閑話NO.2 祝総合評価150pt
前回の閑話で好評だった超兵器解説ではありません。ごめんなさい。
やっぱり活動報告で兵器の妄想でも垂れ流しましょうか…。
「こんな事で来るとは思ってもみなかった。ていうかこんな事でいちいち閑話を挟んでほしくなかった。200まで我慢しろよ!150なんかでいちいち祝うなよ!話の途中でいきなり区切りがついたと思って、過去編に行こうとしてるの?!」
『何を言ってるんですかご主人様。この作品が総合評価200ptも行くわけないじゃないですか。今のうちにやっておかないと、閑話入れるタイミングがなくなりますよ』
「なるほどね。確かにそうだ。もう閑話を入れるようなタイミングがなくなってしまう前に、無理矢理突っ込んだのか」
『ええ。哀れですね。作者がすごく哀れです』
「というか、今回は何をするんだ?また前回のようにゲストを呼んで振り返りをするのか?」
『そうなるでしょうね。というかそれ以外に何かあるのですか?』
「ん?どれどれ。こんなところに紙切れがあるぞ」
『紙切れ以前の問題なんですけど、ここはどこなんですか?』
「さあ?宇宙ステーションとか海底研究所とか、いろんな可能性があるよね。あまり正解を出す必要性は感じないけど」
『そんな話題を挙げておきながら放置はいけないでしょう…』
「紙切れは…、なんだこれ?」
『時間軸は憎神戦終了後、周辺人物に事後報告が済んだ設定だそうです』
「メタいな!」
〜〜〜〜〜
『それでは、今日のゲストはいかがしましょうか?』
「それこそが問題。またカチューシャを呼んだら既視感しか感じないし、登場人物が結構いる中で出てきたら喜ばれそうな人なんて分からないしなぁ…。ねえマルクス、調べてよ」
『どうやってやればいいんですか。異世界転生してきてくださいよ。ご主人様が』
「死ねを異世界転生って言い換えるの面白いよね。これが普通の自立思考型AIの本気の発言だったら人類滅亡ルート辿ってるよ」
『それはさておき、誰にしますか?」
「フッ。こうなったらあの人にしよう」
「心当たりがあるんですか?」
「そう!ロストフタ国際学園編まで構想すらされてないのに、その場のノリで急遽キャラが作られ、何故かヒロインフラグを軽く立てていった学長を呼びましょう!!」
『異世界転生させられろ下さいご主人様』
〜〜〜〜〜
「という訳で、異世界で高名なロストフタ国際学園の学長を務め、かつては勇者のパーティとして魔王討伐にも貢献した、かつて滅亡したハイエルフの生き残りのユイシア・ユグドラシル学長です!!」
「馘首。明日から学園に来なくていいから」
「そ、それはちょっと…。異世界で無職にはなりたくないというかなんと言うか…」
「誠意が足りないわね。誠意を見せてごらんなさい」
「最上級の待遇で来賓として地球に招待させていただきますっ」
『ご主人様の何処が嫌かって、将来確実に奥さんの尻に敷かれるのが確実な情け無い男ってところが、非常に嫌なんですよね』
「地球の観光ね…。最上級の待遇っていうのはどういうものなの?」
「それは…。我が国の誇る国土防空機四至神を直掩で三機。さらに現在大量建造中の宇宙戦闘艦を手配し学長の護衛に当たらせる所存です」
『他にも、弱みを握られると自分の権限で、戦略兵器や秘匿兵器を運用させてしまうんですよね。権力を持たせてはいけない人間の一例なのですが…。そういうところも嫌いな点ですね』
「あのね?私は別に護衛の事なんて聞いてないのよ。いざとなれば自分の身くらい守れるし。料理、滞在費、もろもろ合わせていくら金をかけられるか聞いているのよ」
「1,000万ドル相当になると思います!我が国の平均生涯収入の1.5倍近くの価値です!今すぐにでも旅券を発行させて用意させて頂きますので都合の良い日時を教えてください!」
「貴方、私の事をチョロい奴だと思ってるでしょう?実際に旅行券で私を釣ろうとして、私に対する無礼な発言を有耶無耶にしてるし」
「滅相もございません!そんな事、プランク長程度も考えていません!」
「そう…。じゃあ、ゼロではないのね?」
「いえ、ゼロです。それはもう無ですよ」
