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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
21/521

ニャ~・・・21

「メグ、めし」


「レイちゃんおはよう、朝食?」


「ニャ~《そうだよ》メグ」


「こちょこちょ」


「ニャ~《くすぐるのは止めてくれ、すごく危険だ》」


「こちょこちょ」


止めてほしいのだが、喜んで遊んでいるメグちゃんを止めるすべがない。


「メグ、うるさいよ、静かにして」


「お姉ちゃん、レイちゃんが起こしに来たよ。お母さんに怒られるよ」


「それを早く言って」


こちらに背を向けて寝ていたミヤちゃんは直ぐに起きて歩きだした。それに続くようにメグちゃんも部屋から出ていった。


「ニャ~《毎朝の任務が完了した》」


朝食が終わっているのでこのまま寝よう、猫は寝ているのが一番似合う。


「あなたも来なさい」


「ニャ~《わざわざ戻って来なくてもいいのに》ミヤ、ミヤ」


「ほらレイ、いいから来るの」


置いていってくれないようだ、僕の朝食は食べ終わっているのに。


「起きて来たわね、さあ食べて頂戴。片付いたらお店に行くからね」


「いただきます」


「いただきます」


「レイちゃん、後でお店に来てね」


「ニャ~≪了解です≫」


食事中のミヤちゃんの足の上に乗せられている僕は、シンシアさんに言われて、のんびり過ごす予定が変更になった。







あの日から何日経ったのかな、カウンターに置かれている僕は、のんびりと毛づくろいをしてジェシカさん達が洋服を縫い終わるのを待っている。


「ジェシカさん、ここはどうすればいいんですか?」


「ああ、そこは裏返して重ねるのよ、その後に縫うの、そうすると表が綺麗に見えるのよ」


「そうか、布をくっけて縫うのは神業だと思ったらそんな簡単な方法だったんだ」


ナタリーさんはまだまだ時間が掛かりそうだ、ジェシカさんに教えてもらわないと先に進まないようだ。


「もうすぐ出来そうね」


お店を開けている時間だけど午前中なので、ほぼお客さんが来ない。招き猫をするにしてももう少し時間が経ってからだ。


ジェシカさんの作っている洋服の色は薄い茶色とレンガの色の濃い赤色だ、帽子が付いているようなので寒さがだいぶ凌げるだろう。


「レイちゃん、嬉しそうね」


「ニャ~《分かりますか、洋服が出来るのが待ち遠しいです》」


そうだ、洋服が縫い終わったら、次は暖炉前に置く僕用のベッドをお願いしようかな、でも、2回も同じ方法でお願いしたら怪しまれるな、何かいい方法はないかな。


「行って来ます~」


「行って来ます~」


「二人ともお昼には帰って来てよ」


シンシアさんの声が聞こえたのか、微かに『は~い』が聞こえた。


「できた~」


見ているのに飽きていた僕の前に出された洋服はとても可愛い洋服だった。


「ニャ~≪何でカッコいい洋服にしてくれなかったの、可愛い服は嫌だよ≫」


カウンターを叩いて抗議してやる。


「バンバン、バンバン」


「ジェシカ、レイちゃんが喜んでいるわよ」


「はい、最高の洋服ができました」


「私も頑張らないと」


「ニャ~≪抗議してるんだよ≫」


「さあ、着てみようね」


