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魔法が科学に勝てるとでも?  作者: 蓬団子
第一章 逢魔時編
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第四話 目も当てられないチート

 一昨日の終戦記念日を少し避ける形で投稿させていただきました。

 命を賭して我が国の誇りを守って下さった英霊には頭が上がりませんね。

「火薬って文明国家の間で使われている、爆発する兵器なんですよね!?銃とか作るんですか?!」


 うおっ!最初の印象とはだいぶ違って、なんかこうグイグイくるな。


「この世界の文明国家っていうのは知りませんど、確かに火をつけたら爆発する火薬を作るんですよ。銃を作るのも良いですけど、榴弾砲を作った方が効率がいいので、銃は後回しになると思います」

「そ、そんなぁ……。魔法で代用できるからって、なかなか銃の製造方法って入手できなかったんですよ。だから銃とか作ってみたいなって」


 この子、銃が作れない事がわかるにめちゃくちゃ落ち込んだ。この子は壇上に王様と一緒に座ってたから、親族か何かだろうな。


 というか、銃がないのか?火砲はあるのに?魔法が文明の進みをおかしくしているのかもしれない。異世界って不思議だな。


「彼はお孫さんですか?」

「あぁ、そうじゃ。わしの一人息子の形見の兄弟だ。15歳のクライスとその一つ下はアリアといって、とってもいい子なんじゃ。ほらアリアも来てくれ」

「はい。お爺様」


 形見か……。確かに髪の色や目の色など似ていないこともない。自己紹介でもしようか。


「僕の名前は海園しな、と申します。15歳なら僕の方がお兄ちゃんかな?宜しくね」

「え?400歳超えてるのにお兄ちゃーー」

「ははは、僕が不老薬を作ったのは16歳だからね、僕は永遠の16歳さ!」


 それ以上は言わせないぞ!


「クライスくん、アリアちゃん、これから少しお世話になるけどよろしくね!聞きたいことがあったらなんでも言ってね、世界一の秀才にしてあげるよ!」

「す、すごいです!じゃあ!銃の事について教えて下さい!」

「はっはい!す、すす、末永くよろしくお願いします」カァァ


 クライスくんは元気だなぁ…。お兄ちゃん嬉しいよ。それにしてもアリアちゃん。反応がちょっとおかしいぞ?


「おい、しな。お主なにをしておる?」

「いえ、自己紹介と挨拶だけ」

「はぁ、まぁいいか。そこにいる奴よりは安心してアリアを預けられそうじゃからの」

「あのー。別に僕は、自分の妹と同じように接してただけであって、別にそんな気は無いんですよ…」


 そこにいる奴ってずっと俯いている青年の事か?


「そうか?召喚人は国の姫と結婚して幸せになるという話はよくある事なんだけれどな」


 シカトだシカト。無理矢理話題転換しなければ。


「クライスくん。君は銃が好きなのかい?」

「はい!本で銃のことを知って興味を持ったんです」

「そうかそうか。それじゃあ僕と一緒だね!そんな君にはこのS-30を見せてあげよう!」


 腰から出してクライスくんにS-30を持たせてあげる。


「・・・こ、これはなんですか?まさか銃ですか?」

「地球の国の特殊部隊などで使われている高性能な拳銃だよ」


 主な特殊部隊は、アメリカ陸軍特殊作戦コマンド全般、陸上自衛隊の特殊作戦群などなど、有名どころはほぼこの銃をバックアップとして使っている。


「えっ?なんでそんなもの持ってるんですかっ?」

「そりゃ。僕が作ったからに決まってるじゃん」

「え!貴方が作ったんですか!?」


 さっきからクライスくん驚きすぎでしょ…。


「お主一体地球で何してたんじゃ…?」


 何をしていたか?いろいろやり過ぎて言い表せないな。強いて挙げるなら…。


「世界を自分好みに変えてましたね」

「・・・・・・審問官。嘘はついていないのだな」

「・・・はい」



 そういえば僕って強い力を持ってるのかな?


「王様。僕も召喚人の力を持ってる可能性もあるんですよね?」


「あ、お主のステータス見るの忘れてた」


 おい、忘れんな。


「・・・ステータスとはなんですか?」


「ステータスとは召喚人だけが使える魔法で、普通はこの世界に来て手に入れたスキルとかが見られるものだ。人によってはステータスで身体能力を数値化したものが見ることができるのだ」


