん、お店に運ぶみたいだよ≫」


「すみません、リードさん、お店の中に運んで下さい」


「そうですか、倉庫よりお店の方が運び易いな、馬車を移動させますね」


「よろしくお願いします」


お店の前は馬車の道で緩やか、家の前の道は急斜面だ。馬車の移動をすれば運び入れるのが楽になるよね。


仕入れて来た洋服を並べるなら、呼び込みをしない方がいいな。よし、休憩だ、暖炉が僕を待っている。





ダイニングテーブルの上にいつもより少しだけ豪華な料理が置かれている。パンはいつもの様に山積みだけど、お肉が沢山入っているシチューに、果物らしき食べ物がお皿に盛られている。


こんな感じで微妙に豪華な料理が用意されているテーブルの上に僕もちょこんと乗せられている。僕の前の皿には僕の好きな、謎の肉の串焼きが載せてある。


「ハリー、お仕事ご苦労様、誕生日おめでとう」


「おお、過ぎた誕生日を祝ってくれるのか嬉しいな」


感激しすぎなのは、おそらく祝って貰う事が少ないからだろう。


僕が人間なら≪ハリーさん、仕入れをずらせば家族皆と誕生日を一緒に過ごせるよ≫と助言したかもしれない。


「お父さん、いつもありがとう、お誕生日おめでとう」


「ミヤ、いい子だね、嬉しいよ」


「お父さん、お誕生日おめでとう、お土産は?」


「メグ、ありがとう、お土産は・・・・・・ああああ、お菓子を買うのを忘れた・・・・・・」


「頼まれたのを忘れる事もあるのよ、メグも分かるでしょう」


「うん、次は忘れないでね」


「ああ、忘れないよ。沢山買って来るよ」


そう言えば、美味しいお菓子を買って来てとメグちゃんは言っていたな、楽しみのお菓子が貰えなくて残念そうだ。


「お土産の話が終わったて良かったわ、ハリーに誕生日の贈り物よ」


「そうか、贈り物があるのか嬉しいな、開けてみてもいいかい?」


「どうぞ」


ハリーさんの前に出された木箱は目覚まし時計位の大きさだ、手を広げた位の大きさの蓋を開けるハリーさん、中に手を入れて掴んだ物は紐でその先には布が付いていた。


「財布か、新しいのを買おうと思っていたんだよ、ありがとう」


「喜んで貰えて嬉しいわ」


ああ、紐の先は巾着だったのか、紐が茶色で巾着の部分は濃い緑色た、シンシアさんからのプレゼントは財布だ。


「大事にするよ、いい色だな」


喜んでもらえる物を選ぶとは流石シンシアさんだな。


「お父さん、私からの贈り物」


「私も、贈り物」


「嬉しいな、初めて娘からの贈り物を貰うんだな、ああ、感動だな。あれ、お手紙なのかい」


ミヤちゃん達が寝る前に書いていたのは紙なのかな、手紙かそんなプレゼントも嬉しいかもね。


「読んでみて」


「ああ、読ましてもらうよ、≪お父さん、お仕事ご苦労様、疲れているお父さんにマッサージを、レイのマッサージを2回受けれます、誕生日おめでとう≫、ミヤのはマッサージか。メグの手紙にはどんな事が書いてあるのかな、楽しみだな、≪お父さん、お仕事ご苦労様、レイちゃんのマッサージを1回受けれます、誕生日おめでとう≫、そうか、マッサージか嬉しいな、レイちゃんは1回しかしてくれてないからね、3回もしてもらえるのか、ミヤ、メグありがとう、早速今夜使わせてもらうよ」


