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魔法が科学に勝てるとでも?  作者: 蓬団子
第一章 逢魔時編
8/41

第五話 ミサイル発射準備

ブックマーク3件……。

アクセス数多数……。(PV?ユニーク??)

閲覧ありがとうございます。


好きな好きなイージス艦はこんごう型。横から見る主砲塔の形が良いですね。


 ミガルズ王国の首都スルクの郊外はウルツ平原と呼ばれる広大な平原が広がっている。ここから魔王軍とやらは攻めてくるらしいので、その平原が最終決戦場となるだろう。見晴らしがいいため敵を簡単に発見する事が出来るだろうが、迎え撃つとなるととても不利になる。最悪の場合は塹壕を掘ろう。


 塹壕とは第一次世界大戦で本格的に生まれた戦術で、地面を掘って蟻の巣みたいに細い道を作るものだ。持久戦を可能とし、塹壕を基に基地を作られたりした。

 塹壕の良い点はシャベルがあるだけで、戦車にも歩兵にも騎兵にも対応した戦場が作れるという点だ。しかし、逆にシャベルがあるだけで戦場に行く理由ができてしまう。兵だけでなく平民も戦場に動員させるというケースも考えられる。生命存続の危機だ、やむ無しと割り切るかのが最善か。しかし、自分がこれから敵を殲滅できれば杞憂に終わるのだ。

 責任は重い。背負うのはこの国の人々の命と領土。尊厳は割り切ってもらおう。ただ、この感覚はあの時以来だと言っても過言ではない。気を引き締めるべきだろう。





 今は馬車で王城から平原まで向かっているが、スプリングや電磁気サスペンションがある訳でもなく、振動で痛いのに加えて3時間かかるというこの苦痛…。


 作戦は、僕が平原に大量の兵器を召喚して遠距離から敵勢力を殲滅する。大量の兵器が召喚できる前提なので、よくある魔力切れだの数制限だのがあったり、兵器が動かなかったりしたら即破綻だ。

 あぁ、命を背負っているとはいえ、実戦なんて久しぶりだ。あ、想像しただけでニヤケが止まらない。敵のいる場所に相手の射程圏外から一方的に攻撃する楽しみは忘れられないね!


 そもそも久しぶりの実戦と言っても、陸戦にはあまり参加したことが無いんだよな。第三次世界大戦末もどっちかというと中華国海軍相手に暴れてたから、陸戦は米国防総省に任せてたな。

 と言っても基本は巡航ミサイル等を発射し、敵を殲滅するだけの簡単なお仕事。自分のスキル以外の要因で失敗することはないだろう。


 乗っている馬車が城門を潜り抜ける。城壁は大量の石レンガによって積み上げられている。それぞれの接合部は隙間なく重なっていて、どうやって固定しているのかわからない。モルタルか、セメントか、接着剤か…あるいは魔法かもしれない。


「ここが王城の外縁なんだね。いや〜結構外壁が高いな…ざっと23.6m!」


 王城を囲むのは堅牢なる石の壁と四方にある円形の塔。23mという高さは建築方式から言っても人力で建てたというより、魔法によって生み出されたというイメージだ。煉瓦製ではなく石製の城壁は、石資源が多く有ると見るべきか魔法により生み出せる物かと見るべきか。ーーー


「おっ。正解です!よく分かりましたね」


 本来は城を囲う防壁を城郭と呼ぶ。地球史を振り返ってみよう。城郭が台頭し始めた時、それは丁度中世ヨーロッパ特有のものだ。高さはあるが厚みのない城壁は歩兵からの侵攻を防ぐには充分適しているが、それは人力のみの話。

 中世ヨーロッパ。イギリスやフランス、イタリアなどの大国が戦争していた時代である。その中での技術競争の結果、大砲が誕生した。当初は大砲の能力は低く、威力も精度も射程距離も当時の城壁で十分対応できた。ましてや、脅威ですらなかった。しかし、大砲が発達するとこの程度の城壁では防御できなくなり、しかも、高い城壁からは大砲を設置するにも重さの関係で無理があった。そこからは割愛するが、この大砲の脅威に対応したのがイタリアだ。築城方式を一変させ、稜堡と呼ばれる要塞を作った。これは200年近くの間、ヨーロッパの主要な要塞として、存続したものだ。


 そこからこの世界の特徴や歴史を含めて考察できるのは、大砲が発達していない。つまり、火薬や火砲などの研究をしている勢力が存在していないか、未だ大きな影響を及ぼしていないか。