ああ、止めてお願いだ。


「凄く可愛いわよレイちゃん」


「良かった、大きさも丁度いいみたいです」


「ニャ~≪着ちゃえばもうどうでもいいや、それに暖かい≫」


2着の洋服を作っているように見えたけど、内側が濃い色の赤で、外側の色が薄い茶色の洋服だった。


パカーの上にチョッキを着てい感じのデザインで、2枚の生地が縫い合わされているので、とても暖かい。凄いデザインを思いついたな。


「私ももう直ぐできます、私のも着てみてね」


「どうなの、動き易い?」


「ニャ~≪ゆったりとしているので動き易いです≫」


あそれ~、ニャンニャンニャン、ニャンニャンニャン、踊れますよ。


あそれ~、ニャンニャンニャン、ニャンニャンニャン、暖かいな。


あそれ~、ニャンニャンニャン、ニャンニャンニャン、帽子も快適。


「動き易いのね、さあ、呼び込みに行って来てね、レイちゃん」


シンシアさんは洋服が出来て浮かれている僕に呼び込みをして欲しいと、そろそろ道に人出が増える時間だ。


「ニャ~≪了解です、ジェシカさん、ありがとう≫」


「ああ、レイちゃんにお辞儀されました。いいのよお礼はマッサージで」


「ニャ~≪ああ、マッサージがして欲しんだね、いいでしょう、お礼に長い時間しますよ≫」


ジェシカさんは洋服が完成したのとマッサージをして貰えると思っているので嬉しそうだ。


シンシアさんはお客さんを呼び込んで欲しいので、僕を抱っこして店の入口に向かった。


「レイちゃん、お昼までには完成するから、私にもマッサージをしてね」


「大丈夫よ、喜んでいるレイちゃんはマッサージをしてくれるわよ。勿論私にも」


そうだね、シンシアさんが一番して欲しそうだよね。


取り敢えず、招き猫をしてお客さんを呼び込もう、マッサージはお店が閉まってからだ。


「ニャ~≪どうですか、凄いデザインで暖かいですよ、お店の中にはたくさんの洋服があなたを待っています、見て行きましょう、そして、暖かい服で冬を乗り越えよう≫」


暖かい洋服最高だ~、ナタリーさんの洋服も監修がジェシカさんだから楽しみだな。






僕が屋敷の部屋に来た時、アスベルさんはベッドに寝ていないでソファーに座って何か飲んでいた。


今日は4回目だったけど、ベッドに寝ていなくてもいい位に快復していた。


「ニャ~≪マッサージ終わりました≫」


「ありがとう、終わったんだな、もう痛みを感じないな」


アスベルさんは洋服を着て腰を動かして痛みがないか確認している。


「終わりましたね」


「ああ、長かった。痛みだしてから何日経つか分からん、この街に来て良かった。レイちゃんありがとう、マッサージを受けなければいつまで続いたか、本当に痛くないんだな」


「ニャ~≪良かったです≫」


「もうどこも痛みを感じなんですね」


「ああ、全く感じない、それに前よりも体が軽いようだ。マッサージとは素晴らしいものだな、ソードもして貰えば良さが分かるぞ」


「そうですか、機会があったらして貰います、その時はよろしく、レイちゃん」


「ニャ~≪疲れを取るマッサージならいつでもしますよ≫」


二人はテーブルを挟んでソファーに座ると雑談をしだした、この街から旅立つ準備の話をしているようで、僕は料金を貰ってないし、テーブルの上に首から下げるお財布が置いてあるので待つ事にした。


