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プロローグ
よくある遠い未来を舞台にした物語ではありがちな、
一度は高度な文明を築き上げたものの、環境破壊などの問題によって人類が減り、その結果栄えた文明が瞬く間に衰えて、
いつしかビルに蔦が蔓延る光景が当たり前となった、結構先の未来にて。
人口が一万も満たないかも知れない、そんな寂れた場所に、今となっては珍しい服を身に纏う二人の人間がいた。
一人は赤いジャケットを羽織った青年「サクラ」。
もう一人は青いパーカーを着た少女「ラン」。
これは、二人が織りなす"日常"のお話。