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紅茶とケーキ
今日はさんざんだった。事務仕事を終えて足早に駅前のカフェに飛び込む。イートインにはまだ幾人か、コーヒーや紅茶をちびちびと減らす人が居る。
注文の皿を前に、深呼吸する。損なわれた自尊心の、最後のかけらが、モンブランのてっぺんに残っている。モンブランの偽物めいた栗の味を、フォークで拾って口に運ぶ。紅茶も飲む。
紅茶のほのかな渋みが、クリームを押し流し、栗の実のかけらは噛み砕かれてともに胃袋へと消える。
今日はさんざんな目にあった。けれど、ケーキと紅茶が美味しい。
この世に存在するための目方ばかり増やしているので、もっと他の気分転換方法を考える。思いつかないので、紅茶の水面を眺めていた。




