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有磯の海~とるかとられるか~  作者: 逢七


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⑥親知らず・子知らず

最終話です。

長いですが、一気に最後までいっちゃえ!

【ある青年の記憶】


「お母さん、また手紙が届いていましたよ?」

「まあ、本当! 嬉しいわ。」

そう言って、母が止めていた手をまた動かし始めると、ビロードのように綺麗な黒髪がさらさらと、若草色の病衣の上にこぼれ落ちた。


「お父さんはお母さんのことを大切に思ってらっしゃるんですね。」

「ふふっ。また読んで聞かせてあげるわね。ちょっと待っててちょうだい。一太郎さん。」

つげの櫛でその自慢の髪を解かす母は、とても幸せそうだ。

胸元できらりと光る翡翠の首飾りは、若い時に父から贈られたものだと、嬉しそうに言っていた。


僕の母は、重い肺病を患って、もう1年近く、家から近い、この山間の療養所(サナトリウム)で過ごしている。

僕は地元の中等学校に通いながら、週に2度、ここまで自転車を走らせていた。

そして父は、母の療養費を稼ぐために、隣の県に単身で赴き、できたばかりの新しい工場で働いている。

地元の名家の、いわゆるお嬢様である母の元で、入り婿の父は、本来出稼ぎなど必要もないのだが、「甘えてばかりはいられない。妻のために稼ぐのが夫の役割だ。」と家を出て、なかなか戻って来ることはないのだった。


けれど、頻繁に届くこの手紙が、母を勇気づけているのは確かで、また、僕に読んで聞かせてくれる、母の笑顔が、僕の希望でもあった。


「それじゃあ、開けるわね。」

ふふっと微笑みながら、窓際の備え付けの家具から、トンボの羽みたいなペーパーナイフを取り出して、白い封を切る。

そこから出てきたのは、いつもどおりの白い便箋2枚と、見慣れない半透明の紙。

それを見て、母の手が止まった。


「お母さん?」

母は、急いで白い便箋を開いて目を通すと、細い真っ白な指先でそれをしわくちゃにしてしまった。


「どうされたんですか? お母さん。」

「・・・一、太郎。 わたし、今すぐここを出るわ。あの人のところに、行かなくちゃ。」

そう言って母は高床(ベッド)から起き上がると、えんじ色の風呂敷を取り出して、布団の上に広げ始める。


「駄目です! お母さん! お母さんは安静になさってないと・・・!」

「・・・ご、ごほっ。」

「お母さん!?」

口元を押さえた白い指の隙間から、赤い血がこぼれる。

「横になってください、お母さん! 看護婦さん、を、呼んできますから!」


母はいやいやとするように身体を捩じったかと思うと、すぐに枕元の手拭で拭いて、僕の肩を掴んだ。

「お願い、一太郎さん! それより、ここを出るのを手伝ってちょうだい。」

「駄目です、お母さん! そんなわけには。だって、お母さんの身体は・・・」

「だからこそ、よ。このまま何もしないで待つなんて、すでに死んでいるのと、同じことだわ。」


僕の顔を見ようともしないで、荷物を整える悲壮な顔をした母に、もう僕の力では止められないのだと悟ってしまった。療養当初の無気力だった母を痛に思い出し、僕は覚悟を決めて、拳を握りしめる。