「良かったわね、旅の疲れが取れるわね」


シンシアさんはハリーさんのマッサージを1回しかの時から笑っている、シンシアさんは何回して貰ったか分からない程して貰っているので1回の部分が可笑しいのだろう。


「みんなありがとう、大事に使わせて貰うよ」


ハリーさんが僕に視線を向けているのは、プレゼントを期待しているからなのかな、何も用意していないのでつい最近出来る様になったこれで、勘弁して貰おう。


「シンシア、ニャ~≪すいません、ハリーは練習してません≫」


「す・ご~い、お母さんの名前を呼んだよ」


「流石ね、レイちゃん、もう一度呼んでみて」


「シンシア」


「レイ、私の名前は?」


「ミヤ」


「レイちゃん、私の名前は?」


「メグ」


「僕の名前は?」


「ニャ~≪ハリーさん、すいません≫」


「何で僕の誕生日に呼んでくれないんだ、皆を呼べるようになっているのに」


「さあ、料理を食べましょう、冷めちゃうわ」


「何で僕だけ、僕の誕生日だよ。シンシアの名前は呼べるに・・・・・・」


「いただきます」


「いただきます」


「ニャ~≪串焼きが冷めたみたいだ、いただきます≫」


ハリーさんに視線を向けると、納得がいかない様な表情をしてパンをちぎって口に入れている。


シンシアさんの名前の練習は『ン』だけだったので直ぐに出来た、まあ、『ハリー』の練習は何もしていないのでいつ出来る様になる分からない。


気が向いてら練習をしてみるかな。






「嬉しいな、腰の疲れが取れるよ」


「ニャ~≪つい最近、上達したんです。座り続けるとこの場所が凝るんです≫」


「少し痛いけど、気持ちいいな」


ミヤちゃん達のプレゼントのマッサージをしている、ミヤちゃん達が書いていたのがマッサージ付きのお手紙だった。プレゼントを選ぶのは難しい、欲しい物が無い人もいる、それにマッサージでお金を稼いで何かを買うよりも、マッサージ券の方がマッサージをする回数が少なくて、僕は嬉しい。


マッサージをするのは好きだけど、のんびりの好きな猫の僕が、毎日マッサージをしてお金を稼ぐのはちょっと違う気がする。それに、4階の暖炉を使わないと僕も寒いし、お客さんも寒いだろう、なので冬のマッサージは暖かい部屋限定だ。


「レイちゃん、私にもして~」


「ニャ~≪お客さん、少しお待ち下さい、このお客さんが寝落ちするまで≫」


「ああ、眠くなってきたな」


もう直ぐです、腰回りのマッサージは終わりました、旅の疲れがだいぶ取れる筈、ハリーさんは直ぐに寝てくれますよ。


「す~、す~」


「ニャ~≪順番が来ました≫」


あれ、二人とも寝ている、今の寝息はシンシアさんのだ。


それでは、おやすみなさい。





「レイちゃんが来て1年が経ちました。今夜は・・・・レイちゃん聞いてますか?」


「ニャ~≪起きてます、目が開いてないだけです≫」


「美味しい串焼きを用意しました、さあ食べましょう」


「お母さん、レイちゃん寝てるよ」


「先に食べ終わっているから眠いんだよ」


「そのなんだ、レイちゃんには言っとかないと、この時間には食べ終わっているよな」


「仕方ないでしょう、秘密にしておきたかったんだから、文句を言わないで食べましょう」


「「「は~い」」」


みなさんすいませんね、ポカポカなので寝ます、お食事を楽しんで下さい。


「「「「いただきます」」」」






「どうしよう、産まれそうだ」


もっと落ち着いて欲しいな。


「ああ、どちらだ、男の子か女の子か」


ミヤちゃん達の時もこんな感じで慌てていたのかな。


「ああ、名前考えてない」


シンシアさんが産気付いた? 赤ちゃんが産まれそう? まあ、産まれそうなんだろう。


ハリーさんがリビングテーブルをグルグルと回っているんだから、赤ちゃんが産まれるのはもう直ぐなんだ、ハリーさんがグルグルしだして1時間位は経っているかな。


朝からバタバタしていて、お産の準備でお湯を沸かしたり、キレイな布を用意した。お昼近くになるとお婆さんが現れて『3人目だから慌てなくても大丈夫だ』とハリーさんに言っていた。


