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1_01 プロローグ

誰の目にも届かない。

この日本で、決して明るみになることはないだろう。


夜のとばりの降りるなか。

ひっそりと、山奥の一角を削られたように存在する城塞が存在した。

その大きさは大地をも揺るがしかねないほどで。

あらゆる機械やパイプがまるで網の様に覆いつくされていた。

その、城塞の片隅で。

漢は脂汗を滲ませながら、目の前の惨状に釘付けになっていた。

(どうして・・・・)


天井伝いに無数に這う配管に隠れて震えながら息を潜ませる。

「きゃっ、きゃっ」

2m以上はあろうか。

まるで彫刻で掘り起こしたような筋肉隆々の肉体。

”銀”に輝くその身体は一点の曇りもなく。

その表情を窺い知れることのない無機質な顔の様なところにある口からは。

無邪気な子供の笑い声が漏れた。

(どうしてこんな・・・)


音をたてぬよう、気づかれぬよう。

(ゆっくり、あせるな、焦るな、俺)

手にストラップをグルグルに巻き付け掴んでいた超高解像度・高感度カメラを持ち上げ。

眼前へ持ってきてファインダーを覗く。

”それ”は”一匹”ではなかった、3~4人はいる。

ふざけ合っているのか。ケンカしているのか。

男とも、女とも窺い知れることのないその巨人の様な連中の戯れは。

兎に角、ヤバさ加減が半端なかった。

(どうしてこんなことにっ!!!!)


ゆっくり、しっかり、でも、早く、とっとと済ませたい。そして帰りたい。

後悔だけが頭をよぎる中。

シャッターを切ったとき。

自身の身体を支える配管が外れた。

(あっ)


5,6m先の床に一直線に落下する際、市街地専用迷彩服に身を包んだ

二階堂にかいどう すすむは、まるで走馬灯のようにここに来る前のことを思い出していた。


――――――――城塞 Eccentric Thunder


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