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勇者モモコと魔法少女アンベールのぼうけん  作者: s_stein
第一章 何でもありの異世界
5/100

5.男の子の聖職者

[第一章の登場人物]


アンベール…………………主人公の男の子。日系二世でイケメンの高校一年生。勉強よりも運動が得意

モモコ………………………アンベールの幼馴染みで同級生。桃色ツインテール美少女。文武両道。

エスカ………………………アンベールが飼っている白猫。青と金のオッドアイ。異世界では言葉を話せる



<ディフェリタ国(異世界)の人々>


ディーオ……………………ディフェリタ国の神様

アルバン……………………ディフェリタ国の聖職者

ガリカ………………………ディフェリタ国の巫女

フェムト……………………双子の魔法少女。ゼプトの姉

ゼプト………………………双子の魔法少女。フェムトの妹


青いドレスの女……………LV2。スキル狩り

緑のドレスの女……………LV3。夜盗

グラキリス…………………LV7。魔王軍の隊長。元幹部


 白い服を着た人物が、草原に足を踏み入れた。意外と背が低い人物だ。


 モモコは、サッと動いてアンベールを背にして立ち、下げた両手を少し広げる。


「ここは俺が守るから」


「あっ……、ありがとう。

 でも、気をつけて。無理しないで」


「おうよ。ちょっと緊張して、生唾を飲み込むけどな」


「それ、どうしても欲しいものが目の前にあるとき使う言葉……」


「俺、二世だから、そこんとこは大目に見てくれ」


「都合の悪いときだけ二世になる……」


「それにしても、スカートってのは、中がスースーすんなぁ。

 パンツ、薄くね?」


「むん!」


「痛っっってぇ! いきなり後頭部を叩くな!

 ……ん? なんだぁ? あいつ、ガキかぁ?」



 確かに、近づいてきたのは小学校低学年くらいの背丈で、童顔の男の子。


 白を基調として金の刺繍をふんだんに施した、高位聖職者が着ていそうなローブを、引きずりながら歩いてくる。


 頭の上には、コックが着用している筒状の帽子に似た冠が乗っかっていて、教会とかでよく見る冠とは違う。


 さらに、右手には短めのケーンを持っているが、これが似合わない。ケーンは、魔法使いの道具だ。



 その男の子は、モモコから3メートルの所まで近づいて、足を止めた。


 服が白いからではないだろうが、顔まで蝋人形のように透き通る白さだ。


 童顔の割には、金色の目が凄みを利かせている。



「な、なんだよ!」


「女。な、なんだよとは、なんだ?」



 男の子は、意外と腹に響く声を出した。そのギャップに、モモコは警戒を強める。



「な、なんだよとは、なんだとは、なんだよ」


「女。な、なんだよとは、なんだとは、なんだよとは、なんだ」


「むう、そうきたか。

 な、なんだよとは、なんだとは、なんだよとは、なんだとは、なんだよ。

 ふー、言えたぁ……」


「女。むう、そうきたか。な、なんだよとは、なんだとは、なんだよとは、なんだとは、なんだよとは、なんだ」


「ぬぬぬ……、こやつ、できる!」


「はい、そこまでー」



 アンベールが、パンパンと手を叩きながら、モモコの横を通って男の子の前に立った。


「男。はい、そこまでーとは、なんだ」


「これ、壊れたロボットかしら?」


「おい。男が女みたいな言葉を使うな」


「そこは、区別つくんだ」



 そこへ、モモコがアンベールの前に割り込んだ。


「危ないから下がっていろ、モモ……うーん、ややこしい! 俺……もっとややこしい!」


「わかった」


 アンベールが、スッとモモコの後ろに下がる。



「女。この私の何が危ないと申す?」


「おいおい、今更だけど、こいつ、なんで日本語をしゃべっているんだ?」


「女。ニホン語とはなんだ? お前たちは、ディフェリタ国の言葉をしゃべっておるぞ」


「ディ――フェ――リタ国??」


「左様」


「へ? やっぱ、ここは異世界?」


「みんな、そうやって同じ反応を見せるな」



 と、その時、アンベールが血相を変えてモモコの前に飛び出した。


「今、なんて!?」


「同じ反応を見せる」


「その前! 『みんな』って言ったよね!?」


「申したが」


「私たちの他にもいるの!?」


「いる」


「何人くらい、この世界へ日本――ってか他の世界から連れてこられたの?」


「うーむ……、正確には覚えておらぬが、十人は軽く超えただろう。お前たち抜きでな」


「その人たちは、今どこにいるの?」


「この周辺で開拓民をやっている」


「開拓民!? それってどういうこと!?」


「そう次々と質問をするな。

 まず、私の話を聞け。それからだ、質問は」


 そう言って、男の子は、コホンと咳払いをした。


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