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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
16/521

ニャ~・・・16

「ハリー、洋服がよく売れるわね」


「ああ、どうしてなんだ」


それは、季節に着る服を前もって手元に有るのがいいから、暑くなってからエアコンを買うのはいいけど、設置が終わった頃には一番のピークを過ぎていたなんてよくある話、我慢できなくて後から買うよりも初めからあれば、使うか使わないかの選択ができる。洋服も季節に合わせて着るのに持っていないと駄目だからね。


「ニャ~≪必要になる前に用意する人が多いからだよ≫」


「レイちゃんが、僕のお陰だと言っているわよ」


「まあそうなんだろうと僕も思うけど、理由が知りたい」


僕は皆より早くご飯を食べ終わって毛づくろいをしている。自分をペロペロするのにも抵抗が無くなったな。毛づくろいでは、毛を飲みこんじゃう事がないよう気を付けている、綺麗にした時に飲み込んでしまうらしい。


「私の書いた看板が良かったんだよ」


まあそうだな、看板がなければ季節の前に洋服が置いて有ると知らせする事が出来なかった。


「うん、お姉ちゃんのお陰だよ。お菓子も沢山食べれたよ」


「それは、内緒でしょう」


「うん、そうだね」


「お菓子を食べた事が内緒なのか? お父さんにも教えてくれ」


「あら、お母さんにも教えてよ」


メグちゃんの言い出して事で、秘密を教えてとハリーさん達が言っているけどどうするのかな。


「お母さんにあげた高級なお菓子を私とメグが味見をした話、それでお母さんに美味しいお菓子をあげたんだよ」


誕生日の日の夕食に遅れて来た時の事を言っているんだな、あの時も看板のお陰でお菓子を食べれたからね。貰ったシンシアさんはマッサージが終わった後に食べたと言っていたな、僕はマッサージをしている最中に寝ちゃったけど。


「あの美味しいお菓子の事ね、また食べたいわね」


「ああ、あのお菓子か」


それにしても洋服の在庫が減ったな、秋物の洋服がよく売れたんだけど、ついでに夏物も売れた。


僕は交通事故で死ななかったら、どんな仕事をしたのかな。マッサージはもっと上手くなりたいと思っていた、頑張っている人の疲れを取れたらと考えていた。そのお陰で両親にするマッサージが上達したのかもしれないな。


「そう言えば、ミヤとメグの誕生日がもう直ぐよね」


「そうだ、何かしないとな。去年は遅れたけど、仔猫のレイちゃんを買ってあげた、今年はどうするかな」


「私、大きい船が欲しい」


「私はお姉ちゃんの船と違う色の船」


大きい船とは、おもちゃの船の大きいのが欲しいのか、港に停泊してる本物の大きい船の事かな。


「船は買えないわよ、それに操縦できないでしょう」


シンシアさんは本物の船の事だと思っているんだな。


「そうだぞ、何処に行きたいんだ?」


あれ、ハリーさんも本物の船だと思っているのか、それに何処に行きたいんだと聞いたんだから、ミヤちゃんは旅をするのが好きな少女? そうすると妹のメグちゃんも同じ事をしたがるよな。


「未知の大陸よ、謎がそこにあるのよ」


「謎があるなら見に行かないといけないのよね、お姉ちゃん」


「そう、謎を一緒に見ようね、メグ」


「うん、一緒に見る」


大変だな異世界の子供の親は、日本の子供だったら海外旅行に行きたい位だろう、探検家の様に謎があるから何て言わないよな。


「船は買ってあげれないので違う物にしてくれ、そうだ、手鏡はどうだ?」


「ハリー、手鏡はもういいから」


ハリーさんは手鏡が一番最初に思い浮かぶんだな、僕なら洋服かな・・・洋服は有りすぎるな。


「お父さん、プレゼントは誕生日まで秘密にして」


「私も秘密がいい」


「よし、2人が驚くような物を用意するぞ」


「私も2人にあげないと駄目ね、何がいいかしら」


この流れでいくと僕も何か用意した方がいいのかな・・・・・・猫の恩返しはネズミが相場だけど、僕は違うのにしよう。




「レイちゃん久しぶり」


「ニャ~≪よく会っているいるよね≫」


我が家の4階のベッドにうつ伏せに寝ているサキさん、アカリちゃんのお母さんだ。


綺麗な金髪の髪はよく手入れされているのだろう、サラサラだ。女性の髪形の名前が分からないけど、首よりも長く背中に少しかかる位の長さだ。


「レイちゃん、今日は長いのをお願いよ、ミヤちゃんが店に来ると事を知って、頑張ってパンを焼いたんだから」


ミヤちゃんはサキさんのパン屋に行くと全てのパンを購入するらしい、それを知ったサキさんは沢山パンを焼いたんだな。でも、ミヤちゃんはどうやって沢山のパンを持って帰ってくるんだ。


