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「うわ。めちゃくちゃグロイじゃん」
「そんな方法しかないのかよ」
「確かにスマホはないけど、これはヒドイ……」
紫陽も画面を見た生徒の反応が気になり、顔を動かし、何とかその問題の画像を見ようとした。ちらっと見えた画像は、一瞬見ただけでも気持ちが悪くなるような悲惨な写真だった。
女子生徒が他の生徒に見せていたのは、一枚の写真だった。その写真には、血がこびりついたスマホと、皮膚がめくれた手が映っていた。スマホの方には、血だけでなく彼女の手の皮膚もこびりついているように見えた。おそらく、皮膚がめくれた手は、彼女の左手だろう。彼女の手の皮膚は完全にめくれてしまっていた。
「相当、痛かったらしい。一応、スマホは手から離れたみたいだけど、その後がこれっていうわけ。手術後は手からは出血が止まらず、高橋は痛みに叫びながら、のたうち回っていたらしい」
話し終えた女子生徒は、まるで自分のことのように、高橋に起きた昨日の出来事をクラスメイトに語って聞かせる。自分の左手を押さえている様子は、高橋にかなり感情移入しているように見えた。
「それでさ、高橋は病院でスマホを手から切り離したみたいだけど、病院には高橋と同じようにスマホが手から離れない人が結構いたみたい」
高橋は手術の結果、スマホを手から切り離すことに成功した。成功したとは言え、手術後の患者の手には包帯が巻かれ、成功したとは言っても、安心できるものではなかった。
「あとさ、そのスマホなんだけど、高橋の話だと……」
痛々しい写真をクラスメイトに見せた彼女は、今度は驚きの事実を話し出す。
高橋が行ったのはスマホを手から切り離す手術だったが、何と、スマホと高橋の左手は同化していたようだ。スマホと手の神経がつながっていた。神経がスマホとつながっていて、どうにかして取り除けたとしても、手の神経が傷つき、その手は二度と使い物にならないという悲惨な結果が待っていた。
スマホが手の中の神経とつながっているだけでも驚きだが、手術を行っている最中も驚きの連続だった。無事に手から外れたスマホから触手が幾重にも伸びていた。まるで、何かに寄生するかのように伸びた触手がうごめいていたが、数分もすると、触手はスマホに戻っていったようだ。
まるで、ホラー映画さながらである。こうして、病院には悲鳴とうめき声と泣き声が行きかう阿鼻叫喚の空間となり果てた。
かくいう彼女も無理やりスマホを手から離したせいで、左手は一生、使いものにならなくなった。
片手を失ってでもスマホを手から切り離すか、スマホととともに生きるか。究極の選択を強いられている人間が数多く生まれていた。




