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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
115/545

ニャ~・・・115

「ニャ~≪レイちゃん、見張りはつまんないね≫」


「ニャ~≪そうだけど、アカリちゃんの為に頑張るんだぞ≫」


「ニャ~≪うん、敵を発見するね≫」


モモは敵を発見する為に寝ている3人の周りを歩き回る様だ。僕は少し離れた場所で、こちらに向かって来る動物や魔物がいないか見張っている。微かに生き物の動く音は聞こえるけど、こちらには向かって来ない。


人間が見張っているより早く発見できるから、便利猫だ。それに、発見したら会話で教える事が出来る。犬だと吠えて教えるし、威嚇もするんだろう、偉いな犬は・・・・・・猫のニャ~ニャ~だと威嚇になるのかな。


犬さんの鳴き声の方が、感情を表現しているんだな。僕達だと鳴いている猫が居るだけで、何も伝えらないんだな。





「ニャ~ニャ~、ニャ~ニャ~」


「ニャ~≪もうお腹空いたのレイちゃん≫」


「レイ、うるさいわよ」


「そうだよ、何で騒いでいるの」


夜の見張りでは何も現れなかった。出発して、木に止まるいる小鳥に威嚇する様に鳴いてみたけど、地上にいる僕の事を気にした様子はなかった。


「鳴き声でニャン、威嚇の練習ニャン」


「今の威嚇だったんだ、レイちゃんには無理だよ。お腹が空いた時の鳴き声かと思ったよ」


アカリちゃんにお腹の空いた時の鳴き声だと言われた・・・・・・モモは同じ様に鳴いて催促しているんだな。


「ニャ~≪何か跳ねているよ≫」


モモに言われて前に視線を向けると、少し斜面になっている上り坂の街道で、何かが跳ねている。周りの景色から僕よりもだいぶ大きい生き物だと思う。


「ニャ~≪ジャックラビットかも、大きい耳が垂れ下がっているのが分かるよ≫」


「ブゥ~ブゥ~」


特徴のある、豚の様な鳴き声が聞こえて来た。


「魔物ニャン、ジャックラビットニャン」


「あの跳ねているのがそうなの、よく見えたわね」


「敵襲だ、どうするのお姉ちゃん」


「戦うわよ、こちらに向かって来るなら・・・・・・レイ、捕まらないでよ」


「はいニャン」


そう言えば、前に咥えられて運ばれたんだな。あの時は寝てたから気が付かなかったんだよな。


先手必勝だ、僕は猛ダッシュをしてジャックラビットに迫ると、猫パンチのお見舞いした。


「ニャ~≪どうだ、コンパクトに振ったパンチは≫」


「レイ、良くやったわ」


「はいニャン」


「ブゥ~ブゥ~」


僕の狙いは足を止める事にしとこう。効いていな連続パンチを止めて蹴りを入れて後方に飛ぶ。


「ニャンパラリン、先制攻撃」


「アカリ、水攻撃」


「は~い、・・・オー?」


「・・・ルセルティフィキャ」


走り出したミヤちゃんは街道の脇を走りジャックラビットに向かっている。アカリちゃんの水魔法が僕の頭上を飛んで行った、ジャックラビットの顔に見事に命中した水魔法はそのまま体全体を濡らした。続いて飛んできたメグちゃんの診断書の薄い黄色の魔法も見事に命中。


「ニャンパラリン、猫パンチ」


メグちゃんの魔法が当たるとすぐにジャンプして顔面の前で猫パンチを何回も打った。


「とりゃ~」


「ニャンラリン、退避」


ジャックラビットのパンチで殴られそうになったので、その手にケリを入れて反動を利用して後方に退避した僕、その時にはミヤちゃんの剣の突きがジャックラビットの胸に刺さる瞬間だった。


「刺したら抜く、とりゃ~」


ミヤちゃんは刺さった剣をすぐに引いて、次の突きをもう一度、胸の違う部分に刺した。


「おりゃ~」


駆けてきたメグちゃんの杖の殴打がここで始まった。


もう襲ってこれない状態のジャックラビットはミヤちゃんとメグちゃんの攻撃を受けるだけだった。


「ニャ~《モモキック~》」


モモのケリは崩れ落ちたジャックラビットの頭に当たった。


「ミヤ、凄いね。倒したよね」


「終わったのね」


「凄い作戦だったね」


「ニャ~≪私が蹴ったのが効いたんだね、凄いよね≫」


「ご苦労さまニャン、快勝ニャン」


動かなくなったジャックラビットは発見した時より坂を少し下りた所で僕達に倒された。ミヤちゃんの作戦、全員全力の戦いは終わった。モモも蹴りを入れて満足しているだろう。


