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トウシューズ

作者: 安岡 憙弘

トウシューズ

バレエなるものの存在を知ったのは私が小学生かそのくらいであったとおもうが私はバレーボールとバレエの違いもわからなかったくらいであるからバレエなるものには無縁のものとして決めてかかっていた。私はテレビで見るバレーボールの選手を見るたびにしかしバレエが強迫観念のように浮かんでくるのを非常に嫌に思った。バレーボールなるものは私には不得手のスポーツなのでわたしはつとめてバレーボールの試合はみないようにしていた。しかし選手までは見ぬわけにもいかず私はいつも決まって選手の映像を見てはバレエを思い描くという退屈作業を延々とくり返した。私はある時に小柄なバレエの踊り子とバレーボールの選手とではまるで対照的ではないかと思って不思議に思った.

しかしやはりその謎は解けぬものとしか思えず私はあきらめていた。しかし私のトウシューズなるものの存在を知った時状況は一変した。私はバレーダンサーは

ピロエットをするためにツマ先に木か何かの入ったシューズを履くことを初めて知った。絹かななにかの布地に木の入ったシューズのことを思い私は少しせつなくなった。絹に木を入れると少しみっともないからだ。私はバレエダンサーの精神を思って少し敬服した。私はそれきりバレーボールを観戦しつつも、もうバレエのことは思わなくなったのだ。私はなぜかしらバレエのことをトウシューズとかん違いしていたのだった。私はトウシューズの不格好さをおもうと不憫ふびんになっていつもそのことが頭を離れなくなった。私はいつだってなにか気になることがあると目に写るもの全てそのことが投影されておかしな現象をかもしだすのであった。


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