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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
108/521

ニャ~・・・108

「どう思いますか、レイちゃん?」


「難しいニャン、それは凄く難しいニャン」


「お先に失礼します」


「はい、ご苦労様でした」


「一緒に考えてくれますか、レイちゃん」


僕と話していたライラ先生は、同僚の先生に労いの言葉を掛けた、それは僕と話している時の切羽詰まった物言いと違って、優しいいつものライラ先生だった。しかし、挨拶が終わると元の切羽詰まった感じを僕にも与える様に顔を近づけて来た。


僕はこの問題を一生懸命に考えたが、僕がどうこう出来る問題ではないと思う。人と人との関係は難しい、間に入って問題を解決できるのか。それにだ、人生経験の少ないかった中学生だった僕の苦手な分野だ。


「先生から話すニャン、相手も喜ぶニャン」


「そうでしょうか、この頃はですね、会話もしていません。前の様に振舞ってくれるかしら、何て話し掛ければいいのでしょう、お願いします、私に教えて下さい」


一生懸命なライラ先生、それなら僕から少しだけ話してみてもいいかも。それに職員室では他の先生方の視線がちらほらとこちらを伺っている。最年長のロイ先生は最初から視線を外さないでがん見だ。


「レイ、一緒に帰る?」


「レイちゃん、帰ろうよ」


僕を迎えに来てくれたようだ。そして、僕に掛けられた声に反応して職員室の入口に顔を向けるライラ先生。


まあ、仕方ないか。


「メグちゃんニャン、ライラ先生が一緒に帰るニャン、お菓子が食べたいそうだニャン」


「おお~、お菓子のお誘いだ、行こうライラ先生」


「そういう事なら、一緒に帰りましょう、ライラ先生」


「まあ、いいの、嬉しいです、すぐに、すぐに用意します、外で待っていて下さい」


「は~い」


「待っています、そして、沢山食べましょう」


「先生方ニャン、お疲れ様ニャン、またニャン」


「ああ、お疲れ様?」


不思議そうにしている先生方に挨拶をしてミヤちゃん達の後を追いかける。


ライラ先生が小声でありがとうと僕にお礼を言った。






「まあまあ、これが温かいお菓子なのね、ふんわりとしていてとても美味しそうですね」


凄いはしゃぎ様のライラ先生は、目の前に置かれたお皿のホットケーキに視線が釘づけだ。皆の話を頭で聞いているみたいだ。


「美味しいよ、ここに有るシロップを掛けると違う味になるんだよ」


「まあ、違う味に。凄く楽しみです」


「話していないで食べてみてよ、美味しいから」


「はい、いただきます」


アカリちゃんの家のリビング、ライラ先生は目の前の焼けたばかりのホットケーキをナイフで切った。ところで、何で2枚重ねなんだろう、誰か教えて。


職員室でライラ先生の相談事に乗っていた後に校庭に出ると、アカリちゃんとモモが待っていた。ライラ先生と合流して、アカリちゃんの家に向かった。ライラ先生が凄く食べたいと思っていたホットケーキを食べる為に。


ライラ先生からの相談は、最近、メグちゃん達からお菓子を食べるお誘いが無い、それに噂の温かいお菓子を皆が食べた時にも誘われなかったと相談された。


「美味しいです、感激ですね。温かいお菓子はふわふわです、全体が甘いのが特にいいです」


「そうだよね、甘いから特に美味しいんだよね」


「ニャ~≪ライラ先生、ありがとう。ホットケーキが食べれる≫」


静かだったモモは、最初に焼けたのを貰っていた。


「焼けたわよ、次もすぐに焼けるからね、メグちゃん」


「は~い、いただきます」


材料とシロップをランディさんにお願いした。娘がいつもお世話になっているからと焼いてくれるのはサキさんだ。


ここにいても仕方ない、僕もお昼が食べたい、家に帰ろう。ライラ先生の問題は解決した。




「レイちゃん、この絵が洋服なの?」


「はいニャン」


お昼を食べ終わって、休憩をしてたジェシカさんを僕の部屋に呼んだ。書き溜めていた洋服のデザインを書いた板を見て貰っている。


「どれも独特なのね、これなんかひらひらが付いて可愛いわね。こっちは生地を何枚も重ねているのね。ここは、ベルトの様な方に掛けて着る洋服ね。みんな見た事がないわ。レイちゃん、ありがとう。他の洋服の絵も参考にするわ、持っていって良いのかしら?」


