↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
84/246

歌う小鳥/土地の見る夢

歌う小鳥


 あたし、小鳥。好きな声で鳴くの。明るい時は明るい歌。雨が降る日は雨の歌を。

 あたしが生まれた時に、多分どこかの神さまが決めたの。あたしが歌うようにって。

 その神さまは今あたしの胸の中で鳴いてる。

 あたしの羽と嘴にかけて、神さまがさみしくないように、面白おかしく生きるの。

 だからあなたも楽しく生きて。あたしのことは忘れていいから。酒もタバコも夜遊びも、してもしなくっても構わない。小鳥が、鳴いてたことも忘れていい。

 でもこの空を明けさせたのは、あたしの歌。あたしたちの願い。そぼ降る雨も、晴れた日も、全部あたしたち小鳥の願いのはて。

 あなたはあなたの誇りをかけて、あなたの歌を口ずさむ。




土地の見る夢


 仕舞でも、多少窮屈だった。舞台上には大道具もなく、客電は落とされ、スポットだけがこうこうとついている。

 上着が邪魔で、袖を裏返す勢いで脱ぎ捨てる。足拍子は崩さない。

 舞囃子はないが、舞ううちに客席の向こうから笛の音が聞こえてきた。扇もないが、きちんと「届いた」らしい。

 先日まで血なまぐさい活劇をかけていた舞台は、当地の記憶を呼び覚まし、夜な夜なナニカが出るようになった。明日のライブで歌えば祓えるとはいえ、あまり現代的な歌で左右するのも哀れな気がした。古い所作に拍子を合わせた異界の者が、場を塗りかえる。すい、と一段空気が軽くなる。

 最後に謡をひとつ。もう、この地は悪夢を見ないだろう。

第五十三回のお題「歌」#Twitter300字ss @Tw300ss‬

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。