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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
13/521

ニャ~・・・13

「ああ、ネックレスが無い」


「おばさん、ネックレスが無いよ」


ネックレスが無い事に気が付いたのはメグちゃん、おばさんに話したのはミヤちゃんだ。


「ニャ~≪売れちゃったのかな≫」


「ちょっと待ってね。すいません、お釣りは大銅貨5枚です」


「ありがとう、また寄らせてもらうよ」


「はい、ありがとうございます」


男性のお客さんにお釣りを渡しておばさんは、ドアの所でお礼を言い終わるとこちらを向いて微笑んだ。


「大丈夫よ、ちゃんと取り置きしといたのよ。噂を聞いて、その猫・・・レイちゃんがマッサージをするんだってね。ネックレスを出していたんだけど、それを聞いて、展示するのをやめたのよ」


へ~、気の利いたおばさんだな。


「良かった」


「ビックリした、お金が用意出来たので売って下さい」


笑顔でカウンターの向こうに行ったおばさんは、台の下から木箱を取り出した。


「ほら、これだね」


「ネックレス、有った」


「良かった、お金が沢山あるけどいいかな?」


「ああ、貯めたお金だね、皆で数えよう。手伝っておくれ」


「「は~い」」


「ニャ~≪良かったね≫」


マッサージの料金の硬貨を大きい単位のお金に変えるのには両親に話すか、両替所?とかに行かないと出来ないからね。ここのおばさんは優しいな。


「先ずは、同じお金に分けようね」


「は~い」


「うん」


「ニャ~《僕は首に巻き付いているので手伝えません、間違えがないか見てます》」


「メグちゃんは銅貨を一箇所に集めて、ミヤちゃんは大銅貨ね、私は硬貨の数を数えるわね」


「「は~い」」


沢山あるのが銅貨、お釣りが出ないようにしてくれたお陰だ。大銅貨はそんなに無い。


「大銅貨が10枚か、銅貨が100枚あればいいんだけど・・・・沢山あるわね」


ミヤちゃんは直ぐに大銅貨を選別したけど、メグちゃんは選別をする必要が無いけど、一箇所に集める硬貨の数が多いい。


メグちゃんの集めた硬貨を10枚に重ねていくおばさん、おばさんの真似をして重ねていくミヤちゃん達、そろそろ重ね終わりそうだ。


「大銅貨は8枚、銅貨が119枚か・・・・銅貨だけで買えたのね」


「す・ご~い」


「そんなに有ったんだ」


メグちゃんの凄い~は、すを言ってから少し空けてから、ご~いが続いている。本当に驚いているんだな、顔も驚いている。


ミヤちゃんは凄く嬉しそうだ、初めて稼いだ? ので嬉しのだろう。


そうか、僕も初めて稼いだのか。人気が出てきたので、マッサージは、予約制にしたんだよな。






『どうすればいいのかな』


『お姉ちゃん、一日に何人も出来ないよね』


『バンバンバンバン・・・・・・バンバンバンバンバンバンバンバン・・・・・・バンバンバンバンバンバンバンバン』


『レイ、ふざけている場合じゃないんだよ』


『お姉ちゃん、レイちゃんは何かを伝えようとしてるんだよ』


『そうなの、もう一度叩いてみて』


『バンバンバンバン・・・・・・バンバンバンバンバンバンバンバン・・・・・・バンバンバンバンバンバンバンバン』


『4・8・9』


『4・8・9・・・何の数』


『分からない、お母さんに聞いて来るね。メグはここに居て』


『お姉ちゃん、遅いな』


『メグ~、489は予約よ』


『す・ご~い、予約にするんだ』


『ニャ~《僕の暗号が分かったんだね、おやすみ~》」








「お菓子、美味しいね」


「美味しいね」


プレゼントのネックレスが買えた。マッサージで稼いだお金が沢山残ったので、ミヤちゃん達は市場に来ている。


「ニャ~≪市場の広場の為に両脇の建物が離れているのかな≫」


ミヤちゃんの首に掛かっている僕は、首を動かして街の様子を見ている。


広い広場の市場と広場から続く道にも露店がたくさん並んでいる。屋台の料理は焼き物が多くて、湯気や煙が漂っている。飲み物はビール、ワイン、果物酒が売られている。水は沸騰しないといけないので売っていない、高級なんだな飲み水は。


