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誰かの何かの特別に

「クローバーはね、踏まれたところが四つ葉になる」

 傷になるからね、と先生はまことしやかに言う。

 中庭は静かで、たまに先輩たちが通り過ぎる。

 日が当たると光が反射して本が読めない。だからわざわざ茂みに隠れて読んでいたのに、先生はクローバーの話をするし先輩は本は明るいところで読めと言うし、さっきから隣に、草をむさぼるうさぎがいる。

 ため息をついて本の隙間にハンカチを差し込む。うさぎから奪ったクローバーも。

 傷つけられているくせ、三つ葉のまま。私も先生も先輩も、四つ葉になんてなれるだろうか。

 誰かの何かの特別に。

 ならなくたって別にいいけど。

 うさぎも日向も、暑いくらいに暖かい。

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