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ここは約束の地/約束の果て

ここは約束の地


 約束をしよう。必要のない嘘はつかない。人間や他の生き物、彼らの大切なものをできる限り守る。君自身のことも守る。

 幼い頃に、彼はそう言って、私と指切りをした。

 私は幼くて、何度も、できもしない約束をした。後悔なんてしないけれど。


「なぜ」

 銃を構えて私は呻く。

 人間を大量に飼うと、仲間割れを起こす。だから高位知性たちは人間を個別の区画で育てた。最近高位知性同士でいざこざがあり、私は保護者である知性を守るために準備を進めていた。

「人間は、守るために他を殺す。それを良しとしない知性たちの罠だ」

 私の前に立ち、敵の銃を受けて転がったのは、私の保護者。

 私にも銃口が向けられる。




約束の果て


 放課後の校舎裏、女子学生は相手を睨みつけた。

「願いを叶えるには、代償が必要。本当にいいの?」

「いいんだ」

 彼女と付き合いたい、今度の試験であいつに負けたくない、そんなもののためにこの代償を引き受けるなんて。

「病を治したいとか、寿命を伸ばしたいとかじゃなくてよかったけど」

 女子学生は、試験のヤマをはった紙を渡す。

「貴方は代償を払い続けることになる……手始めに、そこの藪に入って」

 現れたのは、黒々とした蚊の大群。

 もがき苦しむ相手を、女子学生はため息混じりに見守った。蚊の化け物を続けるのも大変だ。主人のために血を集め続ける。

「本当に。不老不死なんて願うものじゃない」

第四十四回のお題「約束」#Twitter300字ss @Tw300ss

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