「ニャ~≪いつもすいませんね、では、頑張ってマッサージをします≫」


シンシアさんの誕生日のプレゼントを買う為に始めたマッサージ、お金が溜まって止めたけど今日からまた始める事になった。






『レイ、自分の誕生日に自分で買い物がしたい』


『す・ご~い、私も買う』


『だから、マッサージを始めるわよ、明日から』


『また、受付するんだね』


『そうよ、居ない時はテーブルに代金を置いて貰う。前と同じ』


『ニャ~≪マッサージはします、目標金額は?≫』


『誕生日の前の日まで、マッサージをしてね』


『私の誕生日はお姉ちゃんの次の日だけどどうするの?』


『そうね、私の誕生日の前の日までマッサージをして、私の誕生日に2人で買い物に行こう』


『うん、楽しみだね』


『レイ、頑張ってね』


『レイちゃん、頑張ってね』






いつもの様にお尻に乗せて貰いマッサージを始める。


「久しぶりね、ああ、気持ちいいわ、疲れが取れて行くわね」


まだ始めたばかりなのでまだ効果はないけれど、その気持ちが大事なんだ。効果がないと決め付けてしまうと本当に効果が表れないかもしれない。


「ニャ~≪痛くありませんか、少しずつ力を入れていきますね≫」


もう少し手が大きければ効率よく押す事が出来るけど、どうやら僕の手は大きくならないようだ。ジョンさんとマックスさんの手は僕の2倍以上の面積がありそうだ、あの手だと遠くも押せるし、力もありそうだ。


どうなったのか、二人の・・・・二猫の喧嘩は。犬の喧嘩かと思ったけど猫の喧嘩だったな。


「レイちゃん、もう少し強く」


「ニャ~≪了解です、僕も鍛えてます、力が付いてきたんです≫」


サキさんのご要望に従い力を入れていく。どうやら僕は、大きくらならないらしいので運動で力を付けるしかない。


「ああ、その位がいいわね」


「ニャ~≪了解です、この強さを基準にマッサージをします≫」


背中と足のマッサージが終わったので、次は手のマッサージだ。


手のマッサージは難しいな、思った通りに動かしても人の手の指の様にして指圧が出来ない。爪を出さないようにして指の角の部分でツボを指圧する、これが限界だ。棒とかも持てないからな。


マッサージが終わったので、サキさんの顔を手でツンツンして起きて貰った。


「寝ちゃったのね、ああ、気持ち良かった。疲れが取れたわ、料金はテーブルの上に置いて行くわね」


「ニャ~≪ありがとう、また来て下さい≫」


「レイちゃん、またよろしくね」


うちのお店で買った秋物の洋服を着るとサキさんは帰って行った。


確か予約は明日から、サキさんは特別なお客さんなので飛び込みでも受け付けている。


「ニャ~≪お昼を食べよう、その後はのんびりするぞ≫」


僕は4階の部屋からリビングに向かう為に廊下に出た。


「レイちゃん、お客さんを連れて来たよ」


メグちゃんがお客さんを連れて来たらしい。メグちゃんの後ろには・・・・女性の冒険者? がいた。


「ニャ~≪無理だ、その筋肉を僕のマッサージでほぐすのは≫」


「よろしくね、マッサージ、とても楽しみです」


メグちゃんの連れて来たお客さんをマッサージするよ・・・・・・断れないよ。







家を出た時に看板の文字が見えた。


≪マッサージ、止めました≫


マッサージの仕事? が終わった。





『レイ、予定の金額が溜まったわ』


『す・ご~い、早かったね』


『ニャ~≪前回より、早いんだね≫』


ミヤちゃん達は椅子に座って、貯まったお金を数えて僕に言った。




ミヤちゃんの首に掛けられて・・・・お出かけでは、これがお気に入りなんだね。


看板の前を通って坂の通りに出る、自分の足で歩けるけど何故か僕の居場所はいつも首の所。


過ごし易い気温になってきたので、道行く人の洋服の生地は厚での物に、デザインは変わっていないのに生地が少し厚いだけで夏物に見えない、不思議だ。


偶に通る馬車じゃ緩やかな斜面の道を通っている、急な斜面を通っているのを見た事がないけど、上れないのかな。


「アカリ~、おはよう」


「アカリちゃん、おはよう」


うちの並びと言えるのだろう場所にアカリちゃんの家、パン屋さんの前にアカリちゃんがいた。


「ミヤ、メグちゃん、おはよう、あ、レイちゃんもおはよう」


上を見ると煙突から煙が出ていたので、パンが焼かれているのが分かる。


「ニャ~≪おはよう。すいませんね、見えない所にいて≫」


僕達がアカリちゃん家の前に着くと、サキさんがお店から出て来た。


「みんな、おはよう」


「おはようございます」


「おはよう」


「買い物に行くのは良いけど、変な物は買わないでよ」


「大丈夫です、買う物は決定しているので」


「うん、決まってるよ」


「決まっているのよ、お母さん。今日は買いに行くだけ」


「夕方までに帰って来てね」


「「「は~い」」」


マッサージで稼いだお金で買い物をする予定だ、ミヤちゃんとメグちゃんは買う物が決まっているらしいので、お店に行って購入すれば今日のお買い物は直ぐに終わる。


ミヤちゃんを先頭にお店に向かおう。





ミヤちゃんが入ったお店はカバン屋さんだ、店内には色々な商品が置いて有る。


肩から掛けるショルダーバッグ、手に持つハンドバック、エコバック? 他に名前がありそうだ。ハンドバックだけど手を通して肘の所に掛けるバック、背中に背負うリュックサック、あと巾着袋の紐の長いバック、大きく分けて5.6種類位のバックが棚や商品台に載っている。


