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ニートのぼうけん。  作者: 棗屋弥琴
序 ニート17歳、ダメ人間
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終章 ニート、明日からまたがんばります


 ピンポーン。

 関子は、再び星野宅に来ていた。

「海月の海。これ、ちっと古いが詩帆は喜ぶだろうな……ふひひ」

 もちろん、詩帆に見せたら帰りに県立図書館に相談するつもりだ。こんなに古く、汚れていたらさすがに受け取ってもらえないだろうが。

「はぁい」

 玄関にでてきたのは、ルルカちゃんを抱いた詩帆の祖母だった。関子を見た瞬間、詩帆の祖母は目を剥いた。

「関ちゃん……よねぇ?」

「はい、関子です。これ」

 関子は本を見せ、ルルカちゃんにも見えるように本を傾けた。ルルカちゃんは相変わらず真っ黒に澄んだ目をしていた。

「詩帆に、これ見せたら喜ぶと思ってきました。ルルカちゃんも、本、好きになるといいなぁ。」

「あらあら、ちょっと」

 関子は笑っていたが、詩帆の祖母はそうではなかった。あわてて、関子の片手をとった。

「詩帆は、とっくにいないのよ。この子が生まれて間もない頃、大きな声では言えないけど、自殺をしてしまって」

 関子ははっとした。

 死んだ後、下界に降りて友人とぼうけんする。

 関子と詩帆が好きだった、「海月の海」。

 この本は、二人を再び巡り会わせてくれたのだ。

 ……関子の、ニート卒業のために。

「やりよるな……詩帆。ふはは」

 変人ニート、夏目関子。明日からまたがんばります。

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