「はいニャン、ジェシカさんのニャン、良い洋服出来るニャン」


「ありがとう、今度串焼きを奢るわね、西側の串焼きよ。ありがとう、仕事に戻るわね」


「はいニャン」


ジェシカさんは下に降りていった。


僕が見た事のある洋服の絵を描いてみた、才能がないので上手く描けていないけど、ジェシカさんには伝わったようだ。


「ニャ~《串焼きか、それも西側の串焼きだ。楽しみだな》」


そうだ、幸せのうちにお昼寝をしよう、幸せな気分で寝れる。




「ありがとうございました」


「さあ、今日はこれで終わりかな」


「ナタリーのそれ、役に立つわね」


「そうですよね、お客さんに丁度いい洋服を選んでお渡しできます。それに、どの位ゆったりした洋服を選ぶかの目安にもなります、凄い便利です」


「そうよね、布の方は曲がったところでも分かるのが凄いわ」


おもちゃの家でのんびりとしてた僕にシンシアさん達の会話が聞こえた。


ナタリーさんの喜ぶ声が、あの定規で仕事をして成功した事が良く伝わって来る。


「がぶがぶ」


「あい」


僕を引っ張る二人の女の子は片手にウサギのぬいぐるみ片手に僕の手をそれぞれ握っている、時折、がぶがぶしているはぬいぐるみの方で、何とか助かっている。


2人が喜んでくれるので、寝ている2人の上に乗って寝てあげている。起きた時には捕獲される運命だけど、喜んでくれるし、シンシアさん達の仕事の邪魔にならない様に出来るので、いい事をしている筈だ。


「ああ、駄目だよ」


「はい」


僕を放してくれた二人は積み木で遊んでいるジャンの積んであった積み木を崩した。


「倒すのが、面白いんだな。いいよ、積んであげる」


妹達が積み木を崩すのが楽しい事に気が付いたジャンは、崩して遊ぶ妹の為に次から次と積み木を積んで行く。違う場所に移動してまた積み始める。


優しいお兄ちゃんが積んでくれた積み木を追いかける様に崩して回る二人、ジャンと妹達の勝負の様になってきた。


「お疲れ様、僕は明日から仕入れに行くので、シンシアと協力してくれ、少し早いけど給料だよ」


「ありがとうございます、ハリーさんがいなくても頑張ります」


「ありがとうございます、ハリーさんが帰って来るまでメイちゃん達の事もしっかり見ますので、いい洋服を仕入れて来て下さい」


ハリーさんは仕入れに行くのか、カウンターのところで給料を渡しているんだな。


「ありがとう、2人のお陰で・・・・・・シンシアもそうだが、皆のお陰で安心して仕入れに行けるよ、今日はもういいよ、お疲れ様」


「やった~、何か買い物して帰ろう、お疲れ様でした」


「お疲れ様でした」


「お疲れ様、ありがとうね」


「は~い」


おもちゃの家の外から仕事の終わりが聞こえて来た。


ナタリーさんの今日はいい事ばかりだな。


「ジャン、2階の行こうか」


「は~い」


「メイ、マヤ、夕食ですよ」


「はい」


「はい」


呼ばれたメイちゃんとマヤちゃんは窓の方に向かった。窓の外でシンシアさんが待っていて2人を抱き上げた、マヤちゃんをハリーさんが受け取って倉庫の方に歩き出した。


「レイちゃん、ご苦労様、閉めるから2階に行ってね」


「はいニャン」


急いで窓から飛び出す、シンシアさんを追い越して、先に行くジャンとハリーさんを追いかける。


そうだ、ナタリーさんからのお礼はいつなんだ、約束したかな? もう、覚えていないかも。辛そうだったあの顔は覚えているけど、どうなんだ、串焼きのお礼はあるのか。


「レイ、お皿にお肉無いよ」


「はいニャン、お代わりニャン」


「レイちゃん、すぐにいれるよ。マヤ、いい子にしているんだよ」


「はい」


おお、ハリーさんが僕のお肉を入れに行ったぞ、どうなんだ、今までに一度もないのにどうしたんだ。別人だ、おそらく、悪い魔法使いに別人格を植え付けられて、お手伝いをする様になったんだな。


「ハリー、私がするから、おむつを取り替えてね、2人に」


「うん、分かった、どれ、おしめを取り替えるよ、いい子に出来るかな」


どうやら、初めてを見る事がなさそうだ。


「どうぞ、レイちゃん。いつもありがとう、明日からハリーがいないのよ、仕入れね。少し大変だけど、よろしくね」


「はいニャン」


そうか、ハイハイ出来る様になったから、お手伝いをしないといけないのか、よし、ご飯を食べて頑張ろう。


「ニャ~≪塩っぱいよ、干し肉だといいんだけどな≫」


ああ~、話せるんだから、お願いすればいいのか、気が付かなかったな。


そうだ、ジェシカさんに冬の洋服は何がいいの聞かれたんだ、でも、お任せだな。僕の絵は壊滅的だ、とてもリクエストを絵にする事が出来ない、それにお任せの方が楽しみが増える。明日、お任せでいいと伝えよう。