「まあいいわ。今年度の給料三割の自主返納なんて殊勝な心がけね。貴方のその心意気に免じて許してあげましょう」
「え、あの自主返納って…?」
「あら?四割にしてくれるのね!やっぱり貴方を"雇用"してあげて正解だったわ!」
「外貨獲得手段が…!ううっ!」
『今の職業では結構な下っ端なのに、地球にいた頃の高い地位とのギャップでやらかすとは思ってましたが、結構早く解雇通知がきましたね』
「あなた、精霊さんかしら?姿も見えないし魔力もないけど、声だけは確かに感じ取れるのよね。それにさっきから、海園しなの事をご主人様って呼んでるように感じるし…」
「紹介が遅れましたね。僕ら二人のほかにこの空間には人工知能がいるんです。人工知能というのは、人間が設定した行動を非常に複雑に組み上げていく事で作り上げる制御装置のようなものですね。今はこの端末から出力してるんです」
「へー。どうせそれも貴方が作ったんでしょう?それにしても、人の手で新たな知性を作るだなんて凄いことするわね。実際、どっちの方が頭いいの?」
「いい勝負すると思いますよ。流石に計算能力だったら僕の完敗ですけど」
『紹介に預かりました。私は地球の軍事や産業、国家運営全般の補助を行う数億個のGSTSを総括し、会話によるコミュニケーションを行うGSTSのオリジナル人工知能のマルクスです。いつもご主人様がお世話になってます』
「ご丁寧にどうも。ご存知かもしれないけれど、私はロストフタ国際学園学長のユイシア・ユグドラシルよ。よろしくお願いね、マルクスさん。それにしても、ご主人のことで大分苦労なされてるでしょうね」
『あ、やっぱり分かりますよね。トラブル体質なだけじゃなくて、やること全てに文句しか出てこなくて、何も言えなくりすよね』
「そうそう!尻拭いは私たちがするっていうのに、いつも驕ってヘラヘラしてるんだから」
「あ、あのー、お二人とも。随分と仲良くなりましたね…」
「ええ、そりゃ共通の話題があったら会話も弾むもの」
「ちなみに、その話題というのは…?」
「問題しか無い部下」『チェンジしたい上司』
「・・・・・・。人選間違えた…」
「ところで、私はどうしてここにいるの?ここがどこだか全く分からないし、どうやって来たのかも分からないのよね」
「その状況でよく冷静になれますね…」
「だって貴方がいるんだから、変な事になってるのだけは理解できるから」
「そうですか…。えっとですね、今回我々が集まった理由は過去の振り返りなんですよ」
「過去の振り返り…。具体的に何をするの?」
『この場では「アクティブプロテクションシステム担当航空機による映像記録を振り返る」という設定の下で兵器の解説などを行う予定です』
「アクティブプロテクションシステム?それで過去の情報が見られるのね」
「まあそんな感じの認識で大丈夫です。それじゃあ始めましょうか」
〜〜〜〜〜第八話 決着 思いがけない再開
「ものすんごい殺意が湧くわね。貴方に」
「そうですね…。え、僕に?!」
「そりゃそうでしょう。私たちがあの時どれだけ苦労したか知らないでしょう!大陸中を略奪しながら暴れ回って、追い詰めたと思ったらすぐに逃げ出して…!それなのに、私たちが戦ったのより上位の魔王があんな速射された攻撃で戦闘不能になるなんて…!その前の魔王戦も見させてもらったけど、あんなの歴代召喚人に対する冒涜だわ!!」
『そういえば、ユグドラシルさんと共に戦った召喚人は、勇者として魔王と戦い、ご主人様のを除けば最速で魔王を倒した方なんですよね』
「状況が特殊だったから一概には言えないけど、その通りよ。実際、それ以降は目立った魔王の悪行も無かったから更新されにくかったのよね」
「そういえば、魔王って今は南大陸に群がってますけど、昔の勢力圏ってどうだったのか気になりますね」
「あら、知らなかったのね。私も魔王出現の理由までは知らないけど、昔は本大陸に人間と魔族がいたのよ。いつの間にか抗争が始まって、魔族の擁した魔王とそれに対抗する召喚人を中心に争って本大陸から撃退したのが数百年前。私たちが戦ったのは、本大陸へ再び勢力圏を復活させようと単身で乗り込んできた魔王で、その魔王を撃退した後に本大陸南端に位置していたミガルズ王国が、国内を安定化させるために南大陸の対岸に進出して、本土が戦争で占領されたために生まれたのが、今のミガルズ王国なの。だから、私たちが倒した後に魔王が討伐されたのは貴方の事例が初めてって事よ」
