←片想い→
お題をもらって1時間で衝動書きしましたにゃ。
よくあるお話。
名前とかまでいちおう考えてあるつもり。
きっと仕方のないことなのだ、この想いが君に伝わることがないのは…
当然だ。
口に出していないのだから。
僕は、たった3文字、「好きだ」の一言すら言えなかった。
君は昔からいつも、人気者だった。
人の話を引き出すのが上手くて、みんなから次々と話しかけられていた。教室では、人垣に囲まれていて、幼馴染の僕でさえ近くにいるのは容易じゃなかった。
すれ違って、すぐにわかった。
君だって。
長い付き合いだからね。
小さい頃には一緒に寝起きしたこともあったのに、今は君のその肩が随分と遠い。
肩を叩く手。
笑顔で振り返る君。
あぁ、そういえば結婚するんだってね。
君の親友が飲みの席で上機嫌に語っていた。
待ち合わせをして君に笑顔で迎えられるのは、僕が良かったな。
恋人繋ぎで1つになった笑い合う2人の影が、有名な装飾品店に消えていく。
君があんまり楽しそうに笑っているから、ついつられてしまった…君がいるのは僕の隣じゃないけれど。
◇◇◇
私は、待っていた。何年も。
君からの言葉を。
教室ではいつも、私に話しかけてくる人は多かった。
君はその集団の向こう側から、私を見てた。
話したいなら来ればいいのに、とも思ったけど、やっぱり君は君だったなぁ。
君は、口下手っていうか、目的の人がいるのに、緊張して友達に話しかけちゃうタイプだった。
そのせいで私の親友とは、大人になった今でも誘い誘われ飲みに行くような仲になってる。
昔…高校1年の頃くらいだったかな。
親友の男友達から、君が私の事好きらしいって聞いて、柄にもなく期待しちゃった。
それで、なんとなくだけど、私も好きなのかなって気づいたんだけど。待てども君は告白してくれなかった。
君の言葉を待つんじゃなくて、告白しようって思った矢先だった。君が告白されてるのを見ちゃったの。
君の返事までは聴こえなかったけど、顔を真っ赤にした女の子が好きです、付き合ってくださいって言ってるのが聴こえた。
その子があまりにも必死そうだったから。
君の気持ちを意識して初めて気づいた、ちっちゃな好きを伝えるのが、なんだか怖くなっちゃって。
親友にも言えなかった。
そのまま大学は分かれ、親同士の付き合いはあるものの、男女ということもあり、君とは少し疎遠になってしまった。
大学の後輩に告白されて、好きな人がいるからって断ったんだけれど…諦められないので、友達からお願いしますって言われて断りきれなかった。
そしてだんだん絆されて、結局付き合うことになった。
順調な交際は続き、結婚が決まった。
彼が好きって、私が返すにはかなり時間がかかった。
それでも、彼は自分の気持ちを伝えてくれて、私の言葉を待ってくれた。
一度、口に出すことが出来た彼が好きって気持ちは、音になる度、私の想いの形を確かにしてくれた。
考え込んでいると、肩を叩かれる。
あぁ彼だ、って自然と笑顔になる。
振り向くと、彼も笑顔だった。
今日はどんな指輪にしようかって、指を絡ませて笑い合う。
今となっては、人づてに聞いただけの君がほんとに私の事好きだったのかもわからないけれど、私は彼の隣で今幸せだよ。
お読みいただきありがとうございますにゃんฅ( ̳> ·̫ < ̳ฅ)
忙しすぎて、なかなか書く時間も取れずアイディアが積もるばかり…
出来る時に進めていって、亀の歩みでも他作品も投稿したいと思いますので、良かったら読んでくださいにゃ(*ฅ́˘ฅ̀*)
ちなみに蛇足。お名前と軽い設定をば。
僕=マモル
・気が弱い
・緊張しやすい
・人の幸せを喜べるいい子
・割とモテる
私=アカリ
・人気者
・笑顔の可愛い子
・僕の幼馴染
親友=サヨコ
・サバサバ系
・僕と仲良い(僕のこと好き?かもしれない)
男友達=タツヤ
・空気読めない系パリピ
・僕と意外と仲良い?