「先生、気持ちいいですか?」


「はいニャン」


「私もです」


授業の終わった教室で僕を撫でる小さな手、何度も撫でられてとても気持ちいい。猫先生の僕の授業で問題を正解したご褒美に僕を撫でている。


「先生、お金の計算は難しいです、間違えるとお父さんに怒られます。どうしたらいいですか?」


「簡単だニャン、お父さんに言うニャン、違うお手伝いにしてニャン、間違いはいつか無くなるニャン、それまで他の仕事手伝うニャン」


「そうですね、計算が出来る様になるまで、間違えない様になるまで、他の仕事のお手伝いをします、お父さんに言います」


「頑張るニャン、すぐに出来る様になるニャン」


「はい、もう帰ります、ありがとう」


「気を付けて帰るニャン」


元気な表情をして女の子は教室を出て行った。計算を間違えてしまう子供に代金の受け渡しを任せるのは無責任だ、間違えても何とかなるお手伝いをさせてあげないと子供が可哀そうだ。


授業でやってあげるかな、そうか、お金の単位を板に書いて置こう。


ミヤちゃんも勉強したんだよな、分からないので、大きいお金を渡して、お釣りを下さいだったな。


最低でもお金の小さい順が分かれば、間違えは少なくなる。他の先生に相談だ。


「いた、レイ師匠、お願いがあります」


師匠? 何の師匠かな。





「俺には剣を・・・・・・凄い剣を作る目標があります」


「そうニャンね、頑張るニャンね」


「レイちゃん、レイモンドは真面目に話しているんだよ、ちゃんと聞いてあげないと」


「そうニャンね、頑張るニャン」


それなら二人で僕をこねくり回す様に撫でるのを止めて欲しいよ。


「師匠、話は聞きました、凄腕の魔法使いだと、そこで俺にも魔法を何か役に立ちそうな魔法を教えて下さい」


岸壁まで歩いて来た僕達、相談が有ると言うので仕方なしに抱っこされて来たけど、その相談は魔法の事なのか。


僕を間にして座る二人は、足をぶらぶらとしている、とても、言っている事と行動が伴っていないようだけど、真面目に考えているんだな。


「他の先生に相談するニャン、その方がいいニャン」


「そうは駄目だ、一番魔法の事を分かっている人に相談に乗って欲しい、師匠、お願いだ、俺にチャンスをくれ」


たまに思うんだけど、何故か英語の単語が使われているんだよね、どうしてなのか考えたんだ、その答えは僕の用に転生してきた人がいるからだと思うようになった。


チャンスとは機会かな、合っていると思う。それはこの世界の言葉ではないだろうな、確か、シロップもこの世界よりは地球の言葉だと思う。


「ついでに僕にもお願いします」


2人は海に向かって頭を下げた、ここにいるとブクブクさん達が来そうで、そっちの方が気になる。


ここから右の砂浜に視線を向けると、ブクブクさん達はいなかった、おそらく。そろそろ水温が低くなっているから海底で遊んでいるのかも。


「それでニャン、師匠と言ったのは誰ニャン?」


「メグちゃんです、師匠のお陰で魔法が使える様になったと言っていました」


「確か『えへへへ、レイちゃんのお陰なんだよ、魔法が使える様になったのわ、えへへへ』と言ってたよ」


言いそうな事だな、どうするかな・・・・・・ああ、メグちゃんの杖でレイモンド君達の使えそうな属性を調べればいいんだよ。そうすれば、少しは可能性のある練習が出来る。


「うむ、今からニャン無しでお話をします、大事な話です、いいですか?」


「おお、ニャン無しか・・・・・・どうしてニャンを付けているんだ」


「そうだね、話せるんだから・・・・・・ニャンは付けなくてもいいのをレイちゃんは分かっている筈だよね」


賢い時もある2人なんだな、反省しよう、決めつけは良くないよね。


「それは、極秘だニャン。今のは無し、2人のお願いを聞く為にはお金が必要です、授業料です」


「ええ~、お金取るのかよ」


「僕はそんなに持っていないよ」


「俺なんか全然だよ、どうすればいいんだよ」


「そうニャンね、帰るニャン、頑張るニャン」


交渉は決裂した、仕方ない、独学で頑張って貰おう。それが二人の為だ。



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