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ミーティング②

作者の力量不足で設定や説明がかなりガバカバな部分があると思います。





読んでいて楽しくなるような文章が書けるよう日々模索しています。





よろしくお願いいたします。

「あと荒木さんも要注意ね」


 熱田くんと並んでもう一人の注意人物、2年D組副委員長荒木真紀(まき)さん。

 今回の一番の被害者。眼鏡をかけているおっとりとした性格。よく図書室にいるというのを耳にする。


「荒木さん? あんなホワホワしてる女の子のどこが要注意なんだよ」


 荒木さんは必ずクラスに一人はいる大人しめの女子生徒だ。熱田がそう思うのも無理はない。


「知らないの? 荒木さんは茶道部なんだよ」


 大江さんが荒木さんの情報を口にする。


「茶道部のどこが要注意なんだ」

「熱いお茶で攻撃されたらひとたまりもないよ」

「…………確かに。それは危ないな」


 本当に危ないことだ、火傷する恐れがある。でも荒木さんの注意すべき点はそこではない。


「荒木さんは先祖が“メドゥーサ”よ」

「「“メドゥーサ”?」」


 “メドゥーサ”は髪の毛が毒蛇という攻めたヘアスタイルの魔族である。

 でも荒木さんの髪の毛は毒蛇ではなく綺麗な黒髪だ。荒木さんの魔法はある意味半田くんより厄介である。


「荒木さんの魔法は目が合うと石になったように動けなくなってしまうわ」

「ん? でも俺荒木のお尻触ったとき目が合ったけど動けたぞ」


 熱田の発言に女子が若干引いている。


「それは荒木さんが眼鏡をかけてたからね」


 荒木さんは視力が悪いわけではない。自分の魔法を抑えるために普段は眼鏡を着けている。


「半田くんの攻撃を受けても神宮寺くんの治癒魔法で回復できるけど、荒木さんの魔法を受けたらアウトよ」


 とても恐ろしい魔法だ。目が合うだけで動けなくなり、格好の的になる。


「それでどうやって荒木さんを倒すかだけど……」


 皆が少し困った顔をしている。熱田くんの時は『殴る』『ボコボコに殴る』『徹底的に殴る』という言葉が飛び交っていたのに。


「荒木さんは殴れないわ」

「それは……俺もだ」


 荒木さんは目が特殊なことを除けば、ただのか細い女子だ。

 基本的に相手をどのように痛め付けるかを考えることが得意なE組だが、荒木さんは別のようだ。

 クラス中がやれないと言っている中、スッと手を挙げる。


「なら恋がやろうかー?」


 刈谷さん少し気だるそうに立候補する。


「お願いしたいけど、いいの?」

「なんでー? 別に殴らなくても荒木さんに『参った』って言わせればいいんでしょ。簡単じゃん」


 そう。全滅戦は暴力や魔法での戦闘不能だけではなく、交渉などで相手に降参させることも可能なのだ。

 確かに刈谷さんの魔法なら上手くやればできるかもしれない。


「ならお願いしてもいいかしら刈谷さん」

「オッケーだよ。見ててね千尋ー!」


 笑顔でこちらに手を降ってくる刈谷さんに俺も手を降り返す。


「じゃあここからD組の戦法について大まかに説明するわ、神宮寺くん」

「ちょっと待って」


 黒板に新たに昨日徹夜で作った資料を貼る。


「D組の戦法はとてもシンプルよ。攻撃(オフェンス)守備(ディフェンス)の人がはっきりしているわ」


 ⚫攻撃は相手を戦闘不能にするのが主な役割だ。攻撃がしっかり機能しないと試合には勝てない。火力の高い人は主に攻撃に参加することが多い。


 ⚫守備は相手の攻撃から味方を守るのが主な役割だ。守備がしっかり機能しているとこちら側は色々と準備ができ、試合を有利に進めやすくなる。


 基本的には攻撃と守備の人数の割合は“6:4”ぐらいだが、D組は偏りがある。昨日調べてまとめたデータにかなりはっきりと表れていた。

 D組の攻守の人数割合は“2:8”だ。


「攻撃は半田くんが主になって、守備はラグビー部の5人が主だ」


 D組は圧倒的な炎魔法を持ち、一人で突破できる半田くんがいるので攻撃には人数を割かなくても良い。

 この半田くんの魔法をより強力な形で撃てる準備ができるように守備人数を増やしている、それが2年D組だ。


「ラグビー部?」


 そう言えばラグビー部について説明してなかったな。


「ごめんなさい忘れていたわ。あとD組には一つ厄介な人たちがいるわ」

「厄介な人たち?」

「それがラグビー部よ」


 D組には身長185センチ越えの屈強な男子生徒が5人いる。個人個人ならそれほど厄介ではない。だが…………。


