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1.彼と出会う前

言葉足らずで未熟ですが、宜しくお願いします。

「早く青にならないかな」



せっかくの休日、一日中部屋に引きこもっていたかったのにゴロゴロしていないで夕飯の材料を買ってこいと外に追い出された。

今日の夕飯はカレーらしい。

カレーに嫌な思い出しかない僕は、憂鬱でたまらない。

あの日もカレーだったし、母さんの作るカレーは狂っている。

どう狂っているかというと、隠し味に入れると美味しいといわれる林檎。

あの林檎を、ジャガイモと同じぐらいの大きさでカレーにぶちこんでいた。

わあ、美味しそうなジャガイモだと、喜んでスプーンで小さくしようとしたときの衝撃。


ブニュッ………


ヤツはやわらかかった。とっても柔らかかった。

ジャガイモだと信じて疑っていなかった僕は、このジャガイモ腐ってるのか……と困惑した。

腐るにしても何かがおかしい。

だが、当時の僕はあまりにも世界を知らなくて……ジャガイモがそんな柔らかさを表現することなどありえないと知らなかった。

きっと、煮込みすぎたとか何かだろうとそのジャガイモらしきモノをスプーンにすくいご飯と一緒に口へ運ぶ。


そして、僕は吐き出した。

口の中に入れておきたくなかった。飲みこみたくなかった。

これは……ジャガイモではない、腐ったジャガイモでもない、煮込みすぎたジャガイモでもない。

ジャガイモではない、別の何かだ。


しかも、このカレーいや、見た目は限りなくカレーに近いカレーっぽい食べ物は気持ち悪い味をしていた。

なんて言葉に表現したらいいのだろうか。

甘みがカレーに溶け込もうとしたが、溶け込むことができず自己主張を始めているというか…腐った果物を入れたような味だった。

あまりにも不味くて母さんに抗議をすれば、林檎を入れれば美味しくなるってテレビでやっていたと拗ねられた。

テレビで、ジャガイモと同じくらい入れましょうとやっていたというのだろうか。

そんなわけがない、むしろ、テレビでやっていたというのならそんな番組は潰れてしまえばいいと思う。

そんな感じに嫌なことを思い出し、僕は今日の夜どう生きるか悩んでいた。

ま、悩んでいても仕方がないか。とりあえず買い物を終わらせてから考えよう。

最悪、自分がカレーを作ればいいんだし。



「ん、青になった」



横断歩道を渡る僕の耳にはいってきたのは、車のブレーキ音。

次に、激しい衝撃。自分に何が起きたのか、理解したときには地面に倒れていた。

起き上がろうとするも、身体が動かない。


「う……あっ…。」


苦しい、痛い、怖い、様々な感情に押しつぶされそうになる。

僕、ひかれたのか……このまま死ぬのかな……。

十六年の人生か……意外とあっけない終わりだったな。でも、これは僕への罰なのかもしれない。

あのとき、僕はもっと早くにこうなっていたはずなんだから。



「すまぬ……我の願いをきいて欲しいのだ」


ゆっくりと意識が暗闇に落ちていくとき、はっきりと声が聞こえた。

その声はどこか懐かしくて、哀しそうで。



次に目が覚めたとき、僕は彼に出会った。

カレーの件は、実際私の身に起きたことです。

勢いで投稿した回の為、ちょこちょこ修正しています。

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