それが母の願いであれば、叶えることが、父に代わってできる僕の役割なのだ。


「・・・分かりました。その代わり、僕の言うことをちゃんときいていただけますか。」

「ええ、もちろん。」

ほっとしたように可憐に笑う母を連れ、僕は看護婦のいない隙に療養所を抜けだした。




山の麓の集落で電話を借りて、やってきた車番は「坊ちゃん、いけません。」と渋ったのだけど、こっそり袖の下を渡して、県境へと向かう。


「ほんとうに行くんですかい? 奥様のお身体には負担が大きすぎます。」

「ああ、分かっている。だけど、僕は母の願いを、父に会いたいという願いを、叶えたいんだ。たとえどんな結果が待っていたとしても。」

僕の言葉に、車番の男は、すっと頭を下げた。

「・・・それでしたら、我々は何も・・・。ですが、ここから先は舗装もされていない山道になりやすよ。」


越境の険は知っている。

険しい道が続いて、足を踏み外し波に攫われたら、もう後戻りはできない。

別名『親しらず子しらず』とも言われるその道。


ただ、車に大きく揺られながら見る今日の海は穏やかで、まだ日も高いし、と母の肩掛けをそっと直した。




「ねぇ、一太郎さん。風が冷たくなってきたわね。」

道も半ばまで来た頃、ふいに母がそう言った。

風向が変わったのか冷たい北寄りの風に、海の色も黒さを増し、西の空を見れば、暗雲が迫っていた。

「坊ちゃん、いけませんや。急ぎましょう。」

「ああ、頼む。」


けれど、非情にも、あっという間に天気は荒転し、僕たちは車ごと、激しい雨嵐に包まれてしまった。

そして、山から流れ落ちてきた土砂のぬかるみでバランスを崩した車は、岩場の多い海へと、高い波が打ち付ける岸壁へと、なすすべもなく、転落してしまった!!




「・・・ううっ。」

一瞬、意識が飛んでしまったようだ。

気づくと、目の前には大きく破損した車の残骸、そしてぐったりと動かない運転手。半分くらい海水に浸かるそれらに、容赦なく波飛沫が覆いかかっていた。


「・・・お母さん、お母さんは・・・。」

痛む腕で、近くの大きな岩を抱え込むように身を起こすと、海へと向かう母の叫びが聞こえてきた。


「あああ! どうしてよっ!? あなたぁっ! わたしは、まだ何も、聞いて、ないわっ!!」

「お、お母さん!!」

「あああ! どうしてぇ・・・? わたしを、捨てるの・・・? あなた! わたしは、あなたのところに!」

「お母さん!! そっちは駄目です。戻ってっ・・・。」

「あああああ!!!!」


叫ぶ母を、一瞬にして荒波が攫う。

お母さんを助けないと!

僕は迷わず荒波へと飛び込んだ。

「お母さん!!!」

だが、懸命に波をかき分けても、波間で藻掻く母の白い腕は遠ざかっていく一方だ。

僕は、あらん限りに叫んだ。


すると、ふと母は振り返り、すぐに愕然とした表情となった母は、僕に向かって手を伸ばした。


お母さん! お母さん!!!

「・・・一太郎!! 駄目!」

「お母さん!」

「・・・ああっ、一太郎!」

「お母さん!! 僕がっ!」


「一太郎ーーーっ!!!」

その叫びを最後に、ちょうど押し寄せた巨大な波の中に、母は、消えた。


僕は、結局、何もできないのか?


ぎりっと唇を噛んだその時――――、母を呑み込んだ波は、まるでまだ足りないとでも言うように、僕の目の前に大きくその顎を開けたのだった。






【ある女性の記憶】


「ねえ、お母さん! どこに行くの?」

海沿いの細い遊歩道。左手に繋がった息子が、私を見上げて聞いた。


「お参りに、行くのよ?」

にこりと笑って、柔らかくて小さいその手をぎゅっと握り返すと、息子はきょろきょろと周りを見回した。

「お参り? こんなところにお墓があるの?」

「いいえ。この先に、お地蔵さんがあるのよ。」


10年前、奇跡的に浜辺に打ち上げられた私に、町の駐在さんが教えてくれた場所だった。

あのときの私は、何もかもを失ったばかりで、恋人だと思っていた人も、友達だと思っていた人も、それに、大切な小さな命も失って・・・。そんな抜け殻のような私に、駐在さんは言った。


「ああ、あんたぁ、もしかして浦島太郎かいな。」

「浦島、太郎?」

それは、誰もが知ってる昔話だ。


首を傾げる私に、彼は言う。

「昔っから、なぁ。ここは険のある地じゃろう? 波にさらわれてなぁ、行方不明になってしまうもんもおるんじゃ。そんな中でも、時々、あんたみたいにひょっこり帰ってくるもんも、おってなぁ。そんなもんらを、この辺では『浦島太郎』ゆうんや。よかったなぁ、あんた。きっと誰かが、あんたのことを救ってくれたんじゃろう。だから、感謝して、生きなあかんのやぞ。」