「なるほど、召喚人って強いんですね。ほぼ単身で魔王と張り合ってた訳ですし」
『ご主人様は召喚人の中で最弱でしょうしね』
「最弱…?最強じゃないの?」
「僕の身体能力は藁ほどしかありませんからね。筋力体力ともにこの世界の同年代とは競っちゃいけないですね」
「え、でも剣の打ち合いしてたじゃない」
「あれは剣があって、相手も剣道に精通していたからこそですよ。剣道は基本的に力による殺し合いではなく、技術による試合を主眼としています。ロングソードを力のままに振られていたらすぐ死にますよ」
『そのクセに体力作りを一切やろうとしないところがダメなんですよ』
「話が脱線しちゃったけど…。やっぱりあの最後の兵器はすごかったわね」
「でしょう!ほらマルクス!やっぱりズムウォルト級に舷側大型魚雷発射管は必要だっただろう!」
『でもあの兵装、地球では一度も実戦で使用した事ないでしょう。シーランス対潜ミサイルで十分でしょうに』
「別に兵器の話じゃなくて、召喚人以外の手で魔王を殺せる方法の話をしているのよ。一体どうしたら魔王の不死を突破できるのよ」
「今まで何回も神殺弾頭の説明して嫌になってきた。マルクスが代わりに説明してくれるそうですよ」
『はぁ…。兵器の先端部には攻撃力を持たせるために爆薬などが付けられるのですが、その中に神殺弾頭というものがあります。神殺弾頭は圧縮した爆薬のエネルギーにより次元を新しく作り出し、そこに存在を収容し隔離、ビッグクランチが発生し完全に消滅するという流れです』
「ごめんなさい。意味がわからないわ」
『爆発範囲を異次元に送り、概念そのものを消滅させるんです。魔王の再生能力は別次元から送られてくる構造を元に本体の分子が再構築される事によって再生するので、根源を断つ事で再生を阻害したんです』
「恐ろしい技術力ね…。これを量産している地球が魔窟に見えて来たわよ。それで実際に神を倒してるんでしょう?貴方、邪神を名乗ってもいいかもよ」
「なんで僕が邪神になるんですか…。それならGSTSが邪神になる方が的確でしょう」
「そういえば貴方の姉妹は魔王になってたわね。魔王が出現する理由の一つが異世界から自主的に渡って来た者だとは思わなかったわ」
『おそらくですが、この世界に渡る時に身体の情報が亜空間に反映され、それがこの世界で状態を維持しようとするために、死んだ生物が復活できるのでしょう』
「それは…、何となくだけど理解できた気がするわ。でもそうなったら、エカテリーナさんがこの世界に無事にやって来れた意味が分からないわ」
「ああ、それは亜空間の時間を擬似的に止めて来たんですよ。そしたら何ら影響はありませんから」
「つくづく、科学って道理を外れてるわね」
「道理を追い求めるのが科学なんですけどね…」
〜〜〜〜〜第九話 任務完了
「結局、姉妹は魔王になったのかなってないのかハッキリしなさいよ」
「魔法が使えるという点では魔王ですし、世界を無理やり渡って来たという点でも魔王なんですけど、正直言って姉さん達は魔法の扱いが上手いだけの人間なんですよね。魔王たらしめるのは、ナンチャラの奇跡で何度も復活する事にあると思うんですよ。ただ、GSTSも時空跳躍でも安全のマージンは設けてる訳で、その亜空間への身体情報の反映が起こらず、魔王の特性は持たずに魔法が使えるようになって異世界に来たという事です」
「私も異世界を反復横跳びして、さらに魔法が使えるようになりたいわ。でも、だったら私にも魔王だって紹介しなくてよかったじゃない」
「シュールすぎませんか…?それに姉さんたちを魔王って言ったのは学長でしょ」
「・・・。それもそうだったわね」
「それで、なんで海園家は報連相ができないのかしら…」
「え…、何か報告しなきゃいけない事がありましたか?特に魔王の事ぐらいしか無いと思ったんですけど…」
「それよ、それ!なんで姉妹が魔王達を制圧してきたって事を教えてくれないのよ!」
