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魔法が科学に勝てるとでも?  作者: 蓬団子
第一章 逢魔時編
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第六話 する側ニッコリ、アウトレンジ戦法

皆さんの好きな弾道ミサイルはなんですか?

ちなみに自分は空中発射型弾道ミサイルです。

 そういえば、もう400台も車両を生み出しているのに、未だに自分の身体や当たり周辺に変化はない。これって本当に無制限なのか…!


 どうやら魔王軍の中には魔王はいないようなので、特に優先する目標もないと思うのだが、ダイオスとかいう奴が非常に凶悪らしいので警戒だけはしておこうか。


 そうだ!キフエル兄妹は今頃どうしているだろう?ちょっと覗きに行こう。


〜〜〜〜〜


「お二人とも元気ですか?」

「し、ししし、ししなさん?!なんですかあれ!

「何って、ミサイル発射機ですよ」


 そういえばディスプレイのいくつかに発射機の映像を映してたな…。でも、そこまで驚くことは無いと思うが…。


 ミサイルの発射音や発射炎に驚いているのだろうか?結構怖がらせてしまったな。


「ミサイル発射機?」

「ミサイルは爆弾を搭載して、目標まで正確に誘導されながら、高速で飛行する兵器ですね。矢の最終進化形態みたいな感じですね。そして、無人で運用するのがミサイル発射機です」

「地球の兵器ってすごいんですね!!」

「・・・矢の最終進化形態…」


 ほぉう。あれを凄いと認識したか…。ならお兄さん張り切っちゃうぞ!まだまだ凄いものは沢山あるからね!


「よし!クライス君、アリアちゃんも外で直接見てみようではないか!!」

「えっ?わ、私はちょっと…」

「問題ないよ!次はもっとすごいものを見せてあげるから!!」


 ズムウォルトを見せたらきっと驚くだろうなぁ。


「先に召喚したHIMAMSの紹介をしておこう。これは、広大な大地で迅速に移動して、敵勢力に対しての妨害・奇襲・殲滅など様々なダメージを与えることができるんだ」


「発射したのは通常の地対地巡航ミサイル。あと少しで向こうに着くかな?弾頭は段階的に連続で爆発して、直線上の目標を効率よく破壊するんだ」

「え、えげつないと言いますか、地球の兵器ってすごいんですね……」

「それで魔王軍は倒せるんですかね……?」


 アリアちゃんが核心を突く質問をした。確かに敵の装甲能力は未知数であり、武装の乏しい生命体だからと言って侮って良い理由にはならないし、通常攻撃が効かない可能性もある。


「ダメな時は、ナパーム弾や自己鍛造弾、窒素爆薬(ナイトラジェン)弾頭を使えば対応できるでしょう。問題ありませんよ」


 ナイトラジェン弾頭。それは単純に高性能すぎる爆薬だ。沢山詰めれば核爆弾を超える威力を発揮する。それに二次災害など無く、ただ単純に爆発するだけなのだ。


「どういうものなんですか?そのナパーム弾とかいうのは」

「ナパーム弾っていうのは辺り一面を火の海にして、炎を纏わり付かせるとともに、酸素を奪い窒息死させる爆弾ですね。鍛造弾は単純に高速で高温の鉄の弾丸が一面にばら撒かれます。ナイトラジェン弾頭は……、一発で都市を灰燼に帰す爆弾ですね」

「「・・・・・・・・・」」


 流石に脅かしすぎたかもしれない。だが僕は見逃さなかったぞ、クライス君。君の目一瞬輝いてたよね?


 待ってろよ。着弾観測後、さらなる鉄の雨を放ってあげるからね!


