89/236
流れ星
流れる星はとても自由。笑い声をあげながら、夜空をすうっと滑ってゆく。
昼空を選んだ星は、早く地上へおりたいらしい。あんまり華々しく目立つことはしないで、ぽつん、と海にでも入りたがる。
地球担当の先生は、天候やその日の海、空の状況を確認して、事故がないよう、当日はとても気をつかう。そのぶん、星の望んだとおりに、目立たずおりることや、派手に輝くことができれば、やりがいも感じられる。
水星や火星に行きたがる星より、ブラックホールに挑戦したがる星のほうが、先生としては指導が難しい相手だ。なにぶん、うまく観察できない。ブラックホールなので、なかなか最後まで立ち会えないのだ。星自身が満足できたか分からないけれど、毎年、希望する星は後をたたない。
七夕には、群れたがる星々を連れて天の川を渡り、おりたい星の候補を決める準備が始まる。
今年はどれだけの星が、どこへ流れるか。先生は、予定通りにならない計画表を見てこっそりと息をついた。
#第13回_月と星と夜空のTwitterシェア企画展