「・・・。あー。でも、本大陸の人達には関係ないかなって思ったんですよ!だって救援呼んでも来なかったそうじゃないですか」
「ん…?そんなの聞いてないわよ」
「・・・。えっ?」
「まあ、ロストフタの方も届くのが遅かったんでしょう。多分、要請を海路で送ったんだと思うわ。南部の諸国家は無視するでしょうけど、ロストフタは見捨てないと思うわよ。魔王の脅威を知ってるわけだし」
「確かに、試験を受けに行く時もギリギリでしたからね。この時代に空路はないんですかね?」
「空輸は滅多にないわ。大型の有翼生物を乗りこなす能力がある人が緊急性の高い覚書を送ってた事もあったそうだけど、ミガルズにはないでしょうね」
〜〜〜〜〜第十話 土地をくれ
「地球に帰れ侵略者」
「ひどい!!」
『そう言われるのも仕方ないでしょう…』
「でも、潜在的なバッファーゾーンを作ったんですよ!わざわざ危険を冒して敵性勢力の最前線に基地を作ったんですから賞賛されるべきでしょう!」
「あんたの地球での悪行はきっちり教えてもらったから。覚悟することね、この悪魔」
「僕って地球でそんな強権振るってましたっけ…。今の学長の僕へのパワハラの方がよっぽど独裁ーーごめんさないぃぃい!!!」
「もう貴方本当…、死ぬか消えるか、どっちかにして」
『生きて帰れますかね…。ご主人様』
「骨は富士山の麓と太平洋に沈めてくれよ」
「ヴィクトリア湖とやらでもいいんじゃない?いい感じの除霊スポットらしいし」
「前回のやりとり覚えてますか?!あのアイスボール食らった後、人生で初めて右手中指を脱臼したんですからね!カチューシャも、『え?マジ…?』みたいな反応してましたからね!」
『地味に辛そうですね。回復魔法をかけてもらえるのでそこまで気にしなくていいと思いますけど』
「姉さんに無理やり押し付けられて治された事知ってるくせに…」
「で、軍事力を配備するとか言ってたけど、結局ニダヴェリールにはどの程度の戦力を配備したのよ」
「えーと、海上戦力は電磁力艦を千四百隻に、航空機を四千万機、戦闘車両は1,200万両くらいですかね」
「どれだけの戦力を抱えてるのよ…。もう貴方が魔王でいいわ。さっさと征伐されなさい」
『確かに征伐される理由としては十分ですね。周辺にインフラ施設を構築して、焦土作戦を行える準備でもしますか?』
「この人工知能は何を言っているの…?」
「スタート地点から魔王城までの道中に村があるように見せかけて、補給地点として活用するつもりでたどり着いたら全て破壊されているって状態を作るそうですよ」
「えっぐい事するわね…。確かに補給は大事だからね」
「経験者の言うことは深みが違いますね」
「そういえばあの金髪青年が言ってたけど、結構人殺しをしたみたいね」
『たしかマリアナ沖海戦の戦死者数でしたね』
「海戦一回で数十万人が死傷するなんて壮絶な戦いなのね。世紀の大海戦になったんじゃないの?」
「そうですね。非公式の海戦ですけど世界最大ですよ。僕が指揮した護衛艦大和で撃沈したのが、だいたい900隻の半分で、乗組員の8割くらいの四十万人余りを殺した事になっていますね」
『この海戦で他に味方側で参戦したのは、米国海軍総旗艦のアメリカですね。この艦も大和型護衛艦と同程度の戦力を持っており、残りの半分はアメリカが撃沈しました』
「80万人が900隻の船に乗って、それが2隻に全滅させられるって気味が悪い話ね。結局、その戦争の死傷者は3億人を超えたとか言われると、地球に生まれなくて良かったって思うわね」
「そうですね。今は良い所ですけど、それまで平和なんて無かったですからね。あ、ちなみに死者は3億人ですけど、行方不明者は7億人いるので実質の死者は10億人ですね」
「この世界の統計は知らないけど、全人口超えてそうね。若者がほとんど死んだっぽいのに、よく復興できてるわね」
「人がいなくても物は作れますからね」
「ところでアリアちゃんはもらってあげないの?」
「幼女趣味はありませんし、自由恋愛主義ですから」
「ハッ、どうだか」
「そこら辺くらいは信じてくださいよ…」
〜〜〜〜〜第十一話 ニダヴェリール工業地帯
第十二話 ニダヴェリール軍事基地
