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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
110/526

ニャ~・・・110

「レイ、今年の誕生日もお菓子だけよ」


「はいニャン」


お金を貯めているミヤちゃん、今年も自分へのプレゼントはお菓子だけ。メグちゃんとアカリちゃんも同じ物になるんだな。


「行って来ます」


「行って来ます」


「は~い、気を付けるのよ、馬車に」


「はいニャン」


この世界では、馬車に気を付ける。特に小さい僕だと誰にも気が付いてもらえない。モモもサキさんから馬車に気を付けてねと言われているらしい。


朝食の済んだ僕はリビングのメイちゃんとマヤちゃんの頬を撫でてから、学校に向かう、これが日課だ。


「ああ、レイちゃん、起きちゃったわよ」


「マヤ、アブブ、メイ、アブブ」


「はい、にー」「はい、にー」


階段を降りる時に聞こえて来た。ジャンが起きだした2人をあやす様な声が、少しはシンシアさんの助けになっている、優しいお兄ちゃん。今日もおもちゃの家で積み木をしながら妹達の面倒を見てあげるんだろう。




「ニャンパラリン、・・・ルミエール(光)」


「負けないぞ、・・・ピエ・ラピッド(速く)、・・・ピエ・タール(遅く)、・・・ルー(重く)」


僕の隣では、レイモンド君が的に向かって魔法を唱えている、あの時にクリスタルが黒色に光ったので、その属性の魔法だけに絞り練習をしている。


僕は逃げ出してから回転する・・・少しカッコいい動作で魔法を使う練習だ、違った、動作と体力作りだ。魔法は今のままでは駄目なのが分かっているので、動作だけでも完璧にしたい。


「あらあら、どうしてレイモンド君は他の魔法を練習しないんですか? 色々な種類をした方が魔法が使える可能性があるのにどうしてかしら」


「先生、いいんだこれで、他の魔法に・・・・・・興味がない」


2人は杖の効果を秘密にする事を約束したので、どうしてかなのか説明をしない。


「・・・オー、・・・オー、・・・オー」


「ルーカス君は水の魔法、どうしてかしら?」


「先生、僕は水魔法を練習したいんです」


「でも、他の魔法も練習して方が」


「ライラ先生、二人には何か思う事があるんじゃ、最初から見ておった、他の魔法の練習はしておらん。何か考えがある、そうじゃな」


「はい、そうです・・・フロテ(浮く)、・・・ヴオレ(飛ぶ)、・・・レジェ(軽い)」


「・・・オー、・・・オー、・・・オー」


「ニャンパラリン、・・・ルミエール(光)、・・・ルミエール、・・・ルミエール」


レイモンド君の近くで話し掛けたライラ先生、効率の良い練習を勧めたけど断られた、ロイ先生にも二人はこのままでいいと言われて、他の生徒さんの方に向かった。


僕達3人は思う事があって、一生懸命に練習をしてる。


レイモンド君達は属性が分かったから、頑張ればいい。僕も動作の練習を頑張る、いつか魔法を・・・・・・ああ、試してないかも、試したかな、どうなんだ、もう覚えていないよ。頑張るのもいいけど、何をして来たか覚えていないと駄目だ。メグちゃんに頼んで試そう。一応、試さないと始まらない。


今は猫学生、授業で魔法の練習だ。






「ニャ~≪わぁ~、赤色だよね、光ったよ≫」


我が妹モモ、流石だ。簡単に光らせる事が出来たな。


「凄いわ、モモ」


「おお、モモちゃんは赤色か」


「へ~、猫でも魔法が使えるかもしれないんだ、大発見ね。レイ、どうしたの?」


杖を光らせる場所はここ、いつもの様に岸壁で魔法を唱えていた皆。


僕の考えは・・・猫の言葉で魔法を唱えた筈だよねだった。ただ、唱えた記憶が無いような感じだったのだ。どちらなのかは重要じゃなくて、もう一度試す事の方が大事だった。うん、覚えていないから。


アカリちゃんに抱かれて、魔法を唱えたモモ。最初に唱えたのが火の魔法の火だ。


モモは『≪・・・火≫』と唱えた。ミヤちゃん達が唱えている古代語の『オー』が人間の火魔法、猫語の魔法の呪文が分からないと考えていたけど、猫語の火を無心になって唱えるとどうなるか試してみたいと思った。


