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♯2

カーネリアンの生い立ち話開始です。

 まずは私の生い立ちから記してみましょうか。


 とは言っても、私は自分がどこで生まれたか、は知りません。


 いわゆる孤児というやつですね。


 気がついたら孤児院で生活をしていました。


 しかしこの気性、というか性根、というか口調、というかはどうやら生来のもののようで、一般的な子供らしさには程遠い私に、孤児院の大人達には煙たがれました。


 まあある意味当然でしょう。


 私も私みたいな子供が目の前にいたら可愛く思えません。


 と言うか、絶対にこう言います。


 お前なら大丈夫。一人でも生きていける! と。


 ただ精神論は別として実際に一人で生きていけるかどうかは別物ですが。


 人は雲霞だけで生きていけるわけではないのですから。


 ああ、横道に逸れ過ぎましたね。


 まあ端的に言うと、私の言動に腹を立てた孤児院の大人げない大人達に手を上げられ、命からがら孤児院を逃げ出したわけなんです。


 ……あいつら、いつか機会があったら死んだ方がマシな目にあわせてやる。


 そして、腹をすかして行き倒れていたところ、親切なご婦人に拾われた、という次第です。


 そのご婦人は、さる名家に仕える女性でした。


 御夫君には先に先立たれ、自らが仕えているお嬢様の成長を心から喜んでいる、そんな人でした。


 行き場のない私に、自分は仕えている屋敷に寝泊まりしているから滅多に戻らないけれど、よければ自宅に住んでいてもいいからと居場所を提供してくれました。


 生活に必要な金銭と、環境を与えてくれました。


 出来るのであれば、将来の見通しが明るくなるからと読み書きの学も与えてくれました。


 まだこんなに小さいのに滅多にそばにいられなくてごめんなさいね、とあたたかく優しい言葉をかけてくれました。


 どこの誰ともしれない私に惜しみない愛情を傾けてくれました。


 それは、とても幸せな日々でした。


 しかし、それは長くは続きませんでした。


 そのご婦人と出会ってからちょうど一年のこと、彼女は天へと召されてしまったからです。


次回もお願いいたします。

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