第二話 国王との対面 質問責め
好きなミサイルはタクティカルトマホーク巡航ミサイルです。低価格ながら射程3,000kmはロマンがありますよね
「召喚人?何ですかそれ?」
"召喚人"とはいったい何だろうか?なんだか想像以上に単純な出来事ではないように思えてきた。勇者の方がまだマシだぞ。
それにしても金髪青年が急に俯いて黙っているのだが?どうしたのだろうか?腹痛?貧血?大丈夫だろうか?
「召喚人とは神に呼ばれ、この世界に救済をもたらすために異世界から来た人の総称のことだ。それぞれ異世界から来た人は細かく勇者や英雄、賢者など細かく分けられるが、基本的に召喚人と呼ばれる。」
そう言って、僕の質問に答えてくれたのは意外にも玉座に座ってた王様だった。口調も穏やかで優しそうな人だな。王様として、うまくやっていることだろう。しかし、わからない点がいくつかある。
「丁寧に説明頂きありがとうございます。失礼ながら、貴方は誰ですか?」
ホントに国王様か怪しいので聞いてみる事に。
「おっと、自己紹介がまだじゃったな。ワシは
カーロフ・ゼータ・キフエル という。このキフエル王国国王で、我が代で8代目となる」
白髪と白髭を蓄えたシワのあるイケメン顔だが、引き締まっている表情からは過去の勇猛さを物語っている。
8代目か…。結構続いてる方だろうか?君主制国家には詳しくないんだよな。
「これはこれは、国王陛下でおられましたか。これまでの無礼をどうかお許し下さい」
「よい。別にわしは無礼とは思っておらん。こちら側の無理な召喚で、無理矢理連れてきてしまったのだ。この場で礼儀を弁えなくてもよい。それに、お主はこういうのには慣れているな」
「陛下の観察眼、感服の致す所でございます」
「お主。向こうの世界ではわしより高い位についておったじゃろう。そんな者に敬語などゾッとするわ。平口調でたのむ」
ザワザワ
バレてたか。僕の地球での地位ってこの世界ではどれくらいに当たるのだろうか?地球の影の支配者的なポジションなんだけど、この世界にはあるのか…?
「へ、陛下!かのような者にそんな態度をとってしまっては、奴がつけ上がってしまうかも知れません!」
「よい。目上の者に横柄な態度を取る方が無礼というものであろう。・・・そう言えばまだお主の名を聞いてはいなかったな」
この国王さまは良君だな。きっと良い政治を行ってるに違いない。
「はい。それでは御言葉に甘えて、素の口調で喋らせて頂きます。んん。僕の名前は海園しなです。いくつか質問があるので、是非とも答えて頂きたいのですが」
「構わん。なんなりと言ってみてくれ」
「神に呼ばれたって言いますけど、そんなの知りませんよ」
もしかしたら、普通に神と会うというのが無いこともあり得るが。
「え?」
「えっ?」
その反応…。やはり僕はイレギュラーなのか。本来は神と会うのだろう。
「「・・・・・・」」
疑問点その1 神さま?なにそれおいしいの?
今までに神なんて一切出て来てないぞ。心当たりがあるとすれば、強制退出させられたあの真っ白な空間だろうか?前例があるならきいてみよう。
「神様って真っ白な空間で会えるんですか?」
気になる事を聞いてみた。あの一瞬でゲットアウトされた真っ白い空間は絶対に何らかのイベントが起こる雰囲気だった。
「ああ。数多の召喚人たちも、白い空間に呼び出され、それぞれの神様から説明を受けてから、なにか強力な能力を得て、この世界に来たと言っている」
「えっ。え・・・・・?え〜〜〜〜」
やっぱり。なんで出てこないんだよ。人見知りなのか?会ってみたかったんだけどなぁ、神を殺す兵器の良い考察材料になると思ったんだけどな。
あ、きっとこういう事考えてるから神様が怖がって出てこなかったんだ!