「さあ、どかすわよ。このままだと、馬車が来た時に邪魔になるわ。私達のせいになるのは嫌よね」


「は~い、どかします」


「私は足ね、ミヤとメグちゃんは手の方ね」


「アカリ、楽な方を選んだわね」


「ニャ~《アカリちゃん、頑張って》」


「ニャンニャンニャン」


応援しよう、何も手伝えないし、3人が頑張って運ぶようなので。





「もう駄目。ミヤ~、交代して。重くて上がらないよ」


「足の方が重いのか、いいよ」


「ありがとう」


足の方を持ち上げようとしたアカリちゃん、持ち上げられなくてミヤちゃんと交代だ。人間で考えると足の方が軽そうに見えるけど、ジャックラビットは足の方も重たそうだ。


「えへへへ、手の方は軽いよ。二人で持つからね」


「ああ、ミヤ、知っていたのね」


「まあね、前にも運んでいるし、担いだ事もあるからね。アカリは見てただけだもんね」


「うん、皆が力持ちだからね。しなくていいと言われたんだよ」


そうかあの時は、キャシーさんとトロイ君がいたな、あの二人は普段から重い物を持つ習慣がある。その点アカリちゃんは、パンを沢山持っても凄く重くなる事は無い。


「ああ、軽いよ。これなら持てる」


街道から3人でジャックラビットをどかした、これで邪魔にならない。


「ニャ~≪アカリちゃん、お疲れ様、鞄に入りたいよ≫」


「モモが鞄に入りたいニャン、寒いニャン」


「ふ~、じゃ入ろうか、どうぞ」


「ニャ~≪ありがとう≫」


「出発~」


「は~い」


「はい」


「はいニャン」


このペースだと後2日は掛かりそうだな。






「大きいベッドと小さいベッド、それに4人座れるソファー。この部屋でいいかな?」


「はい、大銅貨2枚です」


「ありがとう、暖炉の火は起きているから、自分達で調整するんだよ」


「ありがとう」


シーラスを出てから4日後のお昼過ぎ位にキリト村に着いた。村の中に入ると先ずは、宿屋さんを探した僕達。訪れる人が少ないので、村には1軒の宿屋さんしかなかった。


2泊で大銅貨2枚、お部屋を2日間借りる値段らしい。


同じ間取りの部屋が後3部屋あるらしいので、宿屋さんの宿泊施設は四角い建物。施設の前の家が宿屋さんの主人のお宅だ。


「レイ、今から探しに行くの?」


部屋の暖炉の前でゴロンと寛いでいると、キャロット母さんの家を探すのか聞かれた。北の方で会ったのは覚えているけど、特定できる情報を忘れてしまった。家の前に木があった事しか覚えていない。


「明日にするニャン、旅の疲れを取るニャン」


「ニャ~≪お母さん、会いたいよ≫」


「探しに行くニャン、早く会いたいニャン」


そうだな、モモの気持ちを優先しないとな。


「レイとモモちゃんのお母さんを探しに行くよ」


「早く会えるといいね」






「ニャ~≪お母さん、何処?≫」


「ニャ~≪キャロット母さんは何処ですか?≫」


僕とモモを先頭に北の方の民家を探す僕達、ミヤちゃん達は後ろから付いて来る。


僕がこのキリト村に前回来た時に、後で来てくれた? ミヤちゃん達は、リードさんの案内で来たので何も覚えていないそうだ。一番覚えていなくてはいけない僕が北の方で叫んだら、窓から声が聞こえて何とか辿り着けたんだ。


「ニャ~≪君達は、僕の妹なのかな?》」


急に話し掛けられて、その声の方に視線を向けると、民家の前に生えている木の根元に顔を足で掻いている母さんと同じ模様の猫がいた。僕とモモよりも大きい灰色の猫、僕よりも前の時期に産まれたのかな。