屋台で売っているお菓子は、どれも焼き菓子で甘い匂いがしている。甘いのが苦手なので僕が食べる事はない、美味しいのかな。


「レイは甘いのが嫌いだけど、何か買う?」


「ニャ~≪要らないよ、家に帰ればいつでも食べれるもんね≫」


「レイちゃんが首を振ってる、要らないんだね」


「串焼きのお肉とかもあるに」


焼肉は美味しいだろうけど、人間と違って熱い料理が食べれないんだよ。猫舌て言うけど他の動物だって熱い料理は食べないよ。


「お姉ちゃん、何か飲みたい」


「何がいいの?」


「シードルがいい」


「シードルね、どこかな」


シードル、どんなジュースかな。


「おじさん、シードルを2杯下さい」


「あいよ、2杯で小銅貨4枚だ」


「はい、お釣りは取っておいて」


「悪いね、お釣りは・・・・・・丁度だね。毎度」


おじさんは笑顔でシードルの入ったカップを2人に渡してくれた。


勉強が役に立っているんだな、買い物も完璧だな。


「レイ、少し舐めてみない」


手のひらに載っているシールドを舐めてみると・・・・リンゴのお酒だった、お酒は飲んだ事ないけど、これはリンゴと何かのお酒が混ざっているんじゃないのかな。


子供でもお酒を飲むんだな、薄いからいいのか。確か、水よりもワインの方が安い国があると聞いた事があるけど本当なのかな。






暖炉の横で夜ご飯を食べた僕は、毛づくろいを始めた。


「もう、あの子達は何しているのよ。夜ご飯なのに」


「ほら、外もまだ明るいから遅くなってしまったんだろう」


「そうかもしれないけど、日が沈むと直ぐに真っ暗になってしまうのよ」


そうなんだよな、街灯がないので真っ暗だ、家の明かりが少し漏れているだけなのでとても暗い。


「ただいま」


「ただいま、お腹すいた」


急いで帰って来たのだろう、2人の息は荒い。


手には例の物を持っている。


「も~、早く帰って来なさいよ。暗くなちゃうでしょう」


「「は~い」」


「さあ、夕食だ。2人とも手を洗って来なさい」


2人はプレゼントはソファーに置いて手を洗いに行った。


「よし、みんな揃った、食べよう」


「とっと待って、メグ、お願い」


「おい、なんだ」


「は~い。お母さん、誕生日おめでとう」


「誕生日おめでとう」


「覚えていてくれたの、嬉しいわ」


「そうか、今日はシンシアの誕生日だ」


ハリーさん、忘れていたのならプレゼントは無いんですね。2人はこの日の為に頑張った、受付と置かれたお金を片付けるだけだったけど、この位の年齢にしては頑張ったよ。


「それを2人で買ったの?」


「メグと私が選んだプレゼントよ」


「ありがとう、メグ~、ミヤ~」


メグちゃんから前の席に座るシンシアさんにプレゼントの入った木箱が渡された。


「まあ、プレゼントがあるのね、嬉しいわ、開けていいのかしら?」


「うん」


「開けて」


プレゼントの箱を開けたシンシアさんは凄く驚いている。顔をあげた時にはうれし泣きの涙が見えた。


「グスン、こんな綺麗で高価なペンダントをありがとう。大事にする、一生の宝ね。ミヤ、メグありがとう」


「おお~、凄く綺麗だな、よくこんな高価な物が買えたな」


「いいじゃない、ハリー」


「いやしかしだな、どんな事をしたんだ。父さんには教えてくれ」


「秘密よ」


「そう、秘密なの」


シンシアさんの手元の箱の中のネックレスが高価な物で、購入した代金の出所が知りたいハリーさん、だけど、ミヤちゃん達は秘密にしたいようだ。


「ニャ~≪誕生日おめでとう、シンシアさん。そして、誕生日を忘れていたハリーさん、娘達を見習ってプレゼントを用意しようね≫」


「まあ、レイちゃん、誕生日を祝ってくれるのね。その手の動きはマッサージをしてくれるのね、ありがとう、寝る時が楽しみだわ」


「ニャ~≪これは毛づくろいをしているだけだよ、マッサージはこうだよ≫」


感激しているシンシアさんは、毛づくろいとマッサージの違いを教えようとする僕の動作を見れくれなかった。


「みんな、ご飯を食べよう。スープが冷めるぞ」


「「「は~い」」」


そうだな、みんなは猫舌でもないのに冷めたスープを飲む必要はない。


しかし、僕が両手を一生懸命に動かしていたのは毛づくろいをしてたからなのに、この動きは撫でていたり、擦っている・・・マッサージに見えるのか。仕方ないか。


それなら、シンシアさんの部屋で仮眠しとこう、どうせ起こしに来るなら待っていた方が楽だ。





「レイちゃん、誕生日な喉特別なマッサージをお願い。凄く楽しみよね」


「ニャ~≪プレゼントの協力もしたのにマッサージも誕生日バージョンですか、分かりました、では始めます≫」


あそ~れ、トントントン、トントントン、トントントン。


「レイちゃん、トントンはいいのよ、マッサージをお願い」


誕生日バージョンでトントンしたけどダメでしたか、それなら、実力が上がった最新バージョンをしよう。でも基本からだ。


「ニャ~≪基本は終わった、最新特別バージョンです≫」


リンパの流れに合わせて足首から膝の裏まで、膝の裏から太ももの上まで少し力を入れて押していく。小さい僕は移動しながらだ。右が終わると今度は左、何度も同じ事の繰り返しだ。


