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勇者モモコと魔法少女アンベールのぼうけん  作者: s_stein
第一章 何でもありの異世界
8/100

8.セーブポイントの真実

 モモコは左手の人差し指を前に出して『画面を表示せよ』、アンベールは右手の人差し指を前に出して『画面表示』という言葉を心に浮かべた。


 そのどちらでもよかったようで、二人の指先に、半透明の画面が現れた。



 最後に表示されていたメッセージはすでに消えていて、画面はブランク状態だった。


 その画面の右側を見ると、確かに『(コロン)』の記号があったので、二人はそれをタップする。


 すると、「ステイタス」というタイトルで始まる、少し大きめの画面が表示された。右と下にスクロールバーもついている。


 モモコは『ステータスだろうに』と心の中で舌打ちをして、表示されている内容にざっと目を通した。


 ――――――――――

 ステイタス

 職業:魔法使い

 LV:1

 経験:0 知能:99 攻撃:99 敏捷:99

 体力:99 耐久:99 魔力:99

 魔法:火炎(-10)、突風(-20)、放水(-20)、爆裂(-50)、落雷(-50)、破壊(-50)、予知(-30)、結界(-40)、召還(-50)、魅了(-30)、煙幕(-30)

 特殊:開墾(-30)、栽培(-30)、収穫(-30)、建造(-50)、工作(-20)

 ゲルト:勇者側と同じ

 武器

 ・

 防具

 ・

 アイテム

 ・ロッド、オーブ

 セーブポイント

 ・勇者側と同じ

 ――――――――――


 いろいろ突っ込みたくなる内容に、モモコは目を丸くする。


「ねえ、私のこれって凄いの?」


 横から問いかけてきたアンベールが、自分の画面を指さす。


 モモコはそれを覗き込み、目をむいた。


 ――――――――――

 ステイタス

 職業:勇者

 LV:1

 経験:0 知能:99 攻撃:99 敏捷:99

 体力:99 耐久:99 魔力:99

 魔法:回復(-50)、無効化(-50)、結界(-50)

 特殊:開墾(-30)、栽培(-30)、収穫(-30)、建造(-50)、工作(-20)

 ゲルト:0

 武器

 ・聖剣(+100)、斧(+50)、棍棒(+50)、槍(+30)、弓(+30)、鎖(+20)

 防具

 ・プレート・アーマー(+100)、ブリガンディン(+70)、チェインメイル(+50)、スケイルアーマー(+30)、バシネット(+80)、アーメット(+50)、ヘルム(+30)、ガン・シールド(+100)、バックラー(+70)、カイト・シールド(+50)

 アイテム

 ・

 セーブポイント

 ・

 ――――――――――


 アルバンは、ニヤニヤ笑いながら、二人に近づいてきた。


「どうだ。最初から、LV1の最高のスキルになっているだろう?」


「やっぱ、99が最高なんだ」


「でも、経験がないから次のLVに行けない」


「ふむふむ」


「経験から敏捷まで全てが99になると、LVは2となり、ボーナスで経験から魔力まで全部が100になる。体力、耐久、魔力が0でもだ。

 次は、経験から敏捷まで199になると、LVは3となる。ボーナスでどうなるかはわかるであろう?

 最高はLV10までだ」


「999が最高かぁ」


「左様」


「次の、経験から敏捷まで199にするには何をすればいい?」


「戦闘経験を積めばいい。経験は、倒す相手次第だが、アップする数値が決まっている。知能から敏捷はランダムにアップする。経験より数値が高くなることもある。ただし、上限は超えられないがな」


「ゲルトは?」


「この国の貨幣だ。単位は、金貨の枚数。

 金貨1枚は銀貨10枚に等しいから、銀貨があれば、小数点表示となることもある」


「金貨や銀貨は、報酬や売買の収入で得られる貨幣?」


「左様。宝箱に入っていることもあるぞ」



「魔法や特殊のマイナスって何だ?」


「それぞれ、魔力と体力の消費を意味する」


「ってことは、火炎を使うと魔力が10減って、開墾を使うと体力が30減る」


「左様」



「なら、武器のプラスは攻撃にプラスで、防具のプラスは――」


「耐久にプラス」



「なるほど。なんとなくわかったけど、どんな威力の魔法なのか、言葉じゃさっぱりわからないなぁ」


「まずは使ってみよ」


「簡単に言うなぁ……。(とり)(せつ)はないのか?」


「トリセツとは、なんだ?」


「なら、攻略本は?」


「コウリャクボン?」



「もう、いいっす……。

 体力と耐久と魔力は、休息で回復?」


「左様……。

 ずっと黙っているアンベールよりは、モモコの方がよく知っていそうだな。

 後は、やりながら、どうなるか調べて覚えろ」



「ずいぶんと、適当だなぁ……。

 ところで、セーブポイントって?」


「ステイタスと保存時点の場所と時間を、まとめてセーブしたものだ。

 最大で10個しか残らないからな。

 10を超えると、古いものから消えていく」


「やっぱ、ゲームのセーブのことか」


「魔王討伐は、ミッションだ。ゲイムではない」


「はいはい。どう考えても、ゲーム、いや、ゲイムだけどね……。

 ところで、どういうときに、セーブポイントから戻すんだ?」


「失敗してやり直したいときだ」


「やり直す?

 へー、……ってことは、過去に戻れるんだ。

 俺たち、タイムトラベラー?」


「便利であろう?」



「やっぱ、これ、絶対にゲイム!」


「ミッションだ!」


「こだわるなぁ……」



「ただし、言っておくことがある」


「何?」


 アルバンは、コホンと咳払いをした。


「お前たちのどちらかが死んだら、強制的に、最後に保存したセーブポイントから再開する」



 モモコとアンベールは、茫然自失の(てい)で立ち尽くした。


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