〜〜〜〜〜数分後


「そろそろ着弾ですね。こちらで確認しましょう」


 M65戦闘指揮通信車両には、外側にもいくつかディスプレイが付いている。これは歩兵が使うためのものだが、画質はもちろん最高級である。


 SR-73 偵察機から得られる高度25,000からの映像がズームインされて、巡航ミサイルが飛翔する痕跡であるエンジンの発射炎が何本も見える。


「ほら見てください。これらが、先ほど発射し尽くした巡航ミサイル、1,200発足す600発足す400発ーー合計2,200発のミサイルの雨です!」


 無数の巡航ミサイルが画面に映り始め、次々と爆発していく。一応魔王軍団全域を爆撃したことになる。これでどれだけ残ってくれるのか…。

 お前ら良い感じのモルモットなんだから簡単に死んでくれるなよ。


 最初はMLS4の燃料気化爆弾が炸裂し、魔王軍全体が爆炎に包まれた。体組織は崩壊し、内臓が爆風で木っ端微塵になっているだろう。これで軟目標は消し飛ばせるな。

 続けてMLS3と2のクラスター弾頭を搭載した巡航ミサイルが子爆弾を撒き散らし、さらに激しい爆発が起こる。


「あ……、凄まじい爆発だ…っ!」

「この威力なら流石に…、あまりにも一方的な……」


 流石に興奮するな。何千もの鉄の矢が空を裂き、地上に爆炎を降り注がせるのだ。カッコ良すぎる!

 キフエル兄妹たちも画面に釘付けだ。

 興奮しているクライス君と対照的に、アリアちゃんは冷静に事実を整理している。やっぱり兵器はロマンだよね、クライス君。


 これだけの爆発を見ていると、少なくない生命が失われただろうと思う。だが、手を緩めたりはしない。


 巡航ミサイルの後に放ったMRBMがそろそろ降り注ぐ。全部で200発。コレは一発一発の威力が巡航ミサイルとは比べものにならない。

 マッハ40を超える極超音速で地面に激突した時のエネルギーは地下50mの地殻までもを粉々にする威力がある。それに大量の炸薬だ。着弾後はクレーターが空きまくるだろう。


「あ、これはっ!」


 クライス君が降り注ぐMRBMに気づいたようだ。そして画面に映った瞬間にはすでに地面に到達している。


 MRBMの着弾は恐ろしい。半径1kmの爆炎が一瞬にして燃え上がり、地面が噴火したかのように噴き出し、地獄よりも恐ろしい惨劇が繰り広げられた。


 一発落ちたと思ったら、次の瞬間には二十発、また一瞬の後に残りのMRBMが全て魔王軍団に降り注いだ。

 巡航ミサイルとは比較にならない範囲の爆炎と、噴き上げた地殻で辺り一帯は地獄絵図となっていた。


「なんて圧倒的な…破壊力なんだ」

「しな様は地球でこんなものを作っていたのですか…?」


 ここからでも震度3相当の揺れが体感できた。現地は震度7じゃ表せないほどの揺れが起きているだろうな。


 キフエル兄弟が畏怖の念を込めた目でこちらを見てくる。よせやい照れるだろ。


「これは大榮中華共和帝国ロケット軍が青海省に建設した、大規模弾道ミサイル基地を破壊するために作ったんです。それを野放しにしておけば、世界中の国々が滅んでいたでしょうし」

「その共和帝国っていうはどのような国なのですか?」

「諸悪の根源ですよ。僕が兵器を作ったのもそれが原因です。今はこれくらいにしておきましょう」


 確か青海省の弾道ミサイル基地には5,000発くらい撃ち込んだはずだ。飛行甲板を持つ、旧式の空母と揚陸艦をかき集めて6S-35を3,000両搭載して東シナ海に突入したのだ。中ソ国境は防衛能力が異常に高く、ソ連からの爆撃では成功しない可能性があったからだ。

 中華国のミサイル防衛システムは完成しており、少数の大陸間弾道ミサイルだと、軍事衛星のレーザー兵器で撃破されていた。航空機による突入も損失が多く見込まれていたため、MRBMを部分軌道爆撃システムに改良して一斉に攻撃したのだ。

 結果的には成功した。しかし、青海省から対艦弾道ミサイルを発射された時はピンチだったな。下手したら全滅していたかもしれない。


 話が長くなりそうなので今度話すとして、そろそろ巻き上げられた塵が晴れて効果が見える頃だ。


「見えてきたね。どれどれ…。う〜ん流石の破壊力だ!やはり現代兵器は異世界でも通用するんだな!」

「え?・・・うわぁ」

「す、すごい……」


 魔王軍団よりタチ悪いかも知れない。数十kmに渡って地割れが起きており、深さ30m以上のクレーターが沢山ある。いくつかは水脈に当たっており、池が生成されようとしていた。


 HIMAMSでもそうだったが、弾頭部には空気抵抗を無視するシステムが搭載されている。水銀の昇華で気体を斥けることで、直接触れる大気を無くしているのだ。これによって高いところから投下するほど莫大なエネルギーが得られるという事だ。さらに重力加速だけでなく、推進システムによる加速もある。

