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1_21 六火仙ファミリー

「お前ら・・一体何なんだよ・・・誰だよ・・・・お前ら誰だ!!」

二階堂は先程の仕打ちもあり、罠を仕組んだ当事者であろう人間を目の当たりにして怒りをあらわにした。

二階から”見下す”ように”見下ろす”美女はクスッっと笑うと透き通った声でこちら呼びかけに応じた。

「そうですわね、自己紹介しなくては・・・初めまして・・・わたくしは古今こきん

階級は少佐。旧・大日本帝国陸軍鍵際師団・六火仙隊・隊長です」

二階堂はそれを聞いて冷たく濡れた震える身体をゆっくり起こすと周りに向かって喚き散らした。

「帝国陸軍?!副隊長?!お前らは馬鹿か?!戦後何年たったともってんだこのキ〇ガイども!

ああ憎き米国か?・・・アホか!この日本に住んでるアメリカ人なんか数えきれないほどいるってのにこのっ―――」

喚く最中、こめかみを鋭い閃光が走った。

「!!」

二階堂はそのまま硬直し、ゆっくり目線を這わせた。

そこには長い全長1m直径わずか2mmも満たないほどの細く長い針の様なものが壁に突き刺さっていた。

こめかみに熱が上がり血が滴り落ちる。

わずか横数ミリの所をかすめたのだ。

「よくしゃべるクソだ」

くぐもった声と同時に古今少佐の傍らをスルリと抜ける様に影から人が露わになる。

「僧正」古今少佐が鋭い目線で僧正と呼んだ者を睨みつけた。

「ほらな僧正、黙ってみてろって言ったのに余計なことをするから」

「まあ、久しぶりの玩具だ。浮足立つのも無理はない」

いつの間にかさっきまでは姿が見えなかった巨体のスキンヘッド二人が僧正にせせら笑う。

「黙れ在原、文屋。貴様ら野蛮人に言われる筋合いがない!」

僧正は吠える様に在原、文屋と呼んだ者を叱責する。

「落ち着け僧正、こいつらはだた大事なモルモットに怪我しないか心配なだけよ」

古今の真後ろに長身のシルエットが浮かび上がる。

古今ですら女でありながら180CMはあろうかという長身であるにもかかわらずそれを上回る身長をしていた。

見た目で2mは超えていそうだった。

「喜撰か・・・ということは六火仙皆来たのね?あれほど待機しろと申し上げたはず」

「古今隊長・・・抜け駆けはずるいですよ」

喜撰と呼ばれた古今の真後ろにいた長身のすらりとした男はマスクで伺え知れない表情であったが

その口調は穏やかであった。

「小野、大伴もここに」

二階堂の後方、古今と向かい合う様に小柄な眼帯を付けた者が二人二階堂を睨みつけながら古今に伝えた。

「なんだ、なんなんだお前ら!ここは一体何なんだ。お前らは一体・・・」

狼狽する二階堂を尻目に古今隊長はたしなめる様に二階堂に語り掛ける。

「失礼、いきなりこんなたくさんの見慣れない兵隊に囲まれると驚きますわね。

貴方は二階堂さん、元陸上自衛隊でレンジャー徽章も獲得した中々のやり手で今は・・・ゴシップ記者だったかしら?」

「どういう事だ、何故俺を知っている?!大体お前らはいった――――」

言う矢先にまた閃光が頬をかすめる。見れば僧正が腕に付けた袖付きの様なランチャーを向けていた。

「わからんやつだな、クソのお前が質問をする権利などない。優位はこちらにある」

二階堂は自らが危機に瀕していることを徐々に実感し、顔面蒼白になる。

「うちの者がごめんなさいね、二階堂さん。改めて自己紹介するから聞いてちょうだい。

私達は旧大日本帝国陸軍鍵際師団。あと、兵隊の中でちょっと変わった風貌の兵が六人いるでしょう?

それは六火仙隊。鍵際師団の中でも選りすぐりの私の側近よ。私は古今、鍵際師団、団長並びに隊長。

帝国陸軍は世界大戦が崩壊した後も政府により秘密裏に存続し続けた、それが私達よ」

「そんな馬鹿な話が・・・」

二階堂は呆気にとられた。

第二次世界大戦が終了して最早三ケタになろうかという年月が経っている。

にもかかわらず大日本帝国という単語に思わず眩暈がした。

そんな二階堂を見て古今はクスクス笑うとゆっくり片手を上げて何らかの合図をした。

暫くすると、ウィーンっという機械音と共に周りの物陰や柱の影から見慣れたシルエットがゆっくりと

姿を現した。

先程嫌というほど目にした彫刻刀で掘り起こしたかのような肉体美をしたシルバー色のウバメだった。

十数体はいる。

「あ・・・ああああ・・・そんな・・・」

「落ち着いてください二階堂さん。彼らは私達の命令が無ければ決して動くことはありませんよ。

もちろん二階堂さんに危害を加えたり、自主的に活動することもありません」

六火仙隊員・喜撰が言う。

「まあそれもお前しだいだかな」

ケケケと笑いながら在原が言う。

「さて、先程の手荒な歓迎は詫びましょう。しかし、もとはと言えば土足で挨拶もせず他人の庭に踏み込んだ

二階堂さんに責任があるはず。それは承知してくださいね」

「何を・・・今更・・・」

二階堂は半ば呆然自失に呟きながらゆっくりと首に手を当てるような仕草をしながら襟の無線機を弄ろうとした。

「ああ、二階堂さんごめんなさい。この部屋”通禁”なんです。お仲間とのお下劣な通話はお控えください」

六火仙・文屋が口だけ開けているマスクからニヤついた口を見せながら警告した。

「くそっ・・・」

「まあ、そう慌てないで二階堂さん。そう、その通信に私達は用があるのです。それさえ済めば、二階堂さんは直ぐにでも

解放しましょう」

古今は優しく諭した。

「なんだと、どういう事だ?!」

二階堂はハッとする、古今は少なくともこちらの人間を知っているのだ。

「二階堂さん、少し間に入って中継をしてください」

「・・・こっちの人間に知り合いでもいるのか?」

古今はそれを聞いて僅かに頬を緩ますと口を開いた。


「今すぐ、南山を出しなさい」


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