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一つ、お尋ねしてよろしいですか?  作者: アキヨシ
第二章 俺tueeee!王子と婚約者候補たち編
20/35

4.目が覚めたら待っていたのは号泣とお説教でした

 

 夢うつつ、ずっと誰かに手を握られていた気がする。

 目を覚ましたら、実際手を握られていた。


「ベティ!!」


 母が大泣きしながら手を握っていた。

 後ろにはおばあちゃんの顔も見える。


 あー、おばあちゃんも涙目だわー。

 あらら、何で泣いているんだろう。

 んーと、えーと、何がどうしたんだっけ?


 なんて考えている内に、またうとうとと睡魔がやって来て寝てたんだと思う。


 次に目を覚ますと、おじいちゃんが居て、やっぱり涙目。

 その次はお兄ちゃんで、やっぱり泣きながら手を握っていたわ。

 あ、これ、回復魔法を掛けてるのね。


 ふと意識が浮上する度に違う顔ぶれで、その誰もが心配そうな顔をしていた。

 なにか聞きたいんだけど頭がぼぉっとして、すぐうとうとしてしまう。

 そんな事が何回かあった後、強引に起こされた。


「駄目よ、まだ眠らないで! せめてスープだけでも飲んで!」


 母が無理やりわたしの口にスプーンを突っ込んできたのには驚いたわ。

 具のないスープの次は、優しい味の麦がゆが少し。


 うとうとと微睡んでは目覚めた拍子に、無理やり何かを口に入れられ、抱き上げられてご不浄とか、生活魔法の洗浄とか掛けられている。

 そして母と兄と、時々叔父ワンコが回復魔法を掛けてくれていた。


 こうして献身的な介護を受け、ようやくはっきりと目を覚ましたのが、『俺tueeee!!王子』から威圧を受けて倒れてから、なんと一週間が過ぎていたのよ!

 あらあらあらぁ?


 あ、第一王子のあだ名ね、『クソ王子』というよりも“厨二病”の『俺tueeee!!王子』の方が自分的に笑えるのでそっちにシフトしたわよ。ふんっ!




 今日は、王宮付き医務官の診察を受けてるの。

 ウチと契約しているお医者さんもいるんだけど、王家の配慮によるものだってよ。


 お医者さんの手配の他に、王家からは謝罪とお見舞い云々のお手紙が来ていたそう。

 おじいちゃんは直で王様に会い、慰謝料とかの話もしてきたとか。

 ただ、残念ながら、婚約者候補の件は保留にされたって。


 なによ保留って。現状維持って事ぉ!?

 わたしは王子様の玩具じゃないんですけどぉ!


「ずいぶん良くなっていますよ。回復魔法使い三人が、毎日少しづつ回復させていっているおかげでしょう」


 どうやらわたしは、『魔力器官』に酷い損傷を受けていたそうだ。

 圧倒的な魔力差のある相手から威圧を強く掛けられ、それに対抗しようとしたのがいけなかったみたい。

 限界を超えてフル稼働して、オーバーヒートしたって感じ?


 この体内にある『魔力器官』という臓器は、大変繊細なんだって。

 損傷したからって回復魔法で一気に治すと、元通りに魔法を使えなくなったり、使えても以前の半分ほどの魔力しか扱えなくなったりと、弊害が大きいそうだ。


 だから、魔力の相性の良い相手から、少しづつ回復魔法で修復するのが一番良いという。

 相性の良い、というのは身内って事で、母と兄と叔父三人が交代で回復魔法を掛けてくれてた訳ね。


 この診察してくれているお医者さんも回復魔法の使い手だけど、診るだけで魔法は使わない。赤の他人だから。

 それだけデリケートな器官なんだってよー。


 魔力を持つ人間は、常に体内に魔力を巡らせているらしい。

 わたしがずっと眠っていたのは、その魔力を作る器官が傷を受けて十分な魔力が行き渡らないから、体を眠らせて回復を待つという、本能的なものなんだってさ。


「わたしが完全に治ったと判断する時まで、絶対に! 絶対に魔法を使ってはいけませんよ!!」


 すごい念を押して帰って行った中年のお医者さん。

 そしてこの件では、おじいちゃんからも厳重注意を受けた。


「少し治って来ると、つい魔法を使いたくなるし、実際使った奴がいてな?

 治りかけの器官の傷を悪化させて、そいつは二度と魔法が使えなくなってしまったんだ。

 そんな風になりたくないだろう? だから言う事を聞いて、絶対に魔法を使うなよ!」


 おじいちゃんが強面を更に凶悪にして言い聞かせて来たから、ただひたすら首を縦に振った。

 折角全属性の魔法が使える筈なのに、もし使えなくなったら泣くに泣けないわよぉ!


 それからまた一週間後、徐々に起きていられる時間が長くなって来た頃、なんとキリアン卿のお見舞いを受けたの。


 あらあら、母に会うついでのお見舞いかしら。


「いや、ベアトリス嬢のお見舞いだよ。それと、当時の状況説明と、後は……お説教、かな」


「え?」


「第一王子殿下のような、ずば抜けて魔力量が多い相手には、真っ向から立ち向かってはいけないよ」




これまで一話4,000文字前後で更新して来たんですが、他の方の投稿を見てみると、大体2,000文字以内なんですよね。

一話が軽く読める分量なのかなぁと、今回から少し文字数少なめの更新を試して行こうと思います。

この話で約1,800文字です。少なっ!

たまたま、ここがちょうど良い区切りだったんですよ。

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