 そうなると、マッハ30や40は当たり前となってくる。それが極超音速巡航ミサイルなどが簡単に出来た理由だ。


 流石に敵は全滅するよね(フラグ)。あれ?でも確か、遼東半島上陸戦(第三次世界大戦の会戦)の時は輸送起立発射機数百万輌動員したような…。

 あれ?中華国(大榮中華共和帝国)一部地域の方が魔王軍団より1万倍も強い?中華国スゲェな。


「あ!しなさん!まだ生き残りがいますよ!!」

「ぇえ!!」

「あ!ダイオスです!ダイオスが生き残ってる…!」


 ダイオスを確認して、絶望的な表情を浮かべるキフエル兄弟とは裏腹に、僕は非常に安堵した表情だと思う。

 だってせっかく、ズムウォルト級電磁力駆逐艦が召喚できる池があったんだ。そりゃ困る。



 ズムウォルト級電磁力駆逐艦というのは、米海軍がヤケクソで量産してしまった、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の後継である大型駆逐艦ズムウォルト級を改装したものだ。

 元のズムウォルトの武装は、射程百kmを超える155mm先進砲システム2基を装備した、ステルス性能と対地攻撃力に船体を極振りした異形の駆逐艦(??)だった。


 それを米海軍は傑作艦として量産した。しかし、軍艦の戦闘範囲の増大により対水上戦闘能力を持たないズムウォルト級は、港のオブジェクトになりはてていた。


 それを僕は追加建造アンド改修を施して最高レベルの戦略性を持った電磁力艦に仕立てたのだ。

 前にも述べたような高性能の超射程戦略砲システムを多数装備し、強力なミサイル運用能力とステルス性能を付与した。

 戦略性(ステルス性+射程)に極振りした感じの艦になった。


 あ、海上自衛隊の最上型護衛艦を召喚する方が良いかもしれない。まぁでもズムウォルトでいいや。

 最上型護衛艦とは、ズムウォルト級のステルス能力も攻撃力に振った、完全無欠な攻撃艦である。自衛隊がなぜそんな攻撃型の艦船を保有できるのかというと、電磁力戦艦や航空母艦に対抗するためという建前が存在していたりする。



「しなさん!ダイオスはちゃんと倒せるんですか?!」

「しな様、大丈夫なんですか…?」


 フッフッフ。2人とも心配しすぎだな。召喚したHIMLMSは機動力を重視しているため攻撃力は低め、MRBMも中射程だから弾頭もそんなに大きくない。

 つまり一切全力なんて出していないのだ。

 強いて言えばズムウォルト級は本気だな。


「フッフッフ。ご安心下さい。召喚!ズムウォルト級電磁力駆逐艦!!」


 池にドーンと大きな水柱が登った。流石にゆっくりと生成されるわけじゃないんだな…。


「え?あっちには確か湖が・・・・・・ってなんですかこれェェエ!!」

「お、王城より・・・大きい」


 現れたのは、白い山。・・・と言っても過言ではないな。波浪貫通タンブルホーム船型とかいう面倒な名前の船体に、窓一つない無機質で角ばった艦橋。

 特徴的な主砲は艦前方に5基並んで配置されている。後方には主砲が2基で合計7基だ。五段背負式配置なんて笑えてくる。階段状に5基も設置してるから一番上の主砲とか船体から20mも離れてる。


 アリアちゃんが城よりも大きいと言ったのは、あの艦橋のせいだろう。

 もともとの全高が38mだったが、改修で54mになっている。54mというのはマンション18階分だから王城より高いのは当たり前だろう。


「あれは一体なんなんですかっ…?」

「あれはズムウォルト級電磁力駆逐艦です。5,000kmに迫る射程を持つ大砲を7基装備し、先の攻撃よりも強力な攻撃を行う事ができますよ」

「そ、それは凄いですね!」


 これ絶対3割も話理解してないやつやな。僕にはわかる。何度も見てきたからな。


「まぁいいや…、GSTS、ZWCS起動。発電機始動と共に主砲攻撃開始。射撃は斉射ではなく自由射撃とする」


 所有物操作というのはこういう時に便利だな。召喚したものの電源をつけたり。

 高く積み上げ、並べられた40mを超える砲身を持つ主砲塔が旋回する。

 発射される砲弾は極超音速滑空展開翼付徹甲弾。通常の徹甲弾の思想と異なり、貫通するためでなく破壊するために、与える運動エネルギーを最大限に高めるよう質量が異常に大きく、ただ単純に打撃をする。