「ん?会ってないのか?」
「・・・・・・・はい。強制退出させられました」
「・・・・・そうか。うん」
なんだろうこの微妙な空気。なんだろうこの微妙な応答。この王様とは結構仲良くなれるかもしれない。
「本来ならば、1つの神から自分に合ったスキルや能力を与えられこの世界に転移するんじゃ。召喚魔法と呼ばれ、高位の魔法使いが時間をかけて発動する事でようやく召喚できるのだ」
なるほど、僕はその高位の魔法使いによってこの世界に召喚されたのか。ん?待て、神ってそんなにたくさんいるのか?!・・・まぁいいや。
「この世界には魔法があるんですね。魔法とはどのようなものなのですか?」
「この世界の魔法は、生き物が行使する魔法と、魔法式を施した魔工具の生み出す魔法の2種類に分類される。生き物が行使する方の魔法は攻撃性の高いものが多く。生活などに活用されるような利便性は無いのだ。逆に魔工具は生活に魔法を活用するために作られたもので、魔法式と呼ばれる古代文明の文字を用いて魔法を発生させる技術だ」
なるほど。しかし、生き物が使う魔法の方が攻撃性が高いものとはちょっと意外だ。
「「それじゃ・・・」」
「あ、どうぞ」
ひと段落ついて新たな話題を出そうとしたら、国王さまと被ってしまった。一旦譲ろう。
「おぉ、すまんな。ゴホンッ。それではお主は白い空間に行ったのだな?」
「はい。誰もいませんでしたけど」
「それじゃあ。自分がどの神の使者か分かるか?」
「神の使者ぁ?」
また知らない単語が出てきた。なんだよ使者って…。僕は知らないうちに誰かの小間使いにでもなってたっていうのか。
「本来なら召喚人はそれぞれ異なる神から、その神が与えうる範囲で、召喚人に合った能力を付与されるのだ」
「え?でもどの神に会えたか判らないって事は能力すらもらってない可能性も…」
「・・・・・・ありえるな」
召喚人とは異世界から来てなんらかの手段で危機を救済するための者なのだろう。その手段がどうであれ、神から付与された能力というのは強力であり、それが召喚人の強みである事は容易に想像できる。
つまり、僕は苦労して召喚したくせになんの能力も持たない一般人の可能性があるということか…。
「あの、なんの能力も持ってないからって殺されたりしませんよね…?」
「安心しろ、異世界からの知識というのも十分に価値のあるものだ。そうそう殺すような冷酷な奴はここにはおらんしな」
その事を聞いて安心した。そこでずっと気になってた事をふと思い出した。
「あ、そうそう」
「ん?どうかしたか?」
よし!それでは!一番聞きたくないやつを聞こう!
「何故、僕はこの世界に召喚されたんですか?ピンチなんですか?」
疑問点その2 救済?なにそれ大丈夫?
召喚人の説明に「この世界に救済をもたらすために召喚された」ってなに?ペストが流行ってんの?それならいいけど世界大戦なら嫌だよ。僕ができるのは地球の技術転移くらいだよ。
・・・あれ?結構強くない?俗に言う科学技術チートってやつか!
「・・・・・・ああ。」
なんだか口調が重々しいな。なにか後ろめたいものでもあるのか…?
「・・・具体的には?」
「この世界にいる40の魔王の中でも上位ち入る魔王ユガが我が国に侵攻してきている」
想像以上にファンタジー?!シューべルトなの?!それとも世界征服する方の魔王!?
「・・・状況は?」
「国土の大半を失い、かつて3万もいた我が国の兵は残り1万もない。しかし敵方の兵が10万近く確認されている」
え?世界征服の方じゃん。コレ絶対 勇者よ魔王を倒してこい。だとか言われるやつじゃん。
「しかも、この王都を守る最後の砦であるシンカル要塞が突破され、あと数十日で魔王の手先がやってきてここも火の海になる」
「召喚人って呼び出すのってそんなに難しいんですか?見たところ敵の進撃速度は遅く、伝達がきてからもっと早く呼ぶ事もできたんじゃ…?」
そんなにピンチだったら、時間かかる魔法っていうのは本末転倒じゃないか……?
「一週間前からずっと召喚の魔法を使っていたのだ。しかし、魔法は発動したままで実行されず、その状態でずっと止まってたんじゃ。これまでにそんな事例は無かったが。」
「一週間前…。あっ……」
「なんじゃ?心当たりがーー」
「いえっ!なんでもないです!」
一週間前って、災難全部振り払ってお祓いしてもらったよな?!
この事は心の中にしまっておこう。墓まで持っていく。
「「・・・・・・・・」」
餅つけじゃない。落ち着け海園しな。状況を整理しよう。
異世界に呼ばれる。侵略受けてる最中。何にも無い。無理ゲーじゃ……。
「まっ、まぁ僕も出来るだけ頑張りますよ。こう見えて前の世界では色々していたんですから」
戦争とか…。
「ほう?色々とはなんだ?」
「い、いえ。やったと言っても前の世界では学問を修めているだけですからね。結構向こうでも頭よかったんですよ」
そうだ。まだ自分の事を一切言ってなかった。
「そうだ。自己紹介がまだでした。えっと、僕の職業はーー」
「ちょっと待て、嘘を言われてもたまらんから、審問官もいる時にやってほしい。
誰か審問官を呼んでくれ」
ふむ。審問官とはこれは如何に。キリストの異端審問官みたいなやつじゃなきゃいいな。ていうか最初から呼んでおいたらいいのに…。
「ただ今参りました」
そうしてやって来たのは、豪華な衣装を身に纏った80歳くらいの優しそうなおじいさんだった。この人が審問官なんだろうけど、きっと高位の人だろうな。
・・・・・・それと手に持っている水晶も気になる。
「それでは、審問を始めます。それではいくつか質問しますので、正確に答えてください。少しでも嘘が混じるとわかりますので」
「わかりました」
見ている人いるのか…?