気持いいのか、シンシアさんが静かになった。


「いつもと違うね」


「ニャ~≪まだこれからです≫」


ハリーさんはこちらを見ている、自分もして欲しいのだけど、猫の僕は気まぐれなので、たまにしかしてあげません。


足の裏のツボを少し力を入れて押す、押したままで5秒以上経ってから違う場所を同じ様にしていく。


あまり強く押すと痛すぎるので、少し痛い位を見極めて押す。テレビでは押しすぎだけど、あれはテレビ用の押し方だ。


「痛い、おお、真似するものじゃないな」


マッサージをして貰えないと思っているようで、僕の真似をしたようだ。自分で覚えるのもいいけど、マッサージは人にして貰う方が嬉しいんだよね。


「ニャ~≪最後です、これはトントンでいいんですよ、足の裏のツボは沢山あるので≫」


誕生日バージョンは誕生日の歌に合わせてトントンだ、あそ~れ、ハッピースデートントン、ハッピースデートントン、ハッピースデーシンシアさんトントン・・・・どこでトントンすればいいのか分からないけど、声に出さないで歌った、マッサージをしながら。


「ノリノリだねレイちゃん」


「ニャ~≪ハリーさん、プレゼント、お忘れなく≫」


歌詞が最後の方、分からないけどノリノリでトントンした、いつもより頑張って疲れたので、目を瞑りながらマッサージを続けた・・・・・・。






今日も日課の運動を終わらせて坂を上がっていると、シンシアさんが外で立ち話をしていた。


「そうなのよ、うちもお客があまり来ないのよ」


「そうなの、ほら、お客がお店に入ったわよ」


「悪いわね、行くわ」


隣の雑貨屋さんのおばさんはお店に戻って行った。


「あら、レイちゃんお帰り、体拭こうね」


「ニャ~《ありがとう》」


シンシアさんに抱かれて家の方の入口から中に入る、シンシアさんの首には誕生日に貰ったネックレスがぶら下がっている。貰った次の日から必ず着けている。ミヤちゃん達のプレゼントは成功だった、プレゼントは難しい、あげても使われなかったり、気に入らない物を贈る事もある。自分達が贈ったプレゼントが毎日身に着けて貰えるのはどんなに嬉しいだろう。


ハリーさんも次の日には手鏡を贈った、でも、手鏡はミヤちゃんの物になった。同じ手鏡を前に贈ったからだ、同じ物を2個持っている必要がない、それが手鏡なら尚更だ。


「レイちゃん、最近暇なのよ。何かお客さんがお店に来てくれる方法はないかしら」


「ニャ~《僕に言われても、困ります。でも、午前中ならお客さんが来ないのは普通なんじゃないんですか》」


そもそも、異世界の人の行動パターンが分からなければ、何も思いつかないぞ。買い物する人達が多い時間帯、多い日、少ない時間帯、少ない日、人通りの多い所に在るのか、ないのか、お客は何処から来るのか、近所の人、同じ街の人、ミヤちゃんのおじいさんのように違う街の人。


ところで休日とかはあるのかな、個々に休みがあるけど日曜日みたいな、ほとんどの人が休みの日はあるのだろうか。


「レイちゃん、もうすぐお昼だよ」


「日課の飛び込みが終わったのね」


ミヤちゃん達は2階にいた、帰って来た僕を見つけて話しかけてきた。


僕が海で飛び込みをしているのは事実だけど、速度を落とす練習しているの知らない。最近少し出来るようになってきた、回転して上に頭が来た時に体を少し広げる、直ぐに元の姿勢に戻して回転、この繰り返しで落下速度が遅くなっている気がする。


体力作りの方は順調だ、瞬発力と持久力が付いてきた。毎日してれば・・・・休みの日がないぞ、皆にも休みの日がない、そうか、ミヤちゃんの家には休みの日がないんだ、お店の店員さんもそうなのかな。


僕が色々と考えても仕方ない、僕に出来きそうな事の努力をしよう。最近思う事がある、のんびり過ごすのはいいのだけど、何かしようと思う。


ルール壱・・・食べ物を大事に。


ルール弐・・・ミヤちゃん達と外で遊ぶ。


ルール参・・・目標に向かって努力。


ルール参まで出来たぞ、落下速度を落とす、あれは目標ではないな、出来たらいいな位なので、他に目標を考えよう。


「レイちゃん、拭けたわよ」


「ニャ~《ありがとう》」


暖炉の前で拭いて貰った。暖炉の薪に火は付いていないけど、暖炉の前が僕の場所だ。日課の後に拭いて貰ったのは初めてだ、なるべく自然乾燥に頼っている。濡れたまま家に入る事はないのだ。


テーブルに視線を向けるとお昼を食べ始めているみんなは楽しそうだ、しかし、あの山積みのパンを見ると、腹を空かした一家がパンしか食べれないみたいに見える。ここからだと干し肉のお皿が見えない、見えるのはパンだけ。


哀れな一家に見えるけどパンが主食だとあんな感じなんだな、今度パンを食べてみよう、もしかしたら美味しいのかも。

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