「沢山あるね、買うのは決まっているの?」


「まだよ、アカリも選ぶんだよ、自分の分を」


「え、何で私の分なの?」


「アカリも誕生日が近いでしょう、私とメグからの贈り物よ」


「そうだよ、お姉ちゃんと相談したんだよ」


「でも、私は二人にお返しできないよ」


自分のを選んでと言われて驚くアカリちゃんの視線はもうバックを探している。


「ニャ~≪気にしなくていいんだよ、お客さん第一号はいつもサキさんだからね≫」


「ほら、レイが早く選べと言っているわよ、足りなければ皆で働こうとも言っているわね」


「うん、言ってるよ、だから欲しいのを探そう」


「ニャ~≪働くのはどうせ僕だ、それにお金は使う為にある、ある時に思い切って使おう≫」


「そか、分かった、いつかお礼が出来る様になったら何か贈り物するね」


「そうそう、早く選ぼう」


「「は~い」」


ミヤちゃんの号令のもと、店内の棚に移動したメグちゃんとアカリちゃん、それを笑顔で見つめたいたミヤちゃんも自分のバックを選びに向かった。僕は首に巻き付いたままだけど。






「美味しいね」


「美味しいわね」


「まあ、美味しいわね」


メグちゃんの感想と同じ事を二人は言って目の前の料理を堪能している。


買い物が終わったみんなは、お腹が空いたので広場の屋台に向かった。何回か来ているけど、焼き菓子を買う事はあったけどお昼を食べるのは初めてだ。


「お肉が柔らかい」


「うん、とろけるて言うのかな」


「噛まなくても口の中で崩れる」


「それだ、噛まなくてもとろける」


「お姉ちゃん、家でも食べれるかな?」


「お母さんは頑張っているけど、お店と同じ料理は作れないよ」


「そうだね、うちの母さんもパンを作るのは上手いけど料理は普通だからね」


三人と僕が食べているのがシチューだ、それも口の中でとろけるとても美味しいシチュー、この味をお母さん達が作れたらお店を出せるだろう。


「ニャ~《とても美味しいよ、家で食べる干し肉と塩漬けのお肉のみじん切りと比べられないよ》」


ただ、猫舌なので食べるのに苦労しているけど、でも、お店のおじさんは僕にも同じお皿で出してくれた。


『こぼさないで食べるれのか? 凄いんだな』


『うん、だから同じ皿にしてね』


『ああ、それなら安心だ』


ミヤちゃんの説明で直ぐに納得する人のいいおじさんだ。


「美味し焼けたお肉はどうだい、温かいよ~」


「ビールあるよ~」


「お土産に焼き菓子、奥さんが喜ぶよ」


「捕れたての魚だよ」


「安いよ安いよ」


なんか昔ながらの商店街の呼び込みみたいだな。


小学生の時には商店街のお店は沢山在ったけど、中学の時には商店街はなくなっていた。


大手のスーパーが商店街をなくしたと母さんが言っていた、スーパーの品揃えと商品の値段の安さに個人の商店が敵うはずがない。商店街だった道の両脇は住宅が建って、もう商店街だったと言っても誰も信じられないぐらい、商店だった建物が無い。


「ミヤ、本当にこのバックを貰っていいの、結構したよね」


「いいのよ、誕生日おめでとう」


「アカリちゃん、誕生日おめでとう」


「まだ、誕生日じゃないよ」


「一応、贈り物は買った、誕生日に会えるか分からないでしょう」


「そうか、そうだね。ミヤ、誕生日おめでとう、メグちゃん、誕生日おめでとう」


「ニャ~《誕生日おめでとう、アカリちゃん、2人とも誕生日おめでとう》」


「レイちゃんもおめでとうと言っているよ」


「ありがとう、みんな」


たまにエスパーがいる、僕の言っている事が分かっているようだ。


しかし、実際に会話をした事がないけど、マッサージの代金で皆のプレゼントが買えたし、美味しい料理も屋台で購入して食べる事が出来た。だけど自分で買う事は出来ないんだな、人間の世界で生活していても動物には何も出来ない。


猫生は少し物足りないな、でもミヤちゃん達のお陰で退屈はしないな・・・・・・矛盾しているよな。


ああ・・・・・今更思い出した、僕の死んだ日は僕の誕生日だった、8月12日が僕の誕生日だったんだ。友達に祝って貰う事のない夏休みの誕生日、一番の親友は敬老の日の生まれだった、まあ、日本の祝日は移動するから、元敬老の日に産まれた男だな。


考えても仕方ないな、今はこ優しい味のシチューを味わって食べよう、家の食事は塩っぱいからね。



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