「ニャ~《お兄さんなの、私はモモよ、隣にいるのがレイちゃん≫」


「ニャ~≪お母さんの名前はキャロットですか?≫」


「ニャ~≪ああそうだよ、最初に産まれたんだと聞いている、母さんを探していたんだよな、あそこの人間が見えるかい?≫」


視線の先に女性がいる。


「ニャ~≪はい、見えます、女性の人が≫」


オス猫の兄さんが指した人は、イレーヌさん位の40代位に見える女性、鞄を肩から掛けいる。


「ニャ~≪あの人の先の木がある家が、キャロット母さんの家だよ≫」


「ニャ~≪ありがとう、お兄さん≫」


「ニャ~≪ありがとう、兄さん≫」


「あの家なの、レイに似た猫が指していたわ」


「はいニャン」


「ニャ~≪凄いな、人間の言葉を話したぞ≫」


お礼を言って別れた兄さんの呟きが聞こえて来た。


「ニャ~≪兄さん、ありがとう≫」


「ニャ~≪おう、妹達は可愛いな≫」






「さあさあ、遠慮なく入ってね、奥にキャロットは居るのわよ」


「ありがとうございます」


見覚えのある廊下を歩いて行くと、右のドアをおばあさんが開けてくれた。


「ニャ~≪お母さん~≫」


「お土産を持って来ました」


「あら、いいのに」


「ニャ~≪誰かしら、私にお客さん?≫」


「ニャ~≪会いたかったよ≫」


「ニャ~≪まあ、私の娘ね。元気になったのね、嬉しいわ≫」


「ニャ~≪うん、レイちゃんのお陰で、お腹がいたのが治ったんだよ≫」


「ニャ~≪良かったわね、さあ、私のお腹に来て、可愛い娘≫」


ミヤちゃん達はおばあさんと話している、お土産の干し肉をテーブルの上に広げている。


モモはキャロット母さんに無事だった事と、会えて嬉しい喜びを伝えたようだ。久しぶりの再会にお互いの体の毛づくろをしだした。


僕は2人にぶつからない様にして木箱の中に入る。


「ニャ~≪キャロット母さんただいま、モモと会いに来ました≫」


久しぶりに見たキャロット母さんは全然変わっていなかった。


「ニャ~≪レイも来てくれたのね、さあ、来て、二人が街に行った後の事が聞きたいわ≫」


「ニャ~≪私はモモ、アカリちゃんが付けくれたんだよ、嬉しい≫」


「ニャ~≪良かったわね、モモ、いいお名前ね≫」


「ニャ~≪いい名前だよ≫」


懐かしいお腹に頭を載せる、前回来た時は慌ただしく帰る事になったのでのんびり出来なかった、なので、今回はお腹の上に沢山乗ろう。


「レイ、モモちゃんとレイは迎えに来るまでここにいていいわよ」


「うん、おばあさんがそれでいいと言ってくれたんだよ」


「モモ、迎えに来るからね」


「ニャ~≪は~い、アカリちゃんも楽しんでね≫」


「ニャ~≪ミヤちゃん達はお菓子ツアーだね、またね≫」


「ニャ~≪娘が幸せみたいね、ありがとう≫」


これからの事が決まるとミヤちゃん達は出て行った。おばあさんが玄関まで見送りに行ってくれた。


「ニャ~≪お母さん、変な魚を食べたらお腹が痛いのが治ったんだよ≫」


「ニャ~≪まあ、そうなの。街には変な食べ物があるのね≫」


「ニャ~≪それとね、甘いお菓子が沢山あるんだよ、凄く美味しいの≫」


「ニャ~≪いいわね、この村にも沢山有るのよ≫」


「ニャ~≪食べたいよ≫」


「ニャ~≪おじいさん達が出してくれるといいんだけど、どうかしら≫」


「嬉しいわね、元気に過ごしてくれて。それも会いに来てくれるなんて、お土産の干し肉を食べましょうね」


「ニャ~≪聞いた、私の大好きな干し肉よ、塩味は嫌よね≫」


僕と好みが一緒だ、でも、2種類しかないからな、干し肉か塩漬けのお肉のどちらかなんだよな。


僕とモモを箱の中に残してキャロット母さんは自分のお皿が置かれそうな所に向かった。僕とモモは食べたばかりなのでお腹は空いていない。


「ニャ~≪レイちゃん、連れて来てくれてありがとう≫」


「ニャ~≪元気になったモモを母さんに会わせたいと思っていたんだ、それに、母さんもモモに会いたいだろうとも思ったんだよ≫」


いつでも来れると思う距離だけど、ミヤちゃん達やアカリちゃんに行く事を伝えれば、一緒に行くと言ってくれると思っていた、それなら休みの長い雪が降るかもしれない冬の時期がいいだろうとミヤちゃん達に行きたい場所を伝えた。


寒いのが苦手な猫の僕達、夏頃に行きたいと思ったけど学校があったから、言い出せなかった。


「さあ、キャロットとおチビちゃん達、お食べ」


「ニャ~《ありがとう、私の大好物》」


キャロット母さんは、美味しそうに噛み噛みして食べている。


「あら、おチビちゃん達は食べないのね」


「ニャ~《その通りです、でも、ごちそうさまです》」


モモの目が段々閉まって来た、寝るんだな。


懐かしいキャロット母さんの匂いがするな、暖炉のポカポカが気持ちいい、眠くなってきたよ。


あれ、おじいさんがいないぞ? 何処かにお出かけか。



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