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おくちに人魚

 人魚が大量に獲れるという浜辺で、人魚のおどり食いをやっていた。白魚のように、小さな人魚を飲み込むらしい。

 浜辺の店の外で、人魚の稚魚は、たらいに張った海水の中を退屈そうに泳いでいる。

 その、小さい目、色とりどりの鱗、ぬるりとした手指を見ていると、とてもそのままでは食べられない気持ちになる。

 あんまり見ていると飲まれますからねと、店員に注意された。ときどき、人魚にとりつかれてそのまま海に身を投げる人間がいるのだという。

 店内で、人魚のかき揚げ丼を注文する。すぐにあつあつのサクサクなものが出てきた。手足を取られたエビみたいなものだ、ほとんど人魚とは分からない。味もシラスに似ている。

 近くの、他の客は、口の中ではじける人魚を楽しんでいるようだ。ときどき泡になって消える個体もあるという。

 かき揚げ丼の具材は、本当はシラスだったのかもしれないが、シラス丼の二倍くらいの代金を払って店を出た。

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