 もしくは、そういった戦いを経験していないかだ。

 ひょっとしたら、ただ単にこの城壁だけ改修していないのかもしれない。

 結局は分からないという結論に回帰するわけだ。


「我が国の首都スルクは大国の首都に引けを取らない規模で、計画的に建てられたため要塞としても機能するんです。スルクの南側に王城があり、この周りは広大な王庭が広がっています。そして城壁がそれを囲うように聳えているんです」


 現在、解説をしてくれたのは、知らぬ間に付いて来ることが決まった王子のクライス君。


「王庭は3代目の国王がつくったものなんです。芸術的感性に優れていたそうですよ」


ほうほう。王城の庭って結構広いんだな。十分に自走砲を配備できるくらい広い。ここから迎撃もできるんじゃないかと思ってしまう。



〜〜〜〜〜2時間後



「ねぇ、王子様。あとどれくらいで着きますか?」


 流石にツライっす。


「もう少しですよ」


 ようやく、やっとこの馬車地獄から解放される!そろそろ実戦だ。


「なら少し、作戦について話を詰めましょう。地形などについて詳しく教えて下さいませんか?」

「そうですね………。以前説明した通り、ウルツ平原には平たい地形が広がっていますね。逆にそれ以外に何も無いので詳しくは説明できませんけど…。あ!そうです!何で忘れてたんだろう」


「ん?何があるの?」

「大きな湖です!海みたいに深くて大きな湖です。本当に海のようなのでスルク内海と呼ばれているんです」


 う、海だって?て事はまさか軍艦も召喚できるのか?勝った。俗に言う勝ち確だな。大きさに応じてだけど、最高性能の近現代艦を召喚してやる。


「なるほど。では、第二次改正作戦要綱案なのですが、第一段階は予定通り偵察機による偵察を行います。敵勢がどれ程の規模なのか、そして敵勢の位置を把握した後に自走ロケット発射機や自走ミサイル発射機、自走砲を召喚してロングレンジからの攻撃を行います。

 余裕があったら大型戦闘艦艇も召喚したいと思いますけど、いいですよね」


「なるほど。よく分かりません」

「・・・・・・・・・まぁ、見てて」

「はい!」


 それにしても町並みを見ていると、産業革命手前の時代のヨーロッパのように見えてしまう。

 異世界ものでよくある中世後期ヨーロッパあたりの雰囲気だが、衣服や衛生面からある程度整って合理化が進んでいる。産業革命前で建築様式が停滞しているようだ。絶対星空綺麗。


〜〜〜〜〜ウルツ平原



 ウルツ平原。なんかウルツ鉱を連想させる地名だが、あの複雑なウルツ鉱型原子配列とは真逆で、何も無い。強いて言うなれば引っ越し後の空き家レベルに何もない。


「うっわ広いなぁ。これならなんの問題もなく作戦が実行できそうです」


「フフフフフ…。私を無視して、楽しかったですか?」


 先回りしていたのか僕らの目の前にはアリア王女がいた。確かにずっと戦争の話をしていて会話に入れなかったのだろう。


「アリア!なんでここに?!危なくなるから早く城に戻りなさい!」

「嫌ですわ!お兄様だけずるいです!」


 この2人の兄弟。兄の方は基本的に大人しく、時にはしゃぐ青年というか少年の方が近い印象だ。妹の方は逆に大人びていて、物分かりの良い子供といった印象だったが、やはり年相応の子供っぽい感じがする。