他にも試す事があった、それは古代語を猫語で唱える事だ。僕が魔法の練習で唱えた時は、人間の声で唱えていた、その時に杖に触って光らせ様としていた。


今日は、古代語を猫語で、猫語の火を唱えて杖に触れて試すつもりで意気込んできたんだけど、最初にモモが結果を出してくれた。


『ニャ~≪・・・オー≫』を試さないで済んだ。


モモのお陰で、猫語、猫が普通に会話に使う言葉がそのまま魔法を使える語源だった。


「ほらほら、レイもしてみなさいよ。杖が光るわよ」


「はいニャン」


モモありがとう、僕、頑張るよ。


「ニャ~≪レイちゃん、頑張れ≫」


可愛い妹を持つ事が出来て嬉しいな、さあ、僕の番だ。





「レイ、練習が足りないのかも」


「そうだよ、そんなに気にしない方がいいよ」


「ほら、モモも使えたんだから、レイちゃんならきっとすぐに使える様になるよ」


「ニャ~≪もっと練習をしないと駄目だよ、そうしないと光から無いよ、頑張れ、レイちゃん≫」


僕の唱えた魔法では光る事が無かった、僕が覚えいる全てをこの機会にぶつけてみた、領主様に読まして貰った、古代語の本に載っていた単語の全てを猫語で唱えてみた、古代語で魔法として使えるかも分からないのに、それらを猫語に変えて頑張った。


「いいニャン、頑張るニャン、魔力が足りないニャン」


「魔力?」「魔力?」「魔力?」「ニャ~≪魔力は美味しいのレイちゃん?≫」


この世界にもそんなのがあるのか分からないけど、光らなくても練習すれば使える様になると・・・・・・イブリンさんが言っていた筈だよ。少し記憶があいまいだけど、うん、最初に光らなくても後で光ったと言っていた筈。


そうだよ、前よりも古代語の魔法の呪文の知識が増えたと思えばいいんだよ。そしていつか使う。


「レイ、頑張ろう。私も使える様になる、レイも使える様になる。頑張ればいいのよ」


「そうだよ、杖はいつでも貸すから、たまに、お菓子を食べさせてね」


「ほら、夕日が綺麗だよ」


アカリちゃんは青春ドラマのような事を言うんだな。


「ニャ~≪ほんとだ、夕食だね。早く帰ろうよ、レイちゃん≫」


「ニャ~≪そうだな、夕食だな≫、帰るニャン」


「よし、競争よ」


岸壁で杖を光らせる事は出来なかった、でも、可能性はまだある。今は家に帰る競争に勝とう。


「ああ、レイちゃん、後ろから来てよ」


猛ダッシューでモモに追い付いたら、メグちゃんからいつものお願いをされた。


「はいニャン」


モモを先頭にミヤちゃん、メグちゃん、僕、アカリちゃんの順で家に向かって走る。


「レイちゃん、後ろからお願い」


「はいニャン」


一旦止まった僕は皆の走っている後姿を見た。皆、頑張っている、僕も頑張ろう。


しかし、心の何処かで・・・・・・凄く気になる事があるのに思い出せない事があるような気がする。






季節は秋、林の光景が少し・・・・・・だいぶ変わった、紅葉とはこれの事なんだな。


目の前に広がる、赤色の混じった木の葉が街の中を明るくしてくれている様だ。僕が立っている近くには僕の様に紅葉を見て感動している人がいる。


「凄く美味しそうだね」


「いいわね、綺麗な赤色とこれから綺麗になる木の葉、これを見ると・・・・・・ああ、そろそろ、誕生日になるんだ、今年は新作のお菓子はあるのかと胸が弾むのよね」


「メグ、先ずはレイモンドの家に剣が出来たか確認、その後、お菓子を食べに行くわよ」


「うん、おじさん、お姉ちゃんの剣を作ってくれたかな、楽しみだね」


2人は林に向かって走って行った。この後は別行動だ、それに剣が完成していたら、僕の授業にちょくちょく出てくれるレイモンド君が話してくれるだろ。


僕は蛹になった七色アゲハ蝶の様子を見てからお店に戻る予定だ、双子ちゃんと会話を楽しむ、少しは勉強になる筈だ。


「ニャ~≪蛹のモスラ君はまだふ化していないよな、いなくなってたら嫌だな≫」


急ごう、飛んでいるのを絶対に見るんだ。





授業中にレイモンド君を校庭の隅にある木の生えたところに連れ出した。


「それでどんな話が」


「僕も聞いていても、いいんだよね」


「いいニャン、お菓子を買うニャン、いい事教えるニャン」


「またそれかよ、今回は一人2枚にしてくれよ」


「それなら僕も2枚で」


「はいニャン」


2人は天才だ、こないだと同じ枚数なのに気が付いていない。


レイモンド君達の後ろには的に向かって練習している風景が見える。


僕が試した魔法の練習の中に、レイモンド君に言ってない呪文が・・・・・・呪文ではないけど、古代語の単語があった。それは領主様の本に載っていたのだが、魔法の本質が分かりかけた僕には古代語の単語が呪文で、心を無にすればいい筈なんだと気が付いた。


