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♯8

今回の話(話というか単語や文まわし)、不快に思われる方がいたら申し訳ありません。

 呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに……………………。


 ああ、つい本音が止まりません。


 私一人が見返す手記なのだからいいですが、万が一にもお嬢様の目にでも触れさせたら心臓が止まりかねないので気をつけて管理保管しなければ。


 後世の人間の目に触れるのはいいのか、ですか?


 そんなことは私の知ったことではありません。


 それにこんな場所ででも息を抜かなかればやっていられません。


 私の言動に毒があるのは百も承知ですが、あの程度の可愛らしいものですんでるのは、こうやって吐き出す所があるからなのですから。


 それにしてもあのバ……高齢の腸煮えくり返るほどにくたらしい女性、今思い出しても呪わ…、もうこれはいいでしょう。


 突然訪ねてくるその非常識ぶり。


 通常は事前に訪問のご挨拶があって然るべきでしょう。


 しかも、我が物顔に振る舞うその様子。


 思わず旦那様に「どなたですか」と小声で尋ねたところ、「大……大? 叔母様……かな」との返答。


 何なのですか何のです、その曖昧な表現は。


 しかし仮にも招かざるとはいえ客人の前で追及できるわけもなく。


 その大叔母様(仮)は散々屋敷の中を見て回り、散々あれが足りないこれが駄目だと難癖をつけていかれました。


 …………ちっ。 


 その後、お嬢様とお茶をすると言い出され、無理やりお嬢様を引っ張り出し、コミュ障全開で気絶寸前のお嬢様へもこれまた駄目だし。


 私が言うのは一向にかまいませんが、他人ひとから言われるとこんなにも腹が立つのだと、改めて思い知りました。


 私はいいのか、ですって?


 もちろん私はいいのです。


 私にはお嬢様への空よりも広く、海よりも深い、溢れんばかりの愛があるのですから。


 また、あのババ…大叔母様(仮)の孫自慢の、呆れるほどの身内自慢にも、殺意を覚えるほど腹が立ちました。


 お嬢様より愛らしく、お嬢様より利発で、お嬢様より気が利いて、お嬢様より愛嬌があり、お嬢様より将来立派な殿方に嫁がせることができる、自慢の孫娘、ですか。


 ふ、ふふふふふふふふふふふ。


 ふざけるなこのクソババア。


 ああいけないいけない、汚い言葉はいけませんね。美しくありません。


 しかし怒髪天とはまさにこのことです。


 この世にお嬢様に勝る可愛らしい女の子なのいるはずがない!


 あのババアの目は節穴です。


 そうに違いありません。


 お嬢様を前に、己の孫娘はそれ以上だと容姿を褒めるその美的感覚を疑います。


 お嬢様のあの美貌は、この世の奇跡なのですから!


 まあ、お嬢様より利発な方はごまんといるでしょうが。  


 え? それは認めますよ?


 私の目は節穴ではありませんから。


 そんなこんなでその心底苛立たしく腹の立つ見る目のなっていない大叔母様(仮)が帰られた後、私は執事さんに尋ねました。


 あの女性は結局誰だったのか、と。


 お嬢様は言うに及ばず、旦那様も役に立ちませんからね。


 執事さんは答えてくれました。

 

「あの方は、先代のご主人様、つまりは旦那様の父上の弟君の奥様の、兄君の奥様の、弟君の奥様でございます」


 まさに、スラスラと答えてくれました。


 そんなややこしい間柄をよどみもなく答えられるなんて、まさに執事の鑑のような人です。


 が。


 執事さんの言うそれって、つまりは。


 まったくの赤の他人ということ、ではないのでしょうか。


 大叔母様、ではありませんよね。


 なのに、あの態度……。


 呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに呪われればいいのに………………。


 唯一の救いは、お嬢様があのババアの言った内容をまるっきり覚えていらっしゃらないことでしょうか。


 挨拶をした段階ですでに限界に達しており、ほぼ意識が飛んでいたのだとか。


 お嬢様のコミュ障も役に立つこともあるものです。


 ええ、本当に。


 ただ執事さんがおっしゃるには、あんな方はまだまだいらっしゃるとか。





 ………………どこかに良く効く魔術書とかはないのでしょうか………………。


前回があまりカーネリアンらしくなかったので、今回はらしくなってスッキリしました。

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