「はい。2人とも言い争いはそこまで。これから偵察機を出しますよ」

「偵察機?」

「偵察機っていうのは空を飛んで敵軍を偵察する兵器らしいですよ」

「これから召喚するのはSR-73 極超音速飛行超高度戦略偵察機というものですよ」

「これまた仰々しい名前ですね…」


 SR-73 極超音速飛行超高度戦略偵察機というのは米国主導で開発されたSR-72偵察機の後継である。

 機体中心部に埋め込まれるように大型偵察レーダーが装備され、マッハ30つまり第一宇宙速度以上で飛行する。普通に飛んだら遠心力で地球を離脱してしまう。


「このSR-73は全長100mを超え、ものすごい速度で超空を飛行し地上の情報を余さず手に入れる偵察機です。大きいので少し向こうに召喚しますね」


  召喚する偵察機の形を頭の中で軽く想像すると、望んだ空間にそれらの輪郭が淡い光の線で描かれ始め、形を形成して生み出されたーー


 いつ見たって不思議だ。空間から物質が生成されるだなんて……。そして、思った通りの場所に輪郭が現れて矢尻型の漆黒の機体が現れた。


「こ、これが偵察機ですか…。なんだかおぞましいですね…」

「こんなものも作ってたんですね…。下手したら地球はこの世界以上にーー」

「極力敵に見つからないようにする工夫が詰め込まれているんですよ」

「アレはどうやって空を飛ぶのですか?」

「垂直に上昇するんです。見ててくださいね。GSTS起動。南方に半径3000kmの範囲を偵察。ZWCSも起動」


 無人運転をするために内蔵されている人工知能GSTSを起動させ、エンジンの指向性ノズルが下を向き、前部に付いている化学エンジンを同時に点火し、鉛直に上昇を開始する。

 ちなみにGSTSというのは、僕が高校生の頃に作った自己発展型人工知能だ。基本的に兵器の無人運転に貢献している。


 ZWCSは全般的は兵器システムで、敵味方識別装置(IFF)としての役割も持つ。これを起動しておかないと戦闘の時に巻き込まれてしまうかもしれない。


「うっわぁあ!どうしてあんな風に空を飛ぶんですか?!魔法でもこんな事できないですよ!」

「す、凄い風ですね。こんな力いったいどこから…」


 2人が感心している間にも高度を上げていき、主エンジンのノズルが水平に戻っていきはるか彼方へと飛んでいった。


「速いですね…。あれもしなさんが操ってるんですよね?」

「いいえ、これは内部にある機械で完全に自動で飛行しています。毎秒十万回の姿勢制御が行われて、僕が操るよりも正確に飛行してくれます」

「ま、毎秒十万回……。凄まじい」

「索敵しきるまで30分はかかると思うので少し待ってくださいね」


〜〜〜〜〜20分後


「おっ、見つかりましたね。ここから南南西の方向に2,100km先ですね。これなら巡航ミサイルや弾道ミサイルで攻撃する事になるでしょう。S-830 長時間作戦行動用多機能中型無人機を出撃」


 SR-73に搭載されている中型無人機S-380を分離させ、魔王軍上空に滞空させる。長時間の偵察や強襲偵察。攻撃以外はなんでもできる万能無人航空機だ。


「そうだ。日も高いですしシキツウに乗りますか?車ですよクルマ」

「乗ってみたいです!」


 召喚。M65戦闘指揮通信車両。

 出てきたのは警備車のように箱型の車体で、砂色に塗られた重装な装甲に包まれている。


「ささ、入ってください」

「涼しい…」


 指揮通信車両。略してシキツウ。大量の無人戦闘車を総括し運用。または、戦場の情報をまとめて指揮をする車両だ。

 内部はディスプレイが多く取り付けられている。日本のは小さいし、ソ連のは通信設備が多く、アメリカの"シキツウ"がちょうど良いのだ。


「こちらの画面をご覧下さい。これが上空から観測している魔王軍団の全容です」

「凄い!こんなに高いところからの視点が見れるなんて!一体どうやってるんですか?!」

「さっきの偵察機から見えるものを、こっちに送って投影しているんですよ」

「偵察機ってそんな事もするのですね!」


 キフエル兄妹大興奮である。そして、他のディスプレイに敵兵力の詳細が上がってきた。


「どれどれ…。前後5km横4kmの範囲に生命体及び、土製の自動人形が密集してるだって?それに前衛は1m近くの人型の生命体や鳥類の様な生命体が数万いて、そこから500m後方からは2〜3m超えの生命体が無数にいると……敵って畑から生まれるの?」


こんなに攻撃目標があるだなんて…最高だよ!!


 ・・・ていうか、土の自動人形ってオートマタなのか?僕は人型ロボットが苦手だったから開発させようとはしなかったけど……。とても効率がいいな。この分野ではあちらに1日の長があるってことか。