 人によってはレベルとか見られるようになるってことか?見れない人が可哀想だな。


「スキルの事を詳しくお願いします」

「スキルは自身の能力を示したものだ。その能力の完成度によってスキルにもレベルがついてくるのだ。他にも特殊な能力がスキルとしてあったりする」


 スキルって凄いな。普通の人でもスキルを持ってて、その能力の高さを簡単に知ることができるんだな。

 この世界は異世界か、仮想現実に決定だな。ファンタジーが過ぎるし、念動力とかあるのだろうか。・・・王様が軽度な認知症なのはつっこまないぞ。


「召喚人は"ステータス"と唱えれば見れるはずだ。やってみろ」


 え?そんな事できるん?僕はとうとう魔法使いになったのか。・・・嬉しい。


「ステータス」


・・・・・・・・・・・・・


「ステータス」


・・・・・・・・・・・・・・・・・



しなは、魔法が使える事に少年の様な期待を覚えた。が、使えない。


「こちらがステータスを見るための道具ですね」


 すかさずフォローに入る審問官。神である。


あの審問官さんが水晶を持って来てくれた。これに触れればいいのかな?

 ありがとう。審問官さん。貴方が神です。ハイ。


おおっ!何か出てきた。液晶パネルみたいだな。



海園 しな


○魔法系

無し


○天性系

・貧弱体質

・魔法使用不可

・特定能力上昇不可


○ギフト系

・創造物召還

・所有物操作

・作者特権

・知的財産権の絶対的保護


「おお!なんだこれ!ホログラムみたい!・・・・・何これ?」


 ステータスを見れるって言ってたけど、多分これはスキルだけだな。なんか、結構強そうなスキルもあるけど、バッドステータス系のスキルが多いな。

  魔法使えるかな?でもなんかコレ見る限りゼッッタイ使えない。


 天性系ってなんだよ…。おい、なんだよ貧弱体質って。能力上昇不可とかもおかしいし………。


 僕はそっと手を離した。


「皆さんから見てコレはどうなんでしょうか…?」


 どれくらい凄いのか分からん。でも、ギフト系は結構カッコいい名前な感じがする。


 パッと見ただけだからよく分からなかったな。


「魔法系というのは、魔法の行使に関するスキルです。天性系というのは生まれつきのもので、ギフト系スキルというのが異世界に来たときに手に入れた能力のことですね」

「ハッキリ言って残念だな」


 でしょうね…。天性系とか全部デバフスキルじゃん!


「へぇー」

「興味無さそうじゃな……。まぁ、もう一度ステータスを見せてもらえるか?」


「わかりました」


 もう一度水晶玉に触った

<上図参照>

「いろいろ異常じゃな」

「あ、そこまで言いますか」

「本来召喚人が必ず持っている、アイテムボックスやステータス鑑定といったギフト系スキルを持っておらんしな」


 必ず持ってスキルとかあるんだな。僕には無いからステータスとか唱えてもなにも起きなかったんだな。


「ところで、僕って魔法使えますかね?」

「いや、絶対使えんだろうな。他のも無駄に数だけ多い感じじゃな」


 ひっどいなー。しかし、ギフト系スキルは4種もある。字面も凄いし期待しよう。


「このギフト系ってどういうものか判りますか?」

「・・・難しいですね。教会はさっきの様にスキルの開示を行なっているので、多くのスキルを見てきたのですが…。いやはや、この様なものは見た事ありませんね」


 審問官さんは教会の人の様だ。教会か…。僕は無宗派だからね。でもこれで手詰まりだなぁ。こりゃあ本気で糞尿ふっかけて火薬作らなくちゃいけなくなりそうだ。


「あ、あのぉ…。僭越ながら、しな様の創造物召喚というのは、その銃を召喚することができるのでは?」


サルマータ軍務大臣の鶴の一声!


「「「・・・・・・・・・」」」

「あ、あれ…、皆さん?何か間違ってましたか?」

「たぶんそれで合ってると思います。それが正解なんでしょうけど…………」


 悲しいなぁ。せっかく異世界に来たのに圧倒的デバフが判明して、自分の作ったものを呼び出すとかいうしょーもないスキルを手に入れるとか…。


「そ、それじゃあ、僕がこの銃を持っておくので、"創造物召喚"と唱えてみてください」


 クライスくんが実験の手伝いをしてくれるそうだ。お言葉に甘えてやってみよう。手の平に召喚される事を予想して、手を出しておく。


「創造物召喚!S-30!!」


 唱えた事で出した手の平の少し上の空間に異変が起こる。


 突如。何もない空間から、淡い光の線が空間に描かれて、光の線の輪郭がハッキリと現れ始め、それが自分が唱えたS-30だと分かった。


 光の線によって拳銃の外郭が完全に表されたとき、実体となって望んでいた物が現れる。


 完全に実体と化したところで、ようやく重力が働き始めて手の平に落下した。


「「おおぉーー」」

「?!?!」

「えっ?えっ!」


 クライス君の手にはS-30。僕の手の上にもS-30。とっさに確認したホルスターにもS-30。

 ・・・増えたッ?!