「ニャ~《旦那さん、落ち着いて下さい、奥さんは頑張ってますよ》」


看護師のように話しかけてあげたけど聞こえてないだろう。


ミヤちゃん達はシンシアさんの事が心配だけど、自分達の部屋で赤ちゃんが産まれるのを待っている。


僕も出来る事がないので、火の付いていない暖炉の前で寝ている、ナタリーさんの洋服を着ているので暖かい。


「お父さん、赤ちゃん産まれたよ」


階段をバタバタ降りる音がした後にミヤちゃんが駆け込んできて、無事に赤ちゃんが生まれたとハリーさんに報告した。


「ミヤ、産まれたのか、シンシア~」


なさせない叫びを発してリビングを出て行ったな、僕も新しい家族を見に行こう。


「レイ、行くよ」


ミヤちゃんが僕を一緒に連れて行ってくれるようだ。


男の子かな、それとも女の子。ハリーさんは男の子がいいと言ってた、ミヤちゃん達も弟がいいと言っていた、シンシアさんは何も言っていなかった。


「やった~、男の子だ。これで俺の味方ができたぞ」


ああ、そういう事か、女の子が多い家庭にありがちな、お父さんは1人で寂しい、仲間がほしいと。


しかし、シンシアさんの美貌に息子はメロメロで《お母さんが言っている事の方が合っているよ》と言われる可能性がとても高い。


ミヤちゃんと後から部屋に入った僕が見たのは、シンシアさんによく似た男の子だ、見た目だとハリーさんの仲間ではないようだ。


「レイちゃん、男の子が産まれたよ、弟が出来たんだよ」


メグちゃんはベッド脇に膝をついて赤ちゃんを見つめて僕に教えてくれた。


「ニャ~《シンシアさん、おめでとう》」


「元気な男の子が産まれたよ、後は大丈夫だろう、皆でシンシアを助けてあげなさい」


助産師のコニーさんは自分の荷物を持って、この家の皆に視線を向けてらシンシアさんを助けなさいと言った。


「コニーさん、ありがとう」


「コニーさん、下まで送ります」


「お大事に~」


赤ちゃんを取り上げてくれたコニーさんは部屋を出ていった。


「レイちゃん、赤ちゃんと遊んでね」


「ニャ~《とても難しい問題ですが、頑張ります》」


シンシアさんに頼まれたけど、手伝える事はあまりないんだよね。


この赤ちゃん、女の子にも見えるな。





「バブバブ」


「ニャ~《赤ちゃん語は分かりません」


ミヤちゃん達には可愛い赤ちゃんで弟だけど、やっぱり一緒に遊べないので出かけて行った。


僕の横で元気にバブバブしている赤ちゃんは、生後・・・何日か経っている。猫の僕に日にちを数える習慣はありません。


春になった位に生まれてから10日位は経ったかな、4階の入った事のない部屋からベビーベッドをシンシアさんの部屋、リビング、お店、3箇所にベッドが置かれた。


今、赤ちゃんがいるのはリビングで、お昼が終わったみんなは、この部屋からいなくなった。


赤ちゃんの名前は・・・・・・。






『家族会議を始めます』


『お父さん、何の会議?』


『おやつの事?』


『赤ちゃんが産まれました、お父さんはとても嬉しです、でも、名前はまだ決まっていません、そこで、皆から赤ちゃんに付ける名前の候補を考えてもらいたいと思います、ミヤとメグもいい名前を考えて下さい、お父さん達も考えます』


『す・ご~い、名前を付けれるんだ』


『お母さんから言うわね、ルーイ、いい名前でしょう』


『父さんは、ハリソンだ』


『私はタルト』


『お姉ちゃんはタルト、私は・・・マカロン』


『ミヤとメグはお菓子の名前を弟に付けるつもりなの』


『まあ、息子だからな、自分の名前を少し入れてみた』


『お母さんの名前が一番いいでしょう、皆のより可愛い名前でしょう』


『シンシアの名前は、男らしさが感じられないよ』


『そんなこと言ったらいい名前も却下されちゃうわよ』


『そうだ、レイちゃんにも何か言って貰えばいいんじゃないのか、もしかしたら参考になる』


『レイ、お父さんが変な冗談を言っているけど、名前を言ってみて』


何でそうなるんだ、僕が発音できるのは少ないのに、でも、面白そうだ、僕の発音出来る組み合わせで名前のように聞こえるのは。


『ジャン』


『す・ご~い、カッコいい名前だ』


『そうね、お母さんのよりはいいわね』


『何言っているのよ、可愛い名前か、カッコいい名前かの違いだけよ』


『おお、男らしい名前だな、今日からジャンだぞ』


『『『ええ~』』』






世界に何人も《ジャン》さんはいるけど、猫に名前を付けられて≪ジャン≫は1人だけだな。


ハリーさんも自分の名前を入れないで、ちゃんと考えればいい名前を思い浮かぶ筈なのに、それにジャンが大きくなって≪父さん、僕の名前ちゃんと考えなかったんだね≫と言われてしまう、それは辛いだろう。