そう言って、彼が勧めてくれたのが、この地蔵へのお参りだった。

海辺にたたずむ苔むした小さな地蔵の顔を見ていると、知らず、空虚だった胸が熱くなる。

何度も何度も通って見つめ、何度も何度も思いを吐き出し、そして何度も何度も感謝した。



横を見ると、しゃがみこみ、小さな手を合わせる息子がいる。


あの子も、もし生まれていたら、この子に似ていたのかしら?

ふとそんなことを思ってしまって、首を振った。


あれは、過去のこと。今、この時を大切に生きていかなければいけないのだ。

それが、残った私にできるつぐないなのだから。


「大河、そろそろ行こっか。」

立ち上がってぱんぱんとスカートの裾を払うと、大河も私の真似をして膝を(はた)いた。

「ほら、夕焼け、きれいだね~~、大河。」

「うん!!」


手を繋いで、来た道を戻る。

二人で並ぶのがやっとの幅で、海と隔てる細い柵、反対側はそびえ立つ崖だ。


いくつかの起伏を越え、地区にひとつしかない民宿に戻り、おかみさんにハイヤーを呼んでもらった。

「真弓ちゃん、久しぶりだねぇ。元気にしとるみたいで、おばちゃん安心したわ。大河くんも、おっきくなったねぇ。」

「ありがとうございます。おかげさまで。」

深く礼をする私を、手を繋いだままの大河は、やたら機嫌がよさそうに、にこにこと見ていた。


「どうしたの? 大河。」

「うん。お母さんが元気だって、だから嬉しいんだ。」

「まあ、急に変わったことを言うのね。」

「あらまあ、大河くんは、しっかりしてるのねぇ。」


冷めた性格の子だと思ってたのに、今日はいつもの様子と違って、新しい発見をしている気分になる。

その分、10年という年月を感じて、私はまた穏やかな海を眺めた。


「ほらこれでも食べて待ちんしゃい。」とおばちゃんがくれた水羊羹を、民宿の玄関先で横に並んで食べていると、ちょうど一台の白いタクシーがやってきて、そこから、私たちは最寄りの駅に向かい、しばらくして到着したえんじ色の電車に乗り込んだ。