「よし、良い情報なんだろうな。話して下さい」


アンバランスなレイモンド君の言葉に頷いて僕は古代語を教える事に。


「黒の属性だと思う物が何個か有るニャン、デュール、ムー、ユルティム、この3個ニャン」


「覚えれないよ、僕には」


「俺も無理、後で書いて下さい。それで、今の魔法にはどんな効果があるんだ?」


「メグちゃんの魔法が飛んで行くの速くなったね」


そうなのか、レイモンド君が邪魔だな。僕が横にズレて見た黄色の薄くなった白色の魔法が、のんびりと飛んでいた。あれで速くなったのか、久しぶりに見たけど、変わったのかな。


「レイちゃん、今は魔法の情報を教えてくれ」


そうだった・・・・・・ええと、次は何を話すの? あれ、忘れた。


「魔法の効果だよ」


話の続きを忘れて頭を振っていたから、レイモンド君が教えてくれた。2人もメグちゃんに視線を向けたけど、忘れていなかったんだな。


「硬くするニャン、柔らかくするニャン、究極ニャン」


「師匠、ニャンは無いしでお願いします」


「デュールは硬く、ムーは柔らかく、ユルティムは究極、二つの単語を繋げれば更に究極になるニャンよ」


「ニャンは付けたいんだね」


「そうニャンね」


「凄え、お菓子の価値以上だな、それで、授業中に声を掛けてくれたんだな」


そうとも言うけど、思い出したので忘れる前にと思っただけだった、それに4人にお菓子をご馳走する事も出来るから。


「ああ~、そうか、レイモンドの作る剣の材料に使えるかもしれないのか、凄いよ・・・・・・使える様になるの、痛い、痛いよ」


「そこは、使える様にするだよ。あれ、もう忘れた、後で書いて下さい、レイちゃん」


「はいニャン」


話が終わるとレイモンド君は的に向かって走って行った、追いかけるルーカス君も授業に戻った。


もしかして、使えたらミヤちゃんの剣の材料になるかも、頑張って貰おうレイモンド君には。


そうか、あれをしよう。





「レイちゃん、串焼きだよ」


何と、串焼きを買ってくれたのか。


「ニャ~≪串焼きだ、早く早く串から外して≫」


レイモンド君は包んでいた皮の包装をめくって、串焼きを取り出した。すぐに串から外して地面に置いてくれた。


「いただきますニャン」


「レイモンド、お菓子美味しいよ、ありがとう」


「いいのさ、お礼だ」


モモと僕は置かれた串焼きのお肉を食べる・・・・・・モモはお菓子を先に食べたけど、まだまだ食べれそうだ。


これは、東側の串焼きだ、レイモンド君は林を抜けた後に買い物をして来たんだな、それでも串焼きは最高だ。


「杖が光って良かったよね」


「黒色に光るのはレイモンド君だけよね、凄く珍しい」


そうなんだ、先日の授業中に教えた魔法を杖が光るか試してみた、これで、魔法としての可能性がある事が分かった。もし使える様になれば、剣の材料に使えるかも。その辺はアイザックさんとレイモンド君に任せて。僕は使えるかもしれない可能性の魔法を検証した。


「みんなありがとう、それにしれもレイちゃんは凄いよな、もし駄目でもいいよ、もしかしてがあるんだからな」


「ああ~、何で僕までお菓子を買ったんだ、どうして」


「まあ、いいじゃない、男の付き合いだと思えば」


「そうなのかな、そうか・・・・・・」


まあいいのだろう。


ミヤちゃん達は二人に付き合ってお菓子を食べれたんだから何でもいい筈だ。


「ニャ~≪最後の1個だけどどうする?≫」


「ニャ~≪モモが食べていいよ≫」


「ニャ~≪ありがとう≫」


僕は手をキレイにするためにペロペロする、最後の1個をキャープしていたモモから僕が食べるとは言えない。よく食べるモモ、その成長はまだ続いているのかな。

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