「増えたな」「増えましたね」「召喚ってそんな感じなんですね」「軍備が捗りますね!」


 皆一様に感心した様な口ぶりで言っているが、消費リソース無しで生み出されたぞ。これはただのチートなのでは?


「こ、このスキルを与えてくれた神は誰だ…、是非とも会って感謝したい!これなら魔神なんざおそるるにたりません!!」

「ほ、本当に魔神を恐れなくていいんですか?」


 クライス君は僕のジョークに気付いて反応してくれたみたいだ、なんて良い子なんだっ。いるかどうかも知らないんだけど、この反応だといそうだな。


「まぁ、魔神は現れた時に対処するとして…、この創造物召喚というスキルは、僕の作ったものが対価なしで生み出せるみたいです。

 例えば、この僕の杖。これは僕が作った唯一無二の一品です。これさえもーー」


 今度は頭の中で召喚の語句を反芻してみる。無詠唱魔法は異世界のロマンだからね。

 杖はさっきよりもサクッと生み出された。早く出てこいと思ったからだろう。


「この様に複製できます。たぶんこのスキルの本質は僕の製作したものを無制限に複製する。というものです」

「お主いったい何を作ってたんじゃ…」

「てことは我が国の兵全員にこの拳銃を配れるのですね?!」


 確かに武装を提供して敵を追い払うのもアリだ。しかし、取れるならもっと簡単な方法を取るべきだ。


「皆さん少しスペースを開けてもらえますか?少々実験がしたいのです」

「分かった。・・・そこの者ども、全員立ち退け!」


 カーロフ王が急に大声を出して貴族らしき人々に指示を出した。雲の子を散らす様に端に寄り、中心に大きな空間ができた。


「では、行きますよ。召喚!六〇式軽戦車!」


 さっきよりも強い光の線が空間に現れ、早いペースで形作られている。そして、眩い光が発せられたかと思うと……。


 60式が目の前にあった。この60式軽戦車は10式戦車を基に、島嶼防衛や日本の土地のほとんどで運用できるように作られた(作った)戦車だ。


「な、なんだこれは!随分と大きい物を出したな」

「小さい・・・何か?それとも大きい何かか?」

「これは戦車と呼ばれる兵器のうちの軽戦車と呼ばれる小さい部類のものです。正式名称は六〇式軽戦車。我が国の領土を守るために作られた優秀な防衛戦力なのです!」


「こ、これは初めて見ます。どの様な兵器なのですか?!」


 クライス君が目を輝かせている。あっ…、王子をミリタリーオタクに引き込んでしまった…。まぁいいや!ミリオタ相手には語ってやるぞ。


「この六〇式戦車の主兵装は105mmライフル砲と言い、通常弾のロケット砲弾で射程は320km、着弾時の威力は直径5mのクレーターを作る程度です」

「なんなんじゃ…、その威力」

「さらに!その戦車の真髄は海底300mを走行可能であり、ジェット推進での水中航行も可能です!これにより海からの直接上陸や池での待ち伏せを可能としています!」


 これな、大陸棚が広がっている日本からしてみればどの島にも行けるし、中国や韓国、台湾にも行ける。戦略上最恐の戦車であると言える。


「でも、これを操作する人間がいないので使えないですね……」

「いえ、使えないものを出したりはしませんよ」

「えっ?」


「ここでもう一つのスキル、所有物操作を試します。主砲旋回右30度仰角+18度」

「・・・・・・・」


何も起きない。


「電力供給!再度試行!!」


 そう言うと今度はきちんと動いた。電磁モーター制御の主砲塔が等速で滑らかに砲を旋回させる。


「おお!凄いです!動いてますよ!!」


 クライス君大はしゃぎである。


「これで大型兵器の召喚が可能だという事が証明できました!すぐにでも攻撃を開始したいのですが、良い感じの場所はありますか?」


 良い場所というのは兵器を大量に展開して攻撃ができるほどの整地されて人気のないスペースの事である。


「それなら我が国の首都スルクの郊外に広がるウルツ平原はどうだ?今は戦時だし人気もないだろう」

「それは良いですね。私もお勧めします」

「平原ですか。それは良いですね!では早速向かいましょう!」


 善は急げだ。さっさと魔王を倒してこの世界の謎の究明でもしよう。


「ちょっと待て」

「はい?」

「そこの戦車はどうする」


 あっ〜。解体できないかな。いや、召喚ができるんだったら消すことくらいできるだろう。


「消滅」


 と言ったら、スッ…と消えた。すごく意味わかんない。魔王倒すまでは深く考えないようにしよう。


「それではウルツ平原までの案内をお願いします」

 好きな軍艦は戦艦扶桑です。あの主砲の盛り具合がいいですよね。

 ようやく次から鉄の波が魔王軍に襲いかかります。上手く描写できるか不安だ…。

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