「では、旅の準備をします、2.3日掛かると思いますので、それまで寛いでお待ち下さい」


「悪い、よろしく頼む」


「レイちゃん、玄関まで送ろう」


「ニャ~≪は~い、よろしく≫」


「レイちゃん、ありがとう、マッサージのお礼を入れといた、私の住んで居る街に来たら遊びに来てくれ、美味しいお肉を用意しとくぞ」


何処に住んでいるのかな、その街に僕が行く事はないだろうな。


「ニャ~≪お礼が楽しみです》」


アスベルさんは僕の首に財布を掛けてくれた、ソードさんがドアの所で待ってくれているので急いで向かう。


「ニャ~《ありがとう、元気でね》」


アスベルさんに手を降ってお辞儀をして、玄関に向かうとソードさんの横に並んだ。


「助かったよ、まさか猫がマッサージをするとは思わなかった、ギルドに依頼した時も半信半疑だった。腰痛が治ったので数日後には旅立たれるだろう、ありがとう」


「ニャ~《ミヤちゃん達が喜びます、またね~》」


僕がマッサージをすればミヤちゃん達が喜ぶ、今回はギルドに遊びに行かなければ依頼を知ることが出来なかった、偶然は偶然を呼ぶとおじいちゃんが言っていた。


近道を使って家に帰ろう、外は寒いけど洋服のお陰で暖かい、ナタリーさんの作ってくれた洋服は単色のパーカーみたいだった、少し生地が薄いので寒そうだな。






暖炉に火がついてる。


「ニャ~《今日から幸せな日々のはじまりだ~》」


暖炉の横に置いてある僕用のお皿を暖炉の前に移動すれば・・・・・・ポカポカ。


ああ、暖かいな、ベッドを作ってもらわなくてもいいな。


「ニャ~《いただきます》」


少し早い夕食だけど、食べ終われば幸せのお休みタイムだ、急いで食うぞ、ポカポカは逃げないけどのんびりする時間の為に急げ~。


お腹が一杯になった、おやすみ。






「レイちゃん、もう夜よ、ベッドで寝たら」


「ニャ~《起きてます、ポカポカで幸せです》」


「お母さん、スープが冷めちゃうよ」


「は~い」


シンシアさんが起こしに来たけど、まだ夜ご飯の最中なんだ。寝る時に声をかけてくれればいいのに。


「レイちゃん、マッサージに行って来たんだよね、あのおじさん良くなった?」


「ニャ~《良くなったよ、自分の街に帰るて言ってた》」


「今日はマッサージの日だったね、レイ、こっちに来て」


ああ、財布を渡してなかったね。


暖炉の前から食事をしているミヤちゃんの足元に向かう。


ミヤちゃんは椅子から降りないで、僕をテーブルの上に乗せて首に掛かっている財布を外してくれた。


洋服を着ているので、財布を自分で外すのが面倒で、首にぶら下げたままにしていた。


「あれ、今日は1枚しか入ってないよ」


「おじさん間違えたのかな」


「まあいいじゃないのレイちゃんが稼いでくれているんだから、どうせミヤ達はお菓子を買うだけでしょう」


「レイは楽しんでマッサージをしているの、それにレイも串焼きのお肉を喜んで食べてるんだから」


「す・す・す・ご~い」


ミヤちゃんから渡された財布からメグちゃんがマッサージの代金を出して驚いている。


「メグ、何が凄いの?」


メグちゃんの前の席のシンシアさんが驚きすぎのメグちゃんに何が凄いのか聞いた。


「金色のお金が入ってた、凄いよね」


「どれ、見せて」


「はい」


確かに金色の硬貨だな、大銅貨が1万円だとすると小銀貨、銀貨、小金貨は1千万円位の価値だ。凄い金額をくれたんだな。


「お母さん、この金色の硬貨は小金貨の上の金貨だよね」


「ええええ~、小金貨でも凄いのに金貨なの、本当だわ。どんな人の家に行ったのよミヤ?」


「領主のソードさんの家、ソードさんの知人をレイがマッサージしたんだよ」


「腰の痛いおじさん」


「ニャ~《そんな大金を猫の僕に持たせたのか、凄い人だな》」


「領主様の家に行っていたの、悪い事はしてないわよね?」


「レイちゃんがマッサージをしただけだよ」


「そう、レイのマッサージを受けたいと領主様からの依頼だったんだよ。悪い事は何もしてないよ、いい事をしたんだよ」


「ニャ~《腰痛を良くする為にマッサージをしました》」


「どうしたらいいのかしら、こんな大金」


「美味しいお菓子を買うから大丈夫だよ」


「メグ、この金貨では美味しいお菓子は買えないのよ、お釣りを用意出来ないのよ。母さんが預かっておくわね」


「「はぁ~い」」


ミヤちゃんとメグちゃんはとても残念そうだ、アスベルさんも治ったお礼をくれるなら気軽に使える金額にしてくれれば良かったのに、高額すぎて使えないよ。日本の10万円金貨でお菓子を買いに行ったらお店の人が困る。偽造通貨の心配もあるので、お店にご遠慮されるだろう。


財布を取ってもらったので暖炉に戻ろう、ポカポカが僕を待っている。


「ミヤ、メグ、お父さんの誕生日はどうするの?」


「お父さんの誕生日?」


「誕生日にお父さん居ないよね」


なるほど、ハリーさんの誕生日はやっぱり冬だったんだ、仕入れに行っているからいつも居ないんだな。それにしてもお父さんの誕生日にプレゼントを用意できる年齢ではないよな、シンシアさんの時はたまたまお金を用意する事が出来たけど、去年はどうしていたのかな。


「ミヤ達に何か貰ったら喜ぶんじゃないかな、去年は仕入れの後にレイちゃんを向かいに行ってくれて、良い事があったんだから、お父さんにも何かあげた方がいいんじゃないの」


「は~い、メグと何をあげるか相談するね」


「手鏡はどうかな、お父さん、好きだよね」


「ふふ、他のがいいとお母さんは思うわよ」


誕生日に手鏡をあげているハリーさんに、自分の誕生日に手鏡を貰ったハリーさんがどんな反応をするのか見たいな。


シンシアさんも想像したのだろう、面白そうに笑っている。


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