空いていた山側のボックス席に座ると、大河は物珍しそうにきょろきょろと周りを見回した。

車内は仕事帰りのサラリーマンと制服の学生が数人いるのみだ。


「うわあっ!!」

「大河っ、窓は開けちゃダメ! すぐにトンネルだから。」

重そうな窓の下端をがたがたと動かす大河を注意すると、「僕、開けようとしたわけじゃないよぅ。」と不満そうに言って、大河はぷいと窓の外を見る。


瞬間ごうっと、窓の隙間から漏れた生温い風が顔にあたった。

トンネルに入ったのだ。

しゃーーーという音が外と内を隔てている。

窓の外の景色はなくなり、代わりにガラスには、窓台に小さな手を添えた大河の顔が映っていた。


そのきらきらと輝く瞳を眺めていると、生きていてよかった、ほんとうにそう思うのだ。



つい先日、県境の岩場の先の海底で、10年前の車が発見された。

車内には、男性と女性の遺骨が残っていて、肝試しに行くと言って出かけ、行方不明届が出されているカップルだと、事故で転落したのだと、ニュースで一躍話題になっていた。


「やあっと上がった浦島太郎だなぁ。可哀想に。無事に戻れんかったんやな。」

嫁いだ先の舅がテレビを見て呟いていたのを横目に、私は畑でなったナスを3本、火であぶった―――。





「わっ、お母さん! 電気が消えちゃった!?」

大河の言葉にはっと意識が戻る。


電車内は薄暗く非常灯のみで、けれどすぐに、ジジ・・と音がして照明が復旧した。

「・・・ああ。電気の周波数が60ヘルツから50ヘルツに切り替わったのね。」

「えっ? なんで? お母さん。」

「それはねぇ・・・。」

足をぶらぶらさせて不思議そうに聞いてくる、これはいつもの息子だ。


そうして質問に答えているうちに、しゃーーーという音が止んだ。

トンネルを抜けたのね。

窓辺を見ると、そこには夜なのに煌々と眩しい青海の工場群が立っている。


「うっ、わぁ~~~!! すごいや! かっこい~~!!」

ガラスには、工場の数多の照明の中に一際きらきら輝く息子の瞳が、映っていた。



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いったい、大河は何をしているのかしら?


今日来ると言っていた息子からの連絡が、まだない。

得体のしれない不安を抱えつつ待っていた私の元に届いたのは、地元の警察からの電話だった。


着の身着のまま、心が逸るままに車を走らせて向かった場所。

それは、20年以上前の、()()場所だ。


心臓がおそろしいほどにばくばくと、背筋が恐怖に怯えている。


雨に濡れた後の路面に、数台のパトカーの赤いランプが映り込んでいた。

そのパトカーに囲まれるように、簡易チェアに座る青年

———茶色の大きな毛布を肩からかけて座る大河だった。


約半年ぶりに帰ってきた息子は、声を掛けるのも躊躇するほどに、ぐったりと生気のない姿だ。


「大河・・・。」

私の声に、大河はぼうっと頭を上げる。

眼鏡を外した大河の瞳を久しぶりに見た気がする。

どう見ても成人の大きな身体なのに、子どものようなどこか頼りなげな表情で、私を見ていた。

「母さん・・・。」


「・・・聞いたわ。大変、だったわね。」

「・・・・・。」

「大河?」

「なあ、母さん。・・・母さんは、今日、こんなことになるって、知っとったんか?」

私をじっと見つめたまま、大河は掠れた声で言う。

「・・・大河?」

「・・・言ったよな。気ぃ、つけろって。それに、母さんは、昔、ここで・・・。」

そこまで言って大河は、頬を震わせた。


「う、悪ぃ・・・。ごめん、俺、まだ、ぜんぜん整理、できてなくて。」

「大河・・・。」

ぶんぶんと頭を振る大河の毛先から、残っていた雨粒かあるいは夜露か、パトカーのカーライトの前に、霧になって散った。そして大河は、また私を見て、ぎゅっと唇を噛む。


「・・・俺や江梨花が正直に話したって、誰も信じてくれるわけがない。頭のおかしい奴だって、自分でもそう思うから。でも、何があったとしても、俺の友達がいなくなったのは、事実だし。()()()()、俺が助かったのも、事実、なんだ・・・。」

含みのある言い方をする大河に、私はとまどった。


この子は、いったい何を言おうとしているんだろう?