「ラグビー部の5人が並んで壁になってくるの。こっちの攻撃が通りづらくなっている間にD組は態勢を整えて攻撃してくる」


 5人が肩を組み横に並ぶと本当の壁みたいに威圧感がある。そんじゃそこらの魔法ではこの壁を崩すことはできない。これも何かしらの対策が必要だ。


「はいっ! 私、その壁を崩したい」


 元気よく大江さんが手を挙げる。その言葉を聞いた男子たちが必死に止めにかかる。


「危ないって大江。止めとけ」

「大江さんをあんな危険な男どもに近づけたくない」

「ずっと俺の側にいてくれっ!」

「大江さん可愛いっ!」

「怪我するぞっ」


 男子たちの言う通りだ。屈強な男子5人の壁を大江さんが崩すのは危険がありすぎる。


「大丈夫だもん。ねっ友愛ちゃん?」

「ええ問題ないわ。ねぇ神宮寺くん?」

「ああ問題な……えっ?」

「ん?」

「これも俺が考えるのですか?」

「そうよ」

「よろしくね神宮寺っ!」


 …………二人ともいい笑顔だな。


「わかった。ラグビー部の壁の突破口も考えておく」


 なるべく大江さんが怪我をしない方法を考えないといけない。もし怪我でもしたら、試合後男子たちから報復を受けることになる。


「それで今回の試合は私たちも攻撃組と守備組をざっくりと分けようかと思うのだけーー」

「俺は攻めたいなっ!」


 大きな声を出し熱田が席から勢いよく立ち上がる。


「俺も攻めたい」

「試合の醍醐味はやっぱり攻撃だよなー」

「だよな。守備はなんか地味だし」


 E組(うち)のクラスは攻撃が大好きな人が多い。というより守備が好きな人がいないレベルだ。


「……あなたたちには攻撃よりも重要な役割があるわ」

「なんだよ重要な役割って」


 栄生さんは溜めに溜めたあと一言言い放った。


「“壁”よ」


 “壁”……つまりD組のラグビー部と一緒の役割であり、試合で魔法を必ず受けるポジションだ。

 今回の試合で“壁”をやりたがる人は絶対いないだろう。なぜなら…………。


「嫌だよっ! だってよ、また半田の火の玉とか飛んでくるんだろ」

「あれめちゃくちゃ痛いんだぞ」

「俺たちだってガンガン攻めたいよ」

「もう火の玉は勘弁だ」


 当然不服が連発する、予想通りだ。人がぶっ飛ぶぐらいの威力がある火の玉をもう一度喰らいたいという人はいないだろう。


「ええー。でも私はカッコいいと思うな」

「えっ?」


 これは説得するの難しいだろうと思った矢先、大江さんの言葉に熱田たちが反応を見せる。

 その好機を見逃さないのが栄生さんだ。


「確かにカッコいいわね。以前何かのメディアで今度流行るモテ男子は“壁男子”というのを聞いたことがあるわ」

「そ、そうなのか」

「ええ。これは壁をやったら間違いなくモテるわね」

「「…………」」


 熟考する熱田たち。でももう答えは決まっていることだろう。


「よっしゃー壁やってやろうぜっ!」

「「おおっーー!」」


 上手く転がされ過ぎな気がする。こっちからしたら作戦が組み立てやすくなるので有難いけど。


「攻撃は私が主になるわ」

「それが無難かな」


 今回の試合では攻撃は栄生さんを主に、守備は熱田たちを主にやっていくことに決まった。


「神宮寺くんは回復をお願いね。あなたがいないと始まらないわ」

「任せてくれ」


 E組で治癒魔法を使えるのが俺だけなので、試合では攻撃組と守備組を行ったり来たりして回復に専念するのが俺の役割だ。


「では私は千尋様のボディーガードをさせて頂きます」

「よろしく頼む。俺弱いから、鵜久森がいると助かるよ」


 この後残りの配置や役割をある程度決めていった。時間はあっという間に過ぎていき、気づけば完全下校時刻の15分前になっていた。


「大体こんなものかしら。じゃあみんな試合本番に向けて体調等に気をつけて。今日はありがとうございました、解散します」


 ミーティングが終わり、みんながそそくさと下校をしていく。


「神宮寺くん。試合当日までに半田くん・ラグビー部・全体の作戦…………お願いね」

「ああ。頑張ってみるよ」


 初めはこの試合には反対だったが、皆のやる気を見るとE組を勝たせて皆に喜んでほしいという気持ちが湧いてきた。


「鵜久森、申し訳ないんだが今日夜食をお願いしてもいいか?」

「かしこまりました。とびっきり美味しい夜食を用意させていただきます」

「ありがとう」


 テスト勉強並みに頑張ってみよう。

読んでいただき本当にありがとうございます。





誤字・脱字があったら申し訳ありません。





これからも日々努力していきます。

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