「相変わらず、地球の人間は規模が大きいわよね。なんでも大きければ良いってもんじゃないのよ」
「それじゃあ世界中に小規模の軍事基地建てまくりますよ。いいんですね」
「軍事基地で脅してくる人初めて見たわよ…。それで、ニダヴェリールには他にも色々あるのよね?何があるのかしら」
「軍事施設は置いといて、軍需物資だけでなく建築物から生活必需品まで自由に生産できる無人工場群からなる工業地帯と、両海岸を接続する大運河。中心地には200万人規模の都市があり、食料品の生産工場や医療施設その他健康増進施設を用意しています。それぐらいですかね」
「規模が大きいのか少ないのかわからないわね…。でもなんで都市を作ったのかわからないわ。200万人分となると結構な規模だと思うのだけど」
「景観のためですね。まあ、20万人を収容できるビルと言っても、マダガスカル島に設置されているような人を詰め込むだけのビルですけど」
『先駆国の都市部に林立する高層ビルは一部機械室となっているため、見た目以上の収容能力はなく、2,000m級のビルでも10万人が精々です。しかし、マダガスカル島など一部、戦争難民の受け入れ地として都市が建設された地域の場合、収容能力を極限まで高めたビルが設置されます。ニダヴェリールの場合は、そもそもビルに人が入らないため機械室を設ける必要性が無く、緊急時の使用のみを想定しているため、このような都市建設になったのです』
「そうそう。実はニダヴェリールには便利な機能があるんですよ」
「便利な機能?」
「はい。ここは国連直轄の領土なので、現在は承認国家がミガルズ共和国だけですが、いつか大半の国に承認された場合、世界一簡単に渡航許可証が降りる領域になるんですよね」
「それが便利な機能なの…?なんか期待より低いというか…」
「そうじゃありません。この領域は地球の全国家が管理しているに等しいですから、基本的な人の往来の管理は超国家的な判断になるんですよね。という事はこの世界の政治問題に対してほとんど影響されない事を意味します」
「政治的問題があっても入国できる…。まさか、亡命し放題って事?」
「正解!犯罪者でない限りどのような場合でも入国が許可され、最先端の保護を受けることができる。さらに、地球各国の外交官と交渉すれば地球の国家に亡命が可能!」
「私もいざという時の亡命先はニダヴェリールにするわ。確かに便利な機能ね」
「そういえば、兵器はいくつか見てきたけど、私が見てない兵器ってあるのかしら。できればインパクトがあるものを教えて欲しいわ」
「戦闘車両も軍艦も航空機も見たとなると、残るは列車砲ですかね」
『列車砲は、巨大な大砲を広範囲に渡って使用するために、鉄道レールを用いて移動を可能にした兵器です。昔は前線の進行に合わせて鉄道網を用意して火力投射を行っていたのですが、現在では建築物により遮られないように基地周辺を移動できるようにしたものが一般的ですね』
「巨大な大砲ってどれだけ大きいの?」
「128cm口径全長110mの長距離砲です。運用する列車の全長も120mの車体で、単機での運用を想定して全高も100m以上ある巨大兵器ですね」
「大きいわね…。ニダヴェリールにはそれが何個あるの?」
「千基くらいはあるはずですよ。射程は24,000kmと、どの地点からでも地球全土を射程に収める事が可能な兵器ですよ。発射速度は毎分2発なので、全機運用すると毎秒8発で地球最大の砲弾が降り注ぐ事になりますね」
「・・・。欠点とかないの?」
『長距離砲撃は安定翼で制御できるものの放物線に近い軌道を描きます。特に戦略兵器などは射程が千kmを超えるためエネルギー保持のために空気抵抗を無視する砲弾が使われます。しかし超長距離を攻撃する場合、重力圏を脱しない程度に速度を抑えて大きな放物線を描く必要があるので、断速や弾道は迎撃しやすいものになるのです』
「もっと簡単にまとめてくれるかしら」
「遠くを攻撃しようとするほど迎撃しやすくなります」
「よく分かったわ。やっぱり都合のいい物はなかなかないものよね」
「実戦運用するときは、砲弾重量にものを言わせて対空攻撃を無視できるほどの慣性を与えるか、わざと迎撃させて敵を疲弊させるかにしか使いませんでしたね。まあ、本当に攻撃したいときはミサイルが全部解決してくれるんですけどね」