「ねえ、大河。お母さんは、大河が無事だっただけでも」

「ほんとに、母さんは、そう、思う? ・・・一太の、あいつのことも、そう思える?」

「・・・一、太?」


大河の目から、す~っと涙がこぼれ落ちた。

「・・・母さんなら、分かる、はずだ。あいつは、ずっとここにいる。俺らの代わりに。だから、俺は・・・!」

俯き頭をがしがしと抱え込む大河に、私はもう何も言うことができなかった。

ただ、震える大河の背をさすりながら、私は何度も通ったあのお地蔵様の顔を思い浮かべた。





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あれから約10年。


俺は大学を卒業後、大阪で就職し、それから間もなく結婚をした。

そして、この夏、約5年ぶりに、妻と子を連れ実家に帰省することにした。

「ねえ、大河のお母さん、お元気なん? 一回、この子の顔、見せに行かん?」

家に帰ろうとしない俺に、そう妻が言ってくれたためだ。


北陸道、県境が近づくと、自然と身体が強張ってしまうのは、いつものことだ。


でも大丈夫だ。

だって、山間にあった廃墟は、今は解体されてもうない。

下道に降りる予定もないし、天気予報は今日一日晴れマークだった。



「ねえ、ママ。僕、おしっこしたくなっちゃった。」

後部座席の息子の声に、バックミラーをちらと見ると、身体を捩じねじと動かしている。

「もうあと30分ほどだ、我慢できないか?」

「できないよぅ。」

「ごめんね、パパ、一番近いところに寄ってくれへん?」


そうお願いをされて、俺は一瞬、心臓が跳ね上がった。けれど、大丈夫だと言い聞かせて、ぐっとハンドルを握る。

「分かった。親不知インターで降りよう。」

ナビでちょうどあと1kmだったその出口で降りて、国道に、そして「道の駅」の駐車場へと入る。


10年前と何も変わらないその場所———案内所、自動販売機、それから観光案内看板。

息子を連れた妻が、ぱたぱたと看板隣の女子トイレへと駆け込んでいった。


俺もいったんは車を降りて、大きく深呼吸をする。

さわさわとした波の音、海の匂い。

予想していたより、心は落ち着いている。


そうすると、ふと、まゆこの笑顔が思い浮かんだ。彼女が笑い、耳たぶの白い玉飾りが揺れる。

それから、俺の肩に回した蒼空の腕の重みと無邪気な彼の笑顔。

「はあ、10年、かあ。」

記憶の中の二人の笑顔があまりにも幼くて、笑ってしまった。


「大河、戻ったよ。どうしたん?」

気付くと、横から妻が、怪訝そうに俺を見上げている。

その表情の現実感に、やけに安心した。

「いや、なんでも。ところで、太一は?」

「うん。それが、ちょっとだけ見てくる、って、あっち行っちゃって。」

指差す方向には案内所がある。

その建物の自動ドアの前に、立ち止まっていた太一が、するりと中へと入って行くのが見えた。


「一人は危ないだろう? 迎えに行くぞ。」

「ふふっ。パパも過保護やんね。」

「言ってろ。」

自然と早足になる俺の後ろをゆっくり歩きながら、妻はくすくすと笑っている。


でも仕方がないだろう。

ここであったことを、妻は知らないのだ。


何かに追われるような気分で辿り着いた案内所の自動ドアは、けれど、タイミングよく中から出てきた太一のせいで、しゅいんと開いてしまった。


「太一。あんまり一人で行くなって。」

「大丈夫だよぅ。ねえ、パパ、ネコちゃんがいたよ!」

にこにこと上機嫌に笑いながら、ぱっとしゃがみこんだ太一の背の影には、一匹の白い猫が見える。

太一はうんしょとその猫を重そうに抱え、俺に見せた。

「ネコちゃん、何かくわえてきたんだよ。」

「・・・何か?」


そのずいぶんと人慣れをした猫は、嫌がる様子もなく太一に抱かれ、そして俺の顔を見つめてくる。

そして太一が言ったように、口に何かをくわえていて・・・、

それは、ピンクと水色の、二枚の紙片だった。


何かがぞわりと、俺の背筋を這って行く。


おそるおそると猫の口元に手を遣り、紙片の端をつまむと、猫は見計らったようにぱっと口を開け、そして太一の腕の中から飛び降りた。

「ああっ、ネコちゃん!?」

追いかけようとする太一をぎゅっと抱え込み、俺はしわくちゃの、その紙片を両手で伸ばす。


そこに、マーカーペンで書いてあった言葉、それは。

『お母さん 心配しないで』

『僕はここにいるよ』




最後まで読んでいただき、ほんっとーーに、おつかれさまでした!!


わたしはいつも頭の中にある映像とサウンドを、なんとか言葉に起こそうと必死な思いをしてます。

だから、このお話も、頭の中ではもうエンディングロールまで、実はしっかり映像があるのですww

ということで

余韻は、ぜひ、この曲と共に

マンピーのG☆SPOTサザン

からの⇒フェードアウト

からの⇒親しらず子しらず(合唱曲)


それでは、また、別の作品でお会いしましょう!

もしよろしければ、評価☆☆☆ よろしくお願いします^^

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