「バブバブ」


赤ちゃんは可愛いな、シンシアさん達に似ているから将来はモテモテだな。


「ニャ~≪やめなさい、僕の手は掴んでしゃぶろうとするのは、手はキレイだけど毛が生えているし口の中に入れるのだけは勘弁して下さい≫」


何とか回避できたけど手は放してくれないんだね、それなら反対の手でくすぐってやる。


「ニャ~≪あそれ~、ごにょごにょ、ツンツン、こちょこちょ≫」


「ア・ハハハァ・エヘヘ~ン」


おお、楽しそうに笑うな、赤ちゃんの笑う声は特徴があっるて聞いた事があるけど、聞いた笑い声を真似出来ないんだよな。うん、とても難しい。


「ジャン、ジャン」


くすぐりながら名前を呼んで・・・・名前を連呼するだけだけど赤ちゃんにはいい事の筈だ、よくお母さんが赤ちゃんに話し掛けているのは赤ちゃんの成長の為だ。なので名前を何度も呼ぼう。


「シンシア、ミヤ、メグ、ジャン、シンシア、ミヤ、メグ、ジャン」


「レイちゃん、僕の名前が入ってないよ」


ハリーさんは2階のドアの所で顔だけ出して指摘をして、そのまま1階に続く階段に向かったようだ。


≪ジャン≫の≪シ≫は濁点を付けた発音を練習していたから、簡単に発音が出来ただけで≪ジ≫以外は猫の鳴き声の≪ニャ~≫と≪シンシア≫が話せるので≪ジャン≫は言い易かった。


≪ハリー≫も来年の誕生日までに出来ればいいと思っていたので練習をしていない、それに、今は赤ちゃんと遊ぶので忙しい。


「ア・ハハハァ・エヘヘ~ン」


おお、ジャンはハリーさんの≪ハ≫の発音を何回もしてくれているぞ。


「ニャ~≪先生、もう一度笑って下さい。ごにょごにょ、ツンツン、こちょこちょ≫」


「ア・ハハハァ・エヘヘ~ン」


流石だ、ジャン先生、≪ハ≫が3回もあったぞ。よし、真似をしてみよう。


「ハァ・ハァ・ハ・ハ、ニャ~≪発音が出来た≫」


ジャン先生を撫でてあげよう、いい子だねジャン先生。


「レイちゃんありがとう、ジャン、お店に行こうね」


「ア・ハハハァ・エヘヘ~ン」


「ご機嫌でちゅね~」


流石3児の母、赤ちゃん言葉で話し掛けている。僕には出来ない、ハリーさんも赤ちゃん言葉で話すのには抵抗があるみたいだった。


「あら、レイちゃんも行くのね、子守りお願いね」


「ニャ~≪違います、よく見て下さい、ジャンが僕の手を掴んでいるんです、僕も抱っこして下さい~≫」


掴んだ物を放してくれないので、手を上げた状態に見える僕は手を手を放して欲しいけど、落ちたら痛そうなので放すのは階段を下り切った後にして欲しい。






「ニャ~《暖かいのは嬉しいけど、放してくれないかな》」


変な日課が出来てしまった、朝ご飯を食べてジャンとお店で過ごす日々。


ジャンはとても可愛くていい子の赤ちゃんだった。オモチャがあればご機嫌でほぼ泣く事のない、泣かない赤ちゃんだ。それには理由がある、おしめが汚れると《シンシア、おしめ》と僕がシンシアさんに報告するからだ、隣にいる僕からすると、いつもキレイなおしめでないと僕が嫌だからだ。


ジャンが今出来るのが手と足を動かす事で僕は抱っこされている、赤ちゃんにあやされているような姿勢になっているけど、疲れると手を離さないでそのまま寝てしまう。


「レイちゃんとジャンちゃんは仲がいいですね」


「そうなのよ、レイちゃんがいればご機嫌で、抱っこして眠るのかお気に入りみたいなのよね」


「シンシア、ジャン」


「レイちゃんが何か言ってますね」


「レイちゃんはジャンが可愛いよと言っているのね、いつも一緒だからジャンの事が大好きなのね」


「でも、レイちゃんが何か訴えているように見えますけど」


「ああ、私達がいるとジャンが起きるといいたんだわ、少し離れた方が良いのね」


「ニャ~《違います、この手から開放して下さい》」


お店にお客さんがいないのに離れていってしまった。もう開放されないんだな。


「お昼食べて来ました、ジェシカさん、お昼どうぞ」


「私、行きますね、ジャンちゃん、行ってきます」


誰も助けてくれないよ、オモチャのような日々はいつ終わるんだ。




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