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しょくじ

しょくじ


 鶏は改良されました。より食べやすく。植物もそう。野生のままだと消化にエネルギーを使うので。

 私たちも改良されて、ときどき一人ずつさらわれます。魂を取られたり、体の中身を奪われたり。

 誰が食べるのか分からない。食べているところは見たことがないけれど、鶏だって、自分たちが食べられているところはあんまり見ないでしょう。見たら逃げだすかも。

 首をはねられた鶏と、この世でお別れして食卓を作ります。

 ヨミちゃんの料理は上手だから、あの世におりる人にふるまってあげてね、そういう指示をどこかで聞いたので、私はもう長いこと、大岩の横で、迷子の人たちに食事をふるまっています。

 この世とあの世の境目。食べるともう帰れないのに、だまされた人たちは美味しいと言って食べている。

 私は微笑んで、彼らのために食器を片付けて、その先の大岩をくぐらせます。

 さようなら、その先に何があるのか、知らないけれど、きっといいところなんでしょう。誰も帰って来ないので。

 私はまた次の誰かのために食事を作り、うとうとしながら昔の夢を見ます。

 食事以外の、何か分からない思い出の世界。出られない役割の、外側を探して。

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