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ニートのぼうけん。  作者: 棗屋弥琴
序 ニート17歳、ダメ人間
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序 ニート17歳、ダメ人間です。

 カタカタカタ……。

 薄暗い部屋の中で、薄型のノートパソコンの照明だけが光っている。軽快なタイピング音からは、部屋の主がネットにどれだけ時間を割いているかが伺える。

「ふぅ……」

 回転イスの背もたれに体重を預け、しばらく足を使って回転イスで回っていた。これがなかなか楽しくてやめられないのである。

「うっ……」

 酔ったらしい。一日の九割をパソコンの前で過ごしているため耳の中にすむ三半規管という名のカタツムリが弱ってしまったようだ。

「やりよるな、回転イス……。ふふふふ」

 この変人の名は、夏目関子。簡単に説明してしまえば、ニートである。パソコンを友として生き、たまに読書をするという引きこもりでもある。

 両親は関子を甘やかしまくり、毎日三食、欠かさず栄養満点のものを用意する。部屋の前の「ご飯はここに置いてネ」のコーナーに置かれ、一時間後にカラになった皿を母親が回収しにくる仕組みとなっている。

 昔は、真逆の性格だった。草むらを駆け回り、花をみてはしゃぎ、虫を見て喚く、ふつうの可愛い女の子だった。……と、言いたかったが、今も昔も大差ない、無表情で暗い女だ。

 今ではこれ以上褒めようのない、愉快なニートだ(皮肉)。


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