読み専から書く方に回って感じたこと……
(まずいな……)
内心つぶやきながら、PCと睨めっこをする。
PCゲームをしているわけではない。大学のレポートをしているわけではない。会社で使う書類を作っているわけでもない。
小説を書いているのだ――
全ての始まりは、2016年の夏休みだった。
当時は高校2年生で、夏休みの宿題というものに追われていたのだが、その時は息抜きをしていた。
息抜きにしていたのは、携帯で小説を読むこと。ネット上で有名なサイトに投稿されている小説を読むのだ。
そして今に至るまでの始まりとなる出来事が起きたのは、ちょうど夏休みの真ん中あたり。
とある異世界ものの小説を読んでいるときにそれは起きた。いや、起きてしまった。
その小説は、クラス全員が異世界に召喚されて、主人公だけがどこにでもいる職業。その主人公がクラスの1人に裏切られて、どん底から這い上がり、気付けば人類最強というどこにでもあるような話。
この時何を思ったのだろう。
自分の部屋がある2階からPCのある1階のリビングに降りて、PCをつける。
そしてWordを開いて、物語の進み方を書き始めた。
これが今後、『趣味が小説を書くこと』という引き金になったのだ。
この時に書き始めたのは異世界系ではない。いうなれば、SF系だろうか?
20XX年の地球が物語の始まり。世界は人であふれかえって食料が不足。そのため各国で戦争が起きた。最悪なことに生物兵器が使われ、地球に住めなくなる。
仕方なく人類は別の惑星に移住するのだが、そこで未知の大型の生き物に攻撃されたり、知的生命体に襲われたりする。そんな状態で主人公となる少年が必死に生きる様を書こうとした。
だが積んだ。設定があまりにも無茶だったのだ。流れが思いつかない。結果、放棄。
その後もいろいろな物語を頭の中で考えるが、どれも詰まる。
最終的に行き着いたのが、異世界系。学生と職員が異世界に召喚される話。
初めに大まかな流れを考える。
どのように召喚されて、どのように元いた世界に帰るかまでだ。もちろんこの時は進み方はほとんど考えていなかった。
次に考えるのが主人公の設定。これは安定の最弱。一番書きやすいと思ったからだ。
そして異世界の設定であったり、国の配置を考えた。地球の地図を引っ張り出してきてそれをもとに考える。
そこまで来て、小説を書き始めた。この時には、たくさんあった夏休みも残り少なかった。
急ピッチで進める。
しかし初めて書く小説だ。進展が早すぎたり表現が悪かったりと、あまりにもひどい。何度も書き直しをしつつ書き溜めを作っていく。
この時は満足していたが、まさかこれが今後、自分自身を苦しめるとは思ってもいなかった……
学校で勉強をしつつ、小説を書く。そんな日々を過ごしていると、あっという間に1年がたって再び夏休みに。
ほとんど変わらない夏休みだが、変わったこともある。
大学受験だ。だが勉強が苦手なうえに、将来なりたい職業が決まっていたので、専門学校に通うことに決定していたので小説を書くのに夏休みをついやす。
結果、書き溜めは順調に溜まって、投稿を始めても大丈夫なほどになった。だが決心がつかない。
怖いのだ。
夏休みに投稿を開始しようと思っていたが、投稿は始めなまま2学期が始まった。
2学期には体育祭があり、その練習は体育の時間に行われる。そのため体育のあった日は、小説を書こうとは思えないほど疲れる。結果進まない。
しかし、同じ部活の友達と小説の話をし、その時に自分が小説を書いていると打ち明けた。その時からアドバイスをもらい始めた。
体育祭の本番中も小説の話をしたのは内緒だ。
そしてさらに時間は進んでいく。
季節は冬を過ぎ、春になる。
出会いと別れの季節。
3月31日。寒い体育館で在学生と教職員。そして親が見守る中、3年生は椅子に座って名前を呼ばれるのを待っていた。卒業式だ。
別に大したことはなかったので飛ばす。
だって、この話に関係ないし、無駄に書いても書く方が大変だからだ。
まあ、その時の俺の気持ちだけは書いておこう。
その時の俺の気持ちは『つらい』でもなく『もっと高校生活楽しみたかった』でもなく『今後が心配だ』でもなかった。
『早く家に帰って小説を投稿したい!』だった。
我ながらアホである。
大事な式中に小説のことで頭がいっぱいだ。
式が終わると、一度教室に戻る。
そこで担任の先生の話を聞いて、その後みんなで記念撮影。
記念撮影が終わると、すぐさま自転車置き場に向かってダッシュして帰る。
あまりにも早かったためなのか、それとも俺には用がなかったのだろうか。
自転車置き場の近くにいた在学生は俺に声をかけなかった。見た感じ卒業生とは思いもしなかった感じだが……
ともかく、俺は家に帰ると、すぐさま小説を投稿した。連載小説となる第1話の投稿だ。
この時の俺は、間違いなく卒業式より緊張していた。
そして今。第1話を投稿してから、2か月が経とうとしている。
専門学校に進学し、新しくできた友達と投稿の話をし、時には相談し、時には指摘を貰って大規模な書き直しをしながら今は頑張っている。
大規模な書き直しはすごくきつかった。
20話分ぐらいを始めから読み直して書き直していくんだよ?
昔の自分を恨んでやりたいよ! まさかここで満足していた、過去の自分を殴りたい衝動に襲われるとはな!
ともかく、なんやかんやあったが、学校生活と小説を投稿する趣味は共に楽しんで出来ています。
あれ?
今、この短編小説に書いた分を読み直したのだが、最初と今では書き方が違うような……
まあいっか!
いや、小説を書く者として良くないのは分かっている。
でも面倒じゃん? 書き直しとか?
ともかく、連載している小説はそこそこブックマーク者が多くなってきています。と言ってもまだ50人ほどですが……
そりゃ、1万ユーザーからブックマークされている人と比べると天と地の差がありますよ……
ここで題名となっている『読み専門から書く方に回って』ということについて書かせていただきます。
といってもまだ2か月もたっていない者の感想ですが……
もうね、ブックマークをしてくださる人が1人でも増えると、ニヤニヤが止まりませんよ。
気持ち悪いとか言わないでください。
初のブックマーク者が1人になった時なんて、踊りそうになりましたよ。
踊りましたが……
ともかく、ブックマークが増えるということは、それほどうれしいです。
読んでくださる人がいると、自然と書くモチベーションがあがります。
それに自分の考えている情景を文字にするのは楽しいです。相手に伝わらないとだめですが……
あと、話の流れを考えているときも楽しいです。
もちろん、きつい時があるのは変わりません。
特に行き詰まった時なんて。最初に書いているように、PCと睨めっこしていますよ。
今も行き詰まったので、息抜きにこれを書いています。
ですが、一気に進むときは何時間でも書いています。気が付けば4時間ぶっ続けで書いていたり……
そして書き直しをする羽目になると……
読み専から書く方に回って感じたことをまとめると……
『大変な時はあるが、その分楽しいこともある』
ということですね。
最後にですが、これを読んでくださりありがとうございます。
共感してくれる人が1人でもいてくれると、うれいいです。
そして、作者はまだ未熟者なので、頭の中に思い描いたものを表現することがすごく苦手ですが、これからも頑張ろうと思っています。
もしよろしければ、連載している方の小説も読んでください……
すみません。最後に一言だけ。
最初の書き方が物語系の小説っぽいのに、いつの間にか独り言を書いている感じになっている!