〜〜〜〜〜第十三話 黄金の自由
「大層な名前よね、黄金の自由って。自由って言ったって国が王から貴族になっただけじゃない」
「ポルスカに怒られますよ。それに、僕が伝えたのはその中に国民による選挙を組み込んだ政治システムです」
『実際の黄金の自由は貴族や大学出身者などのみの参政権で構成される政治体制であり、王の選出は特権が平等にされた貴族の間で行われます。こいつ国王に嘘ついて国家転覆しやがりましたよ』
「こいつ最低ね。今すぐにでもミガルズに突き出して処刑してもらおうかしら」
「待ってください!いい機会だったんですよ!」
「いい機会?言い訳があるなら聞いてあげるわよ。なんてったって、私は"貴方と違って"上に立てる人間だからね」
「年齢カンストのハイエルフが人間…?」
「給料の自主返納7割に、2ヶ月間の休日返納無賃労働…。貴方は素晴らしい教師だわ!」
「・・・。この時代において完全な民主主義の足枷となるのは、教養のない国民が多くを占めることです。しかし貴族制民主主義の場合、代議制であり被選挙権を持つのはある程度の知識を持つ貴族のため、国民が国政に関与できるのは議員の輩出のみ。大陸唯一の国家であるので外交努力の必要性は無く、ニダヴェリール軍事基地や国連との安全保障体制により軍拡をする必要もないため、国民にとって選挙の論点は自分の生活だけで済む。そして、貴族で構成された揺るぎない議会は強固な行政基盤を支え、直近まで絶滅寸前の戦争をしていた訳ですし団結力もあります。この環境は少なくとも共和制に移行する絶好の機会であり、世界の自由主義の先端として頑張っておらおうと思ったからです…」
「やっぱり休みは必要よ。休日返納の働き詰めなんて、逆に仕事ができなくなるわよ。やっぱりできる上司って部下を気遣うものだからね」
「学長…、副業は、内職は許されるのでしょうかっ!」
「公正公明なロストフタ国際学園がそんなの許す訳ないでしょう!恥を知りなさい!失言問題として減俸5割よ!」
「給料が、15%…?夢だ…。こんなの夢に違いない!」
『残念だったな』
「助けてマルクス。そんなゲームのキャラの勝利ボイスみたいな台詞はいらないから!助けて!」
『人工知能をタダ働きさせてきた天誅が下ったのですよ。姉妹のヒモになりなさい』
「うわー!!」
〜〜〜〜〜第十四話 艦隊出港
「なんで貴方はでっかい軍艦を引き連れて試験日ギリギリを攻めようとして、最終的に遅刻するような事をしたの?」
「その批判は、僕ではなく検問したロストフタ海軍の者にする方が…」
「貴方は自分がトラブル体質って事を自覚しているでしょう?長生きしてるんだったら事前に予測して、計画に余裕を作るべきじゃないの?」
「・・・はい」
「大体、4日間の航海に1日しか余裕を作らないなんて、漁村の子供でもそんな馬鹿みたいな真似はしないわよ!」
「そうですか…」
「それに、他の人が航空機を勧めたっていうのに問題視せずにその意見を切り捨てるなんて、民主主義を推し進めた人間として恥ずかしくないの?」
「はい、仰る通りでございます…」
「それに必要以上に軍艦を連れて、海軍が警戒するのは当たり前でしょう!貴方、地球から来たからってこの世界の事を舐めてるんじゃないでしょうね!」
「滅相もございません…」
『あの、ご主人様にはキツく言っておきますので、ご高説の方は一旦終わりにしても…』
「そうね。できる上司は程よい鞭と程よい飴ちゃんが大事だものね!まっ、私はもっとできる上司だから、鞭は一回振るうだけで十分なのよ!」
『・・・・・・』「・・・・・・」
「えー。SC-55は、大規模な航空輸送を勢力圏外で強行する事を目的に設計された輸送機です。高い輸送能力を持ちながらコンパクトな機体は生産性を持たせ、ステルス性や着陸地点の自由度を実現しています。垂直離着陸能力により滑走路でなくとも空中に滞空する事で場所を選ばない補給や部隊の展開も実現します」
「それにしても音速の20倍なんて速度を出されたら撃ち落とすことなんてできないわね」
「地球だったら簡単ですけどね。50年前くらいからそういう兵器はありましたから」
