表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/53

17 丘かな山かなドラゴンだよ

 やあ、はじめまして、こんにちは。あなたはだあれ? そう、竜っていうのね。へえ、そう。ふーん。


 まじか、竜。


「これってやっぱり竜なんですか、ね?」


 例えこれが見た目だけ竜でも、本当に竜とは限らない。もしかすると、竜の形をした人形とか、竜っぽく見えるネッシーとか。いや、ネッシーもそれはそれで問題だけど。


「竜に決まってんだろ」


 明らかに「何言ってんだ、こいつ」的な視線を向けるタクト。そうですよね、見りゃ分かりますよね。


 全長はこの部屋みっちり、だいたい5mってところだろうか。重さは、よく分からないけど、乗られたら多分間違いなく潰れるレベル。色は渋い緑色。何も知らずにこれを見たら、ちっちゃな丘かなって思う。いや、今でも丘だったらいいなって思うよ。


「翼とか生えてるんですかね。飛ぶんですかね」


「は、見りゃわかんだろ」


 飛ぶんですね、翼生えてますもんね。


「つーか、鬱陶しいから離れろよ!」


「そんなこと言ったって」


 いともたやすく振り払われる体。そりゃね、僕だって男にしがみつく趣味なんてないですよ。でも、これ今、状況が違うじゃないですか。


「お前が魔法がどうとか言ってたんだろ」


「言いましたけどぉ」


 魔法に興味があるのは由宇さんですし。まさか竜が出てくるなんて思ってませんし。


 僕はタクトの影に隠れながら、ちらりと竜の方を眺めた。


「大体あれ、どこが魔法だっていうんです。どこをどう見ても、ただの竜じゃないですか」


 火を噴くかもしれないけど、魔法を使うようにはどうやっても見えない。


 警戒に警戒を重ねながら僕はその生き物をまじまじと観察した。その時だった。


「では俺様が教えてやろう」


 聞き覚えのある声が部屋に響いた。


「あ、この声は」


「やっぱりここにいやがったか」


「ふーんふんふん、当然。俺様は常に最善の選択をする男。ゆえに俺はここにいる! この魔法竜のすぐそばに!」


 男は竜の後ろからひょっこりと姿を現した。丸々としたシルエット、短い手足、またお会いしましたね。会いたくなかったけど。


「まさかお前ら自ら死地に飛び込むとはな!」


 この人こそ、あの時、僕らを罠にかけた海賊に他ならなかった。


「なんであそこから脱出したのかは知らねえけど、生憎だったな、最終兵器はこちらの手の内にある!」


「それはテメーの物じゃねえだろ」


「はぁ~? 知らねえな。今この状況で一番偉いのはお前じゃない、俺様だ」


「クソか」


「クソはお前だよ、調子に乗ったクソガキが~ 一度痛い目を見ても分からないのか? ならコイツでわからせるしかねえな。やっちまえ、ドラゴン!」


 男がそう言って手を当てると、先ほどまで緑色だった竜の表面が黄金色に輝き始めた。


 うっそだろ。





 次の瞬間、あたりは一面、まばゆい光に覆われていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