 どういう事かというと、2,000km離れたところにいる、ダイオスとかいう・・・・・・人間みたいな魔王の手駒?、を狙撃するという事だ。

 これがどれだけ曲芸じみた事だか容易に想像できるだろう。ZWCS(武器管制システム)とGSTS(自己発展型人工知能)が組み合わさってできる完璧な砲制御こそが、それを実現するのだ。


 砲弾の初速はマッハ50。秒速にして毎秒約15kmだ。第一宇宙速度が毎秒7.9kmで、この世界も同じようなものだから、まあ結局は第一宇宙速度を超えるわけだ。

 第一宇宙速度とは、標高0mで移動した時に、遠心力と地球の重力が釣り合う速度のことを言う。これを超えるということは、地球の重力を突破して宇宙空間に飛び出してしまうということだ。

 なので展開翼の出番なのだ。砲弾から展開される翼は負の揚力を生み出し降下していく。それでギリギリ水平に飛翔できるのだ。


 パンパンパンパンパンパンパン……


 どこからともなく警音が鳴り、小さな爆発音が連続で鳴り響いた。それと同時に音速を超えた時に発生するソニックブームが僕らを包む。少し強い程度の風だけど。

 砲口を見ると僅かに煙とプラズマが漂っていた。超伝導電磁加速拡張機構と言って、空気中に磁場を生み出して加速時間をさらに引き延ばす事で、射程や精度の向上ができるのだ。


 いつやっても発射された砲弾を目で追うことなんてできやしない。

 そりゃ音速の50倍はあるんだから仕方ないか。


「すごい速度ですね…」

「そうでしょう。・・・え"っ?」

「どうかされましたか?」

「さっきの砲弾見えた?」

「はい。辛うじてですが…。ね、アリア」

「はい。すごい速かったです!」

「・・・ソッカァ……」


 動体視力恐ろしすぎない??


「・・・あれ?攻撃はもう終わりですか?」

「これで倒せると思うので大丈夫です」

「どうしてそう思うのですか?」

「自分の体重の数倍はある砲弾が、あの速度で激突したら痛いでしょ?」

「・・・そうですね!」



〜〜〜〜〜魔王軍



「グッ…。一体、何が・・・あったんだ…っ」


 身体に激痛が走る。ものすごい爆風と熱炎で外皮がかなりやられてしまった。回復まで時間がかかるだろう……。


 順調に進撃できていたはずだった。人間風情が我々を阻むかのように建てた要塞を数日足らずで陥落させ、不釣り合いな奴らの領土も減少し、あの国の王都を落とせば、我々魔族はこの大陸を支配して、本大陸征服の足掛かりとする事ができるはずだった。


 どこからともなく、いきなり現れた鳥から訳の分からぬ事を聞かされた。どんな手品かは分からなかったが、部下には知ったような口振りをして、所詮ハッタリだと馬鹿にしていた。


 しかし、この結果はなんだッ!!!


 この大陸の征服は、これからの魔族の発展の歴史の中でも重大な一歩であり、それを今回ユガ様がその征服の権利を拝命したのだ。


 そして!その偉業をわざわざ私めに任せてくださったのだ!!私めを信頼して!あの方は直々に軍を任せてくれたのだ!!


 なのに!私はユガ様の信頼を裏切ると共に、ユガ様の顔に泥を塗ってしまったッ!!全ては私のーー、いや……、


 全て!追い詰められて召喚されたばかりの、青臭い声の童が悪いんだ!!


 そうだ。それさえ倒してしまえば全てが清算される!早速進撃を再開させなければ!



周りを見渡すと枯れ果てた大地が広がっていた。もともと数十万の軍勢による進撃で踏み荒らされた地面だったが、雑草が抉り散らかされ、土が盛り返される程度だった。

しかしミサイルの着弾した後は、地獄の荒野だとでも言うかのような荒れようだった。地面はクレーターだらけで、亀裂は深淵を生むほど深く、土などは吹き飛び岩肌が露出し、砂埃が立ち込み、爆煙で陽の光などこの地上には届かず、ただ薄暗いだけだった。



 だ、誰もいないのか。側に付けていたディウスはどうした?!この中では俺の次に強いはずだ!


