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第ニ話

今は楽しい楽しい音楽の時間


クラシック鑑賞は主にみんな爆睡する時間なのだ


それは男子女子関係なく興味ないものは皆該当する


しかし中には聴き入るものもいた


さきほど英語の時間にリフレッシュをかましたエンコジだ


「なぁスドケン

今の音の流れ使いたいな」


迷惑な事に

自分はリフレッシュしたもんだから周りのヤツに話かけだす


「ん〜」


とスドケンも例外なく寝ていたため良い返答は返ってこないのだった


エンコジもさして興味のないクラシックに退屈をしだしたので突っ伏した

しかし寝ようと思うが眠れない


一時ぼーっとしていたが

南側の窓から入る風に

ゆらゆらとそよぐスドケンの金髪をじーっと見出した


それからかれこれ5分はたったか

ツナがぬすーっと体を起こした


大きなあくびと共に思い切り伸びをして周りを見まわす

右隣りのスドケンの髪を見たまま硬直しているエンコジを見てツナはビクッとした


エンコジの目はスドケンの髪を見ているようで見ていない


遠い目をしていた


ツナは肘でスドケンをつつき

小声で


「オイッ

オイッ!」


と起こした


さきほどエンコジに話かけられウトウトしている所だったのですぐに起きたが

「ん〜、なんや

ツナまで」

と不機嫌感丸だしだった


起きたスドケンにツナは顎でクイックイッとエンコジの方を見るように仕向けた


頭をかきながらあくびをし

「どないやねん」

とブツクサぼやきつつ見た


「…。」


スドケンもエンコジを見て固まる


エンコジとスドケンは目が合っているハズ

しかしスドケンは


「目が…」


とツナのほうに振り返り


「…目が合えへん」


その言葉にツナが頷く


「見てみ

指がリズム刻んどる」たしかにエンコジは固まったまま


ただ指だけトットットッと小気味良く動いていた


「完璧に…」


ツナは苦笑いをしていた


しかしその顔には期待感が含まれているのも確かだった


「完璧に入った」


その言葉を聞きスドケンは冷や汗なのか寝汗なのかわからない額の汗を拭き

ニヤリとした


「井上センセには悪いが

このアホ止められへんからな」


「あぁ

リズムだけ耳に入れて覚悟いれとけ」


ツナがその言葉を言い終わるか終わらないかの瞬間


ガタッ

とエンコジが立ち上がった


そしておもむろに楽器を置いている棚に歩いていく


それは

ゆっくりかつリズミカルな足どりで


「どうした円〜?

トイレか〜?」


教卓の椅子に座ってプリントを整理していた井上が気づき声をかけるが

エンコジの耳にはまるで聞こえてないようだった


井上はクラシックのせいで聞こえないのかと思い

一時停止を押し再度

「円〜、どうした〜?」

と声をかけた

さっきよりも大きな声で言ったので半分以上の生徒が目をさまし顔をあげる


一時停止をした井上に聞こえるか聞こえないかの声で

スドケンがつぶやいた


「ナイスやセンセ

雑音(クラシック)が邪魔や思うとってん」


モモカンとリンゴも目を覚ましエンコジを見た


エンコジはいつも使っているかのように

楽器の中からギターを取り

コンセントやシールドのついたままのアンプの電源を入れた


「アホぅ!

覚悟決まってへんゎ」

スドケンが言い残し

ガタタッとツナと席を立つ


状況を飲み込めないモモカンとリンゴはぼーっとしていたが


「行くぜ」


ツナの言葉に振り向き

次の言葉で状況を把握した


「新曲の披露&セッションだ」


モモカンが笑いながら

「えーっ!?

今ここで!?」

と小さい声で訴えた


スドケンは

口を開けたまま笑っているリンゴに言わずともドラムに行けと指をさし


「久しぶりのゲリラライブや」


とツナと楽器棚に駆け寄った


リンゴも慌ててドラムに向かう


井上も含めクラス全体がポカンとしていた



次の瞬間

アンプから物凄い爆音が一撃鳴り響いた


ぼーっと見ていた

全員が今度は完璧に静まり返った



モモカンは出るタイミングを失って

やってしまった!!

というジェスチャーをした



「リンゴ

リズム110!!

ハット!!」

リンゴにエンコジが叫んだ


いつもふぬけたニコニコ顔のエンコジはそこにはいなかった



リンゴがリズムを刻む


4小説分くらいたった瞬間にエンコジが


「イントロ!!」


と叫びフレーズをかきならした


ツナとスドケンはそれぞれアンプと楽器を用意しチューニングしている


イントロを聴きながらスドケンが叫んだ


「ひゃはは!!

しょっぱなからとばすとばす!」



その言葉にニヤリとしたエンコジは

「リフ次からので行くから!!」

と叫び

「リンゴフィルイン!!」続けて叫んだ


リンゴは爆発させるかのようにドラムから音を出した


曲調は激しさを増し

ギターは上機嫌に空気を圧制していく


「悪くない」


ツナが口笛を吹き賞賛する


「っしゃ!

セッション行こう!!」

エンコジが笑いながら叫びピックをたたきつけるように弦を鳴らした


ツナとスドケンが一気に演奏に入り

音楽室はスタジオのような爆音に包まれた


口を開けて見とれているクラスの反応に

モモカンは


「ぼ、ぼくも!!」


と立ち上がった


次の瞬間


ボツッ。


という音と共にリンゴのドラムだけしか響かなくなった


井上がアンプのコンセントを抜いたのだった


「あ!!アカン

アンプイカれる!!」


反射的にスドケンが騒いだが

ヤバッと口を抑えた


「お前ら

ソッコー職員室な」


井上はかなり怒っていた


「福田ー!!やめろ!!」


井上は興奮してひたすらドラムを叩き続けるリンゴに怒鳴った


音楽室はシーンとしてしまった

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