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三上君と女好き美少女R

作者: みららぐ

同じクラスの美少女、水城さんのことが普段から気になっていた三上君は……。


ほのぼの系の超短編青春ストーリーです。

本当に短いので、気軽に読んで下さい!

5月中旬の、ある日の週末。

友達の真壁と映画を観に行って、その帰り。

俺達は、たまたま。

ほんっとうに、たまたま、同じ学校に通う同じクラスの女子、水城さんと出会した。


「…あ」

「げ、」

「…、」


水城さんとは、先月の春に新しいクラス内で知り合ったばかりの仲。

彼女はクラスの中でもダントツの美少女だけど、いまいち何を考えているのかわからない不思議なコ。

ちなみに、水城さんを見て「げ、」と言ったのは真壁。

水城さんは、ほとんど反応はしない。

ただ、目をぱちくりとさせているだけ。


「奇遇だね。独りで買い物?」


そんな水城さんに俺がそう聞くと、水城さんは「…別に」と答える。

だって、出会したこの場所は大きなショッピングモールだし。


知られたくないのかな。

彼女の左手には、紙袋に包まれた本?のようなものが抱えられている。

大きさからして、写真集とかだろうか。水城さんは何故か女の子が好きみたいだし。


俺が水城さんを見ながらそんなことを考えていると、真壁が言った。


「っつか、日曜日にぼっちとか寂しいヤツだな」

「!」


そう言うと、憎たらしく、鼻で笑うそいつ。

真壁と水城さんは何故か性格が合わない。

キミは女の子に向かってなんてことを言うんだよ!

俺は慌ててフォローしようとしたけれど、その前に水城さんが言った。


「せっかくの日曜日なのに、男二人でいる方が引くけどね」

「は?」


水城さんは真壁の言葉にそう反抗すると、口を膨らませて俺達から目を逸らす。

…さすが。真壁にこんなこと言える女子って結構貴重だ。

真壁は普段から女子によくモテているから。

って、感心してる場合か俺!


「ちょちょちょ、喧嘩はやめようね二人とも」


こんな広いショッピングモール、しかも日曜日という人がわんさかいる場所でこの言い合いはマズすぎる。

俺が慌ててそう言って割って入ったら、二人はすんなりやめてくれた。


「…」


でも、マズイ。

水城さんが明らかにまだ不機嫌だ。

真壁は別にどうでもいいけど!けど!


「あー…水城さん、良かったら一緒に買い物しない?」

「えっ」


未だに口を膨らませたままの水城さん。

彼女になんとか笑ってほしくて、思わず俺はそう誘ってしまう。

なんたって彼女は、笑顔が可愛すぎる女の子だから。

でも、少しでも良い雰囲気に持っていきたくて誘ったのに、俺の隣で真壁が言った。


「おまっ…三上何言ってんだ!」

「え、何で。いいじゃん、人数多い方が楽しいし」

「だからってよりによってコイツとショッピングはないだろ!」


俺の寿命を縮める気か、と。

よくわからないけれど、真壁に必死で命アピールをされる俺。

けど、俺も男だし。

男が男を優先するのはゴメンだ。

ってことで、水城さんを優先することにした。


「真壁のことは気にしないで、水城さん」

「おいっ」

「一緒に、買い物しよ?」


楽しいよ、と。

彼女を誘ってみる。

そんな俺に、後ろでご立腹の俺様真壁様。


俺が真壁を無視して誘うと、その瞬間後ろでそいつがとんでもないことを口にした。


「っつか三上、お前やたら水城に優しいよな」

「え、」

「あ、わかった!…好きなんだろ、」


最後の一言は、さすがに水城さんには聞こえないような小さな声だったけれど。

いきなりそんなことを真壁が言い出すから、俺は思わずビックリして真壁を見る。

ほんと、コイツは次に何を言い出すかわからないから怖い。


「ち、違う!違う違う!」

「えー」

「すっ好きなはずないだろ」


何を言い出すんだよ、と。

一方の俺も小さな声で、必死に真壁に否定する。

けど多分、顔が赤いと思う。

それでも俺は否定した。その考えはやめてほしい。


しかし、そんな極秘の会話を二人でしていると、不思議に思ったらしい水城さんが言った。


「…二人で何話してるの?」

「!!え、」

「ってか三上くん、せっかくのお誘い悪いけど、あたしこのまま帰るね。さっき買ったばかりの写真集、早く見たいし」

「…あ……そうなんだ」

「ん、バイバイ」



水城さんはそう言うと、本当に俺達から離れて帰って行ってしまう。

っつか、あの袋の中身、本当に写真集だったんだ…。

俺が水城さんの背中を見つめていると、隣で真壁が「残念だったな」とわざとらしく笑った。


「だ、だから違うって!」

「あー、ハイハイ。そういうことにしておく」

「も、だからー!」






【三上君と女好き美少女R】






最初は、ツンとした彼女の雰囲気が苦手だったけど…

今は凄く、気になる存在なのです…。

だいぶ前に長編で書いていて、間違えて消してしまった今作品の一部分を思い出して切り取ったものです。

読んでいただき、ありがとうございました!

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