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サイワイの赤い実
贈り物を貰った。お礼にサイワイを一つあげた。真冬、赤い実一つでも、相手の心をあたためるには十分だと思った。
次の冬、また贈り物を貰った。
サイワイはたくさんあったから、乞われたとおり、たくさんあげた。
次の冬も、また次の冬も、贈り物を貰ったお礼に、サイワイをあげた。
ある冬、贈り物が口をきいた。
「サイワイとは何ですか」
喋る贈り物は初めてだ。
食べずに、サイワイのことを教えてやる。
サイワイを一粒食べると、土地が百年栄える。自分の鱗から生える、宿木の一種。
「収穫を増やすと偽り、生贄を求める怪異め」
金物で切られた。くれるから貰っただけなのに。
谷中に龍の叫びが響き渡る。
「サイワイの赤い実」
オリジナル
ちょっと後味悪め。
第三十八回のお題「贈り物」#Twitter300字ss @Tw300ss