「土製の自動人形とはゴーレムの事だと思います。ゴーレムとは魔術師によって作られる土や岩、金属などで作られた人形で、強力な兵器としても使われます」

「アリアちゃんは魔法に詳しいんだね。そのゴーレムとやらに効かない攻撃とかあるかな?」

「特にありませんよ」


「では、あちらに事前通告をしましょうか。ハーグ陸戦条約によって定められていますからね」


 ハーグ陸戦条約第二款第一章第26条により、攻撃を始めるに際して、その旨を官憲に通達する必要があるのだ。


「どうやって2,000kmも離れた相手に通告するんですか?そんな魔法ありませんよ」

「こっちからあっちの映像が見えるのに、こっちからあっちに音声が届かない道理は無いでしょう。つまり、そういう事です」


 S-380の機首近くに付いてるスピーカーと連動させて警告を行う。初めてだからどうすればいいか分からんな。


「テステス。あーあー。聞こえますかー?」


「こちらは先程異世界から召喚されました、海園しな      と、申します。米国ホワイトハウス軍事顧問筆頭並びに、ペンタゴン特務局長並びに、日本国防衛省特別国防部部長並びに、ソビエト軍部門特別顧問並びに、欧州評議会軍務省顧問団長並びに、国際連邦秩序維持理事会会長の海園しなです。以上の権限より、国際連邦秩序維持軍を動員し警戒に当たっています。なお、この軍事行動が一方的な侵略であるならば、貴軍らを殲滅する用意があります。被害を被るのが嫌ならば即時撤退されることを要求します。もし、理由があって侵略しているのならばこちらに即刻伝えてもらいたい。」


「肩書き多いですね」

「うるさいぞ王子さん」



〜〜〜〜〜魔王軍



————方に即刻伝えてもらいたい。』


「なんだ!急に声が!」

「敵か?!」


醜い魔物たちが突然の声に戸惑う。無人機は遥か上空を飛び一部の者たちを除いて感知されていない。


「将軍。どうされますか?」


 軍団の中央後方にいる大将の側近らしき者は無人機に気付いており、特に驚く様子もなく観覧している。


「まあ答えてやろうではないか。我々は魔王ユガ様の右腕、ダイオスである!我々はユガ様の命を受けお前らの国を侵略しているだけだ!これはただの暴力による侵略だ!俺たちがそんな脅し文句で逃げるとでも思っているのか!」


「召喚されたばかりの勇者など脅威にはならん!さぁお前たち、進めぇ!!」

「質問には答えた。あれを落とせ」


 ダイオスは側近に命を下した。両者とも余裕に満ちた顔である。


「ハッ!」



〜〜〜〜〜〜〜



————思っているのか!』


「な、何という事だ…あのダイオスがいるなんて……おしまいだ」


 クライス君が血色を悪くして慄いている。え?大丈夫?!


「え?ダイオスってそんなに凄いやつなの?」

「ダイオスって結構強いやつです。たまに集落などを襲い、住民を皆殺しにしているんです…」


 見るとアリアちゃんも視線を泳がせ、忙しなくしている。この世界の住人からしたら恐怖の対象なのだらう。


「ふ〜む。じゃあさ、そのダイオスは神を殺せるのかい?」

「いえ…、流石に神は殺せないんじゃないかと…」

「なら僕の勝ち」

「・・・えっ??」


『高エネルギーが観測されました。

即座に上昇し様子を見ます』


「あっ」

「どうしました?」


「即座に攻撃をやめなさい!繰り返します!これは最後通牒です!即座に攻撃をやめなさい!武力行使をせざるを得ません!」


 敵の攻撃の予兆。エネルギーで攻撃を読み取るなんてこの世界ならではだな。

 何度呼びかけても攻撃をやめるつもりはないらしい。


「・・・・・・残念ですね。こうなれば仕方ありません。ミサイルによる殲滅を開始しましょう」

「断腸の思いで決断したように言ってるところ申し訳ないんですけど、そんなニヤニヤ顔で残念とか言っても説得力皆無ですよ」


 嬉しいのがバレてしまった。だって人間じゃない相手なんて罪悪感なしでやれるからな。



〜〜〜〜〜ウルツ平原



 ミサイル発射機を大量に出すため、僕だけ指揮通信車両から出た。本当に平原だ。平らだし、たくさん並べられそうだ。


 所有物操作なんてスキル使うのも面倒だし、各機に搭載された人工知能の音声指揮システムを使おう。



「自重は無しだ。敵対したことを悔いるがいい!