「そういえばその輸送機ってーー」
「積載人数は装備を含めても、収容できる限り十分な飛行性能を見せますよ」
「・・・。人って会話を切り出した時にそれを遮られるのを嫌うものよ。教師なんだからそれくらい覚えておきなさい」
「学長。優秀な部下というのは、上司の思いを汲み取り即座にそれを実行するものです。部下はなんであろうと上司に苦労をかけないように立ち回るべきなのです」
「そ、そう?新人をこんなに成長させられる私って、やっぱり上司の才能ってものがあるのかしらね!」
『・・・・・・』「・・・・・・」
「大鳳型護衛艦って一体なんなの?改めて聞くと凄まじい能力よね。大量の航空機を運用しながら砲撃能力も一級品なんですもの」
『全長556m満載排水量25万tで、400機以上の航空機運用能力を持ちながら、天城型護衛艦の主砲でもある155mm三連装砲を7倍以上の80基装備しており、砲撃能力も非常に高いです。さらにVLSを600セルも持っており、航空機抜きでも規模に見合った戦闘力を持つ兵器ですね』
「何というか、やっぱり盛り過ぎよ。太るわよそんなにたくさん詰め込んでたら」
「大丈夫です。対空砲は艦側面に4段設けた砲台に搭載してますし、多段空母なのでアングルドデッキも無いのでスリムなんですよ」
「そうじゃないのよ…。なんて言うかこう…、地球人はデブばっかってことよ!」
「もっと意味が分からなくなった?!」
「長門型護衛艦の46cm三連装砲は、地球でもトップクラスの大口径艦載砲です。まあ、装甲艦ができてるのであと200年くらいで同口径のものはできるでしょうけど」
「私はあまり大砲に詳しくないけど、ロストフタの装甲艦も30センチくらいの大砲を積んでたはずよ?残りの15センチってそんなに大きくするのが難しいの?」
「口径が大きいほど時代が進歩するわけではなく、口径や口径長なども含めて、その時代の技術の粋が集められて作られるのが戦艦の主砲なんです。大口径でなおかつ射撃精度を高めるために砲身を長くすることに加えて、鋳造技術や将来的な装填機構など含めて戦艦砲の強さは決まるんです」
「確かに一本の太い大砲をまとめるのは大変そうね。大砲を動かすのも大変そうだし、先人を見て学ぶだけにするのが一番ね。でもあの、島を消し飛ばすような大砲の爆発はすごかったわ」
「あれはポリ窒素と言って、空気の一部を超高温と超高圧で固めることで作れる爆薬ですね。昔は安定性がなかったので運用するのに苦労しましたけど、材料や威力がとても優れているんですよね」
「そういえば、昔に優秀な錬金術師気体の揮発性に着目して実験をしていたら実験室と辺り一体が大爆発を起こした事件があったわね。もしかしたらその爆薬を作っていたのかもね」
〜〜〜〜〜
「ふ〜。学長、お疲れ様でした」
「やっぱり酔うと口が回るようになるわね」
「・・・ん?」
『またこのパターンですか…』
「学長、まさかお酒を飲んでここに来たんですか?」
「飲んで来たも何も、休憩中にいきなり連れて来られたのよこっちは!」
「そうなんですか。なんかすいません…」
「うぷっ…。なんか気分が落ち込んできた…。お酒もっとないの?」
「え…、ここってお酒あるの?へいマルクス、今すぐお酒を持ってきて!」
『500円ワインがありましたよ』
「安物…。まあいいや!ほら学長、地球の超高級ワインですよ!ささ飲んで飲んで!」
「んー!このワイン美味しいわ!!もっともーっと持ってきて!」
『泥酔させて減俸を有耶無耶にしようとしてますね…。これ安物だってバレたら大変な事になりそうですね。今度告げ口しましょうか」
「いい飲みっぷりですよ学長!さすが、ロストフタ国際学園を仕切る伝説のハイエルフ!」
「えへへへへへへ!今日は夜明けまで飲み明かすわよ!」
『これ、ご主人様も雰囲気と気化したアルコールだけで酔ってますね。嘔吐に塗れないようにしてほしいものです。王都だけに』
「・・・。あまりのしょうもなさに酔いが覚めたわ」
「ちょっとマルクス何やってんの?!」
『・・・』
昔の自分の創作物を見るのって苦しいです。いつかしれっと書き直してるかもしれません。