 アイツがいないと言うことは・・・他の奴らは全員ーーー。


 ・・・・・・ふざけるなぁあ!こんな事あるわけが!!ありえない!!こんな事…ありえるかッーーー…、


「ガッーーー」


真横から155mm砲弾がダイオスの腹部に直撃した。一発の直撃で3km以上吹き飛ばされる。

人型としては大型の2m超の身長を持つダイオスでさえ、砲弾の質量はそれに遥かに勝る。


そして、丘陵が彼の体を受け止めたのち、さらにもう一発の砲弾がダイオスに直撃した。

今度は吹き飛ばされる事なく、砲弾は腹部を貫通し小さくない風穴を開けた。


そしてこれが幸いする。


ダイオスの装甲性能はGSTSの予想を下回ったのだ。よって腹部の貫通により予定が狂い、残り5発の砲弾は、彼を救った丘陵に攻撃して消し飛ばすに止まった。



〜〜〜〜〜



「ふむ。まるでビリヤードだね。ものすごいスピードで吹っ飛びましたよ。・・・でも息の根を止めるには至らなかったようだ…」

「すごいですよ!これなら後ちょっとです!」

「それじゃあ本気で仕留めに行きますよ。拡散対戦車榴弾装填!信管同期!一斉射よーい!ってぇー!」


パァン!


「かくさんたいせんしゃりゅうだんそうてん、ってなんですか?」

「・・・・・・拡散対戦車榴弾というのは、熱々の金属を高速で打ち出すものです。装填は攻撃準備みたいなものです」

「なるほどぉ…」

「これまたえげつないですね…」


 対戦車榴弾とは成形炸薬弾とも呼ばれる、RPG-7やパンツァーファウストにも使われた、対戦車・対潜水艦用の化学エネルギー弾である。

 その名の通り、成形炸薬を用いており、モンロー/ノイマン効果とか言う効果を利用している。

 

 爆薬の爆発により超高圧の状況下で、ライナーと呼ばれる中張の金属が液体のように動き、装甲をも貫通せしめるというものなのだ。

 起爆薬をポリ窒素に、ライナーを新型合金に改良した事で、炸裂からの有効射程は10m以上に伸びている。



〜〜〜〜〜



「グハッ!…」


 血反吐がでる。なぜ私はこうなった!なぜ私は死にかけているのだ!


大量のアドレナリンの分泌で、激しい現状追認と事態の予想が行われる。しかし、直前に得られた情報などなく、ただ吹き飛ばされた事だけした理解する事が出来なかった。


そして、今度はダイオスにはっきりとした死のイメージが全身の悪寒によって意識される。


 なんだ…?あの赤い火花は…。



ダイオスが最後に目にしたのは、メタルジェットと呼ばれる、爆発の圧力により液体のように動く金属である。


7発の砲弾から数メートル手前で発射されたそれらのメタルジェットは、濃密な雨のように飛来して次々と体組織を破壊して、ついにはダイオスの生命活動を停止せしめた。



〜〜〜〜〜



「死にましたかね」

「・・・なんか、ずいぶん呆気なく終わりましたね」

「戦争なんて所詮そんなものですよ…」


 戦争っていうものは、最初に本腰を入れた方が勝つのだ。どんなに技術や兵力に差があろうとも、本腰を入れてない奴が本腰れたやつに勝つなんて事はない。身をもって知ってんだよ……。


「すごいです!私、とても感激しました!」

「へ?あ、そう?」

「はい!こんなにも一方的で圧倒的な戦闘を強いた、しなさんの作った兵器凄かったです!!」


 ここまで自分の作ったものを褒められて悪い気はしないよな。


「それじゃあS-380とSR-73を消去して、次の準備をしますか」

「次の準備ってなんですか?」

「もしかして…」


 そう。まだ目標は残っている。僕がこの世界に召喚された意味。きちんと仕事は果たさないとな。


「よーし!それならこのまま魔王討伐もやっちゃうぞー!」


「「おおー!!」」


「・・・・・・えっ?」

 ズムウォルト君はやればできる子。

 アーセナルシップ構想も復活して欲しいですね。イージス・アショアの配備停止でその案が浮上しているそうです。SM-3 ブロック2Aを500発装備するのでしょうか?

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