 M230 HIMAMSを300台召喚!!搭載発射機はMLS(Missile Launcher size)2から4各100。各種地対地巡航ミサイルを装備」


 MLSとは装備するミサイルを収納するランチャーの大きさのことで、このHIMLMSではMLSが1〜4のランチャーが搭載できる。数字が大きくなるほど、ミサイルは大きくなり、装填数も少なくなる。


 HIMAMS(High Mobility Artillery Missile System)は、米陸軍が開発したHIMARSの後継兵器だ。広い戦場で素早く部隊を展開して攻撃、後すぐに離脱する事を目的としている。MLMSという、大型のものもあるが、地盤が脆いと怖いので軽い方にしておいた。


「GSTSを起動させ、M65戦闘指揮通信車両との各種システムリンクを開始せよ!」

「GSTS各機並列化を開始!ZWCSと各機連動完了とともにHIMAMSのMLS2及び3から順次発射!!」


 早速巡航ミサイルが発射される。巡航速度はマッハ3で40分はかかる。残してあるMLS4では巡航速度はマッハ8だから15分で着弾する。


 各種対地巡航ミサイルはクラスター弾頭を装備している。これは、弾頭に大量の子爆弾を抱えており、上空で子爆弾を散布させ広範囲を効率的に爆撃するための弾頭だ。

 昔は不発弾処理の問題で禁止条約があったのだが、今では不発弾の問題はなくなり問題なく使用できる。


 ミサイルが発射されるとき、大量の発射煙が弧を描くように空を飛んでいく様は、見る人が見れば涙を流すほどの美しさだろう。


「続けて!6S-35 輸送起立発射機を100台召喚!即座に発射態勢に移行し、各種システムとの連動を開始!」


 6S-35 輸送起立発射機とはソ連の8軸16輪トラックのような、移動ができる弾道ミサイル発射機である。6S-35にはレーダーやその他もろもろの装備が整っているため、単体での発射が可能であり、1機あたり2発の準中距離弾道ミサイル(MRBM)を装備している。


「さらに6S-35はロフテッド軌道で攻撃始め!!」


 ロフテッド軌道というのは、弾道ミサイルの軌道の一つで、射程距離を犠牲にして飛翔高度を極限まで高めて、迎撃されにくくする軌道だ。


 発射されたMRBMの弾頭は、これまた子爆弾が多く入っている。しかし、先程の巡航ミサイルと違い、子爆弾が巨大だ。ロフテッド軌道のため突入速度がマッハ20を超える円錐型の子爆弾が地面に激突し大量の炸薬を破裂させる。運動エネルギーも相まって着弾地点の目標は必ずと言っていいほど撃破できる。


「さて、そろそろだな。HIMAMSMLS4からミサイル発射!」


 着弾タイミングを揃えるため、足の速いMLS4の巡航ミサイルの発射を遅らせたのだ。今から発射したらちょうど同じタイミングで着弾してくれるだろう。


 巡航ミサイルはランチャーから放たれると主翼を展開してエンジンを最大限に起動させる。ミサイルのエンジンは圧縮水分子推進エンジン。これはジェットエンジンや固体燃料と違い、水素と酸素のガスを燃焼させることで飛翔する。そして燃焼の副産物である水を更に電気分解し、発生した水素と酸素を燃料として運用する。このサイクルで高い射程を実現しているのだ。

 電力が湯水のように使われる現代では、この仕組みが多く取り入れられている。完全な循環は不可能なため、ミサイル本体の大きさで射程は決まるが、ジェットエンジンよりも圧倒的に効率が増長している。


 ちなみに、MLS4の巡航ミサイルの弾頭には、燃料気化爆弾が搭載されている。これは広範囲を爆風で包む弾頭だ。高温高速の爆風で人体などを一瞬で崩壊させてしまう、生物にはもってこいの兵器なのだ。


「そうだ!待ち時間は有効に使わなくては!クライス君が言っていた湖は確かあっちの方にーー、あった!大きいぞ、ズムウォルト級が入るくらいはある!」


 ズムウォルト級とは米海軍のチート駆逐艦である。全長240m弱、7基の155mmEAGSを装備した唯一の艦である。155mmEAGSは射程4,800kmの長距離で誤差1m以内の正確さを誇り1発4秒のペースで射撃する恐ろしい艦砲である。

 5,000kmと言ったら東京からタイ王国やインドネシアがその範囲になる。それだけで恐ろしさが理解できるだろう。凄くないと思うなら30km自転車で走れば分かると思う。


 さて、そろそろ最初のミサイルが敵方に到着する頃だな。


〜〜〜〜〜魔王軍


「将軍。何故か、悪寒がするのですが…」

「・・・・何かが来るな……」


覚悟を決めた顔で空を仰いだダイオスの目には、先ほどまで雲一つ無かった晴天の空に、白い筋が何条もかかっていく光景があった。

 HIMAMSはHIMARSの発展系だと思ってください。

 SR-73 は米空軍並びに欧州連邦空軍が運用している偵察機です。

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